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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
Title Author(s) Citation Issue Date URL 1-5 T細胞分化過程におけるレトロウイルス感染と分化異 常の解析(X.共同利用研究 2.研究成果) 速水, 正憲; 伊吹, 謙太郎; 三宅, 在子; 竹村, 太地郎; 秋山, 尚志; 斎藤, 尚紀 霊長類研究所年報 (2005), 35: 91-92 2005-08-31 http://hdl.handle.net/2433/166175 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 休息,探索.自己指向的動作,移動,社会交渉,その のもっとも大きな調節機能は自己反応性の細胞 と括抗 他に区分 し. ケージ個体は 1日9時間の観泰を9日間, して,末梢性の自己免疫性応答を抑制す ることにある. . 屋外個体は 1日3 0分の観察をエンリッチメン ト前後に さらに,この亜集団は種々の感姓症やアレルギー疾患 0日間おこなった.その結果,ケージ個体は休息と 各3 においても.重要な調節性の役割を洪 じている.私共 自己指向的動作が全体の 80. 6%,屋外個体は休息と移 は,免疫生物学的 目的か ら,主にニホンザルを中心 と 動が 68. 1 %を占めた.ケージ個体は 68. 1 %を 1ヶ所で過 するマカク類における.この荘柴田の役割に注 目した. ごし.屋外個体は高所で 73. 9%を過 ごし,様々な高さ 今回は,末梢血中の CD25+cD4十細胞の割合を,健常な を利用 した.エンリッチメン ト前後で自己指向的動作 サルの末梢血と免疫系にゆらぎの生 じるよ うな状態の は 5. も%から 0%に消失 した.以上から,ケージ単独飼 サル末梢血の亜袋田を調べた. 育では活動性が低いこと,自己指向的動作は環境間で 大きく変化 し.心理的幸福の行動指標 とな りうること 方法 :抗体はベ ク トン ・デ ッキンソン杜p・ D 杜) の CD4・ PE.CD25・ FI TC ラベル抗体を用いた.サンプル が示唆された. は末梢血より採血 し.-バ リン処理血液 として.高速 1 3霊長類の潜伏感染 ウイルスの比較 と動態 遠心後,buf &c oa tを採取,L1 2培地に懸濁 し.宅配便 にて.本学に輸送 した. リンパ球分離のために,この 石田貴文,セ-チャン ・ヴァンナラ ( 東衷大 ・理) 潜伏感染するウイルスは直接症状を呈さなくとも, ( s t o pa q ue1 . 07 7に塵屈 し,2, 0氾r pm で 30分 懸濁液を Hi 遠心 し,中間層を採取 した.この層は 82%か ら 95% が リンパ球であった.この細胞を l mlに百万個になるよ その感染が間接的に疾病の発症 と関わることが多く, うに浮遊細胞液を作製 した.百万個の細胞を用いて, それ らウイルスのモニタ リングは人猷問わず公衆衛生 du a l染色を行い,F ACSCa l i bu r( B・ D 社) を用いて,プロ 学的に重要である.本研究では.常在 ウイルスの うち ピジュム染色で FL3上の陽性細胞 として除外 して,チ ,1 ) γ-ルペスウイルス( L y mph o c T y Pt O V t ' r u s ) を対象とし ータ採取 と解析を行った. 霊長類各種におけるウイルス検出 ・ゲノム比較と2)宿 健常なニホンザルのこの亜集団の割合は, リンパ 主の健康指標 として細胞外ウイルスゲノムの検出をお 球中 0. 2から 1 . 5%で,人やマ ウスで報告 されている値 こなうための基礎研究を行った.r-ルペスウイルス に近い と思われる.主に外傷などの疾患の場合,この 亜集団の割合が高 くなる個体もあったが,正常値内に ( pr ima t el m phoc y r y pt o ir v uS ) の系統比較 とコアシーケ ンス ( ウイルスの存続 ・病原性等に関わる普遍的配列) 収まる物 もあった.この亜免田の割合を上昇 させ る要 の同定のため,大型類人猿から新世界ザルまでを対象 因 との関連を見つけることは出来なかった.さらに, とし採血 した. この集団のサイ トカインプロファイルを調べるために, 霊長類 L y mph o c T y Pt O V i r u sのコアシーケンス検出用 PCRプライマーの設計をおこない. ヒト・類人猿 ・旧 この集団の精製を試みた.そこで,CD25+cD4+ 蚕典団 を分離するキッ トを検討 したが,マカク類サルでは純 世界ザルのウイルスについて検出可能であることを確 皮,回収共に不十分であった.組織内での分布につい 認 した.このプライマーを用い既存の霊長類細胞株中 ては,現在検討中である. の r-ルペスウイルス感染の有無 と塩基配列を調べた ところ,意外にもヒ トウイルスの感典が多く見られた. 1 5T細胞分化過程におけるレ トロウイルス盛典 と分 健康指標 としての細胞外 ウイルスゲノムについては, 化異常の解析 チンパンジー血焚 ・唾液を用い リアルタイム P CR法に 速水正鼠 伊吹謙太郎.三宅在子, よってゲノムの有無 とコピー数を罪定する系を確立 し た. 竹村太地郎.秋山尚志.斎藤尚紀 ( 京都大 ・ ウイルス研 ・霊長類モデル研究領域) 昨年度に引き続き,レ トロウイルス感染の胸腺細 胞分化 ・増殖過程に及ぼす影響を,供与 された正常ア 1 ・ 4様々な疾病におけるマカク類サルの調節性 cD4細 カ ゲ ザ ル 胸 腺 (8 ケ 月 令 , 1 頭 ) と xe no ge ni c 胞塊団の変化 と機能 中垣和英,中村伸一朗 (日本獣医畜産大 ・獣 mo nke ymo us ef e t lt a hy m uso r ga nc lt u t qe伊TOC)s ys t e m を用いて解析 した.FTOCs ys t e mは i r r ma t u r et hm y oc y t e 医),後藤俊二 ( 京都大 ・霊長研) cD2 5+cD4+細胞サブセ ッ トは免疫応答の調節機 能を有する細胞亜典団としてしられている.この集団 / 4・ / 8 ・ )か ら ma t ur et hy m ocyt e( CD3 +/ 4 +/ 8 +)に分 ( CD3・ 化 ・増殖させ る事の出来る臓器培養系であ り, ウイル スを加えない場合には, 培養 1 4日目で約 75%が ma t ur e -91- h ty m oc yt e L に分化 ・増殖 した.一方,強毒 ・弱毒サル/ ッ トに比べて,01年 ・03′ 年キ ッ トは発色がやや不良で ヒ ト免疫不全キメラウイルス( S f HV) をこの培養系に加 oD値が低めとなったが,診断キッ トの根幹である r 陽 えると,それぞれ 38. 1 %,44. 2% とな り,分化が抑制 さ 性 ・陰性の判定」の点では,長崎で行った診断結果( 追 れ ることがわかった.この ことは, ウイルスがその病 99 読)と差異はなかった.04 年 ロッ トは,抗原濃度を . 原性の程度に相関 して未分化 なT細胞の分化 を障害す 年 レベルにまで戻 し( 上昇 し) たので,良好な検査結果が る可能性を示唆す るものである.今後 さらに例数 を増 得 られ るもの と期待 している. や し再現性を確認す ると共 に,ウイルス感染 によ りど の様なメカニズムで分化 が抑制され るのか, この系を 2 1 ウマヤザル信仰に伴 う頭蓋骨の調査による口承 と 用いて詳細に検討 してい きたい. 生息分布域の相関関係 中村民彦 1 6m 2抗原等 を用いたマカク血清 BV抗体調査 と陰 ウマヤザル信仰 とは厩に猿の頭蓋骨や手を紀 り牛 馬の健康や安産などを祈願 したものである.当信仰 は 性 コロニーの作出 佐藤浩,大沢-貴 く 長崎大 ・先導生命科学研 東北全域に流布 していたが,近代から現代における残 究支援セ ンター) 留形態や 口承の全容は充分に解明されていない.更に, これに関係す るニホンザルの捕獲や捕殺の方法 も不 明 B ウイルス( Ce r c o pi he t c i nehe r pe s ir v us1) は自然宿 主のサルでの致死的感染 は例外的であるが, ヒ トに感 である.今年度 も当風習を知る古老からの口承を求め, 触す ると致死的な疾患を引き起こす ことが知 られてい 聞き取 りにより記録 し,ニホンザルの生息分布 との関 る.このことか ら,簡便 な抗体検 出用のキ ッ ト開発が 係 を明 らかに しようと岩手県を中心に調査を行 った. 求め られているが,国内では B ウイルスの大息培養に 調査の結果,従来発見されている事例 も加 えると軽米 よる抗原作製は不可能である.最近 B ウイルスと近縁 町1 ,山形材 6,久慈市 1,野 田村 1 ,玉山村 1 ,雫石町 のヒヒ-ルペスウイルス ( HVP 2 )抗原が抗体検出に非 2,新里村 2,沢内村 1 ,東和町 1 ,北上市 2.江刺市 1 . 常に有効であることが報告 された ( LAB,1 999 ).そこ 胆沢町 1 ,大東町 1 ,前沢町 2,藤沢町 2,平泉町 1の 2抗原を用いた B ウイルス抗 で本突・ 験施設では,HVP 計 26の事例を記録す る事ができた.保存形態の内訳は 体検出用 ELI SA キ ッ トを作製 し,希望する研究機関に 頭蓋骨 2 2 ,手 4である.頭蓋骨では牛馬の守護神,莱 銃布す ると共に,キ ッ トの安定性 の調査お よび換作性 用,安産,火災防止などの口承事例を得た.手につい の向上を図るため,頒布先の機関よ りキッ トを用いた ては種蒔 き時に使用すると豊作 との口承事例を得た. 検査結果 と検査血晴の送付 を依頼 している.今回,1 97 6 頭蓋骨には無病息災や家内安全を,手には五穀豊穣 を 年か ら20 3年にかけて京都大学霊長類研究所で採血 さ と.祈願の内容に使い分 けが認められる.一方,捕猿 れたニホンザル血清 793検体についての検査を行った や捕殺の方法を詳細に知 るインフォーマン トは発見で ので報告す る. きなかった.当信仰が広 く分布 し,こうしたサルの需 要にサルマタギのような供給者が関与 していたな ら県 【 材料 と方法 】 検査材料-8 0℃で凍結保存.遊星 月 ウイルスの代 下のサル生息地の消失を招いた狩猟圧の原因になった 替抗原 として ヒヒ-ルペス ウイルス ( HVP2 )抗原 を 可能性 も考えられ る.ウマヤザルの風習 とニホ ンザル vc r o細胞に感染 させ ,3648時間後 に感染細胞 を回収 し, の分布空 白域 との関係については,次年度以降の調査 可溶化後,遠心上清をウイルス抗原液 とした.対照 と で更に検討を重ねていきたい. して非感染 ve r o細胞抗原 を用いた.反応 と発色 96穴 プ レー トに 2008 0 倍希釈 ウイルス抗原 をコー トし, 2 2GI S を用いたニホンザルの行動圏利用に関わる要 抗原プレー トとした.発色には ビオチン化抗 ヒ トI g G, アビジン ・ビオチ ン化ペルオキシダーゼに よる増幅を 因の評価 辻大和 ( 東京大 ・院 ・農学生命科学) 介 し,OPD を基質 として発色 させ,硫酸にて停止後, 本研究ではニホンザルの行動圏利用に関わ る諸要 波長 492mm にお ける吸光度 を測定 した. 因を定立化 し,各要因がニホンザルの生息地利用 に与 【 結果】検査の結果,陽性 :229,陰性 :557,不 える影響の相対的な重要性を把握することを目的 とす 定: 7とな り,陽性率は約 29% ( 229 〝9 3) であった. る.本年度は,泊ま り場の選択 と温度環境の関連性 を 2001年以降,陽性率が 1 0%前後 を推移 し,それまでの 示す こ とに重点を置いた.宮城 県金華 山岳北西部の 約 40%に比べて大きく低下 していた.S PF コロニー作 様々な地形 6 タイプ 1 0箇所( 尾根 ×3,沢 ×3,海岸, 出が本格化 していることが うかがえた.99年 ・00年 ロ -921