...

膵臓癌 手術不可 当院治療 1 年 10 ヶ月 ジェムザール併用

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

膵臓癌 手術不可 当院治療 1 年 10 ヶ月 ジェムザール併用
膵臓癌
手術不可
当院治療 1 年 10 ヶ月
ジェムザール併用
平成 17 年 6 月
新免疫療法(NITC)開始から 6 ヶ月目
35×31×23mm 大
=24955 mm^3
平成 17 年 11 月
11 ヶ月目
24×27×16mm 大
=10368 mm^3
エラスターゼ (ng/ml)
CA19-9(U/ml)
IL-12(pg/ml)
IFNγ(IU/ml)
NK細胞比率(%)
活性化NK細胞比率(%)
患者様は 71 歳の男性です。平成 16 年 12 月に総合病院で膵臓癌が疑われて、
大学病院で手術を受けるように言われました。
60
膵臓癌は治療が難しいから、新免疫療法(NITC)を早く始めたいとの希望で、
NK細胞比率:11以上
50
活性化NK細胞比率:10以上
平成 16 年 12 月から開始しています。
40
平成 17 年 2 月に、大学病院で開復手術を受けましたが、切除することがで
30
きず、バイパス手術と手術中の放射線照射を受けたのみでした。同じ月の中旬
から、ジェムザール 1500 mg を週 1 回で 3 週間連続投与し 1 週休みを 2 クー
20
NK細胞比率:11以上
ル施行し、その後は、2 週間連続投与し 1 週休みを続け、平成 17 年 11 月まで
10 活性化NK細胞比率:10以上
に合計 20 クールを終了しています。その後 2 週間に 1 回の投与を続けました。
0
0
5
10
15
新免疫療法(NITC)開始時の腫瘍マーカーは、CA19-9 が 260 U/ml(基準値
治療期間(月)
37 U/ml 以下)、DuponⅡが 160 U/ml(基準値 150 U/ml 以下)、SPANⅠが 89
20
300
IFNγ:10以上が良好
U/ml(基準値 30 U/ml 以下)およびエラスターゼ 1 が 2300 ng/dl(基準値 400
IL-12:7.8以上が良好
250
ng/dl 以下)と異常値を示していました。2 ヶ月目まではいずれも増悪を示して
15
200
いましたが、3 ヶ月目からは順調に低下し続けています。平成 17 年 8 月の 8 ヶ
IFNγ:10以上が良好
月目では全てのマーカーは基準値になりました。
10
150
超音波検査では、膵臓腫瘍は、6 ヶ月目の平成 17 年 6 月に 35×31×23 mm
100
5
大(24,955 mm^3)で、8 ヶ月目の 8 月には 41×37×22 mm 大(33,374 mm^3)と
50
増大傾向を示しましたが、11 ヶ月目の 11 月には半分以下の 24×27×16 mm 大
IL-12:7.8以上が良好
0
0
0
5
10
15
(10,368 mm^3)まで縮小しました。
この患者様の免疫力は、Th1 サイトカイン(IFNγや IL-12)については、開
治療期間(月)
始時にはあまり認められなかった活性が、2 カ月目と 6 カ月目の検査では強く認
められるようになりました。この Th1 サイトカインの増強と、かつ、NK 細胞
600
3000
CA19-9:基準値37以下
数とその活性化が治療開始時より強いことが、この様な治療効果を発揮したもの
エラスターゼ:基準値400以下 2500
500
と推定されます。
400
2000
一般の抗癌剤は Th1 サイトカインを抑制し、NK、NKT は抑制しない事が我々
300
1500
の臨床経験で分かっています。しかし、ジェムザールは Th1 サイトカインも抑
200
1000
制しないことが新たに分かっています。この患者様でも同様な結果が得られてお
エラスターゼ:基準値400以下
ります。
100
500
また、膵臓癌が縮小するにつれ糖尿病を表す HbA1C も初診時平成 16 年 12
0 CA19-9:基準値37以下
0
0
5
10
15
月に 9.8%(正常値 5.8%以下)から平成 17 年 11 月には 5.9%まで改善しており
治療期間(月)
ます。
しかし、腫瘍マーカーの Ca19-9 値は平成 17 年 11 月には 22U/ml まで低下し
ましたが、翌年の平成 18 年 3 月には 220U/ml と上昇し、5 月には 460U/ml まで上昇しました。
超音波検査でも平成 18 年 3 月には 29×25×19 mm 大(13,775mm^3)と若干増大し 5 月には 38×29×29mm 大
(31,958mm^3)と増大しました。
このことより、ジェムザールに対する耐性ができつつあると考えられましたので、平成 18 年 9 月には、TS-1 へ変更しまし
た。TS-1 は低用量の 80mg/日を、1 週間服用し 1 週間休みとし、新免疫療法(NITC)との併用をしております。
平成 18 年 5 月
1 年 5 ヶ月目
38×29×29mm 大
=31958 mm^3
オリエント三鷹クリニック
オリエント八尾南クリニック
http://www.orient-ct.ne.jp/
Fly UP