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情報経済社会実現のための 安心・安全な社会基盤整備

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情報経済社会実現のための 安心・安全な社会基盤整備
~情報経済社会実現のための
安心・安全な社会基盤整備~
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(J
I
PDEC) 会長
牧 野 力
当協会は、2011年4月、一般財団法人に移行したのを機に、名称を「一般財団法人日本情報経済社
会推進協会(J
I
PDEC)」に改め、安全で、より良い電子情報利活用環境の構築に向けた活動に一層、
注力することといたしました。
I
T(情報技術)はエネルギー・環境・消費者の安全といった社会的課題に対する効率的な仕組みを
提供するものとして、企業の経営イノベーションや事業化促進、新しい市場創出のための道具として、
さらには、個人の利便性を高め、より知的創造性に富んだ行動・社会生活を支援するサービスとして
社会経済の向上、発展に不可欠なものとなっています。
このような情報経済社会において最も重要なことは、電子情報を様々な分野で安心・安全に利活用
するための社会基盤を整備することと考えております。
1967年の協会創立以来、一貫して情報分野で培ってきた専門性と産業界・学会・関係団体・消費者
等との関係を活かし、相互に意見交換や検証する協業の場を設け、電子商取引(EC)や地理空間情報、
パーソナル情報、民間電子認証制度や企業等の総合情報基盤といった環境の整備に取り組んできてお
ります。
また、企業の健全なI
T統治に不可欠なマネジメントシステムの第三者評価制度であるプライバシー
マーク制度やI
SMS/I
TSMS/BCMS適合性評価制度の運用、消費者に対する認定個人情報保護団体活
動などについても、厳正な制度運用とその普及拡大に努めております。
プライバシーマーク制度は、
「個人情報の保護に関する法律」が2005年4月に全面施行する前の1998
年4月から当協会が運用しているもので、SARCを含めて18指定審査機関と一体となって推進してき
た結果、累積で16,
000以上の事業者がプライバシーマークを取得しており、消費者に安心を与えると
ともに今日では企業の事業活動に不可欠なものと位置づけられています。
放送業界が取り扱う個人情報は広範かつ件数が膨大であると聞いています。個人の嗜好に係わる視
聴履歴や、ショップチャンネルにおける購買履歴などプライバシーに係る情報の取扱いは身近な問題
であり、信頼のおける事業者に対する消費者の要望は高いと考えます。従って、そのような事業者を
統括する立場にあるSARCへの期待は大きく、また求められる責任も重いと考えておりますので、当
協会は、SARCが放送関連業界におけるプライバシーマークの指定審査機関として、消費者の立場に
立ってより充実した事業活動を展開することを期待します。
1
REPORT
『通信と放送に関する雑感 ~新任ご挨拶に代えて~』
総務省情報流通行政局放送政策課長 秋本 芳徳
8月1日付で放送政策課
長を拝命しました秋本芳德
に関わる行政なんて楽しそう」と思ったことが、放
送行政を志した私の素朴な思いでした。
です。拙稿を掲載する機会
時を経て、平成20年から22年、通信と放送の法体
を与えて頂きましたので、
系を見直す職務を与えられた際に、放送法第1条の
自己紹介を兼ねて、通信と
高邁な目的規定に、あらためて打ちのめされてしま
放送に関する私の雑感を綴
いました。
らせて頂きます。
特にしびれたのは、目的の第1に規定されている
まずは、通信について。
「放送の効用をもたらすことを保障すること」とい
私が行政の一員に加わっ
う部分です。行政に携わって2
0年も経つと、法令上
たのは固定電話しか普及していない昭和6
3年ですの
の言葉の重みは、脳髄に染み込んできます。そうし
で、もう四半世紀前になります。
た経験を経た上で、
「効用」と「保障」がセットに
当時は、好きな女性とデートの約束を取り付ける
なった法律の目的規定をみると、その重みに気圧さ
にしても、相手のご自宅に電話をかけるわけで、
「相
れる思いがしたものです。実際、
「効用」という言葉
手のオヤジさんが最初に電話に出たら何と言おう
と「保障」という言葉とを1つの条項で規定してい
か」などと頭の中でシミュレーションしてから、ダ
る条文は、現行法の中では、この放送法の目的規定
イヤルしたものでした。また、毎日のように電話し
しかありません。もって、放送法の重大さを知るこ
ていたので、
「指が相手の電話番号を覚えている」と
とができます。
いう感覚すらありました。
次に、目的の第3に規定されている「放送が健全
就職活動も、固定電話が頼り。企業や官庁の人事
な民主主義の発達に資するようにすること」という
部からの「明日また来てもらえますか」という連絡
部分。法律の目的に「健全な民主主義の発達」が規
を逃すまいと、留守電機能を備えるのが必須であっ
定されている法律は、現行法の中では、放送法と
たことを思い出します。
「固定電話のある所に居なけ
「文字・活字文化振興法」の2つしかありません。
れば連絡がつかないというのは不便だな」というこ
この目的も、放送法の高邁さを示すものでしょう。
とが、就職活動における私の痛切な実感でした。
法体系見直し作業の中で、こうした目的規定に触
「ザルの目」を「網の目」に。いつでも、どこで
れ、立法者がその理想をいかに放送法に込めてきた
も、情報のやりとりができるようにするためのお手
かについて、昭和25年の放送法制定以来、6
0年にわ
伝いをしたいという思いが、通信行政を志望した私
たる法制化に関する資料を読み漁ったものです。
の初心です。
「ニューメディア」
、「マルチメディア」
、「ユビキ
タス」、「クラウド」と目指すべき社会を表す呼称は、
上記の目的規定は、平成2
2年の改正放送法におい
ても、維持されており、放送を貫く不変のバックボー
ンと言えるでしょう。
時代につれ変遷を重ねていますけれども、
「ザルの
テレビジョン放送がデジタル化に移行した今、放
目」を「網の目」にしていく、すなわち、情報通信
送は新たな時代を迎えています。デジタル化時代に
をより使い易く、よりきめ細かなものにしていこう
おいて、放送の価値を一段と高め、その効用を国民
としている点では、終始一貫していると思います。
の皆様にもたらしていくよう、放送に関係する皆様
実際、私が就職した頃に比べれば、情報通信の使い
方とともに、腰の据わった取組を行っていきたいと
勝手は格段に良くなりました。
考えています。
そして、放送について。
私は、テレビばかり観ていた少年でした。ラジオ
の深夜放送の話題で友人と盛り上がっていた時代も
ありました。「三度の飯よりも好きなテレビ・ラジオ
2
どうぞよろしくお願い致します。
REPORT
『個人情報保護は国際的な関心事』
亜細亜大学法学部教授 加藤 隆之
(財放送セキュリティセンタープライバシーマーク審査委員会委員)
1.はじめまして。今年の
4月からSARCのプライ
存在するものではないから、消費者庁に行くのは
おかしいのではないかといった議論もありました。
バシーマーク審査委員会
ともあれ、何とか、1年と8ヶ月間の勤務を終
の委員を務めさせていた
え、亜細亜大学に勤務することとなり、現在に至
だいております加藤と申
ります。
します。今後ともよろし
2.内閣府に採用後すぐに、海外出張などで日本の
くお願いいたします。私
法制度を説明する必要に迫られたため、初めて、
はプライバシーの専門家
個人情報保護制度やプライバシーについて、また、
として、委員を務めさせ
それに関連する国際会議について勉強しました。
ていただいているのですが、実は、もともと、プ
すると、個人情報保護が絡む国際会議が多く、驚
ライバシーについては何も知らなかったという有
きました。個人情報保護は、あらゆる分野で必要
様でした。
なことと認識されていて、国際的な関心となって
と申しますのも、大学院では、憲法を専攻して
いたのです。国際的な商取引の増加、インターネッ
いまして、そこでは、表現の自由を中心に研究し
トの普及、テロの危険性の増大などの要因によっ
ていました。ところが、私の怠慢と実力不足が原
て、個人情報保護は、もはや1国だけの問題では
因で、なかなかまとまった業績もできないまま、
なくなっていたのです。
青森中央学院という小さな大学に就職しました。
そして、各国は、様々な国際的な枠組みの中で、
地方の大学の良いところは、研究時間があるとい
個人情報の保護を実現しようと努力しています。
うことです。そこで、勤勉ではない私も、温泉に
既に、地域、文化、社会的な密着度の高いEUは、
入ることと酒を飲むこと以外の時間を研究に費や
独自の非常に厳しい個人情報保護制度を採用し、
しました。その結果、幸い、
『性表現の限界』とい
その基準を満たさない第三国への個人情報の移転
う著書を出すことができ、出身大学から博士号を
を原則的に禁止しており、外交上の問題となって
受けることができました。
いることがあります。他方、アメリカ合衆国は、
今考えてみましても、その本で、やっと研究の
APECやOECDを通じて、取引の円滑を妨げない
スタートラインに立ったようなものなのですが、
ような、より緩やかな基準によって個人情報の保
その時は何となく達成感を感じてしまい、他の事
護を図ろうとしています。もちろん、その他の地
をやりたいと思ってしまいました。タイミング良
域や民間レベルにおいても、個人情報保護のため
く、内閣府の個人情報保護推進室で、個人情報保
の様々な取組みがなされています。
護制度に関連する国際会議などにおいて、日本の
日本は、こうした国際的な枠組みの中で、その
立場を主張、説明できるような人を募集していた
いずれに依拠していくのか、模索している段階に
ため、応募しました。個人情報保護制度について
あると推測されます。ただ、個人情報保護に対す
は、知識がありませんでしたので、そのことを正
る国際的な取組みが後退する兆しはないというこ
直に面接で告げて、なぜか?採用されました。
とだけは、はっきりしていますので、この流れに
その後私は、内閣府から、消費者庁に異動する
乗り遅れることはできないと思います。
ことになるのですが、実質的な仕事の内容が変
こうした観点からみますと、日本のPマーク制
わったわけではありません。内閣府の国民生活局
度は、時代を先取りして、その内容がEUのような
というところが中心となって消費者庁が設立され
厳しい国際的な水準も満たすようにできているた
たのですが、同局に個人情報保護推進室が属して
め、十分に評価できる取組みであると思います。
いたため、一緒に消費者庁に移されたのです。当
今後も、多くの事業者がその取得に向けて努力し
時、個人情報保護は、消費者の保護だけのために
ていただけることを願っています。
3
REPORT
『地デジ』と個人情報保護
㈱TBSテレビ 社長室担当局長 井川 泉
((一社)デジタルメディア協会理事・
(一社)衛星放送協会理事、財放送セキュリティセンター評議員)
2011年7月24日に東北3
されることを目的とする電気通信の送信」と定義さ
県を除く地域で、地上テレ
れ、放送業界は、基本的に一方通行の情報発信をサー
ビジョン放送はデジタル放
ビスとして行ってきており、これまでは、テレビ受
送に移行、また、東北3県
信機に、番組を送り届ければ、その大半の仕事を終
も本年3月3
1日をもって、
えたという感覚でした。
デジタル放送に移行しまし
しかし、通信機能を持った携帯電話が、
「ワンセグ
た。
サービス」の受信機の主流となるだけに、データ放
現在、地上テレビジョン
送を使った双方向のサービスが容易に実現できるこ
放送局は、放送の完全デジ
とから、視聴者から得る個人情報をいかに扱うか、
タル化に向けて、受信環境改善のための周波数の置
その保護をいかに行うかということを、放送各社で
き換え(リパック)や、デジタル放送開始によって
議論しました。
新たに難視地域となったエリアへの対策の検討を進
また、
「地デジ」開始当初から、データ放送を使っ
めていると同時に、2
015年3月に終了予定の衛星を
たクイズへの参加やプレゼント募集、ショッピング
使 っ た 難 視 対 策(衛 星 セ イ フ テ ィ ー ネ ッ ト)や
サイトへの誘導なども行われるようになり、現在で
CATVのデジアナ変換で放送を受信している世帯
は、放送局各社がそれぞれのポリシーで、個人情報
への対策を進め、放送の完全デジタル化に向けた努
の保護に取り組んでいます。
力を続けています。また、在京のキー局は、東京タ
さらに、最近では、データ放送とTwi
t
t
e
r
を連動
ワーからスカイツリーへの親局移転のための作業も
させたサービスを行っている放送局や、スマート
進めています。こうした一連の作業が終了しますと、
フォンやタブレット端末に放送と連動したコンテン
放送は、文字通り、
「完全デジタル化」し、新時代を
ツを送り込み通信を使って、放送をより一層楽しん
迎えることになります。
でもらう「マルチスクリーン放送」の実験を行って
この新時代に向けて、私は、2003年4月から、地
いる放送局も出てきています。こうした通信と連携
上デジタル放送にかかわる仕事につき、地上デジタ
したサービスにおいては、個人情報の保護が重要に
ル放送の円滑な開始と移行に向けての諸課題の解決、
なってきます。
そして、その普及活動を中心に仕事を続けると同時
今後は、スマートTVが受信機の主流になること
に、
「放送と通信の連携」が言われる中、放送コンテ
が想定され、テレビのネット接続が日常となり、視
ンツを利用する新しいビジネスの開発やメディア状
聴者も、気軽に、双方向のサービスに参加される時
況に関する情報収集などを行っています。
期がやってきます。さまざまなアプリやコンテンツ
特に、
「地デジ」の普及に関しては、その魅力とし
がテレビ画面上に現れ、さまざまなサービスが展開
て、高画質・高音質の放送、ニュースや気象情報が
されることが容易に想像できます。そうした中、視
いつでも見られるデータ放送、ワンセグサービス、
聴者の個人情報が不正に取得・利用されることの無
マルチ編成、そして、双方向サービスなどを視聴者
いような仕組みを考えねばなりません。我々も、個
の方にPRしてきました。
人情報の保護について、これまで以上に関心を持ち、
テレビジョン放送が、デジタル化に向けて動き始
視聴者に快適な放送・通信連携サービスを楽しんで
めた後、個人情報保護法が成立・施行となったわけ
いただけるよう、努力していくことが求められてい
ですが、私が、この法律と初めて向き合うことになっ
ます。
たのが、20
06年4月にスタートした「ワンセグサー
ビス」に関してでした。
放送法で、「放送」とは、
「公衆によって直接受信
4
REPORT
PMS事務局、担当者のみなさまへ、ブライバシーマーク取得後のPMS運営現場
『勲は個人情報事故ゼロ』
㈱J
CNコアラ葛飾 リスク管理室長 小早川 克己
(個人情報保護推進事務局)
2010年8月にPマークの
認定をいただいてから2年
が経過しました。おかげ様
で2012年6月には認定更新
の通知もいただき、今のと
ころ重大な個人情報の漏え
い事故の発生もありません。
振り返ると、2年前は知識・
認識が不十分なまま、ただ
Pマーク認定取得を目的と
し取組んでいたように思え、事務局としてPMSを運
営し、実務を経験し、失敗も重ね、自身も資格取得
等でスキルアップした現在に至って、その(PMS運
用)の難しさ・面白さ・やりがいの本質を理解でき
るようになってきたと思います。そこで、最近の私
の日常のPMS実務運営業務から、私同様、日々 PMS
の実務運営事務局として携わられている方の参考・
ヒントにしていただけそうな事・考え方を紹介いた
します。
1.個人情報の第三者提供
裁判所差押令状や捜査関係事項照会によるもの等、
発生頻度が高く取扱い経験の多いものは速やかに適
切に対処できる反面、レアケース・特殊事例は都度、
顧問弁護士等に照会しないと適切な手続はおろか提
供の可否判断すら正確に出来ない事が今でもありま
す。事務局担当者自身のスキルアップが必須(見せ
どころ)のPMSです。
2.情報セキュリティ
有能なシステム管理担当者と各部門の情報セキュ
リティ委員の協力により、アカウント管理・各種ルー
ルの制定、周知、運営等を実施していますが、外部
委託している主幹システムの各安全管理措置に不安
を覚えています。委託先への改善要請には自ずと限
界がありますので、自社の関係者の情報保護意識・
知識向上、啓蒙継続と事務局自身のシステム関連知
識の向上等に地道に取組んでいます。
3.委託先の監督
直販営業、工事も業務委託が主体ですので、委託
先での事故の発生予防が極めて重要と認識していま
す。評価作業に留まらず、
・半期毎の安全管理措置の
セルフチェック依頼・立入検査実施・委託会社幹部
の勉強会主催・再委託先の把握等を実行しています
が、最も有効で安心できる対策は「委託先のPマー
クの取得とPMSの運営」であると考えます。前述の
主幹システム、インフラの委託先はPマーク未取得
で、・PMSも未整備・従業者の個人情報取扱知識も
不十分なためか、
「システムテストに本番データを使
用するという初歩的不手際によるヒヤリハット事象
の発生(再発有)」「タブレツト端末等の機器導入他、
新規業務・インフラの安全管理措置の取組みが遅い
(無い)
」「システムアカウントの棚卸・管理は当社
(委託元)の依頼・督促により行われ、その内容も
お粗末」等、安全管理措置の実施・改善の障壁になっ
ています。
4.PMS運用全体
PMSの運営の渦中で様々な障害もあるでしょう。
人、組織の調整・説得に労力を要し、ストレスも感
じられるでしょう。PMS個々を合理的、効果的に事
務局業務として運営される事は勿論、
「正確な関連知
識習得、情報の入手によりスキルアップを怠らず、
それらの裏付けによる方策の提案と運営を真摯、愚
直に継続する」事が肝要です。加えて「事故防止実
務のマネジメントに携わっている」と軸足をしっか
り保ち、決して「裏づけのない安直で当たり障りの
ない運用に流れないようにする」事だと思います。
事務局運営上、注意すべき人の例として、△Pマー
ク認証の取得をお勧めすると「事故の発生確率とP
マークの取得に関連はない」と的外れな返事をされ
る委託先の個人情報管理担当の方。△I
Tスキルは高
いがモラルの低い人。△場当たり的に経験則だけで
個人情報取扱実務の監督や指示をされる方(饒舌な
人は凡そPMS知識不足で浅慮、要注意)。△ヒヤリ
ハット事象発生後の再発防止対策のPMS事務局の
検証を拒む方。△普段からPMS事務局に取扱い確認
(報連相)されない方。などを経験上あげます。こ
のような方々と接する時には改めて【個人情報保護
の実務推進担当者と企業の幹部役職者には個人情報
保護法、J
I
SQ15001、PMS知識の理解及びそれらに
基づくPMSの真摯な運用が不可欠】と再認識し、一
層、粛々と合理的な運営・措置を心がけています。
まとめ
あくまで個人情報事故の予防がPマーク取得の目
的(事務局の勲は[事故無]のみ)です。PMSは絵
に描いた餅ではなく、実際に事故を防止するための
手段でPマーク認定、J
I
SQ15001適合維持がその取組
みに最も合理的で有効なマネジメントシステムと了
簡すれば判り易く、やり易くなると思います。事務
局の皆さん頑張りましょう。お客様、従業員の個人
情報を守っている(会社を守っている)縁の下の力
持ちは貴方です。
5
MESSAGE BOARD
プライバシーマーク審査の現況
『マイナンバー法の施行に向け、再び高まる個人情報保護への関心!』
大川 千廣
財放送セキュリティセンター プライバシーマーク推進部長(専務理事)
当財団は2007年11月に一般財団法人日本情報経済
個人情報保護からさらに一歩踏み込んでプライバ
社会推進協会(以下J
I
PDECという)から、プライ
シー保護へと高まりを見せてきます。個人情報を取
バシーマーク指定審査機関として認定され、また、
り扱う事業者としては、さらに『安心・
安全を担保す
2009年12月から審査対象範囲を放送事業者はもとよ
る仕組みの導入』が強く求められます。
り、放送制作関連事業者に拡大していただき、広く
そ こ でSARCで は、『ケ ー ブ ル コ ン ベ ン シ ョ ン
放送関連分野のプライバシーマークの審査及び登録
2012』とタイアップさせていただき、7月1
8日に
事業者の拡大に貢献させて頂いております。
「マイナンバー時代の個人情報保護『ケーブルテレ
⑴ 新分野の審査が拡大
ビ事業者にとって今、求められるもの』」と題してセ
2012年8月末現在、全国のPマーク付与事業者は
ミナーを開催いたしました。当日は日本ケーブルテ
12,
688社と個人情報保護法施行前年の1,
294社から
レビ連盟のプライバシーマーク取得を一から指導さ
8年間で1
0倍に増加しました。消費者意識の高まり
れた、情報セキュリティコンサルタントから、意識
と供にPマークに対する関心が急速に拡大したと言
の高まるお客様から選ばれるための、個人情報保護
えます。そういった中でSARCの審査実績も、4年
管理の重要性からプライバシーマーク取得までの手
強を経過し、下記に示すように増加してまいりまし
順を講演いただきました。ケーブルテレビ事業者を
た。
中心に4
0社という多くの方にご参加をいただき、ご
<審査実績>
好評を博しました。今後、ケーブルテレビ連盟はじ
(2012.
8.
31現在)
審査中(24年度)
め各関連団体とも連携し、Pマーク新規取得のため
の推進をしてまいりたいと考えております。
新規
更新
計
認定
累計
社数
ケーブルテレビ
1
12
13
51
33
放送・放送関連
0
5
5
48
22
SARCでは『審査とは、適格性を確認することで
放送制作等
2
11
13
56
50
あり、不適格性を探すことではない』をモットーに
計
3
28
31
155
105
的外れな審査にならないように心がけています。
対象事業者
⑶ SARCのPマーク審査の考え方
そこで「知れば気持ちが楽になる<現地審査の着
累計の認定件数が155件、現在審査中が3
1件の合計
眼ポイント>」をご紹介します。
186件の審査を担当していますが、既に67社が複数回
① 事故や苦情を防止する
(事業のリスクを軽減する)
の審査を受けられており、SARCで担当させていた
・携帯電話の取扱いルール、安全点検、データ保護
だいている会社数は1
05社に上ります。とりわけ、
23
・利用目的が解りやすく書かれているか、同意の
年度は更新審査時にJ
I
PDECなど他の審査機関から
ない提供はないか
SARCへの変更が2
2社に上るなど、新しい分野の審
② 対外的な形式を整える
(保有事業者としての信用)
査が拡大しました。
・取得する場合の同意書などに問題はないか
⑵ ケーブルテレビ事業者を対象にPマーク推進
・ホームページなどの公表事項に漏れやミスは?
さて、現在国会では平成2
7年の利用開始を目指し
③ 今後の運用を楽にする
(適切な運用と負荷の軽減)
て『行政手続における特定の個人を識別するための
・各種の定期的な見直しの頻度、方法など
番号の利用等に関する法律案』が審議されています。
・様式の不備、過剰品質、重複など
複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報で
個人情報保護管理部門のご担当者にとって現地審
あるということの確認を行う基盤を整備する法案で、
査は憂鬱なものと捉えがちですが、
『絶好の確認の
所謂「マイナンバー法」と呼ばれ、税や社会保障な
チャンス』とお考えいただき、この機会に見直し・
確
どの給付と負担の公平化と各種行政事務の大幅な効
認を是非ご徹底ください。
率化を図ろうというものです。7年半前の個人情報
保護法施行時にも見られた個人情報保護への関心が、
6
MESSAGE BOARD
「認定個人保護情報保護団体」から
財放送セキュリティセンター 個人情報保護センター長 秋山 剛人
本年4月より、秋山進センター長の後任として個
人情報保護センター長に就任いたしました秋山剛人
です。過去1年間の活動状況を報告させていただき
ます。
⑴ 対象事業者数推移
2012.
8.
31現在
ケーブルテレビ事業者 衛星放送事業者 計
22年度末対象事業者数
194
74
268
23〜24年8月新規登録者数
11
1
12
同登録抹消数
10
5
15
24年8月末対象事業者数
195
70
265
23~24年8月の対象事業者は、新規登録1
2社、登
録抹消15社(主要因は統合合併等)で全体では3社
減の265社となりました。衛星放送協会、ケーブルテ
レビ連盟加盟で未登録の事業者様は是非この機会に
ご登録いただきますようお願い申し上げます。
⑵ 苦情・相談取扱い処理件数推
2012.
8.
31現在
年 度
17年(2005)
18年(2006)
19年(2007)
20年(2008)
21年(2009)
22年(2010)
23年(2011)
合 計
個 人
11
7
14
7
4
5
4
52
対象事業者
19
25
22
25
14
6
4
115
計
30
32
36
32
18
11
8
167
苦情相談件数は2
0年度まで年間平均3
0件で推移し
ておりましたが、2
1年度以降は、18件、11件、8件
と年々漸減してきております。これは個人情報保護
法施行以来7年が経過し、個人情報保護法そのもの
が定着するとともに、個人情報に関しての過剰反応
が減少し、状況が若干落ち着いてきたのではないか
と思います。
こうした中、対象事業者からのご相談では税務署
等公的機関への第三者提供の問題など、法的解釈の
難しい案件等が多くなっております。この様な相談
については、回答の精度の向上が要求されており、
関係部門との連携を行い適切な回答を心掛けており
ます。個別回答事例については対象事業者向けの
ホームページでご紹介させていただいておりますの
で、ご参照下さい。
⑶ 対象事業者の漏えい事故推移
次表にもありますように登録事業者からの個人情
報漏えい事故報告は残念ながら増加傾向にあります。
事故原因では、作業ミス(誤送信)、紛失等うっか
りミスに起因している事が殆どです。「対象事業者」
におかれましては、うっかりミスが起きぬよう今一
度社内教育の徹底と共に体制の点検強化に努めてい
ただきたいと思います。また、万一漏えい事故を起
こ さ れ た 場 合 は、監 督 官 庁 へ の ご 報 告 と 同 時 に
SARC個人情報保護センターへのご連絡もお願い致
します。
2012.
8.
31現在
年 度
17年(2005)
18年(2006)
19年(2007)
20年(2008)
21年(2009)
22年(2010)
23年(2011)
合 計
ケーブルテレビ事業者 衛星放送事業者
4
6
6
2
14
2
13
6
16
6
29
21
26
11
108
54
盗難
6%
ウィニー
2%
滅失その他
9%
紛失
39%
101件以上
16%
11∼100件
20%
事故の原因
作業ミス
(誤送付等)
44%
計
10
8
16
19
22
50
37
162
事故の規模
2件以内
53%
3∼10件
11%
⑷ 個人情報保護セミナーの実施
本年7月1
9日に千代田放送会館にて「第9回個人
情報保護セミナー」を開催しました。今回の講演は、
情報セキュリティマネジメントの専門家からは、昨
今個人情報の大量漏えいなどで問題となっているス
マートフォンのセキュリティ最前線に関してお話し
いただきました。また、放送事業者からは、個人情
報保護の実践事例を、日頃の現場での運用実態や管
理責任者としての苦労話を交えながらお話していた
だきました(本紙p.
5参照)。
以上、当センターの過去1年間の活動報告をさせ
ていただきました。今後とも寄せられる苦情・相談
に対して真摯な対応を心掛けますとともに、時宜に
応じたテーマでのセミナーの定期的開催等、
「認定業
務」に邁進する所存です。関係者各位の引き続いて
のご支援ご協力を是非お願い申し上げます。
7
MESSAGE BOARD
■SARCの主な動き (平成23年10月〜24年8月)
全般
H23.
10.1
H23.
11.
24
H24.3.
23
H24.5.
31
H24.6.
22
H24.7.2
H24.7.2
SARCコミュニケーションズNo
.
24発行
第52回理事会、第42回評議員会
第53回理事会、第43回評議員会
最初の評議員選任委員会
第54回理事会、第44回評議員会
第55回理事会
一般財団法人への移行認可申請書を内閣府に提出
プライバシーマーク業務関係
H23.
10.4
H24.7.
18
第28回審査委員会~H24.7.
30 第35回審査委員会
ケーブルコンベンション2012個人情報保護セミナー(大手町サンケイプラザ)
個人情報保護センター関係
H24.7.
19
H24.7.
26
第9回個人情報保護セミナー(千代田放送会館)
第9回管理運営委員会
人事異動
H23.9.
30
H23.
10.1
H24.3.
31
H24.4.1
個人情報保護センターケーブルテレビ部長
〃
個人情報保護センター長
〃
多田 裕彦
伊澤 雅和
秋山 進
秋山 剛人
辞職(社日本ケーブルテレビ連盟に復帰)
社日本ケーブルテレビ連盟から出向
辞職(スカパー J
SAT㈱に復帰)
スカパー J
SAT㈱から出向
■役員・評議員の構成 (平成24年7月現在 順不同・敬称略)
【役 員】
【評 議 員】
理 事 長 森本 哲夫 財放送セキュリティセンター
専 務 理 事 大川 千廣 財放送セキュリティセンター(常勤)
理 事 築島幸三郎 社日本ケーブルテレビ連盟常務理事・事務局長
〃 小川 正人 スカパー JSAT㈱経営戦略本部経営企画部長兼
内部統制推進室長
〃 園田 義忠 (一社)衛星放送協会理事
〃 佐藤 謙 ㈱スター・チャンネル副社長
〃 山崎 一郎 ㈱WOWOW取締役
辻井 重男 中央大学研究開発機構教授
羽鳥 光俊 東京大学名誉教授
村上 政博 一橋大学大学院教授
苗村 憲司 情報セキュリティ大学院大学セキュア
システム研究所特別研究員
佐藤 和仁 ㈱WOWOW常務取締役
仁藤 雅夫 スカパー JSAT㈱取締役執行役員副社長
大寺 廣幸 (一社)日本民間放送連盟研究所長
井川 泉 (一社)デジタルメディア協会理事
浅見 訓男 (一財)マルチメディア振興センター専務理事
若尾 正義 前(一社)電波産業会専務理事
監 事 横尾 忠晃 (一社)電波産業会理事
■組 織 図
理 事 長
理 事 会
評議員会
専務理事
プライバシーマーク指定審査機関
プライバシーマーク推進部
総 務 部
総務経理課
審 査 室
認定個人情報保護団体
個人情報保護センター
衛星放送部
ケーブルテレビ部
編集・発行
財団法人
放送セキュリティセンター
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-9-2 エスパリエ平河町ビル
Te
l
:03-5213-4711 Fa
x:03-3263-9011
禁無断転載
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