研修111 CLoCMiPレベルⅢ認証

更新日：平成27年12月24日
平成29年度　日本看護協会インターネット配信研修[オンデマンド]
研修111　【CLoCMiPレベルⅢ認証申請のための必須研修】
産科領域で役立つ！代謝系のフィジカルアセスメント
～受講者の皆様からの講義へのご質問と回答～
※本研修は平成28年度にも配信しているため、
過去のご質問と回答も掲載しています。
講義内容への質問
●葉酸の摂取量の目安について
1 ○葉酸を1日400μg摂取するためには、具体的にどれくら
いと妊婦に説明すればいいですか？
回　答
葉酸が含まれる食品には、ほうれん草や枝豆、ウナギやレバー等が
あります。100グラムあたり、ほうれん草は200㎍(ゆでたほうれん草は
110㎍) 、枝豆（ゆで）は260㎍、ウナギ380㎍等です。レバーは種類に
よって異なり、ビタミンA過剰摂取に留意する必要があります。イン
ターネットや栄養学に関する文献等でさらに詳細をご覧いただくこと
が可能だと思いますので、一度ご確認なさることをお勧めします。
<日本看護協会助産師課>
【非妊時】
「糖尿病型」は血糖値（①空腹時血糖値126 mg/dl以上、②75ｇOGTT
2時間値200 mg/dl以上、③随時血糖値200 mg/dl以上のいずれか）
が一定値以上の高値を示した場合にそのように呼ばれます。血糖値
が「糖尿病型」でさらにHbA1c(NGSP)値が6.5％以上であれば「糖尿
病」と診断されます。つまり高血糖状態が一定期間以上持続した場
合に糖尿病と診断されます。
【妊娠時】
「妊娠時に診断された明らかな糖尿病」は2015年8月に「妊娠中の明
●糖尿病について
らかな糖尿病」へ名称が変更されました。診断基準は妊娠中の空腹
○「糖尿病」と「糖尿病型」の違いと、「妊娠時に診断された
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時血糖値126 mg/dl以上またはHbA1c値6.5％以上です。
明らかな糖尿病」と「糖尿病型」の関係性について教えてく
「妊娠中の明らかな糖尿病」には①妊娠前に見逃されていた糖尿
ださい。
病、②妊娠中の糖代謝の変化の影響を受けた糖代謝異常、③妊娠
中に発症したⅠ型糖尿病が含まれます。いずれも分娩後は診断の
再確認が必要です。
妊娠中は生理的にインスリン抵抗性が増大するため、随時血糖や75
ｇOGTT負荷後血糖値は非妊時より高値を示すため、非妊時の糖尿
病診断基準をそのまま当てはめることはできません。そのため、妊娠
中に血糖値が「糖尿病型」であり、HbA1c値が高値であれば、「妊娠
中の明らかな糖尿病」と診断され、分娩後に診断の再確認が必要と
されています。
<中林講師>
●妊娠糖尿病(GDM)時の血糖コントロール方法について
3 ○GDM時、経口ではなく、インスリン注射での血糖コント
ロールになるのはなぜですか？
経口糖尿病薬（経口血糖降下薬）は、胎盤を通過して胎児へ移行し
ます。そのため胎児への催奇形性および胎児低血糖の問題がある
ので、妊娠中は原則として使用されません。インスリンは胎盤を通過
しないので、胎児へは移行しません。そのため妊娠中の血糖コント
ロールの方法としてインスリン注射が選択されるのです。ただし、イン
スリンの種類によっては、妊娠中の使用に関して、安全性が確認され
ていないものがありますので、注意が必要です。
<中林講師>
●妊娠糖尿病(GDM)のフォローアップについて
○GDMの発症から、経年と共に糖尿病の移行が問題にな
ることが理解できました。フォローアップが重要ですが、実
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際には、代謝専門医の受診を促していくことで良いのでしょ
うか。具体的なフォローアップ例を教えてください。産科に
おいて１ヶ月検診などはどのように進めればよいですか？
GDM女性には分娩後6-12週に75ｇOGTTを施行することが勧められ
ていますので、１カ月健診は通常通り受診し、分娩後2-3ヵ月してから
産婦人科医またはかかりつけの内科医を受診すると良いでしょう。
かかりつけ医でのfollow up中に糖代謝異常を指摘された場合は、代
謝専門医を受診するなど、かかりつけ医の指示に従ってください。
<中林講師>
早産の原因により、成人病発症のリスクは異なると思われます。
胎盤機能不全で胎児低酸素、低栄養で早産・低体重児になった場合
は、DoHAD（FOAD）成人病となるリスクは正期産、正常体重児より高
●生活習慣病胎児期発症説について
いと思われます。実際、早産児で出生後高速にcatch upして正常体
5 ○早産で生まれた児のケースも生活習慣病胎児期発症説
重に発育した児が、その後小学生・中学生になって成人病を発症す
の傾向がみられますか？
ることは時々見られるようです。現在、大規模なfollow up調査が行わ
れていますので、詳細な成績はもう少しお待ちください。
<中林講師>