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皆さんこんにちは。日曜日にもかかわらず、こんなに多くの皆様にお出まし

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皆さんこんにちは。日曜日にもかかわらず、こんなに多くの皆様にお出まし
開会挨拶
田辺
信宏(静岡市 市長)
皆さんこんにちは。日曜日にもかかわらず、こんなに多くの皆様にお出まし
いただきまして、どうもありがとうございます。
この堅い公共交通シンポジウムには大変ミスマッチな司会でありますけれど
も、しかし、これも私たちの意図であります。肩の凝らないシンポジウムを今
日皆さんにプロデュースすることによって、皆さんに語り部になってもらって、
これからの公共交通のことを考えていただきたい。これが今日のシンポジウム
の最大唯一の目的でありますので、力を抜いて知識を吸収していただき、また、
カズ&アイさんとともに、このひとときを楽しんでいただければうれしいなと
思っています。
今日は行事が目白押しでありますので、テルサホールいっぱいというわけに
はいきませんでしたが、私から拝見するところ、空席以外全て満席であります。
十分であります。むしろ今日ここへいらっしゃった皆さんはラッキーだと思っ
ています。今、日本でこの公共交通、なかんずく新交通システム、LRT を語っ
てもらうには最も旬な、第一人者の方々をパネリストにお招きいたしましたの
で、今日の内容をきちっと受けとめていただければ、公共交通についての十分
な情報を得られるのではないかと主催者としても期待しております。
手元に原稿も準備してきましたので、少しお話をいたしますと、背景には、
これは私自身の交通哲学でありますけれども、これから静岡も公共交通のあり
方の発想を転換しなければいけないという事情があります。御承知のとおり高
齢化社会になりました。お年寄りが増えてきます。あるいは環境問題に随分関
心が高くなってきました。そして、3・11 以後、エネルギーを無駄遣いしない
ようにしようというエネルギー政策も俄然注目されてきました。
そういう社会背景の中では、21 世紀の静岡の交通哲学、つまりロード環境
というのは、20 世紀の車中心の考え方から、人、歩行者、自転車あるいは公
共交通機関を優先していくという考え方で整備していくべきだと、これが私の
基本的な考え方であります。皆さんはどう考えますでしょうか。
採算性という観点も大事ではありますけれども、それだけではないというこ
とも、今日のシンポジウムを通じて皆さんにぜひ理解していただきたいとお願
いいたします。
平成 24 年度に発足いたしました LRT 導入検討協議会が、昨年 10 月に会
議を取りまとめ、今回パネリストとして出演していただく埼玉大学の久保田教
授、コーディネーターとして取りまとめていただく静岡文化芸術大学の川口教
授、お二人に隊長になっていただき、そのお二人から昨年 12 月に、これはキ
ーワードでありますけれども、LRT は都市の装置として導入することは有効で
あるという取りまとめの結果を御報告していただきました。
この都市の装置とは、市民が生活していく上で、道路や公園など必要不可欠
なものであり、公共交通もその一つであるという認識であります。別に市道や
児童公園はお金をとって入場はしないですよね、市の税金でつくったとしても。
それと同じように都市の装置として、これをどう考えるかという発想が大事だ
ということであります。
いずれにしましても、その答申をベースにして今日のパネルディスカッショ
ンも展開されると思いますので、ぜひ皆さん方にその流れの中で今後の活発な
議論のきっかけを提供できればありがたいなと思っております。
特に清水地区は、港というかけがえのない財産があります。今まで清水港は
働く港でした。これからは働く港から楽しむ港への転換も必要です。つまり、
物流を中心とした港湾設備が整った港であるとともに、人がにぎわう、ロマン
チックな場所としてのウォーターフロントという整備も必要であります。そこ
へお年寄りも子供も行くには、公共交通も充実していかなければいけないとい
う発想であります。
太平洋を挟んで対岸にあるサンフランシスコ市は、そのウォーターフロント
開発で成功しておりまして、世界中からサンフランシスコの港に観光に来ると
いう戦略を立てております。このサンフランシスコ市の人口は、静岡市とちょ
うど同じ約 72 万人でありますので、静岡市も全国に冠たる政令指定都市とし
てきちっと都市の装置を整えていけば、求心力が強く、世界中から人が集まる
街、楽しむ港。日本でいうと横浜とか神戸に伍するぐらいのにぎわいの空間を
つくることができるのではないかという夢も持っていきたいと思っています。
ただ、ロマンとリアルをどう折り合いをつけて、これから市民に納得しても
らうのか、税金の使い方として御賛同いただけるのかというきっかけになるこ
とが今日のシンポジウムの趣旨でありますので、このリアル、財政の問題、非
常に厳しい運営を強いられている中でどうしていくか。そんなことも思いをは
せていただければありがたいなと思っております。
結びに、今後とも市民の皆様の御理解と御協力を重ねて申し上げ、本日の御
来場に感謝を申し上げ、私の開会の挨拶とさせていただきます。
本日は御来場ありがとうございました。よろしくお願いします。
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