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給水設備の衛生 - 東京都福祉保健局
(2)給水設備の衛生 多くの人が入所している社会福祉施設では、水をいったん「受水槽」 (水のタンクのこと)にためてから、 その後ポンプなどにより各部屋に給水したり、屋上等に設置された「高置水槽」 (これも水のタンクです)に 給水しそこから重力を利用して各部屋に水を送る方法を採用している場合が一般的です。 このように「受水槽」を設置する給水方式は「タンク式給水方式」とよばれています。 「タンク式給水方式」が該当する社会福祉施設は、水道法の「簡易専用水道(以下「簡専水」とする) 」あ るいは東京都の条例対象施設「特定小規模貯水槽水道(以下「特定小規模」とする) 」のいずれかに該当しま す。これらの施設はその法律や条例の中で衛生的な管理の遵守義務が規定されていますので、それを守って 適切な管理を行わなければなりません。 平屋建てや2階建ての施設では、直接水道本管から給水される「直結式給水方式」の給水方式になります がその場合には蛇口まで水道事業体(都水道局、武蔵野市水道部)が責任を持っています。 Q 「特定小規模」と「簡専水」ってどうちがうの? A 受水槽の大きさで区別されます。有効容量が10m3以下の場合は「特定小規模」になり(都の条例 による) 、10m3を超える場合は「簡専水」となります。 Q 井戸水を使っている施設はどう考えればいいの? A 受水槽がある場合は槽の大きさに関係なく「特定小規模」に該当します。 (注)大規模な施設の場合(例えば入所者が100人を超えている場合など) 、水道法で規定する「専用水道」 に該当している場合もあります。詳細は直接保健所にお尋ね下さい。 - 20 - 貯水槽の清掃(年に1度の貯水槽の清掃実施) コップに汲んだ濁りのないきれいにみえる水でも、 貯水槽内の底面に水道水中のけん濁物が徐々に堆積し、 貯水槽が汚れてきます。また、貯水槽内の壁面にカビ や藻が発生したりします。 特定小規模や簡専水に該当する社会福祉施設では、 年に1度の清掃が義務付けられています。 貯水槽及びその周辺の点検と管理 法律や条令では、月一回の貯水槽及びその周囲の点検を行うこ ととされています。 図はごく一般に設置されている 貯水槽の例です。これを参考に貯 水槽に異常がないか確認してくだ さい。 なお簡専水の場合はこの他に年 に1回厚生労働大臣の登録を受け た検査機関による検査(設備検査 のこと)を受けなければなりませ ん。 詳しくは保健所にご相談ください。 - 21 - 貯水槽の周辺の点検と管理 ・貯水槽マンホ−ルの周辺:落ち葉や砂の堆積、カビなどが発生してい ないか。貯水槽上部に落葉樹の枝が被さっているようであれば、枝打 ちを行う。 ・通気管やオ−バーフロ−管の防虫網は破れ ていないか。破れていれば防虫ネットを付 け替えましょう。 ・貯水槽周辺に薬品類や不要な物が置かれていないか。 整理整頓を心掛けましょう。 ・貯水槽のマンホールはしっかり密閉され雨水などの侵入はないか。また、異物 が投入されないようきちんと施錠されているか。 ・吐水口空間が確保されているかどうか確認しましょう。 Q 吐水口空間ってなんですか? A 給水管の流入口端とオーバーフロー管との空間のことです。(図参照)給水系統をいったん大気で縁を切 り、逆流による飲料水の汚染を防止する働きがあります。 1年に1回は水質検査をしてください。 受水槽のある施設では年に1回検査機関で水質検査を実施してくだ さい。また、毎日、透明なガラスコップに水を取り色、におい、味、 濁りのチェックをしてください。 さらに週に 1 度は、専用の測定器を使って、消毒 のために水道水に入れられている残留塩素が適切 に保持されているかどうかを測定してください。 残留塩素は測定器さえ買えば、誰でも簡単に測定できます。 - 22 -