DIFAREN B1150T, B2100(T)

新製品／新技術紹介
Heat Sealable Film for Preventing Contamination
“DIFAREN R B1150T, B2100(T)”
密封性と易開封性を兼ね備えた異物混入防止フィルム
「DIFAREN R B1150T，B2100(T)」
石化技術本部
渡邉 康史，平野 秀夫
＜開発の背景＞
近年，ツイストバッグと呼ばれる包装袋は，開口部
＜製品の特徴＞
“DIFAREN B1150T”（透明タイプ），
“B2100(T)”
をひねって，固定するためのプラスチック板，テープ，
（マット調タイプ）は，主にポリプロピレン（PP）系
ひも等により結束されており，主に食パン包装袋等で
樹脂を使用し，当社独自の高次多層化技術を利用し開
使用されています。
発した共押出多層フィルムです。ツイストバッグ等の
しかし，このような結束具による包装は簡易である
食品包装袋の開口部に低温での密封シールが可能で，
ため，包装袋の結束部に隙間があり，異物の混入を防
かつ開封時には適度な易開封性が得られます。その特
止できない欠点がありました。そのため，異物の進入
徴を以下に示します。
を防止できると共に，袋の形態を維持したまま開封が
可能で，結束具等により何度も包装袋の開閉ができ，
利便性を損なうことが無い易開封シールを有するフィ
ルムが強く望まれていました。
●易開封性
従来のツイストバッグ用フィルムは，シール層に一
般的なPPを使用しており，密封シールには溶融温度
さらに，2000年夏期に多発した食品メーカーでの虫
に近い温度でシールする必要があります。そのためシ
等の異物混入問題をきっかけとして，製パンメーカー
ール強度のバラツキが大きく，シール強度が高すぎて
では食パン包装袋の密封化の要求が高まりました
開封時に袋が破れたり，シールが未接着という問題が
(Fig.1)。当社ではこの問題にいち早く対応し，従来
発生し易くなります（Fig.2)。また，低温でシールし
のツイストバッグ用フィルムの物性，製袋適性を保持
難いため，フィルムや印刷インキがシールバーへとら
したまま密封シールが可能で易開封性を有する
れる問題も発生し易くなります。
“DIFAREN B1150T”，“B2100(T)”の開発，上市に
成功しました。
Fig.1 Heat sealable bread bag film for preventing contaminations.
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DIC Technical Review No.8 / 2002
新製品／新技術紹介
Table 1 Physical Prorperties of B1150T
B1150T
Thickness (μm)
30
Haze
3.5
(%)
Secant modulus (MPa)(MD)
620
Impact strength (J)(0℃)
0.15
C.O.F1)
0.10
tanθ Seal side
Sideweld seal strength2)
18
(N/15mm)
1)Coefficient of Friction
Fig.2 Seal strength of usual film.
2)320℃,140RPM
Table 2 Physical Prorperties of B2100(T)
B2100(T)
Thickness (μm)
Haze
30
(%)
65
Secant modulus (MPa)(MD)
640
Impact strength (J)(0℃)
0.28
C.O.F1)
0.10
tanθ Seal side
Sideweld seal strength
2)
18
(N/15mm)
Fig.3 Seal strength of B1150T, B2100(T).
1)Coefficient of Friction
2)320℃,140RPM
それに対し，“DIFAREN B1150T”，“B2100(T)”
＜将来の展望＞
は，シール強度のバラツキを抑えるため，より低温で
最近の食品に対する安全性の追求に伴い，食品包材
かつ広い温度範囲で安定したシール強度が得られる易
に対する要求も高まり，当フィルムのように安全性と
開封機構を開発することで，前述の問題を解決しまし
利便性を組み合わせた包材の需要は増大していくもの
た(Fig.3)。
と思われます。
当社では，今後更にユーザーの皆様にご満足いただ
●製袋、包装適性
ける製品群を構築していく所存です。
“DIFAREN B1150T”，“B2100(T)”は，適度な剛
性と耐寒性を有しているため，印刷，製袋，包装適性
に優れており，年間を通して使用可能です。また，充
分な溶断シール強度（＞15N/15mm）も得られます
(Table 1, 2）。
お問い合わせ先
石化技術本部
フィルム技術グループ
TEL:0480-48-1974
DIC Technical Review No.8 / 2002
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