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文・中・金.

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文・中・金.
大好きなフラ
北海道教育大学附属函館中学校
一年 加 持 咲 歩
私が、フラを始めたのは小学三年生の時。お母さんが少し前からやっていて「楽しそう」
というだけで、妹と一緒になんとなく習い始めた。その時は、ただひざを曲げて中腰になっ
て、腰を振って、教えてもらったように手を動かして踊る。そういうことしか考えていな
かった。習い始めてから数週間か後、ハンドモーションには、一つ一つ意味がありお話を伝
えている、ということを教えてもらった。曲の歌詞とフリがリンクしているのもそこで知っ
た。例えば「雨」の表現がいくつもあることからも、ハワイの人々にとって雨がどれだけ大
切なものであるかが分かったり、首にかけるレイが大切な人を表したり、ハワイの人々の考
え方や文化にふれるフラの意味が分かるとどんどん楽しくなっていった。
二年がたち五年生になった。お父さんの仕事で埼玉から函館に転校になった。習う教室が
違うとフラの踊り方も違ってしまうので、続けられないと思ったが、先生のご厚意で続ける
ことができている。今は函館では教室に行かずに、埼玉のチームに所属し、長期の休みは毎
回埼玉に帰ってレッスンを受け、自主練を日々続けている。
フラの踊り方には、カヒコとアウアナというものがある。カヒコはアウアナに比べ力強
く、昔から受けつがれている踊り方である。身につけるレイなどもリーフが多く、その種類
によっても意味が異なる。石やひょうたん、木などを使った打楽器を用い、ハワイ語を唱え
ながら踊ることもある。カヒコは、神話に基づいているものが多く、昔のハワイの人々の思
いを踊りで表現するようになった。ハワイの人々は、あらゆるものに神様がやどっていると
考えていて、例えばキラウエア火山が噴火したときも、ペレ(神様)がおこっていると考え
たらしい。
一方アウアナは、きれいな花を身につけ、ドレスを着て、現代的な音楽で優雅に踊るもの
である。昔、ハワイは独立国家ハワイ王国だった。白人によりその地を発見され、支配され
ていくようになる。ハワイ語も使ってはいけない、カヒコ(フラ)は野蛮だといわれていた
時期があり、しいたげられていた。ハワイの人々を守るために、当時の王、リリウオカラニ
が白人の要求を受け入れ、ハワイ王国はなくなってしまった。アウアナは、ハワイ王国がな
くなっても、なんとかハワイの文化・踊りを守ろうと、苦肉の策として、白人に受け入れて
もらえるようにアレンジされたフラの近代的な形なのである。このような歴史を胸に、その
日からフラを踊った。
私は、ハワイでも著名なチームの動画を見たりして、色々なことをそこからも学んだ。そ
の人達はとても上手だった。形がきれいなだけでなく、一つ一つのフリの意味まで伝わって
きたからだ。そこから、練習する時は、それを思い出しながらやった。そういう風に練習し
ていたら、六年生の時、私の先生のさらに先生のハワイ人の先生のレッスンを直接受けられ
るようになった。そして、ハワイでの大きな発表会にも出られることになった。ハワイまで
行けることはすごいことで、自分たちの先生の許可がないと行けない。そんな所まで行けて
「あぁフラをやっていてよかった」と思った。
四月からは中学生になり、勉強・部活・フラを両立して頑張った。八月、フラの発表会が
あり、また埼玉に帰った。その発表会は今までとは違った。それは、見てくださった方の様
子だ。見てくださった方は、私達のフラを見て泣いてくれたのだ。泣いてくれたということ
は、伝えたい歌の主旨が伝わったということになる。泣いてくれている人を見て、あぁ伝
わってよかった。感動してくれてありがとう。これからも頑張ろう。色々な事を思った。
フラは、子供(ケイキ)、大人(ワヒネ)、年配者(クプナ)の三段階ある。先日、ハワ
イ人の先生から直接レッスンを受ける機会があり、その日の最後に「あなたの踊りは、美し
く、すばらしい。もう立派なワヒネです」と言って頂いた。私は決めた。フラを大人になっ
ても続けたい。なぜなら、フラが大好きだし、歴史や意味が分かるとおもしろいから。そし
て、見ている人にどうやったら上手く伝わるのかを考えて踊るのが楽しいからだ。奥深いフ
ラ、ハワイの文化、まだまだ知らないことがたくさんある。もっと深めて、より深みのある
表現を身につけ、踊りたい。
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