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新領域事業 - TOTO

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新領域事業 - TOTO
はじめに
TOTO WAY
事業ハイライト
トップメッセージ
事業を支える力
3つの事業軸③
新領域事業
2013年度実績
売上高 2017年度目標
売上高 180億円
370億円
営業利益 営業利益 -15億円
30億円
新領域事業について
新領域事業は、
衛生陶器で培ってきた技術を活かした
「セラ
ミック商品」
、
光触媒を利用し光の力で環境浄化を進める技
術「ハイドロテクト」、早期事業化を目指す
「燃料電池事業」
からなる、TOTOのオンリーワン技術を活かした新分野の
事業です。TOTOは、
さらなる新領域事業の創出に向け、
さ
まざまな取り組みを行っています。
この新領域事業は、
2009年度にスタートした長期経営計画
「TOTO Vプラン2017」
において、
「グローバル視点でのハ
●売上高推移グラフ
(億円)
影響を受けて伸張。
一転、
2011年度から市場が調整局面に
入り、
セラミック事業は厳しい状況に置かれましたが、
2013
年度には半導体市場の回復や光通信市場が活況となり、
売
上が大幅に伸長しました。
「ハイドロテクト」
などの環境建材事業は、2011年3月に発
生した東日本大震災の影響で一時売上が落ち込みました
が、新設住宅着工の持ち直しを背景に販売が好調だったこ
とや、
生産性の向上により赤字幅を縮小しています。
370
85
300
200
150
165
144
141
100
180
155
130
0
2009 2010 2011 2012 2013
イドロテクト事業再構築」
という役目を担っていました。
2010年度はセラミック事業が世界的な半導体需要好調の
■燃料電池 ■環境建材 ■セラミック
400
2017(年度)
(目標)
●営業利益・営業利益率推移グラフ
■環境建材 ■セラミック ●利益率
(億円)
20
-27
-21
-29
-35
-15
-10
-20
-30
30
17
10
0
(%)
30
30
-18.0
-40
-12.7
8.1
-10
-30
-24.8
2009 2010 2011 2012 2013
10
13 0
-20
-8.3
-20.1
20
-40
2017(年度)
(目標)
現在の重点戦略
ハイドロテクトの輪
21
光触媒環境浄化技術「ハイドロテクト」が応用可能な建
であるCasalgrande
築用外装材には、
タイル、ペイントをはじめ鉄系・アルミ系
Padana S.p.A.(カサル
金属パネル、窯業サイディング、ガラス、建築石材などさま
グランデ・パダーナ社)
と
ざまな材料があります。TOTOでは、
これらの材料をあつ
「ハイドロテクト」のラ
かう建材関連企業とライセンス契約を行い、グローバル
イセンスと技術導入を
に「ハイドロテクト」技術を普及させる「ハイドロテクトの
含む、基本取引契約を
輪」
を展開しています。
締結しました。
2011年度には、
世界有数のアルミニウム素材大手であるア
現在までに
「ハイドロテクト」の国内外ライセンス契約締結
メリカのAlcoa
(アルコア社)
と
「ハイドロテクト」
のライセンス
社数は100社以上、
うち海外が20社以上となり、着実に海
契約を締結。
2012年度には、
イタリアの大手タイルメーカー
外への展開、普及の取り組みが進んでいます。
TOTOグループ コーポレートレポート 2014
ハイドロテクトの輪の事例:テント膜材料
ブラジルサッカーワールドカップ会場
「スタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリア」
写真提供:太陽工業
(株)
新領域事業レビュー
セラミック事業
P.23 ものづくり革新
セラミック事業は、TOTOが培ってきた衛生陶器の焼成技
商品はTOTOファインセラミックス中津工場・TOTOウォ
術と、
シャワーなどの水栓金具を製造する際の精密加工技
シュレットテクノ茨城工場に生産ラインを移設し、持続的に
術を組み合わせ、
1984年に開始した
「ファインセラミックス
商品を供給できる体制をとっています。
事業」
に始まります。
オンリーワン技術を活かした構造部材、
2013年度は、半導体市場の回復や光通信市場の活況を背
静電チャックなどの高精度精密セラミックス部品に特化し、
景に各商品の売上が大幅に伸長しました。販路の拡大と
全社横断の革新活動である
「ものづくり革新」
を推進するこ
グローバル展開加速のため、
日本や米国、台湾など国内外
とにより、
最適な生産体制の整備を進めています。
の展示会にも積極的に出展。新素材・新商品やTOTOのセ
2011年3月に発生した東日本大震災では、
福島第一原子力
ラミック技術の進化に対する認知促進を図るとともに、市
発電所の20km圏内に所在するTOTOファインセラミック
場動向やその技術的課題についての情報収集も行ってい
スの工場が操業を停止しましたが、
当工場で生産していた
ます。
環境建材事業
TOTOのハイドロテクト事業は、1998年に世界で初めて
イドロセラ・フロア」
と
「ハイドロセラ・ウォール」
を発売しま
実用化に成功した光触媒超親水性技術「ハイドロテクト」
した。
に始まります。ペイントやタイル・建材など、自社商品への
ハイドロテクトカラーコートを採用し
た税理士事務所
(税理士法人シーウエイブ
[大分県]
)
応用といった国内中心の事業戦略から、近年では、パート
ナー企業とともに多様な建材を通じてさらなる普及を目
指す
「ハイドロテクトの輪」の展開を行い、国内外で広く事
業を展開しています。
「ハイドロテクト」は、光触媒を利用し光や水の力で地球も
暮らしもきれいにするTOTOの環境浄化技術であり、多く
のお客様に活用いただいており、建物の外壁から室内の壁
や床までさまざまな商品に利用されています。
2013年3月には、抗菌・防汚・防臭機能をもつ内装用の大
型陶板建材「ハイドロセラ」
シリーズの新商品として、病院・
高齢者施設や商業施設などトイレのリモデルに適した
「ハ
ハイドロセラ・ウォール
光拡散プレミアムホワイトシリーズ
将来の見通しと今後の戦略
セラミック事業では、
TOTOならではのオンリーワン技術商
燃料電池事業では、次世代エネルギー技術として注目され
品の開発、
ソリューション提案、
グローバル展開を推進しま
ている燃料電池(SOFC)において、TOTOオンリーワン技
す。
これらの活動を通じ、
より高品質・高性能な商品を求め
術であるセラミック製発電セルを組み込んだ発電モジュール
るお客様の新たなニーズに対応できる商品を継続的に供給
(発電部位の心臓部)
の製造・開発を推進します。
していくことで、
お客様にとっての重要部材サプライヤーと
現時点までに高い発電効率を実現しましたが、燃料電池シ
しての存在価値を一段と高めていきます。
ステムメーカー、
ガス会社、
研究機関などとの共同実証試験
環境建材事業では、
ハイドロテクトのライセンス事業、外装
は継続して進め、実用化に向けて耐久性の向上に重点を置
事業の立ち上げや工場統合等の事業転換期から、
ハイドロ
いて開発に取り組み、
早期事業化を目指します。
セラ、海外BtoB事業、外装事業等の事業成長期へと移行し
今後、新領域事業は3つの事業の黒字化と、
オンリーワン技
ます。
ハイドロセラは技術開発力とサプライチェーンを強化
術を活かした“成長する新たな市場”での事業成長を目指し
し、
海外BtoB事業はライセンス契約の早期獲得と光触媒の
ます。
コーティング液販売ビジネスへの転換を図ります。
22
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