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GFT東京支店(コメンタリーレポート タイトル)

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GFT東京支店(コメンタリーレポート タイトル)
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2012 年 7 月 23 日
GFT 東京支店
イブニングレポート「為替世界観」
水谷文雄 (GFT スポンサード・コメンテータ)
市況概況:スペイン報道でユーロ売り相場再点火
ユーロ相場は、ドイツ連邦債利回り低下の優良債券市場に逃避資金が流れる中、調整局面にありま
した。しかし、投資家の心中を察するに、ユーロ相場は売り基調にあるのではとの確信めいたもの
がありました。何かのきっかけ報道を待っていた節がありました。それがスペインからの報道でし
た。バレンシア自治州が救済申請を中央政府に求めるとの報道と、同じくスペイン・モントロ財務
相が、2013 年 GDP(国内総生産)がこれまでのプラス 0.2%からマイナス 0.5%に下方修正すると
する報道で、相場が崩れました。スペイン政府の支払は 91 億ユーロ増える見通しで、財政赤字が
改善する見通しには悲観的にならざるを得ないようです。今朝の報道では、スペイン地元紙がバレ
ンシア自治州に続いてバレアレス諸島(地中海点在の諸島)やカタルーニャ自治州が支援要請をす
るのではとの観測報道があったようです。地中海沿岸のリゾート開発を不動産バブル時に盛んに行
ってきた自治州が、今回の支援要請の可能性が出ている。具体的にはムルシア州、アンダルシア州
が上げられる。ムルシア自治州首相は、支援要請を否定しているものの、スペイン 17 自治政府全
部が支援を必要としているとも言っています。状況はかなり苦しいものと想像は出来ます。今後各
自治政府が支援要請を打ち出す可能性は否定できない。ドイツからはユーロ圏の不協和音が起きて
いることを想起させる報道がありました。CSU(キリスト教社会同盟)有力議員が、ユーロ加盟国
は合意した改革を履行すべきであり、できない場合はユーロ圏を離脱すべきだと過激な文言を発し
ています。対ギリシャを指した発言であると推測されます。
ドイツ連邦債は一段と利回り低下傾向を示しており、10 年債は 1.17%と初めて 1.20%を割りまし
た。2 年債はマイナス金利が更に進み、-0.07%です。反対にスペイン国債 10 年は 7.27%と危険
ゾーンの 7%をかなり上回りました。これからの動きに注目です。イタリア 10 年債も 6.20%とシ
シリア島の財政問題をモンティ首相が指摘して依頼、ネガティブな印象を強めています。
米国では先週のベージュブック(米地区連銀経済報告)が比較的良い内容であったにも関わらず、
その後の経済指標が悪かったことで、10 年米国債利回りは 1.45%と今年の最低利回りとなりまし
た。米景気後退観測と世界的なリスク回避の流れの 2 つの要因からです。
今週はリスク回避志向の流れを基本に為替相場が動くのではないかと思います。ユーロ圏各国政府
高官の突然の発言、スペインを中心に国債利回り、株式市場を注視する必要があります。米国では、
景気後退の芽が出てくるのかに注目が集ります。7 月 31 日開催の FOMC(米連邦公開市場委員
会)の政策決定を見据えた観測が出てくるのでしょう。筆者はベージュブックが特に悪化した内容
ではなかったことから、金融政策に変更はないと思っています。
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為替見通し:シカゴ金融先物市場はユーロ以外に大きなポジション構築には
なっていない
ドル/円:77.80~78.60 米債利回り低下傾向が続く限り円高傾向が続くと思います。安住財務相が
今日も「過度な為替の変動に対しては断固とした措置と講じる。」との口先介入も効果が薄い。各
国中央銀行からの協力は得られないから苦しい立場です。チャート的にはボリンジャーバンドの下
限バンド 78.34 に沿ったバンドウォークの可能性になるか注目です。5 日移動平均線(78.61)をレ
ジスタンスにドル下落の動きになっています。個人投資家の損切り注文が 78.10~78.00 に並ぶ。
クロス円特にユーロ円の下落が進むとドル/円での円買いが進む。損切り相場の可能性が円高を進
めることになります。反発の目安はボリンジャーバンドのミドルバンド 79.28 に注目。米金利上昇
か、実弾介入のいずれかの場合には注意。ギャンスクエアでは 77.00 が非常に重要な節目として注
目です。シカゴ先物市場の先週火曜日時点のポジションは円ロング 11,121 枚と大きくは増やして
いない模様です。
ユーロ/ドル:1.2030~1.2170 下ヒゲが伸びる先週のろうそく足からは短期筋のユーロロングが沸
き上がる相場でありましたが、バレンシア地方の支援要請報道からユーロを下げる動きになりまし
た。現在ではムルシア地方の支援要請報道からユーロ下落のようです。潜在的にユーロ売りを考え
ていた投資家が多いということです。欧米・アジアのソブリン系が上値でユーロ売り注文を置いて
いたことを想起させます。見切り発車と言えます。ボリンジャーバンドの下限バンド(1.2041)を
目指す動きを予想します。戻り目処はミドルバンドの 1.2349。下記チャートは週足です。ちょっと
長いチャートを用意して見ました。2010 年 6 月 1 日安値の 1.1875 が次の目安と思います。黒線
の 2 本のトレンドラインを引きました。この範囲内での下落を続けると予想します。シカゴ筋は先
週火曜日時点でユーロショート 167,249 枚(前週比 1,544 枚増)ですが、金曜日の下落でかなり増
えているのはと思います。
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ユーロ/円:94.00~95.30 クロス円も対ドルでのユーロ下落から下値を押し下げる動きになってい
ます。こちらはボリンジャーバンドの下限バンド(94.61)に既に接しており、バンドウォークに
入るか注目です。5 日移動平均線(96.02)が上値レジスタンスと言える。MACD が緩やかな下落基
調で進むと動きになっています。
ポンド/ドル:1.5500~1.5630 先週のポンド高相場も予想通り長続きはしなかったですね。ボリン
ジャーバンドの上限バンド 1.5740 が重石になったようです。現在はミドルバンド近辺の動きにな
っています。BOE(イングランド銀行)は量的緩和強化の動き、政策金利引き下げも検討している
ようで、ファンダメンタルズからは引続きポンド売りの流れと読みます。下限バンドの 1.5418 に
注視。シカゴ筋はポンド相場には興味ないのか、先週火曜日時点でポンドショート 7,453 枚とほと
んどスクエア状態です。相場の見通しが明確ではないのが要因か。ここ 2 ヶ月レンジ相場(1.5400
~1.5750)にあると言えます。
豪ドル/ドル:1.0260~1.0380 ユーロ/豪ドルが 1.17 台ミドルであり、引続き対ユーロ相場では、
リスク回避の豪ドル買いの流れです。しかし、対ドルでは調整局面に入ったように見えます。短期
筋の利食いのように解釈したい。ボリンジャーバンドのミドルバンド 1.0232 までの下落があるか
に注目です。ストキャスチックは下落方向に転換した動きになっています。シカゴ筋は先週火曜日
時点で豪ドルロング 13,931 枚(前週比 5,134 枚減)と豪ドル高の動きになっているものの、ポジ
ションは減少しています。まだ確信が持てないのかもしれない。この数字が増えてゆくようですと、
本格的豪ドル高になるのではと思います。基本は豪ドル高方針で考えます。
豪ドル/円:80.00~81.30 ドル/円が円高方向に動いているから、クロス円では、ドルストレート
と比較すると下落スピードが速いと言える。ボリンジャーバンドのミドルバンド(81.18)から下
限バンド(79.55)にワンタッチするか注目しましょう。79 円台は中期的には拾いたいところです。
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