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報告書全体版 (PDFファイル:1.76MB)
2009年度
新潟の拠点化推進に向けた調査・研究報告書
みらいのまちづくり指单
~これからのまちづくりの考え方・進め方~
2009年度
社団法人新潟青年会議所
新潟拠点化推進委員会
1
はじめに
近年の社会・経済環境の激変により、従来型の『国家発展の方程式』が成立しなくなり
ました。国の進路すら定まらず、政治・経済が迷走している中、国を構成する卖位である
「まち」も、変化に対応できず苦しんでいます。
今日までの地域は、国家の発展と軌を一にさえしていれば一定の繁栄が約束されてきま
した。それが故に中央政府が権力を独占し、地域には自立の気概が生まれず、地域の潜在
力が発揮されなかったのです。習慣的となった中央への従属傾向が地域の独自性の発現を
妨げ、気がつけば大都市への一極集中が極端に進む一方、突然に自己責任を押し付けられ
た地域は衰退の一途を辿ってしまったのです。今こそ、地域サイドでの考え方を抜本的に
転換し、文化的センスや経営的手腕を武器に、地域の独自性を発揮して、将来の発展を目
指すべきなのです。かつてないほど地域の力に期待が寄せられている現在は、まちづくり
の考え方・進め方を大転換するまたとないチャンスと言えるでしょう。
本報告書は、
「みらいのまちづくり指单」と銘打ち、これからのまちづくりに共通する普
遍的な取り組み姿勢を考え、その実現への進め方を提示すると同時に、新潟のみらいに投
影した具体的なビジョン像を試みに掲げてみることで、これからのまちづくりの方向を指
し示す内容としています。日本各地に明るい豊かな社会が生まれることで、我が国が全体
として活力に満ち溢れ、再び発展への道を歩みだすに際して、本報告書が一助となること
を期待します。
3
4
目
次
第1章 まちづくりとビジョン
Ⅰ.地域を巡る状況変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
Ⅱ.まちづくりの課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
(1)地域の護送船団方式の終焉
(2)地域間競争・都市間競争の激化
(3)尐子化・高齢化・人口減尐社会
(4)逼迫する財政
(5)地方分権
Ⅲ.まちづくりにおけるビジョンの必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
(1)ビジョンのあるべき姿とは
(2)旧来の考え方
(3)みらいの方向
(4)ビジョンのあるべき姿の検討
第2章 さあ、新潟のみらいのビジョンを作ってみよう!・・・・・・・・・・・・・・・・・19
Ⅰ.みらいのビジョン作成にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Ⅱ.新潟の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Ⅲ.新潟みらい創造プラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
【新潟みらい創造プラン】プランA:賑わいと活気に溢れるまちづくり・・・・・・・・・25
重点推進分野①中心市街地へのアクセスの改善
重点推進分野②中心市街地の魅力の向上
重点推進分野③郊外型商業施設開発の見直し
【新潟みらい創造プラン】プランB:北東アジアの活力を引き込むまち・新潟・・・・・・33
重点推進分野①対内投資の呼び込み
重点推進分野②海外企業進出促進のための交流機会の増大
重点推進分野③海外アクセスの充実
【新潟みらい創造プラン】プランC:こころで織りなす「ひと」と「まち」の絆・・・・・41
重点推進分野①郷土教育の推進
重点推進分野②新潟の食の魅力定着
重点推進分野③郷土と関わる機会・情報の増加を通じた新潟への誘引
第3章 まちづくりのこれから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
Ⅰ.ビジョンあるまちづくりで留意すべきこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
Ⅱ.ビジョン実現のため、私たちにできること・やるべきこと・・・・・・・・・・・・・・53
参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
5
第1章
まちづくりとビジョン
Ⅰ.地域を巡る状況変化
Ⅱ.まちづくりの課題
Ⅲ.まちづくりにおけるビジョンの必要性
7
第1章
まちづくりとビジョン
Ⅰ.地域を巡る状況変化
我が国は、戦後復興期から高度成長期を経て、20世紀の後半期に急成長を遂げ、世界
随一の経済大国のひとつとなることができました。国民の生活は豊かになり、国の経済規
模はアメリカ合衆国に次ぐ世界第二位にまでなりました。
しかしながら、高度経済成長期が終焉を迎えた中、1970年代の石油危機や1990
年代のバブル経済の崩壊等をきっかけとして、経済は長期に亘って低迷を続けるようにな
り、我が国は本格的に低成長・安定成長期に突入したとされています。
こうした状況の中、かつては「日本列島改造論」に代表される活発な公共投資等の効果
により、国全体の成長に呼応して国内の各地域も発展し、人口増・税収増を実現し、都市
の開発が進み、都市圏も急速に拡大してきました。しかしながら、経済活動の低迷を背景
に、各分野での税収が軒並み落ち込み、公共投資を下支えしてきた財政収支が逼迫してい
ることもあり、今までのような首都圏を代表格とした近代的なまちづくりを指向してきた
都市開発が行き詰まりを迎え、地域の発展にも限界が垣間見えてきました。
2007年には北海道夕張市が財政再建団体に指定されて事実上の財政破綻に陥るなど、
将来の成長・発展を前提に負担を先送りしてきた地域経済・地方自治体が、続々と窮地に
陥っています。健全な自治体経営のためには、まずは財政再建を進めることが不可欠です
が、一方では、住民に明るい豊かな社会での暮しも提供できなければ、地域の発展は望め
ないことでしょう。
もはや、都市化を進めるための大規模投資だけを続けていくことで将来の発展の可能性
を信じることは現実的ではありません。地域のまちづくりの考え方のパラダイムシフトを
図って、独自の考えによって多様な方向への発展を目指す地域が増えていくことが、我が
国全体の活性化に繋がるのではないでしょうか。
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Ⅱ.まちづくりの課題
これからの「まちづくり」を考えていくに当たって、まずは現在地域が直面している課
題を整理しなければなりません。ここでは代表的な課題を例示してみます。
(1)地域の護送船団方式の終焉
従来の地域開発は、全国をあまねく平準化して均衡して発展させることを目指しつつ、
開発方向を定めて投資を進めつつ、首都圏を始めとした都市部には特に集中的に投資を行
う政策が取られてきました。これは、首都圏以外の地域にとって、地域開発の護送船団方
式と捉えることができます。しかし、夕張市の財政破綻を挙げるまでも無く、こうした手
法で中央政府が地域の開発を主導的に牽引していく時代は、既に過ぎ去ったと考えるべき
でしょう。今や、自治体が自己責任によって主体的に自治体経営を進め、結果責任を負っ
ていく時代です。言うまでも無く、自治体の経営責任は住民の手による政策決定と表裏一
体であり、従来のように首長・議会・行政に自治体経営を一任する姿勢から脱却し、自治
体経営に住民が直接深く関与し、住民が自己責任を全うすることが求められているのです。
(2)地域間競争・都市間競争の激化
地域の護送船団方式により、どの地域も同じ方向性で金太郎飴的に均質な都市の発展が
目指されてきました。しかしながら、成長の原資となる経済活動が、かつてほどの勢いを
失いつつある現在、全ての都市が均衡に発展するという期待は幻想に過ぎなくなっていま
す。意欲と実力のある都市は、着々と戦略を練って他都市に先駆けて将来の発展の布石を
打っているのです。今後、地域がそれぞれの独自性を発揮することで発展に格差が生じる
でしょう。その結果として、全国のあらゆる地域は発展する地域と衰退する地域に仕分け
されることでしょう。既に、地域間競争・都市間競争はスタートしています。一刻も早く
地域の発展への手を打たなければ、その地域はレースに出遅れ、生き残ることすら覚束な
くなってくるのです。
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(3)尐子化・高齢化・人口減尐社会
我が国の人口動態が尐子化・高齢化を迎え、来るべき将来の人口減尐の危機に瀕してい
ます。これは、顕著となっている経済活動の低迷に加えて、若年労働力の減尐や福祉負担
の増大を招き、じわじわと国の発展の足枷となっているのです。人口の増大と経済の発展
を無条件の前提として、膨れ上がる公債や瓦解寸前の社会保障負担を先送りできる時代は
過ぎ去ったのです。地域発展のために必要な投資は、今まで以上に厳選され、精査されな
ければなりません。
(4)逼迫する財政
かつては拡大する経済や人口を前提として、将来に財政負担を先送りしつつ開発や投資
の資金が投入されてきました。しかしながら、国のみならず地域の財政収支が悪化の一途
を辿る中で、徒に公債発行等による財政負担の先送りはできなくなっています。また、過
去の債務の償還への対応も、現在の財政収支を圧迫しています。地域の発展のために必要
な投資を行うとしても、財政への過大な期待はできないと考えるべきです。つまり、投資
資金への過度な期待はできず、まちづくりのための多様なアイデアこそが求められている
のです。
(5)地方分権
永年の地域の護送船団方式での地域開発は、中央集権体制の下で進められてきましたが、
現在、地域を巡る情勢変化に呼応するように、中央集権体制から地域主権体制への移行が
図られてきています。中央と地方を巻き込んでの数次に亘る地方分権の成果として、次第
に地域主権が認められつつあり、今後の大勢としても地方分権の流れは止まらないと思わ
れます。しかしながら、現在までの地方分権が、まちづくりを推進する成果に直接結びつ
いているかどうかは疑問の余地があります。地方分権の潮流がある今こそ、具体的にまち
づくりに生かすことができる権限を特定し、それらを確実に中央政府から獲得しなければ
ならないのです。地域の発展が護送船団方式から自己責任・自己決定の時代へと変化した
ことを踏まえて、まちのポテンシャルを100%引き出すと同時に共に、まちづくりに現
有の100%の力では不足するならば、地方分権を存分に活用して100%を超えた力を
獲得するべきでしょう。
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Ⅲ.まちづくりにおけるビジョンの必要性
(1)ビジョンのあるべき姿とは
従来から、地域の発展のためには多くのビジョンが作られてきました。ビジョンとは、
「将
来の見通し、構想、未来像」などを意味します。まちづくりを考えるに際しては、ビジョ
ンの意味は「みらいのまちの姿がどうなるのかを、わかりやすく示しているもの」と言い
換えることができるでしょう。
数多くの個別の施策を並べ立てることにより、自然とみらいのまちの姿が見えくるわけ
ではありません。偶然に頼らず、個別の施策の効果をひとつの方向に集中して作用させる
ことで、相乗的にまちづくりの成果が現れてくるのです。その「ひとつの方向」がビジョ
ンそのものであり、示されたビジョンを目的とし、その目的を達成する手段として、個別
の施策を挙げることが本来の手順なのです。
旧来の考え方を転換し、みらいへのまちづくりを進めていくに当たっては、地域の個性
を生かした独自性あるまちづくりを指向するべきです。まずは目指すべき「まち」の姿を
明確にしたビジョンを確立することが不可欠であり、ビジョンが定まらない限り、その実
現手段を特定することはできないはずです。また、数多の実現手段の特定だけが先行して
も、何を実現するのかの目的がはっきりしなければ、それらを実行するに当たってのコン
センサスを得ることはできません。つまり、ビジョンが無ければ、まちづくりは進まない、
いえ、進めるべきではないと言えるのです。
ビジョンの下にそれぞれの施策や取り組みを糾合することで、みらいの「まち」の姿が
現実味を帯びて明らかになってくるのです。
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(2)旧来の考え方
それでは、旧来のまちづくりやビジョンの考え方はどうだったでしょうか。代表的な旧
来の考え方を再度検証してみます。
a)地域の強みを伸ばす・弱みを克服することに終始すること
まちづくりを進めるに当たって、地域の特性としての強みや弱みを分析することは大切
な取り組みです。しかしながら、強みや弱みといった観点ばかりを強調することでは、そ
の強みを伸ばしたら最終的にどういったまちになるのか、弱みを克服して結果としてどう
いったまちにしたいのか、といった将来像に自ら辿りつくとは限らないようです。
地域の強みとして取り上げられることが多いのは、食・農業、自然環境、都市の格(政
令指定都市、中核市等)
、特産物、人材、市民性、名所旧跡・観光資源、歴史、交通・物流
の拠点性等です。また、弱みとして取り上げられるものには、観光資源の尐なさ・アピー
ル不足、インフラの脆弱さ、過疎化、経済規模の小ささ・就業機会の尐なさ、市民性、気
候・地理特性が含まれます。
まずは、どういった都市像を目指すのかを見定めることが先決です。地域の強みや弱み
の分析は、目指すべきまちの姿をビジョンとして明確にした後で、その実現のための手段
として長所や短所の分析と対応が必要になってくると考えたほうが、より地域のみらい像
が現実のものとしてはっきりと見えてくるのではないでしょうか。
b)手段や方法が先行して、将来像の実現との因果関係が検証されないこと
目指すべきまちの姿がはっきりしないと、いきおい目的ではなく手段が先行することに
なります。住民が望む将来像の実現に寄与するかどうかが曖昧なまま、手段の実現にばか
り注力されることになります。
そういったインフラ整備の事例としては、日本各地で新幹線の誘致が行われてきたこと
が指摘できます。巨大な社会資本投資となる新幹線整備により、交通の利便性が劇的に向
上することは事実です。しかしながら、新幹線駅ができることによって、その地域にどう
いったまちの姿が実現されるのかは、必ずしも明確ではなかったのではないでしょうか。
地域には、新幹線駅さえできればきっと良くなるはずだという、信仰に近い発想しかなか
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ったのかもしれません。現実に、新幹線駅ができたことで、観光等で交流人口が増える反
面、定住人口の流出が加速化しているという事実も認められます。
他の都市で成功した方法論をそのまま輸入しても、それだけで成功が約束されるもので
はありません。まずは目指すべきみらい像があり、そのための実現手段として合理的な因
果関係が認められる手段・方法の特定を試みるべきでしょう。
(3)みらいの方向
まちづくりを進めていくに当たっての最終的な目的は何でしょうか。
住民が暮していない領域は「まち」とは言いません。住民にとって、暮したいと思う「ま
ち」を作ることが、
「まちづくり」の目的であるべきでしょう。住民が暮らしたいと思う「ま
ち」であることとは、その「まち」での①物理的な暮しやすさに起因する魅力と、その「ま
ち」への②愛着・親近感に起因する魅力に大別することができます。都市における諸問題
が都市特有の住民の無関心や孤独感・疎外感に発するものであるならば、それら二つの魅
力は相反するのかもしれません。それらがバランスするポイントはまちによって違い、そ
のまちの特色が滲み出る点だと考えられます。その「まち」にふさわしい均衡点を見つけ
るためには、住民自身が自らの視点でまちの魅力の本質を導き出さなければなりません。
かつてのまちづくりの基幹的考え方であった物理的な充実を求める「暮しやすさ」は、
指標化しやすいが故に定量的に評価することができます。下水道の整備率、道路の総延長
等は、投資に対する結果を可視的に示すことができるため、目標を掲げることが簡卖です。
そうした方向を突詰めた結果が、現在まで続く飽くなき住環境・インフラ整備の追及であ
り、地域の「東京化」に繋がったのではないでしょうか。
まちを取り巻く環境が激変している現在、改めてビジョンが必要となってきたわけです
が、ビジョンの必要性が高まっている理由がもうひとつあります。現在まさに進行してい
る地方分権は、地域・まちの発展の起爆剤となるポテンシャルを秘めており、地方分権を
効果的に活用すれば、まちづくりを進めるための手段の選択肢・多様性は飛躍的に拡大し、
ビジョンの実現可能性が劇的に向上することになるでしょう。
現在の地方分権が、中央政府主導で権限の切り売り状態に終始しているのではないかと
の懸念を払拭し、真に地域のためになる地方分権を実現するためには、まちづくりのビジ
ョンを確立し、その実現のための手段を特定することが必要です。その過程で現在の地域
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の持つ権限の限界が明らかになることから、それらの制約を撤廃し、政策の自由度を拡大
するために、移譲を求めるべき権限が明確化されるのではないでしょうか。もし、現在の
地方分権の動きが、限定的な成果を出しただけで完了してしまっては、再度地方分権を求
めていくことは難しくなるでしょう。今こそ、地域にとって実のある地方分権の実現のた
めにも、まちづくりのビジョンの確立を目指すべきなのです。
なお、移譲された権限を存分に活用するためには、地方自治体の行政執行能力の向上も
不可欠です。権限には責任を伴うことを忘れず、尐しでも多くの権限を獲得できればそれ
で良いといった権限の分捕り合戦に終始することのない、実現可能な権限委譲を旨とすべ
きです。
(4)ビジョンのあるべき姿の検討
それでは、目指すべきビジョンは、どのようなものであるべきなのでしょうか。ここで
は、まちづくりのビジョンが備えるべき様々な条件を挙げることとします。
a)暮したいまちを実現できるか
ビジョンは、その実現によって住民が暮らしたいまちを実現しなければなりません。し
たがって、そのビジョンが実現するみらいのまちにおいて、暮しやすさが向上することを
明確に示すことが必要です。つまり、ビジョンを実現することで、どのようなみらいの「ま
ち」生まれるのか、はっきりとわからなければいけないのです。
b)目的が先行し、手段が明確であるか
ビジョンは目的であるべきで、手段である個別の施策の集合体であってはなりません。
ビジョンの実現手法として当然に個別の施策が含まれるわけですが、それらの個別の施策
の実現は、ビジョンの実現に貢献するものになるはずです。
また、手段は可能な限り明確になっていなければ、実行に移すことはできません。実行
のために必要となる投資資金、制度面での制約、実施主体の特定等を具体的に行うことが
必要です。また、手段となる施策を講じたことで、どれほどの成果に繋がったのかの達成
度合いが検証できることと、手段の実現が成果に繋がった因果関係が明確であることも求
められます。
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c)地域の課題に対応し、独自性・特色を生かしているか
地域間競争・都市間競争の時代では、他の都市の卖純な模倣だけでは競争に生き残るこ
とは難しいでしょう。地域固有の課題に対応することはもちろんのこと、地域の独自性や
特色を生かすことが、他都市に先駆けた取り組みに結実すると考えます。例え他都市に追
随したビジョンが原点だとしても、そこに地域の独自性や特色を加えることで、異なった
まちの姿が浮かび上がってくるでしょう。また、独自性・特色を生かす半面で、物理的・
地理的に実現不可能な制約がないことも確認しなければなりません。寒冷地域と温暖地域
では気候の生かし方は当然に異なりますし、海や山が無い地域で、海や山を活用したまち
づくりを目指すことは現実的ではありません。
d)達成を外部要因頼りにしていないか
地域のまちづくりといえども、世界・全国の社会や経済の潮流を無視しては実現されま
せん。急激な経済成長を期待したり(外部からの工場進出だけを頼りにする、政府予算の
倍増を見込む等)
、尐子化や高齢化に伴う問題が解決したり(日本の総人口が増加に転じる
ことを前提とする等)といった、外部の要因に頼ったビジョンを作ってしまっては、不確
実性が高くて実現の可能性が不透明になるいだけではなく、地域が主体的にビジョンを推
進することすら困難となってしまうのです。同時に、現在予想される外部の諸条件の激変
(例えば今般の世界同時不況)にも極端に左右されることなく、計画的・安定的にまちづ
くりを進めることができるビジョンを掲げられれば理想的と言えるでしょう。
e)まちづくりの成果が定着するか
まちづくりが現状を変えていくものであるとしても、その成果はまちの連続的な歴史に
織り込まれることになります。まちづくりのビジョンの成果が一過性に過ぎずに永続性を
具備しなければ、限られた資源を投入して実現するに値するものとは思われません。ビジ
ョンの成果が中長期に亘って持続的に実現でき、まちのすがたとして定着することが必要
なのです。
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f)夢があるか
みらいのまちの姿には住民の高い関心が向けられることでしょう。夢物語に終始して現
実的でないビジョンは論外ですが、まちが良くなるという夢が感じられないビジョンでは
物足りません。住民がそのみらいのまちの姿を切望し、期待と夢を膨らませるようなビジ
ョンを心がけるべきです。また、そうしたビジョンでなければ、住民のコンセンサスを得
て実行に移すことは難しいでしょう。
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第2章
さあ、新潟のみらいのビジョンを作ってみよう!
Ⅰ.みらいのビジョン作成にあたって
Ⅱ.新潟の課題
Ⅲ.新潟みらい創造プラン
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第2章
さあ、新潟のみらいのビジョンを作ってみよう!
Ⅰ.みらいのビジョン作成にあたって
地域の発展のためには、第1章で掲げた条件に沿ったビジョンを作成することが不可欠
であることが明らかになりました。しかしながら、ビジョンはすぐに作成できるようなも
のではありません。住民の共感を得て、議会や行政が同調するに値するような、しっかり
としたビジョンを作り上げるためには、十分な時間をかけて内容を精査すると共に、コン
センサスを得るための地道な活動も必要になります。
ビジョンの作成が困難であることは承知の上ですが、第2章では敢えて新潟のためのビ
ジョンの提示に挑むこととします。これは、第1章で示したようなビジョンの条件(いわ
ば外堀を埋めること)で満足せず、果敢にビジョンを作成する(本丸を攻略する)ことを
試みることなのです。総論賛成(第1章)・各論反対(第2章)の反応があることも想定の
上です。浮かび上がってきたビジョンの内容を仔細に検証することは本章の本旨ではなく、
ビジョン作成への過程を追体験してもらうことで、ここに示す3つのビジョン事例に囚わ
れるものではない、より新潟に相応しい新たなビジョンを生み出す議論の端緒としたいと
考えています。
Ⅱ.新潟の課題
現在、我々の暮らす新潟には、地域をめぐる普遍的な課題に加えて、新潟に固有の課題
も抱えています。
新潟市は2005年の14市町村の合併を経て、2007年には本州日本海側では唯一
の政令指定都市に移行しました。新・新潟市は、食料自給率の高さ等を背景に、先行する
政令指定都市との明確な差別化を試みていますが、その目指すべき姿は必ずしも明確には
なっていません。また、2009年度こそ大観光交流年として交流人口の増加が実現しま
したが、元来観光地としての魅力に欠けると言われてきた新潟にとって、2010年度以
降の観光振興の方向性は必ずしも明確ではありません。また、将来の北陸新幹線の延伸開
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通による上越新幹線の枝線化・運行本数縮小も懸念されています。ビジョンの作成にあた
っては、地域固有の課題に対応することも必要となってきます。
一方で、新潟市が優位な点としては、田園型政令指定都市と呼ばれるように他の政令指
定都市と比較した際に自然や食・農業の面で特色があること、新幹線や高速道路、鉄道・
湊・空港といったインフラ整備が早い時期から行われてきたこと、開港5港のひとつとし
て国際交流の拠点であったことなどが挙げられます。また、今後の地方分権に伴って、財
源や権限の移譲が進む中で、行政サイドがそれらの権限や財源を適切に執行することがで
きるかといった執行能力が課題となってきますが、新潟市は市町村合併を経たことで総体
的には行政の執行能力が強化されていると考えられ、移譲された権限や財源を存分に活用
できるものと期待できます。
これら個別の状況に対処療法的に対応していくことも大切な取組みとなります。一方で、
みらいを見据えたビジョンを創り、確固たる信念により新潟のまちづくりを進めることに
よって、自然とこれらの課題の解決が図られるとも考えられます。また、抜本的に課題設
定の視点を変えるビジョンを設定すれば、今まで問題とされていた事柄が、問題として認
識されなくなることすらあり得るのではないでしょうか。
22
Ⅲ.新潟みらい創造プラン
新潟のみらいを創るビジョンの作成に当たり、まずは、新潟のみらいの姿として一般的
に語られることが多いイメージを列挙し、住民が抱く漠然とした共通認識の可視化を試み
ました。
・日本海・信濃川をはじめ各所に水・土・緑が広がる自然が豊かなまち
・近代的建築が林立し、公共交通が張り巡らされた機能的なまち
・商業が活性化し、昔ながらの商店街で人と人との心の交流ができるまち
・二酸化炭素やゴミの排出が抑制され、リサイクルが進み、環境問題がないまち
・国内・海外から観光客が殺到し、観光地としての賑わいがあるまち
・社会保障が充実し、老人が終の棲家とするまち
・若者の関心を刺激して余りあるエンターテイメントに溢れるまち
・スポーツが盛んで、病気とは無縁の健康的なまち
・交通や物流の要所となり、ヒトやモノが行き交うまち
・田園が広がり、農業が地域経済と住民の生計を支えるまち
・人口が増加し、経済が成長し、まちも経済も活況を呈するまち
・海外との文化交流や経済交流が進む国際色が豊かなまち
・閑静で上質な暮らしが実現するまち
・治安の問題が無く、安心して暮せる安全なまち
・学生が集い、日本の英知が結集する学園都市
・起業が盛んで続々と新産業が生まれる進取の気性に富むまち
などなど、理想的なまちの姿を示せば、枚挙に暇がありません。
ここに挙げたようなまちの姿のいずれかは、尐なからず賛同を集めることでしょう。ま
た、これらの全てが実現すれば、地球上には他に存在しないような、さぞや素晴らしいま
ちができあがると思います。しかしながら、第1章で提示した時代の変化により、新潟に
おいても、今後、こうしたまちの姿のすべてを実現することは、到底現実的であるとは思
えません。逆に、全てにまんべんなく取り組んでしまうことは、全てに中途半端な結果し
か生み出せなくなる危険性があります。その行き着くところは、全国の他都市と比較して
も特に抜きん出るところが認められない、どこにでもある平凡な都市です。それでは、み
らいの新潟が日本の都市の中で埋没してしまう危険すらあるのではないでしょうか。
23
こうした多種多様なまちのみらいを目指してきたことが、まちを発展させようという住
民の活力を生み出し、今までの住民の連帯感・一体感の拠り所となってきた事実を否定す
るものではありません。政令指定都市の実現は、住民の意志の結集が結果に結びついた、
良い事例であったと言えるでしょう。我々が提示するビジョンは、旧来のタイプの「夢」
を脱却し、現実味を帯びつつ住民に希望を与える、新しいタイプの「夢」として、価値を
再構築して、創造していくものなのです。
我々の考えるビジョン「新潟みらい創造プラン」は、新潟の現状を踏まえた上で新潟の
みらいを見据え、住民に夢を与えることを念頭に作成しました。同時に、現状の延長線上
に拘泥することも危惧し、敢えて自由な発想での現状とは不連続なビジョンの作成にも取
り組みました。ビジョンの作成に当たっては、様々なみらい像を検討しました。その中か
ら、3つのビジョン(プランA、プランB、プランC)を取り上げました。ビジョンの選
択にあたっては、内容に魅力や夢が認められることに加え、新潟でのビジョン検討の発火
点となって、様々なビジョン作成に繋がる導火線となれるかという点も勘案しました。
ビジョンの実現には手段を講じなければなりません。そこで、まず各ビジョンの目的を
達成するための手段として、何らかの施策を講じる必要があると思われる複数の分野(重
点推進分野)を特定しました。その後、重点推進分野毎に代表的ないくつかの具体的な施
策を挙げました。取り上げた重点推進分野及び個別の施策以外にも、ビジョンの実現に効
果的な分野や施策の存在を否定するものではありません。よって、ここに示す重点推進分
野や施策は例示に過ぎず、必ずしも網羅的に列挙したものでないことにご留意ください。
それでは、我々の考える「新潟みらい創造プラン」をご覧ください。
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【新潟みらい創造プラン】
プランA:賑わいと活気に溢れるまちづくり
経済成長を前提とした従来型の都市圏拡大への取り組みが、需要を超えた無秩序な開発に
変質しつつある状況の中、中心市街地の衰退がまち全体の活力を削いでいます。人が集ま
る拠点としての商業地域の再構築を行い、まちの賑わいと活気を創出することで、再び都
市の活力を生み出すことを目指します
賑わいがない都市は魅力に欠け、住民を惹きつけることはできません。旧市街地(旧新
潟市域では古町・万代地域が代表的ですが、合併前の旧市町村でも同様の旧来からの商業
地域の存在が認められます)は、かつては商業地域として発展してきましたが、都市開発
地域の拡大、市町村合併と周辺地域への都市部の拡大に伴って、郊外型商業施設に集客を
奪われ、衰退が進んでいます。斬新性や利便性という点で郊外型商業施設には一定の魅力
は認められる一方、人口減尐社会の下では、過去のように物理的制約を解決するための都
市部の拡大の必要性は次第に失われつつあります。都市部の拡大により人の流れが分散す
ることは、社会資本整備の非効率化や将来予想される各地域の共倒れへの懸念という点で、
今後も従来型の開発を進めていくべきなのか、大いに疑問の余地があります。
拠点的な商業地域を再構築することは、卖に中心市街地の活性化という商業振興にとど
まらず、社会資本整備の集中化による都市の経済効率の向上にも寄与します。そして何よ
りも、賑わいを創出することによって都市の活気・活力を再び演出することができ、まち
に対する住民の愛着とまちづくりへの意欲を生むことができるのではないでしょうか。
既に富山市や青森市で取り組みが進んでいるコンパクトシティの考え方を取り込むこと
に加えて、既設の郊外型商業施設との共存共栄を図りつつ、中心市街地の集客力を見直す
ことで、賑わいと活気に溢れるまちづくりを目指します。
中心市街地に賑わいと活気を生み出すためには、車を主体とする現行の都市交通を見直
し、交通体系を多様化させるための①中心市街地へのアクセスの改善、賑わいや集客に値
するための②中心市街地の魅力の向上、賑わいの集中化を図るための都市計画の考え方の
転換による③郊外型商業施設開発の見直しを、重点推進分野として特定・選択し、それぞ
れの分野が目指すまちの姿の実現に向けた施策の検討を行います。
25
重点推進分野①
中心市街地へのアクセスの改善
都市圏の拡大と共に、中心市街地にアクセスするための距離や時間の増加が、住民の生活
圏を分散させる要因のひとつとなってきました。中心市街地のみならず、郊外も含めた商
業地域・商業施設へのアクセスを容易にするための交通手段を確立することと、アクセス
ルートを中心にした住宅地域の集積を推進することで、居住者の生活動線の誘導を進め、
集客の集中化を図ります。同時に、将来の増加が予想される高齢者などの車を使えない生
活難民への対応も可能となります。
商業地域・商業施設へのアクセス手段の整備
中心市街地へのアクセスを容易にすることと併せて、点在する商業地域や郊外型商業施
設を有機的に連接し、交通のネットワークを確立することで、商業地に集まる人の流れを
創ります。拠点となる中心市街地へのアクセスは、利便性を重視して、輸送力・信頼性・
安全性の点で優位にある軌道系交通機関の利用が適当と考えます。また、広大な新潟市域
に点在する旧来の商業地域や郊外型商業施設をネットワーク化するため、自動車に頼らず
とも行き来できることを目指し、パーク&ライドと非軌道系交通機関による交通アクセス
手段の改善が必要です。
※軌道系公共交通:LRT(ライトレール)
、地下鉄、モノレール等
①中心市街地へのアクセス手段としての軌道系交通機関の整備
軌道系交通機関としてLRT(ライトレール)、地下鉄、モノレール等の新たな公共交通
機関を導入し、中心市街地へのアクセスを確保します。
LRT整備に要する費用の参考例としては、富山市のポートラム(ライトレール)が挙
げられます。ポートラムでは、路線延長約7.6km(卖線)の整備に約58億円を要し
ています。廃止されたJR富山港線の約6.5km延長を活用する等でコストダウンを実
現しています。また、標準的な地下鉄の建設費を概算する指標としては、1kmあたり2
00億円の整備費用が必要になるとも言われています。なお、新潟駅から古町までの距離
はおおよそ2km程度です。
いずれにしても、多額の費用を要する事業です。ただ卖に整備コストの大小を議論する
だけではなく、市民が利用し易いこと、輸送力・信頼性・安全性が十分であること、中心
市街地へのアクセスをより容易にすることを勘案して、必要になる費用とのバランスを考
え、どういった交通体系が新潟市の中心部に相応しいかにつき、広い視野から検討を進め
るべきでしょう。
26
②バス等の既存の交通体系の改善
中心市街地を核として、周辺地域に点在する商業地域や郊外型商業施設を交通ネットワ
ークで結ぶにあたっては、基幹路線に比べて必要となる輸送力が小さいことを踏まえると、
大量輸送を前提とした軌道系交通機関ではなく、バス・鉄道等の既存交通機関の改善と活
用が適切です。市民の足となる交通機関として、小回りが利く小型車両によるバスと小型
タクシーの中間的な交通機関(乗り合いタクシー、ジャンボタクシーのような機能)が相
応しいかもしれません。
③パーク&ライドの本格導入
中心市街地への自家用車の流入による道路混雑を緩和するため、パーク&ライドを本格
導入します。郊外の駐車場として、公共交通のネットワークで結ばれた郊外型商業施設の
駐車場を主要拠点として位置づけます。
中心市街地近郊の駅等の交通ターミナル周辺には、駐車場と共に駐輪場・レンタサイク
ルを整備し、自転車を活用することで中心市街地内での周遊性を実現します。中心市街地
での駐車場整備の一環として、休日の公共施設等の駐車場を無料開放することも考えられ
ます。
アクセスルート近郊区域への居住推進
中心市街地を核とした交通ネットワークの活用を促すため、交通ネットワークの沿線・
近郊区域への居住を促進します。これによって、生活インフラ整備の効率化も図られ、都
市部の無秩序な拡散を抑止することも期待されます。
①近郊区域での住宅取得・住宅建設への支援
近郊区域における住宅の取得(住民)や住宅の建設(事業者)の支援手段として、補助
金の交付や固定資産税(市税)
・不動産取得税(県税)の減免が考えられます。
※富山市では市内中心地域での住居取得に補助金を支給
②公共施設の集約化
公営住宅や公民館・図書館等の公共施設、学校、病院を新設する場合は、極力アクセス
ルートの近郊区域に立地を集約させます。交通ネットワークの整備に伴って、移動に伴う
住民の負担が抑えられるため、既存公共施設の合併・集約が容易になり、公共施設の運営
の効率化も実現します。
27
重点推進分野②
中心市街地の魅力の向上
中心市街地への誘導を進めると同時に、そもそもの中心市街地が商業地としての魅力を向
上しない限り、集客の増加は見込めません。小規模な店舗が多い中心市街地等の商業地域
が、大量消費社会のシンボルである郊外型商業施設に正面から伍していくのではなく、中
心市街地が独自のアイデアと個性の発揮によって賑わいを創出していきます。
まち並み整備・統一感の確保
商業活性化を目的とした「住民主体のまちづくり」により、卖なる文化財としての建物
保存や、観光地化のためのまち並み整備にとどまらない、歴史、文化、自然環境等の地域
の特性を活かした地域が主体となった個性あふれるまちづくりへの取組みが必要です。そ
のためには、地域の魅力向上を目指して、住民、専門家、行政が一体となって行動するこ
とが重要なのです。
①まち並みの統一感を促すための建物新築・建替等に対する支援
建物の形態に影響する要素としては、壁面線の後退、壁のデザイン色・材質、看板・広
告物、日よけ類(ひさし)が考えられます。例えば、新潟の古町であれば湊町として賑わ
ったかつての商店街の雰囲気の復活が考えられます。まち並み整備は個人の権利を制限す
る一面もありますが、まちの全体イメージを高めることで地域が活性化するというリター
ンが期待されるという点で地域住民のコンセンサスを得て、まちに統一感を生み出す活動
を行うことが必要です。
2009年1月より自治体の作成した伝統的なまち並みや行事を守る整備計画を所轄官
庁が認定して、まちづくり交付金等で支援する制度が開始されました(歴史まちづくり法)。
今後は、まちづくりの独自性を強めるためにも、わざわざ中央省庁の認定を経なければ支
援できないのではなく、地域の独自性を発揮して地域が自主的に取り組む活動を直接支援
できるようになることが望まれます。
②中心市街地での賑わい創出
中心市街地に広場スペースを創設すれば、イベントスペースや商業スペースとしての活
用や、庭園をイメージしたオープンスペースに仕立てる等、賑わいの拠点とすることがで
きます。広場を豊かな緑あふれる憩いの場とすれば、オフィス街や商店街の貴重なオープ
ンスペースとしての機能を有しつつ、四季の移ろいを肌で感じられる場所となります。ま
た、各種の多彩なイベントスペースとして、賑わい創出の発信地としての活用を進めます。
ドイツを始め多くのヨーロッパの旧市街地の中心部の旧市庁舎前には広場が整備され、
市民の憩いの場となり、賑わいが生まれています。日本のまち並みでは馴染みのない広場
ですが、旧市街地の再開発の一環として、空いたスペースに無理やり商業ビルを建設しな
28
くても、敢えて空き地を広場として再整備することが、まち全体の賑わいを生むことにな
るでしょう。
③中心市街地の緑化(ぽけっとぱーく)整備
空き地・遊休地や小スペースを活用して、中心市街地の環境改善に資する小規模な憩い
の場(通称:ぽけっとぱーく)を多数整備します。商店街を回遊する際の休憩場所として
利用することに加え、ぽけっとぱーくにテーブル等を備えれば、手軽なテイクアウト商品
の飲食場所となって、中心市街地での滞在時間を伸ばすことも期待できます。ぽけっとぱ
ーくは、行政による直接(公有地)
・間接(補助金等)の整備のほか、商店街等で用地を確
保して整備を進める、ネーミングライツ方式で企業協賛を得て整備するなどにより、継続
的な整備と運営基盤の確保を図ります。商業地域のイメージを务化させている空店舗や空
き地の活用策としても有効です。
中心市街地での競争力支援
消費者に対して中心市街地独自の魅力をアピールすることは大切ですが、加えて商業地
本来の競争力を強化することも必要です。全国チェーン店や大型商業施設は、大量仕入や
PB商品開発によって魅力的な価格を消費者に提示することに長けています。中心市街地
での消費を誘発するためには、商業地域の個々の店舗の競争力を補完する取り組みも必要
になります。
○消費税減免による価格競争力の確保
中心市街地における中小規模の商店に対して、価格競争力の付与のために消費税を減免
します。地方消費税(1%)に国税分の消費税(4%)を加えた5%の消費税率の全部又
は一部を免除します。その際は、恒久的な措置とすることのほか、中心市街地全体でのセ
ール期間等だけ減免を認める制度として商店街運営の企画力を生かしたり、新規開店や改
装後の一定期間のみの適用としたり、商品ジャンルを限って適用したりするなど、商店街
運営の一体化や創意工夫を促すための政策的な誘導手段とすることも考えられます。
29
商業地域の独自性の発掘・進化
長い歴史をもつ中心市街地の一部には、既に廃れてしまった商業スタイルである人間的
な温かみが残っています。かつては、商品や店舗の魅力だけではなく、商店主や販売員と
の人間関係が消費活動の重要な要素となっていました。中心市街地の特性である商店と消
費者の信頼関係を深化することで、差別化が進むものと期待されます。
①御用聞き制度の活用
かつての商店街で見られたような、消費者の家庭を訪問してニーズを発掘する制度を復
活させます。その際は、個別の商店での取り組みに限らず、商店街を代表する「御用聞き
専門員」を配置し、複数の商店の商品を取り扱うことで効率化と利便性の向上を図ります。
②商店・商品情報の発信
中心市街地の商店は、定型的なナショナルブランド商品だけではなく、各商店が開発し
た・発掘したこだわりの逸品をもっているものです。しかしながら、そうした商品のアピ
ールは個々の商店のPR力に依存しているが故に、効率が悪く、結果的には良い商品が十
分にPRされずに埋もれてしまうことがあります。さらに、商店街は郊外型商業施設のフ
ロアマップで示されるような商店配置・内容の一覧性に欠けていることで、消費者への情
報提供方法が散逸してしまっています。商店街の商店配置や代表的商品のアピール手段と
して、商店街が一体となって商店街マップを作り、統一的広告媒体として活用します。
30
重点推進分野③
郊外型商業施設開発の見直し
人口増加社会の終焉を踏まえ、都市圏の無秩序な拡散に歯止めをかけ、需要に応じた適度
な規模の都市開発を誘導すべく、都市計画における市街化区域の範囲を見直すと共に、既
存の郊外型商業施設の存在意義の再定義を試みます。
郊外での土地利用の制限
郊外型商業施設は郊外の住宅地にとっての生活の基盤である一方で、無計画に乱立する
ことで賑わいを分散化することが危惧されることと、郊外型商業施設間の競争の末に競争
に敗れた施設が閉店した場合は周辺住民の生活基盤が突然失われることが懸念されます。
郊外型商業施設の乱開発に歯止めをかけると共に、既設の郊外型商業施設を商業地域のサ
テライトとして都市内で再定義することで、中心市街地と一体となってまちの賑わいの創
出を図ります。
①郊外型商業施設の新設抑止
広大な敶地を要する郊外型商業施設用地は、農地転用により用地が確保される場合があ
ります。農地法に基づいて、転用する農地の面積に応じて農林水産大臣や都道府県知事の
許可が必要となっており、行政の運用により一定の歯止めがかけられる仕組みにはなって
います。しかし、都市計画法による市街化区域内での農地転用は届出のみであるが故、現
実には農地法だけでは開発の抑止は難しい状況にあります。そのためには、対象地域が市
街化調整区域から市街化区域となってしまうような用途地域指定の変更(線引き)の時点
で、慎重に適否を評価して、可能な限り変更を抑止しなければなりません。
新潟市の市街化区域の面積は、1970年から現在までに約1.5倍に拡大しています
(埋立・合併等によるものを含む)
。しかし、かつてのような急激な人口の増加・都市部の
拡大が見込めない現在、市街化区域を拡大する必要性は乏しく、市街化区域を市街化調整
区域へと変更することも検討が必要と考えます。
農地の本来の用途である農業の低収益性が故に、将来の農地転用による土地売却益に希
望を抱く農家も存在すると言われます。換言すれば、農地転用への期待が農業の構造改善・
収益改善への活力を殺ぎ、農業振興の足枷となっているとも言えるのではないでしょうか。
②郊外型商業施設の地域貢献度の評価
郊外型商業施設の開発は周辺道路等の社会資本整備を伴うものであり、自治体に新たな
財政支出を強いる場合があります。自治体によっては、郊外型商業施設の固定資産税(地
方税)収入等による収入増を見込み、社会資本整備に前向きなケースもあるようですが、
郊外型商業施設の乱立が賑わいの分散化を進めているのであれば、長期的には地域にとっ
てマイナスになっているとも考えらます。郊外型商業施設には大局的見地より応分の負担
31
を求めることとして、地域に対する貢献度に応じて、租税の適用を調整することが考えら
れます。
(貢献度の評価基準の例)
・域内事業者との取引量(仕入れ業者、テナント等は域内取引を優遇)
・パーク&ライド拠点としての駐車場活用の有無
・社会資本整備(街路や公園の整備)・社会貢献(地元行事への参画)への評価
・商業施設の法人事業税(県税)納付額(県外資本より県内資本が有利になる)
※法人税(国税)及び法人事業税(県税)を市税として一体的に運用・評価
こうした貢献度が高い施設には各種租税負担を軽減する優遇措置を適用すると共に、貢
献度が低い施設に対しては各種租税負担を増やすことでバランスを図ります。その際は、
国税・県税を極力市税に移譲することで、より政策的に課税方針を適用することができま
す。
(移譲が考えられる租税の例)
・法人税(国税)
、法人事業税(県税)
・消費税(国税)
、地方消費税(県税)
・不動産取得税(県税)
・法人都道府県民税(県税)
32
【新潟みらい創造プラン】
プランB:北東アジアの活力を引き込むまち・新潟
将来に亘って国内経済や人口のパイが縮小傾向にあることを前提にすれば、国内での経済
活動や住民の増大を期待することには限界があります。国内の減尐分を補完するとの観点
から、地域経済を支える投資や居住者を北東アジア地域等の海外から誘いこみ、新潟の自
立と発展を目指します。
新潟が開港都市として海外交流の窓口となってきたことは、新潟が日本海側随一の都市
にまで成長した理由のひとつと考えられます。近年、急速に日本全体が国際化している中
で、国際都市としての新潟の地位は埋没しがちです。しかし、北東アジアとの海路や空路
が維持され、韓国・ロシア・中国の領事館が開設される新潟は、かつてと同様に海外との
交流拠点になる潜在力があり、海外の力を活用する素地が十分にあるはずです。
国際都市としての新潟のポテンシャルを生かして積極的に海外からの投資(対内投資)
や居住者を獲得し、地域の経済活動の基盤とすれば、国内経済や人口動態に依存しないま
ちが実現します。2006年に新潟市は構造改革特別区域「新潟市国際創業特区」により
外国人在留資格を特例を認めたことを始め、海外企業誘致を行ってきた実績もあります。
近年急成長を遂げている北東アジアのゲートウェイである日本海側の拠点都市として、北
東アジア地域(中国、韓国、ロシア等)の活力を新潟に引き込むことができるのです。
活力溢れる北東アジアから対内投資を得ることができれば、新潟の企業や各種プロジェ
クトの投資資金が獲得でき、事業所からの税収増も期待できます。また、海外の高度な人
材が新潟で生活することで地域の消費を下支えし、地域の商業・経済が活性化されます。
居住する外国人に商品・サービスを提供する企業の進出が進めば、人が人を・企業が企業
を呼ぶ持続的な発展の正のスパイラルが確立します。なお、低コストを求めて外国人の卖
純労働力に期待しても、新潟で得た収入が本国に送金されて地元の消費への寄与が限られ
たり、治安面での不安の増大も懸念されるため、誘致すべき企業や住民層のターゲット設
定には注意が必要です。
北東アジアの活力を呼び込むため、新潟への投資が魅力的・有利になるような促進策と
しての①対内投資の呼び込み、国内の競合する他都市との差別化や海外から進出する際の
心理面のハードルを下げるための②海外企業進出促進のための交流機会の増大、海外との
往来の活性化のための③海外アクセスの充実を、重点推進分野として特定・選択し、それ
ぞれの分野が目指すまちの姿の実現に向けた施策の検討を行います。
33
重点推進分野①
対内投資の呼び込み
対内投資として海外企業・オフィスの新潟への進出を誘引します。企業が立地することで、
経済活動が生まれ、雇用機会も提供されます。立地する企業は製造業に限定せず、例えば
新潟の農作物に着目した各種研究機関や、経済活動の基盤となる外国金融機関の支店等も
考えられます。さらに、新潟における事業活動に対して、海外から直接の投資資金を呼び
込むことで、地域開発や施設整備が促進されることも期待できます。
海外オフィス・企業立地への支援
北西アジアとのゲートウェイである新潟は、交通・物流インフラも一定程度は整ってい
るものの、海外企業を誘致するためには他都市と条件面で決定的な差をつけることが必要
です。そのためには、海外オフィスや企業の立地に際しての初期投資の軽減や、租税の優
遇が考えられます。
その際は、経済的波及効果も勘案して、対象となる業種等を特定することも有効です。
例えば、研究開発機関や金融機関は、製造業に比べて従業員の数は多くはないですが、よ
り質の高い人材を抱える傾向にあるため、住民増加に伴う治安面での不安も尐なく、教育・
文化レベルも高いと思われます。こうした人材は生活水準も高いため、住宅購入や消費拡
大による新潟経済への高い効果が期待されます。このように、業種の指定や企業規模等で
きめ細かく条件を付与することで、ターゲットとした海外経済をダイレクトに取り入れる
ことができます。
また、進出企業が事後に撤退や移転をするリスクに対処するためには、事業所の所在期
間に応じて優遇度合いが高まる(租税の減免率が上がる、オフィス・用地の賃料が下がる
等)など、新潟への定着を図るように配慮した運用も大切となります。
①進出企業に対する減税措置
新潟に新たに進出した海外企業の事業活動につき、減税措置を講じます。例えば、法人
税(国税)や法人事業税(県税)
、固定資産税(市税)の減税が考えられます。取引にかか
る消費税率の優遇も考えられます。その際は、国税・県税を極力市税に移譲することで、
より政策的に課税方針を適用することができます。
(移譲が考えられる租税の例)
・法人税(国税)
、法人事業税(県税)
・消費税(国税)
、地方消費税(県税)
・不動産取得税(県税)
・法人都道府県民税(県税)
34
②進出用地確保の支援
進出企業のオフィス、研究所・工場・物流センター等の用地の確保を支援するため、ま
ずは公有地の活用を進めます。市街での公有地は多くないものの、空き店舗・空きオフィ
ス対策として各種団体が活用を図っている区画(例えば西堀ローサ地下街)の賃借料に対
して、新潟市が一定割合・金額を補助金として交付することも考えられます。各国領事館
があるために海外企業の立地に馴染みやすいと思われる万代島ビルディングも重要なオフ
ィス候補地となります。
工場用地・物流センターとしては、現在新潟市内にある新潟市・新潟県整備の工業用地・
物流団地用地約38万㎡が未入居・未利用となっていることから、これらを一定期間は無
償若しくは定額での賃借を行うことや、譲渡価格を引き下げる等の措置が考えられます。
外国人街(グローバルビレッジ)の整備促進
新潟に進出する海外企業に勤務する外国人の生活基盤として、世界各地の外国人街と同
様の居住区域をグローバルビレッジとして整備します。グローバルビレッジには、外国人
向けサービスを集約して利便性を高めると共に、海外製品・食材等を扱う小売店や海外料
理を提供する飲食店の集積を促し、外国人の暮らしやすさの向上を図ります。出身国毎に
別個にグローバルビレッジを設ける以外にも、同一区域内に区画分けにより出身国別のグ
ローバルビレッジを整備することも考えられます。グローバルビレッジは、かつての外国
人居留地と、近代の外国人街の優れた点を抽出して融合した新たな居住地の姿を提示する
ものとなります。
本来、外国人街は歴史的経緯を背景に自然発生的に集積・発展するものですが、対内投
資を呼び込むためには、外国人の協力を得つつ、地域が率先して人為的に外国人街を立ち
上げることが必要です。
①グローバルビレッジ用地の確保
一定規模のグローバルビレッジを整備するため、行政が率先して用地を確保することが
必要です。居住者の利便性を考慮すれば、都心地域に用地を確保することが望ましいため、
極力都心部の再開発用地などを活用します。その際は、地元住民と軋轢が生じないように
住民の十分な理解を得るなど、注意を払うことが課題です。
なお、横浜中華街は約500m四方の範囲ですが、これは新潟市の万代シテイの範囲と
同等程度に過ぎません。都心部でこうした用地を取得するには数十億円規模の費用が必要
になります。グローバルビレッジ用地は、賃貸にて手当てすることも考えられます。また、
用地取得か賃貸かに関わらず、所要資金は海外からの投資を含むファンド形式で手当てす
ることも考えられます。
35
②グローバルビレッジでの住民サービスの充実
区域内には各国語対応の住民サービスを揃えるといった外国人の出身国に応じた公共施
設を整備します。例えば、役所の出張窓口を開設して外国語ができる職員を配置する、外
国語ができる診療所を開設する、外国語に対応した保育場・託児所や外国人学校等を整備
する、各種商店により商店街を形成する等が必要となります。
グローバルビレッジが発展することで、外国語を話す日本人の就労機会が増える(その
ための外国語教育への関心も高まる)ことが想定されますが、グローバルビレッジ立ち上
げ時には不足が予想される資格職(医師、弁護士、会計士等)に限って暫定的かつ限定的
(例えば、海外資格の医師であれば、その医療行為は外国人患者に対するもののみ可能と
する)に海外資格を有する外国人がそのまま日本で就労できるように規制緩和又は規制の
特例を認めることも考えられます。
市民ボランティアや市民団体・NPOが、これらの住民サービスの担い手・サポート役
となることが期待されます。
36
重点推進分野②
海外企業進出促進のための交流機会の増大
海外との文化や経済などの様々な面での交流が盛んになってきています。市内に住む外国
人も増加し、その国籍も多様化しています。海外企業の立地を促進するためには、新潟に
勤務し、居住する外国人と新潟市民との交流を図ることで相互理解を深め、進出側・受入
側の心理的距離感を縮めることで、海外企業の進出に係る障壁の撤廃を図ります。
外国人街(グローバルビレッジ)の整備促進:免税店の設置
新潟と居住する外国人と新潟市民との交流の場としてグローバルビレッジを位置付け、
新潟市民(観光客も対象になりえます)にとっての魅力を高めるため、グローバルビレッ
ジ内での免税店の営業を認めます。近隣商業地との競合状況も踏まえ、対象物品や税率を
調整することも考えられます。これにより、グローバルビレッジ内での商業活動が活性化
し、グローバルビレッジの発展・整備促進が期待されます。
○免税店の設置
本来免税店は、どこの国にも属していないとみなされている空港・港の出国手続後の場
所にて営業しています。
免税店で販売される商品には、消費税(5%)の他、酒類(関税:10%、20%等、
酒税:ウイスキーではアルコール度1%当り1万円/1kl等)
、タバコ(関税:紙巻煙草
8.5%+α、たばこ税:1本当り約9円)
、ブランド物・香水(関税:香水等の化粧品は
5~6%程度、毛皮製品は20%)が課されています。これらのうち、地方税にあたるも
のは地方消費税1%と地方たばこ税1本当り4円程度のみであり、その他は国税として徴
収されています。
こうした課税実態に鑑み、魅力的な免税店制度には国税の減免・免除が不可欠と言えま
す。国に対して国税の特例を求めると同時に、免税対象の選択(対象商品の入換え、免税・
減免率の変更)等の制度運用を柔軟かつ機動的に行うためには、市町村への徴税権の委譲
(消費税、関税、酒税、たばこ税)が望まれます。
なお、国内でも沖縄県では特定免税店制度が適用され(沖縄振興特別措置法)
、沖縄と本
土間の国内線搭乗者も免税店を利用できるようになっています。
留学生への就職支援
新潟には多くの留学生が訪れています。日本の教育を受け、新潟に馴染んだ優秀な外国
人が新潟に定着することも、海外人材の誘い込みには効果的です。学生時代では学べない
日本における就職に関する知識やマナーを教えることで、外国人の新潟における就職に係
る障壁の撤廃を図ります。
37
○実践的就職対策の実施
外国人留学生就職対策セミナーとして、日本企業への実践的就職対策講座を実施し、日
本的商習慣やマナー、ビジネス日本語、伝統文化体験等を教えます。就職支援を行う民間
事業者の取り組みに加えて、留学先教育機関における自主的な取り組みや市民団体・NP
O等との連携も効果的です。
38
重点推進分野③
海外アクセスの充実
北東アジア地域からのアクセスを充実させるため、ハード・ソフト両面から必要なインフ
ラを整備します。また、国内の他空港・他地域との連携を進めることで、投資効率が向上
します。
北東アジア航路の拡大
新潟空港のキャパシティ等を踏まえれば、新潟発着の国際便の増大には自ずから限界が
あります。したがって、追加的なインフラ整備をせずとも海外とのアクセスを向上するた
め、新潟発着の国際便にこだわらず、他の地方空港を経由した国際航路の開設を図ります。
これによって搭乗率の向上や増便が期待でき、利便性が向上します。また、国際線が就航
していない若しくは就航便数が尐ない(週に数便など)他の地方空港にとっても、海外ア
クセスの拡充が図れます。これによって、自治体を超えた空港インフラの効率化が実現し
て全体的な投資の集約化を行うことができると共に、新潟空港をハブ化することさえ可能
になります。
○経由便・乗継便の就航
新潟空港は、ソウル便の毎日就航や極東ロシアへの豊富な路線数等、国際線の利便性に
は一定の優位性があります。この利便性を維持・発展させるためには、搭乗率の向上が必
要です。新潟への海外からの企業進出が進めば搭乗率が向上しますが、便数が増えて新潟
へのアクセスが改善されない限りは企業進出も進まないとも言えます。そこで、国際線の
国内の発着地を新潟とせずに他の地方都市の地方空港として、新潟空港を経由地又は乗継
地とした航路を開設し、全体としての搭乗率の向上を目指します(逆に始発空港を新潟と
して、新潟以外の空港を経由・乗継して国際線となるケースも考えられます)。その際は、
他の地方空港と連携協定等を締結し、集中的に航路の交流を進めます。これによって、協
定空港間で機能の分担が可能となり、結果的にはより重点的な施設整備に集中することが
できます。
空港アクセスの改善
空港利用者の利便性を確保するためとして、現在、新潟駅・新潟空港間のリムジンバス
が運行され、さらに新潟駅から新潟空港への大量輸送機関の必要性が議論されています。
新潟市外からの利用客を見込む場合とは異なり、新潟市内での企業活動のための空港利用
を想定するのであれば、新潟駅とのアクセスよりも、新潟市内を始めとした県内各地への
アクセスの重要性がより高いと考えられます。なお、現在のバス等の公共交通機関も、新
潟空港の利用客が増加すれば路線の拡充や増便が期待できます。
39
○新潟空港駐車場の無料開放
公共施設の併設駐車場は施設利用者のためのものであり、その費用は必ずしも受益者が
負担しなければならないとは限りません。新潟空港は市外に位置するため、空港利用以外
の目的での駐車場利用者を想定しづらい上、周囲の民間の時間貸し駐車場との競合もあり
ません。そのため、新潟空港に併設される駐車場を無料化して、空港全体の利便性を高め
ます。駐車場無料化だけでは卖に施設の収益が減尐することになりますが、新潟への海外
企業の進出促進による空港利用者の増大が実現すれば、空港利用者数自体が大幅に増加し
て空港施設の稼動率の向上や空港ビル内店舗の活性化(現状の店舗数・種類を大幅に拡充)
することとなり、空港施設全体の収益向上も期待されます。
40
【新潟みらい創造プラン】
プランC:こころで織りなす「ひと」と「まち」の絆
都市化の進展に伴って住民間の連帯感や思いやり、まち並みや美しい自然が失われ、郷土
の伝統や文化が忘れ去られようとしています。新潟の郷土の自然や文化、伝統などに接す
る機会を拡大することで、新潟への愛着を強め、人間関係を深めることで、住みよいまち・
住み続けたいまちを生み出し、新潟で生まれ育った子ども達に地元志向を芽生えさせるこ
とで、人口流出に歯止めをかけ、新潟の発展に資する人材の確保を試みます。
まちの発展を維持するためには、一定の人口レベルの確保・維持が大切になります。現
在、新潟で生まれた子どもも、就学・就職のためにいずれは新潟を去ることになり、現在、
人口の社会減に歯止めがかかりません。しかしながら、教育機会や雇用機会を求めて、関
東都市圏を中心とした県外に、ある程度の人口が流出していくことは避けられません。さ
りとて、都市機能の面で、教育機会や雇用機会、若者への魅力といった面で、関東等の都
市圏に匹敵するような都市を目指すことは現実的ではありません。そもそも、都市の刺激
を求める若者を無理矢理に地元に閉じ込めることはできません。
子どもに対して、新しいチャレンジや多様な経験の機会を与えることは、知見を深めて
人間的に成長するためには必要と言えます。しかしながら、子ども達が新潟に定着せず、
地元を省みなくなっては、新潟の発展を支える人材・人口は減る一方です。これは、潜在
的な新潟の魅力が伝わっていないことが一因と思われます。画一的な首都圏周辺のベッド
タウンとは異なり、新潟は独自の文化や伝統が息づく土地であるからこそ、自分達が生ま
れた土地への愛着を高めて地元指向を啓発することで、一定の人口レベルの確保が実現で
きるのです。幼尐から継続的に地元新潟への理解を進め、いずれ新潟に住みたくなる・帰
りたくなるような新潟人を育成します。
一方、人口の定着には生計の確保が不可欠です。働き口の無いまちには暮し続けること
はできません。企業の誘致による雇用の創出は即効性のある対策ですが、企業誘致に頼ら
ずとも、長期的には人口が定着していくまちを目指します。人口が定着するまちであれば、
必ず商業が活性化し、住民サービスが拡充し、起業家が活躍する素地が次第に整ってくる
はずです。このビジョンでは、敢えて職場の創出を直接の手段にはしていません。郷土へ
の愛着を高めることを地元回帰のきっかけと位置付け、他地域と比較して新潟が同等若し
くは仮に务っている条件の下でも、他地域ではなくて愛着のある地元が選ばれる可能性を、
徐々に高めていくことを目指すものです。
41
子どものこころに訴え、新潟への愛着を高めていくためには、郷土への理解や共感を深
め、新潟生まれの人間としての連帯感・一体感を醸成するため①郷土教育の推進を進め、
日々の生活に欠かせないものである食の面で郷土の強みや特色への理解を深めるため体得
させる②新潟の食の魅力定着を図り、居心地の良いコミュニティの提供によって、地元に
居住する者は新潟から去り難く、地元を離れてしまった者もいつかは地元に回帰したいと
感じてもらうための契機を提供し続ける③郷土と関わる機会・情報の増加を通じた新潟へ
の誘引を、重点推進分野として特定・選択し、それぞれの分野が目指すまちの姿の実現に
向けた施策の検討を行います。
42
重点推進分野①
郷土教育の推進
自分が生まれ育ったまちへの理解を深めるため、新潟の郷土の歴史の認識に加えて、現在
郷土に息づく文化教育を行うことで、子どもの郷土への想いや思い出を創り出します。特
に、まちや人との触れ合いの機会を増やすことにより、まちとの心理的な距離を縮め、新
潟への愛着を強めます。また、義務教育期間を集中的に郷土教育を進める時期と位置づけ
て、子どもの人間形成において郷土への愛着心を芽生えさせるための取り組みを進めます。
義務教育における教育カリキュラムの拡大
子どもへの郷土教育の機会を増やすと同時に、教育現場における郷土教育の重要性を高
めることで、郷土教育の成果が挙がると期待されます。義務教育期間中に実施することで、
子どもへの浸透を図ります。
①郷土学の実施
郷土に関する知識や経験の伝承の機会として、座学並びに実地研修を組み合わせた郷土
学を教科に組み入れます。郷土の歴史、文化、伝統を学習すると共に、実地研修としての
社会見学や民謡・伝統芸能の習得、実習としての地域のまつりへの参加等を行います。郷
土学の時間は、現在の学習指導要領に定められている特別活動や総合学習の中で実施する
ことでカリキュラムに組み入れることも可能ですが、より柔軟かつ重点的に実施するため
に学習指導要領での年間の授業時数の多くを郷土学に充てるように調整できる等の教育現
場での裁量範囲を広げることも有効です。また、郷土学を教える講師として地域の市民団
体・NPOや高齢者を活用することも考えられます。
②入学選考試検での郷土学の採用
教育現場における郷土学の重要性を高める手段として、新潟の高校・大学の入学選考受
験において郷土学を必須科目とします。また、田植えなどを実技試験として実施すること
も考えられます。郷土学が入試科目となれば、教師・子どもの学習意欲が増すことに加え
て、新潟で義務教育を受けた子どもは域外からの受験生に比較して郷土学では比較優位性
を持つため、結果的に入学者に占める地元出身者の優遇・増加が見込まれます。
43
三世代同居家庭の推進
郷土の歴史や文化は、一義的には家族・親族の世代間で日常的に継承されることが望ま
しいものです。近年、核家族化や人間関係の複雑化に伴って家族関係の希薄化が進行し、
三世代同居は珍しいものとなっています。郷土教育の推進という面から改めて三世代同居
を推奨し、子どもと祖父母世代とのふれあいや歴史・文化の継承を進めます。
①大家族手当てや大家族減税による支援
大家族への家族手当の増額を行う企業を支援するため、当該増加分を法人税から税額控
除できるようにします。まだ、三世代同居家庭に対して行政から大家族手当を支給したり、
納税時に一定額を所得控除するといった方法で生活支援を行います。
②三世代同居住宅への支援
三世代同居のための住宅建築やリフォームに対して、補助金を支給します。また、公営
住宅等でも三世代同居住宅の整備を進めます。また、住宅供給事業者と市民の共同によっ
て、時代に相応しい三世代同居住宅スタイルと研究・提案します。
44
重点推進分野②
新潟の食の魅力定着
新潟の郷土の特色としての食に注目し、重点的に郷土教育を施します。旪の野菜・果物、
魚介類、畜産物に馴染むと共に、育成・収穫、流通、調理といった一連のプロセスを知る
ことで、食の基盤としての地元住民の経済や生活の連関を子どもに理解してもらい、郷土
への愛着の増大に繋げます。
自給自足体験
食材への愛着や関心を高めるためには、子ども自らが農業の生産現場で実地体験をする
ことを通じて自給自足の大切さを感得する機会を提供することが効果的です。
○自給自足体験の提供
教育現場若しくは自治会等の地域コミュニティが、子どもに農業体験の機会を提供しま
す。一日のみの「お試し」ではなくて、定期的かつ複数日に亘って体系的に体験するべき
と考えます。収穫した食材の調理・消費も、極力農地に近い場所(農家など)で行い、食
の生産と消費の密接さの理解の一助にします。
ITの活用による市場での食材情報発信
近年、食料品に対する安心・安全の要求の高まりに応じて、地元食材の流通が拡大し、
生産者と消費者の距離は急接近してきました。一方で、地元食材の由来や調理方法への理
解度が必ずしも高くないことが、実際に食卓で地元食材が使われる機会を制約している一
面があります。そこで、地元食材の特徴に対する理解を深めるため、流通現場での情報発
信の促進を図ります。特に、地元食材へのアクセスが不足している世代へのアピールを重
視します。
○流通現場でのQRコード等の活用
食品売り場や食材にQRコードを貼付し、消費者の携帯電話若しくはショッピングカー
トに取り付けた機器を使ってQRコードにアクセスして食材の情報を手軽に入手できるよ
うにします。食材の特性や旪の時期などの基本情報のほか、生産から流通経路までのトレ
ーサビリティーや、食材のおすすめレシピなどを提供します。レジにおいて必要な情報を
プリントアウトして持参することも可能とします。
生産者、流通者、IT事業者の連携によって、社会実験として取り組みを始め、新潟発
のビジネスモデルとして提案していきます。
45
地産地消・旪の食材へのアクセスの確保
地元産の食材の地産地消を進めるだけではなく、産地で触れる食の魅力の大きな特徴と
しての「旪」の大切さをアピールします。旪の食材に触れ、旪の調理方法を学ぶことで、
その食のもつ本来の魅力に触れることができるのです。旪の食材は供給量や価格の面で調
達が難しいこともあるため、子どもへの提供場所として学校給食の場を活用し、同時に食
材教育も行うこととします。
①学校給食での地産地消・旪の食材の提供の推進
食育の一環として、既に教育現場での地産地消の取り組みとしての地元食材の学校給食
への活用が進んでいます。今後も継続的に学校給食現場で食材の活用を続けるためには、
食材の安定供給の確保や価格変動の吸収が必要です。生産者と利用者(学校)が一体とな
って、郷土教育・食育のツールとして不可欠な地元食材の供給の安定強化を図らなければ
なりません。
②食材情報の普及推進
地元食材が給食に使われる意義をより深く子どもに理解してもらうため、給食時間の前
後に教室において生産者・調理者が食材の由来や調理方法を説明する時間を設けます。子
どもの食材への関心を高めると同時に、その場で実際に調理された食材を味わう機会を与
えることで食材への理解を深めます。さらに、食材の説明や調理方法をまとめたリーフレ
ットを作成して子どもが家庭に持ち帰ることで、家庭料理への地元食材の普及を図ります。
また、調理実習では郷土料理の調理方法や旪の地元産食材の活用を進めます。なお、給
食時間の活用方法や調理実習の食材選定は教育現場での運用に委ねられていることから、
生産者・調理者側と教育現場が連携すれば取り組みを進めることが可能です。
46
重点推進分野③
郷土と関わる機会・情報の増加を通じた新潟への誘引
新潟への愛着を増進しても、就学・就業の都合により新潟を去らざるを得ない状況がある
ことを踏まえて、郷里とのつながりを維持することで常に望郷の念を喚起し、就職や転職
の際に新潟を選択肢としてもらうきっかけを増やすことで、長期的な見地から地元への回
帰の実現を図ります。
新潟情報の発信
就学や就職により郷里を離れた子どもは、新潟の情報に疎遠になることは避けられませ
ん。新潟を離れた場合であっても、定期的に新潟の情報に触れることで地元との絆を再認
識する機会となり、常に新潟のことを意識するようになると期待できます。
○新潟情報発信メルマガの活用
現代社会ではメールマガジン(メルマガ)による各種情報の発信が普及しています。既
に様々な主体によってメルマガが発信されていますが、これらを統括するものとして、自
治会や市民団体・NPOが総合的な情報発信の一本化に取り組むことが望まれます。新潟
の情報としては、観光・イベント等に限られずに広く地域の共通の話題、事件、自治会の
動きや同窓会等の開催状況、地元に関する豆知識を織り交ぜるなど、受信者が関心を寄せ、
かつ新潟への望郷の念を強めるように創意工夫をすることが求められます。
交友機会の拡大
新潟との絆を維持し、発展させるためには、生まれ育った地域での人間関係を強めるこ
とが効果的と考えます。小中学校等の学生時代の旧交を深めて地域との絆を強固なものと
し、新潟に暮す者には新潟の良さを再確認する機会に、新潟を離れた者には故郷を懐かし
み望郷の念を抱いていただく機会とします。同時に、親の転勤等で新潟から離れた同窓生
に対しても、改めて新潟をアピールする機会になります。また、より広い取り組みとして
成人式等の地域イベントを拡充して交友の場とし、定期的に開催することで地元に集まる
機会を増やします。
①同窓会開催支援
小中学校等の同窓会を開催するに際して障害となるのが幹事職の引き受け手の不足と、
同窓生の所在確認です。連絡・出欠確認等の幹事職業務を、同窓生以外の立場(例えば自
治会役員や市職員)で代行することが考えられます。また、住民票を管理する地方公共団
体であれば所在確認は容易となるため、小中学校及び同窓会と連携して市役所にて同窓会
名簿の整備を行います。なお、支援に当って個人情報を取り扱うことから、適切な利用や
47
漏洩防止といった観点からも、市職員が関与することが望ましいと思われます。
※鷹栖町(北海道)では、町役場の職員が同窓会の幹事業務の一部を代行。伊根町(京都
府)でも伊根町故郷回帰促進事業として同窓会サポート事業を実施。
②祝賀イベントの拡充
成人式は地元で行われる大きなイベントであり、高校等の卒業後に知己が集まる貴重な
機会となっています。そこで、20歳(成人式)以外の節目の年齢(例えば30歳や40
歳)にて、成人式類似のイベントを開催し、同窓会や盆正月といった限られた機会以外に
地元に集まる大きな動機付けとします。こうしたイベントは、地域のまつりに組み入れる
こと等で定例化・大規模化が可能となり、市民生活への定着を図ることも必要となります。
48
第3章
まちづくりのこれから
Ⅰ.ビジョンあるまちづくりで留意すべきこと
Ⅱ.ビジョン実現のため、私たちにできること・やるべきこと
49
第3章
まちづくりのこれから
第2章では複数のビジョンの提示を試みました。これらのビジョンは例に過ぎず、これ
らの内のいずれかの実現が新潟の発展に寄与するのかどうかは、今後のビジョンに関する
議論に委ねることとなります。これらのビジョンは荒削りに見えるかもしれませんが、試
みにビジョンを作ってみることで、まちづくりの難しさやビジョンの大切さを理解するこ
とができました。
ここで、本報告書の締め括りとして、これからの新潟に相応しいビジョンの作成に向け
て、留意すべき点を挙げます。
Ⅰ.ビジョンあるまちづくりで留意すべきこと
a)ビジョンの寿命
ビジョンは、みらいに向けて創り上げるものである以上、時が経つに連れて务化し、内
容が時代に合わなくなることも想定するべきでしょう。ビジョンには寿命があるというこ
とを忘れず、時代遅れになる可能性もあることを念頭におき、ビジョンには不断の見直し
を加えるべきです。当初のビジョンに固執することなく、状況によっては現行のビジョン
を放棄して、新しいビジョンを作り上げなければならなくなることも覚悟するべきです。
しかしながら、時代が変化することを理由にして何らビジョンを掲げないことは、まちづ
くりを放棄することに等しいことであるため、いずれにしても時代に適応したビジョンの
作成には果敢に取り組むべきです。
b)ビジョンはひとつとは限らないこと
ビジョンはまちづくりの方向を決めるものですが、必ずしもビジョンがひとつである必
要はありません。お互いに矛盾・相反することが無い限り、複数のビジョンが共存するこ
とは可能です。むしろ、いくつものビジョンを実現する力があるまちであれば、そのポテ
ンシャルを発揮して複数のビジョンを実行することで、より多様なまちづくりが実現する
のです。また、複数のビジョンを実行していれば、何らかの理由でひとつのビジョンが行
51
き詰って成果が挙がらなかった場合でも、まちづくりが停滞する空白を回避することが可
能となります。
複数のビジョンを掲げるにあたっては、まちの規模やアクセスできる政策資源といった
まちの潜在力を勘案することになります。これは、翻って考えれば、必ずしも行政区分に
したがってビジョンを作り、まちづくりをしなければならないわけではないことに気付き
ます。みらいのまちの姿を夢見るとき、その対象となるまちは行政区分で明確に区切られ
ているとは限りません。ビジョンに呼応した適切な規模のまちの範囲を特定することも必
要となってきます。同時に、ビジョンの存在は、市町村合併等の行政広域化の動きに対し
ても、一定の考え方を提示することになると思われます。
c)誤ったビジョンを掲げたらどうなるか
ビジョンの確立は、都市間競争や地域間競争に生き残るための不可欠な武器です。した
がって、武器(ビジョン)の選び方を間違えてしまうと、都市間競争や地域間競争に敗れ
ることになります。ビジョンの確立は地域の衰退・地域の破綻に繋がる重大事であること
を覚悟するべきです。そうであるからこそ、まちの運命を握ることとなるビジョンの作成
と実行には、地域が一丸となって全力を傾けるべきなのです。
ただし、危険が内在することを認識することで誤ったビジョンを選択することを必要以
上に恐れる余り、ビジョンを持つことを放棄するまちは、都市間競争・地域間競争の戦い
に素手で参加することと等しいわけです。徒手空拳では、きっと生き残ることはできない
でしょう。
52
Ⅱ.ビジョン実現のため、私たちにできること・やるべきこと
自らが暮すまちのみらいにどういった夢を託すのかを決めるのは、当事者である住民自
身です。つまり、ビジョンの作成は住民抜きには考えられないのです。地方自立の時代を
迎えた今こそ、住民がまちのみらいに夢を馳せ、ビジョンを作っていくことが必要となる
のです。
まずは自分がどういうまちに住んでみたいのか、みらいのこのまちにどうなって欲しい
のかを考えることから、ビジョン作りが始まるのです。
例えば、第2章に掲げたビジョン事例に触れて、自分なりの問題意識を持つことから始
めても良いでしょう。自分の考えによって3つのビジョンを改善することもできるはずで
す。それによって、例えばビジョン①はビジョン①´に進化させることもできるでしょう。
全く新しい自分なりのビジョン④を生み出すこともできるはずです。住民が多様なアイデ
アを出し合い議論をすることで、ビジョンが熟成して住民のコンセンサスを得られる姿に
成長していくのです。
住民がまちのビジョンについて議論した後は、ビジョンの実現に向けた活動に着手しな
ければなりません。また、数多のビジョンから、特定のビジョンに絞って住民の意思を統
一することは容易ではありません。どういったビジョンを選んで推進するかは、住民が意
思を表明する機会での重要な争点になるべきです。首長選挙・議員選挙といった機会を通
じて、候補者の考え方やマニフェストがどのようなまちづくりを目指したものなのかを真
剣に評価・選択しなければなりません。行政評価の局面においても、まちづくりのビジョ
ンが実現に近づいているかとの観点から、厳格に成果を確かめなければなりません。また、
自治会、各種団体・NPOを始めとする市民活動においても、まちづくりのビジョンを掲
げて活動することも必要となります。
我々の青年会議所運動においても、あらゆる機会を捉えてまちのみらい像を模索してい
きます。将来のまちの姿を創り上げるのは、このまちに暮し続けることになる運命を背負
い、みらいのまちに暮す子どもたちに関わり、かつ現下の経済の最前線において責任をも
って活動できる世代です。それは、20歳から40歳という若いJC世代の責務とも言え
るのです。これからも、青年会議所が果敢にまちのビジョンを提示していくとともに、ビ
ジョン実現の担い手のひとつとして、明るい豊かなまちづくりに貢献していくことを、心
から期待するものです。
53
参考資料
◇第 1 章関係
1 全国主要都市の人口
2 新潟県内20市及び新潟市の地区別の人口・世帯数
3 日本の人口の推移
4 新潟県・新潟市の人口・世帯数及び面積(平成 17 年)
5 新潟市における人口集中地区の状況(昭和 35 年~平成 17 年)
6 新潟県人口の社会減の状況
7 日本の国内総生産(1955 年~1979 年)
8 日本の国内総生産(1980 年~1993 年)
9 日本の国内総生産(1994 年~2007 年)
10 日本の国債及び借入金現在高
11 新潟市の予算
12 新潟市の歳入の内訳
13 新潟市の歳出の内訳
14 新潟市の市債(一般会計)及び基金残高の推移
15 新潟県・新潟市における小売業の現状
◇第2章関係
16 主要都市における代表的な軌道系公共交通機関
17 新潟市の緑地面積・公園数
18 街並み保存の取り組み事例
19 新潟都市計画区域の変遷
20 新潟市内の工業団地・物流団地の状況
21 旧新潟市の区域区分の見直し
22 日本と北東アジア地域のGDP成長率の比較
23 国内の韓国・ロシア・中国領事館の所在地
24 世界の代表的な外国人街
25 日本の代表的な外国人街
26 主要地方空港における国際便の就航状況
55
参考資料1 全国主要都市の人口
平成17年
順位
平成12年
都市名
人口(人)
順位
都市名
人口(人)
8,476,919
1
東京23区
8,134,688
2
横浜市
3,605,951
2
横浜市
3,426,651
3
大阪市
2,525,153
3
大阪市
2,598,774
4
名古屋市
2,173,945
4
名古屋市
2,171,557
5
札幌市
1,884,939
5
札幌市
1,822,368
6
神戸市
1,508,200
6
神戸市
1,493,398
7
京都市
1,386,899
7
京都市
1,467,785
8
福岡市
1,384,820
8
福岡市
1,341,470
9
川崎市
1,359,063
9
川崎市
1,249,905
10
さいたま市
1,198,996
10
広島市
1,126,239
11
広島市
1,153,579
11
北九州市
1,011,471
12
仙台市
1,006,522
12
仙台市
1,008,130
13
北九州市
981,016
13
千葉市
887,164
14
千葉市
925,951
14
堺市
792,018
15
堺市
835,492
15
熊本市
662,012
16
新潟市
803,273
16
岡山市
626,642
17
浜松市
792,104
17
相模原市
605,561
18
静岡市
718,623
18
浜松市
582,095
19
相模原市
694,752
19
鹿児島市
552,098
20
岡山市
687,136
20
船橋市
550,074
21
熊本市
672,422
21
八王子市
536,046
22
鹿児島市
601,790
22
東大阪市
515,094
23
船橋市
590,943
23
新潟市
501,431
24
八王子市
547,702
24
浦和市
484,845
25
姫路市
533,443
25
姫路市
478,309
38
金沢市
442,788
27
静岡市
469,695
41
富山市
417,308
31
金沢市
456,438
51
長野市
377,887
50
長野市
360,112
62
富山市
325,700
…
東京23区
…
1
出典:総務省
57
参考資料2 新潟県内20市及び新潟市の地区別の人口・世帯数
地
区
新潟市総数
世帯数
人口
2009年8月1日時点
1世帯あたり人口
人口構成比
(人)
(%)
308,790
811,890
2.6
100.0
北区
26,656
77,517
2.9
9.5
東区
56,094
138,707
2.5
17.1
中央区
79,358
180,335
2.3
22.2
江南区
24,130
68,927
2.9
8.5
秋葉区
26,920
77,210
2.9
9.5
南区
14,445
47,024
3.3
5.8
西区
62,157
161,078
2.6
19.8
西蒲区
19,030
61,092
3.2
7.5
847,209
2,384,321
2.8
100.0
新潟市
308,790
811,890
2.6
34.1
長岡市
98,147
279,166
2.8
11.7
三条市
34,129
102,153
3.0
4.3
柏崎市
34,116
92,474
2.7
3.9
新発田市
34,120
102,301
3.0
4.3
小千谷市
12,544
38,846
3.1
1.6
加茂市
10,108
30,198
3.0
1.3
十日町市
20,010
59,350
3.0
2.5
見附市
13,656
41,875
3.1
1.8
村上市
22,826
67,285
2.9
2.8
燕市
27,052
82,254
3.0
3.4
糸魚川市
17,639
47,827
2.7
2.0
妙高市
12,224
35,964
2.9
1.5
五泉市
18,184
55,068
3.0
2.3
上越市
71,974
204,301
2.8
8.6
阿賀野市
13,690
45,563
3.3
1.9
佐渡市
25,131
63,402
2.5
2.7
魚沼市
13,518
41,502
3.1
1.7
18,939
61,606
3.3
2.6
10,295
31,581
3.1
1.3
新潟県
南魚沼市
胎内市
出典:総務省
58
参考資料3 日本の人口の推移
総
人
口 (1,000 人)
人口密度
年
次
総 数
男
女
(人/km2)
日本人
昭和
平成
50
111,940
111,297
55,091
56,849
300.5
55
117,060
116,391
57,594
59,467
314.1
123,611
122,721
60,697
62,914
331.6
9
126,157
124,961
61,827
64,329
338.4
14
127,486
126,053
62,295
65,190
341.9
19
127,771
126,085
62,310
65,461
342.6
2
年
出典:総務省
参考資料4 新潟県・新潟市の人口・世帯数及び面積(平成17年)
実
人口の
数
区分
人
全国
口
世帯数
面積(k ㎡)
人口密度
対前回
世帯数の対前
増加率
回増加率(%) (人/k ㎡)
(%)
127,767,994
49,062,530
377,873
0.7
4.9
338
新潟県
2,431,459
812,726
12,582
△ 1.8
2.6
193
新潟市
785,134
287,947
726
-
-
1,081
出典:総務省
59
参考資料 5
新潟市における人口集中地区の状況(昭和 35 年~平成 17 年)
人
年次
人口
(DID)
口
新潟市
に占める
割合
面 積
対前回
対前回
増加数
増加率
新潟市
面積
に占める
割合
DID
人口
密度
全市人
口密度
人
%
人
%
k㎡
% 人/k ㎡ 人/k ㎡
昭和 35 年
236,427
72.7
-
-
21.4
10.3
11,048
1,559
40 年
253,148
71.1
16,721
7.1
27.0
13.0
9,376
1,710
45 年
275,780
71.8
22,632
8.9
33.6
16.1
8,708
1,842
50 年
338,027
79.9
62,247
22.6
56.1
26.9
6,025
2,026
55 年
394,689
86.2
56,662
16.8
70.0
33.5
5,638
2,191
60 年
408,516
85.9
13,827
3.5
71.3
34.1
5,730
2,278
平成 2 年
426,364
87.7
17,848
4.4
75.5
36.8
5,647
2,367
7年
433,218
87.6
6,854
1.6
73.3
35.6
5,913
2,403
12 年
437,336
87.2
4,118
1.0
74.3
36.1
5,889
2,435
17 年
579,033
71.2
141,697
32.4
100.9
13.9
5,739
1,121
出典:総務省
参考資料 6
新潟県人口の社会減の状況
(単位:人)
増減
新潟県推定人口
(10月1日時点)
平成 16 年度
▲ 4,186
2,448,025
平成 17 年度
▲ 6,025
2,431,459
平成 18 年度
▲ 6,447
2,419,889
平成 19 年度
▲ 6,687
2,407,430
平成 20 年度
▲ 5,773
2,395,139
出典: 新潟県、総務省統計局
60
参考資料 7
日本の国内総生産(1955 年~1979 年)
140,000
120,000
名目GDP(十億円)
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
出典: 内閣府 国民経済計算
9年
8年
19
7
7年
19
7
6年
19
7
5年
19
7
4年
19
7
3年
19
7
2年
19
7
1年
19
7
0年
19
7
9年
19
7
8年
19
6
7年
19
6
6年
19
6
5年
19
6
4年
19
6
3年
19
6
2年
19
6
1年
19
6
0年
19
6
9年
19
6
8年
19
5
7年
19
5
6年
19
5
19
5
19
5
5年
0
暦年
参考資料 8
日本の国内総生産(1980 年~1993 年)
500,000
480,000
460,000
440,000
420,000
名目GDP(十億円)
400,000
380,000
360,000
340,000
320,000
300,000
280,000
260,000
240,000
出典: 内閣府 国民経済計算
220,000
200,000
1980年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
61
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
参考資料 9
日本の国内総生産(1994 年~2007 年)
520,000
名目GDP(十億円)
510,000
500,000
490,000
出典: 内閣府 国民経済計算
480,000
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
62
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
参考資料 10 日本の国債及び借入金現在高
(単位:億円)
内
国
債
平成 21 年
平成 20 年
平成 19 年
平成 18 年
平成 17 年
3 月末
3 月末
3 月末
3 月末
3 月末
6,804,482
6,843,278
6,741,221
6,705,794
6,263,633
5,459,356
5,414,584
5,317,015
5,269,279
4,990,137
長期国債(10年以上)
3,542,378
3,543,655
3,447,351
3,372,797
3,172,441
中期国債(2年から5年)
1,610,183
1,545,741
1,455,159
1,382,712
1,351,456
306,795
325,187
414,505
513,770
466,240
1,310,501
1,397,543
1,389,061
1,393,532
1,215,532
長期国債(10年以上)
947,372
908,814
834,831
703,334
567,969
中期国債(2年から5年)
363,129
488,729
554,230
690,198
647,563
5,266
5,773
5,683
3,610
3,375
22,105
25,057
23,563
21,300
21,101
-
321
5,899
18,072
33,488
-
-
-
-
-
7,254
-
-
-
-
575,661
571,589
592,824
592,737
591,122
長期(1年超)
222,519
218,447
53,235
60,599
70,721
短期(1年以下)
353,142
353,142
539,589
532,138
520,401
1,084,826
1,077,528
1,009,741
976,274
960,762
8,464,970
8,492,396
8,343,786
8,274,805
7,815,517
普 通 国 債
短期国債(1年以下)
財政投融資特別会計国債
交 付 国 債
出 資 ・ 拠 出 国 債
日本国有鉄道清算事業団債券
等承継国債
石 油 債 券 承 継 国 債
日本高速道路保有・債務返済
機構債券承継国債
借
入
金
政 府 短 期 証 券
合
計
出典: 財務省
63
参考資料 11 新潟市の予算
(単位:百万円)
平成21年度当初予算
一般会計
335,100
特別会計
186,169
普通建設事業
61,602
一般会計
61,508
補助
25,750
単独
35,758
特別会計
市債発行額(一般会計)
49,934
通常債
財税不足額の対応
94
37,049
臨時財政対策債
7,885
その他
5,000
財政調整基金
▲ 4,000
都市整備基金
▲ 1,500
市債管理基金
▲ 1,000
合計
▲ 6,500
出典: 新潟市
64
参考資料 12 新潟市の歳入の内訳
平成21年度当初予算
(単位:千円)
市税
117,713,645
地方譲与税
3,828,129
利子割交付金
529,500
配当割交付金
157,424
株式等譲渡所得交付金
223,263
地方消費税交付金
8,390,378
ゴルフ場利用税交付金
27,359
自動車取得税交付金
932,791
軽油引取税交付金
6,013,312
国有提供施設等所在市町村助成交付金
12,196
地方特例交付金
1,417,306
地方交付税
47,000,000
臨時財政対策債
7,884,700
交通安全対策特別交付金
435,155
石油貯蔵施設立地対策等交付金
61,169
分担金及び負担金
5,911,727
使用料及び手数料
8,059,525
国庫支出金
33,875,696
県支出金
12,280,852
財産収入
1,190,644
寄付金
368,719
繰入金
6,519,866
繰越金
1
諸収入
30,218,088
市債(臨時財政対策債除く)
42,049,000
歳入合計
335,100,000
出典: 新潟市
65
参考資料 13 新潟市の歳出の内訳
平成21年度当初予算
歳出(性質別内訳)
(単位:千円)
人件費
56,743,140
物件費
41,174,138
維持補修費
6,855,525
扶助費
47,712,643
補助費等
40,993,559
公債費
36,761,038
出資金貸付金
27,989,269
繰出金
15,296,501
積立金
6,000
予備費
6,000
建設事業費
61,508,187
歳出合計
補助
25,750,371
単独
35,757,816
335,100,000
出典: 新潟市
平成21年度当初予算
歳出(目的別内訳)
(単位:千円)
議会費
119,608
総務費
47,588,459
民生費
78,241,393
衛生費
26,307,453
労働費
1,501,781
農林水産費
10,067,831
商工費
15,496,814
土木費
62,515,411
消防費
11,188,614
教育費
29,880,871
公債費
35,999,538
諸支出金
15,132,227
予備費
60,000
歳出合計
335,100,000
出典: 新潟市
66
参考資料 14 新潟市の市債(一般会計)及び基金残高の推移
(単位:百万円)
平成16年度末
平成17年度末
平成18年度末
平成19年度末
平成20年度末
平成21年度末
実績
実績
実績
実績
見込
見込
市債残高
341,562
345,432
351,459
356,248
373,610
394,492
基金残高
38,621
38,104
36,213
31,557
26,118
19,618
出典: 新潟市
参考資料 15 新潟県・新潟市における小売業の現状
平成19年商業統計調査
年間商品
事業所数
販 売 額
全
事業所当の
事業所当りの
売り場面積
販売額
(㎡)
(百万円)
売場面積
(百万円)
(㎡)
国
1,137,859
134,705,448
149,664,906
132
118
新潟県全体
26,783
2,576,649
3,446,569
129
96
7,854
940,963
1,216,226
155
120
北区
574
54,669
79,640
139
95
東区
946
131,879
152,455
161
139
中央区
2,654
357,069
407,091
153
135
江南区
628
65,571
127,622
203
104
秋葉区
687
70,804
105,668
154
103
南区
528
49,217
73,360
139
93
西区
1,173
169,730
209,615
179
145
664
42,025
60,775
92
63
新潟市全域
西蒲区
出典:新潟市
67
参考資料 16 主要都市における代表的な軌道系公共交通機関
2009年9月末時点
路線数
札幌市
仙台市
富山市
千葉市
神戸市
岡山市
駅数
札幌市営地下鉄
地下鉄
3
48
46
札幌市交通局
路面電車
3
8.5
23
仙台市地下鉄
地下鉄
1
14.8
17
富山ライトレール
LRT
1
7.6
13
富山地方鉄道
路面電車
1
6.4
20
千葉都市モノレール
モノレール
2
15.2
18
神戸市営地下鉄
地下鉄
4
30.6
25
神戸高速鉄道
地下鉄
2
7.6
10
ポートライナー
新交通
1
10.8
12
六甲ライナー
新交通
1
4.5
6
岡山電気軌道
路面電車
2
5.1
19
0.3
2
18.1
19
アストラムライン
広島市
総延長(km)
地下鉄部分
新交通部分
1
スカイレールサービス
モノレール
1
1.3
3
広島電鉄
路面電車
7
35
83
北九州市 北九州高速鉄道
モノレール
1
8.8
13
福岡市
地下鉄
3
29.8
35
福岡市地下鉄
出典:wikipedia
68
参考資料 17
新潟市の緑地面積・公園数
2009年3月31日時点
面
種 別
内
容
公園数
積
(㎡)
主な公園
日常生活の中で最も身近な公園。近所の人たち
街区公園
のコミュニケーションのための公園で、子供たちの
住
1,116
1,043,043
30
619,828
河渡中央公園、西大畑公園 ほか
8
402,152
白山公園、じゅんさい池公園
9
3,050,872
2
226,455
鳥屋野運動公園
1
14,000
鳥屋野交通公園
芳原公園、北浜公園 ほか
遊び場や、気軽な雰囲気の公園です。
区
近所の人が歩いて利用できる公園。のんびり散歩
基
幹
近隣公園
したり、お弁当を広げて休憩したり、遊んだりでき
る公園です。
公
少し足をのばして歩いていける公園。子供からお
園
地区公園
年寄りまで、気軽にスポーツやレクリエーションを
楽しめる公園です。
都
市
大規模な公園。市民が休息や散歩、レクリエーシ
総合公園
基
ョン、スポーツと様々な目的で訪れますので、対応
西海岸公園、佐潟公園
できる機能を持つ総合的な公園です。
幹
スポーツ施設を中心に、運動に利用されることを
公
運動公園
目的とした公園です。
園
特
交通ルールを学ぶ目的のために作られた特殊な
交通公園
殊
公園
公
歴史公園
歴史を学ぶ目的のために作られた特殊な公園。
1
5,960
園
動植物公園
動植物の生育・保護を目的とする特殊な公園。
2
33,289
1
690,000
46
798,399
いくつかの周辺市町村にまたがる、広いレクリエ
広域公園
的場史跡公園
さつき山公園,つばき公園
県立鳥屋野潟公園
ーションの場を提供することを目的とした公園
都市の自然環境の保全や都市景観の向上を図る
緑地
信濃川やすらぎ堤緑地、
ためにつくられた緑地
新栗の木緑地 ほか
災害時における避難路や、市街地において生活
緑道
環境を安全・快適に過ごせることを目的としてつく
7
18,679
1,223
6,902,677
252
1,658,979
東新潟西緑道 ほか
られた植樹帯及び緑地
都市公園合計
(市民 1 人あたり都市公園面積
8.82 ㎡)
民間の土地を借りてつくった公園,公園的に利用
都市公園以外の公園
されている歩道など
柾谷小路ゆうあい公園,天寿園,
ふれあい散策ロード
出典:新潟市
69
参考資料 18 街並み保存の取り組み事例
2009年9月末時点
県名
都市名
特徴
上越市高田地区
城下町をイメージした雁木型アーケード歩道
村上市
旧村上城下(武家町)としての歴史を感じ、緑豊かな住環境を創造
新潟県
江戸時代末期から昭和時代前期に建てられた木造町家建築、蔵造りの店舗建築、
千葉県
香取市佐原
洋風建築の町並み保存
明治末期から昭和初期にかけての洋風・和風・和洋折衷の建物の伝統的建造物群
北海道
函館市西部地区
保存
福島県
南会津郡下郷町
江戸時代の宿場の雰囲気をよく残しており、街道沿いには茅葺き民家
埼玉県
川越市
都市環境が優れた地区並びに高い水準の都市空間デザインが行われている地区
石川県
加賀市
北前船の船主や船頭が居住した橋立は、近世の地割をよく残し、
豪壮な家屋や特色のある石垣などを残している
西組の町割りは三丁町に代表される茶屋町が西側にあり、茶屋建築の千本格子、
福井県
小浜西組
2 階の縁や出窓を持つ建造物が残されており、現在も芸妓を置く料亭も存在する。
長野県
木曽郡南木曽町
隣接する馬籠宿と、馬籠宿へ至る峠道と合わせて木曽路を代表する景観保護地域
高山市
江戸時代後期から明治時代にかけての和風建築が数多く残されている。
白川郷
白川郷の荻町地区は合掌造りの集落で知られる。独特の景観をなす集落
岐阜県
出典:wikipedia
70
参考資料 19 新潟都市計画区域の変遷
決定・変更年月日
面積
(ha)
区
2009年9月末時点
域
新潟市,内野村,坂井輪村,黒埼村,鳥屋野村,石山村,大形村,
大正 14 年 3 月 20 日
9,158
昭和 29 年 4 月 5 日
9,510
松ヶ崎浜村合併で増
昭和 30 年 3 月 31 日
9,108
内野町の一部削除
昭和 31 年 5 月 14 日
12,613
坂井輪村の残部,濁川村,南浜村を編入
昭和 32 年 11 月 26 日
12,637
昭和 32 年 11 月 26 日付,地理調査所の公称面積により修正
昭和 36 年 12 月 26 日
21,224
新潟市全域及び黒埼村の一部
昭和 39 年 3 月 31 日
29,832
新潟市,黒埼村,紫雲寺町,聖籠町の全域
昭和 45 年 2 月 7 日
58,259
昭和 53 年 4 月 21 日
58,358
紫雲寺町の地先公有水面
昭和 58 年 3 月 11 日
58,340
新潟市の一部を白根市に編入
昭和 61 年 3 月 25 日
58,347
(線引き見直しにより面積の修正)
平成 3 年 4 月 1 日
58,250
(公称面積により修正)
平成 12 年 2 月 29 日
57,873
(線引き見直しにより面積の修正)
平成 14 年 10 月 1 日
57,876
(入船地区埋立て整備事業に伴う面積の増大)
曽野木村,松ヶ崎浜村の一部
新潟市,新発田市,新津市,豊栄市,亀田町,小須戸町,紫雲寺町,
黒埼町,豊浦町,聖籠町,横越町
出典: 新潟市
参考資料 20 新潟市内の工業団地・物流団地の状況
名称
分譲可能総面積
白根北部第2工業団地
2009年9月末時点
主体
31,827 ㎡ 新潟市
新潟市東港工業団地
7,706 ㎡ 新潟市
県営新潟東港物流団地
55,572.55 ㎡ 新潟県
新潟東港工業地帯
18.8ha 新潟県
出典: 新潟県
71
参考資料 21 旧新潟市の区域区分の見直し
2009年9月末時点
市街化区域
市街化調整区域
備考
面積(ha)
面積(ha)
昭和 45 年 11 月 16 日
約 7,562
約 13,280
-
昭和 53 年 6 月 6 日
約 7,741
約 13,151
全体見直し
昭和 53 年 8 月 1 日
約 7,733
約 13,159
新潟市、豊栄市、聖籠町の行政区域変更
昭和 58 年 3 月 11 日
約 7,733
約 13,141
新潟市、白根市の行政区域変更
昭和 61 年 3 月 25 日
約 7,690
約 13,189
全体見直し
昭和 62 年 8 月 14 日
約 7,621
約 13,258
東港関連
平成元年 3 月 31 日
約 7,637
約 13,242
緒立、的場関連
平成 3 年 12 月 19 日
約 7,772
約 13,107
全体見直し
平成 5 年 10 月 29 日
約 7,831
約 13,048
小新、河渡、上木戸関連
平成 9 年 3 月 18 日
約 7,865
約 13,014
小新(梅田)関連
平成 12 年 2 月 29 日
約 8,063
約 12,531
全体見直し
平成 13 年 1 月 1 日
約 8,517
約 14,674
黒埼町と合併
平成 14 年 10 月 1 日
約 8,517
約 14,677
入船地区埋立て整備事業に伴う面積増
平成 17 年 3 月 21 日
約 11,423
約 31,985
近隣 12 市町村と合併
出典: 新潟市
参考資料 22 日本と北東アジア地域のGDP成長率の比較
20.0
15.0
GDP成長率(%)
10.0
5.0
日本
ロシア
中国
韓国
0.0
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
-5.0
-10.0
-15.0
出典: IMF World Economic Outlook
72
参考資料 23
国内の韓国・ロシア・中国領事館の所在地
2009年9月末時点
所在地
駐日中華人民共和国大使館・総領事館
領事館:5ヶ所
駐日大韓民国大使館・総領事館
領事館:11ヶ所
駐日ロシア連邦大使館・総領事館
領事館:3ヶ所
中華人民共和国大使館
東京都港区
在大阪中華人民共和国総領事館
大阪府大阪市西区
在名古屋中華人民共和国総領事館
愛知県名古屋市東区
在札幌中華人民共和国総領事館
北海道札幌市中央区
在福岡中華人民共和国総領事館
福岡県福岡市中央区
在長崎中華人民共和国総領事館
長崎県長崎市
大韓民国大使館
東京都港区
在大阪大韓民国総領事館
大阪府大阪市中央区
在福岡大韓民国総領事館
福岡県福岡市中央区
在札幌大韓民国総領事館
北海道札幌市中央区
在仙台大韓民国総領事館
宮城県仙台市青葉区
在横浜大韓民国総領事館
神奈川県横浜市中区
在名古屋大韓民国総領事館
愛知県名古屋市中村区
在新潟大韓民国総領事館
新潟県新潟市中央区
在広島大韓民国総領事館
広島県広島市中区
在神戸大韓民国総領事館
兵庫県神戸市
在鹿児島大韓民国名誉総領事館
鹿児島県日置市
在下関大韓民国名誉総領事館
長崎県下関市
ロシア連邦大使館
東京都港区
在大阪ロシア連邦総領事館
大阪府豊中市
在札幌ロシア連邦総領事館
北海道札幌市中央区
在新潟ロシア連邦総領事館
新潟県新潟市中央区
出典:外務省
73
参考資料 24
世界の代表的な外国人街
2009年9月末時点
カルフォルニア州ロサンゼルス
北米
アメリカ合衆国
カルフォルニア州サンフランシスコ
ニューヨーク州ニューヨーク
中華人民共和国
吉林省
コリア・タウン
東京都 新宿区 荒川区 足立区 台東区 江東区
神奈川県 横浜市 川崎市
アジア
日本
愛知県 名古屋市
大阪府 大阪市生野区 北区中津 淀川区東三国
福岡県 北九州市小倉北区 門司区 福岡市博多区
リトル・トーキョー
中東
アメリカ合衆国
カルフォルニア州ロサンゼルス
アラブ首長国連邦
ドバイ
パリ13区
フランス共和国
リヨン8区
ヨーロッパ
アジア
イタリア共和国
ミラノ
オランダ王国
ロッテルダム
ポルトガル共和国
リスボン
日本
横浜中華街、神戸南京、長崎新地中華街
大韓民国
仁川広域市
シンガポール共和国
シドニー
オーストラリア連邦
チャイナ・タウン
メルボルン
オセアニア
オークランド
ニュージーランド
ウィリントン
サンフランシスコ
アメリカ合衆国
ロサンゼルス
北米
シカゴ
バンクーバー
カナダ
トロント
ラテンアメリカ
ブラジル連邦共和国
サンパウロ
モロッコ王国
カサブランカ
南アフリカ共和国
ヨハネスブルグ
アフリカ
出典:wikipedia
74
参考資料 25
日本の代表的な外国人街
中華街
横浜、神戸、長崎新地、台場小香港、立川、大須、千里
コリア・タウン
ブラジリアン・タウン
2009年9月末時点
関東地方(東京)
台東区、新宿区、荒川区、足立区、江東区枝川
関東地方
千葉市中央区、さいたま市、川崎市、横浜市
中部地方
名古屋市中村区
近畿地方
大阪市生野区、京都市南区、神戸市長田区
中国・四国・九州地方
下関市、博多区、熊本市、
太田市、大泉町、浜松市、豊橋市、豊田市、大垣市、可児市、鈴鹿市
出典:wikipedia
参考資料 26
主要地方空港における国際便の就航状況
ロシア
大韓民国
新潟空港
週2便
ソウル
毎日
週4便
アメリカ
グアム
週2便
大韓民国
ソウル
週4便
上海
週4便
台北
週2便
ソウル
週3便
上海
週2便
大韓民国
ソウル
週3便
大韓民国
ソウル
毎日
アメリカ
グアム
週4便
上海
週3便
北京
週5便
大連
週2便
長春
週2便
台北
週2便
中国
仙台空港
中国
富士山静岡空港
ハバロフスク
ハルピン
大韓民国
福島空港
週2便
週2便
中国
秋田空港
ウラジオストク
上海
中国
小松空港
2009年9月末時点
大韓民国
中国
ソウル
上海
毎日
週4便
出典:新潟空港/小松空港/秋田空港/福島空港/仙台空港/富士山静岡空港
75
参考文献
76
[1] 上野正彦(2002)『新潟は生き残れるか
新潟からみた「地域経済論」』新潟日報事業
所
[2] 江口克彦(2008)
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[3] NHK 新潟放送局(1990)
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[4] 大野秀敏・アバンアソシエイツ(2008)
『シュリンキング・ニッポン―縮小する都市の
未来戦略』鹿島出版会
[5] 岡本全勝(2003)
『新 地方自治入門―行政の現在と未来』時事通信社
[6] 小林三喜男・竹下登志成(2004)
『
「農を以て」自律をめざす町・津单』自治体研究社
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[8] 佐々木信夫(2002)
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9春)
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[11] 篠田昭・大森修・横山浩之(2006)
『新潟の教育―マニフェストづくりへの道』明治図
書出版
[12] 篠田昭(2008)
『水と土の文化王国にいがた―日本海政令市の針路』新潟日報事業社
[13] 神野直彦・澤井安勇(2004)
『ソーシャル・ガバナンス 新しい分権・市民社会の構図』
東洋経済新報社
[14] 高松平藏(2008)
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[16] 田村秀(2004)
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[17] 田村秀(2004)
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[18] 田村秀(2006)
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[19] 田村秀(2006)
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『自治体格差が国を滅ぼす』集英社
[21] 田村秀(2009)
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[22] 地域主権研究会・江口克彦・前原誠司(2008)『日本を元気にする地域主権』PHP 研
究所
[23] 地方分権 21 世紀ビジョン懇談会(2006)
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『世界の SSD100―都市持続再生のツボ』彰国社
[25] 道州制.com・一新塾(2007)
『道州制で日はまた昇るか-地方分権から市民主権へ-』
現代人文社
78
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[27] 中藤康俊(2007)
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[28] 中藤康俊(2008)
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『価値を創る都市へ~文化戦略と創
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[32] 新潟県地域総合研究所(2008)
『新潟地域総研ブックレット⑤ 新潟と新しい都市交通』
新潟県地域総合研究所
[33] 西尾勝・新藤宗幸(2007)
『いま、なぜ地方分権なのか』実務教育出版
[34] 日高昭夫(2002)
『ローカル・ガバナンスと政策手法』イマジン出版
[35] 藤野陽三・野口貴文・東京大学 21 世紀 COE プログラム「都市空間の持続再生学の創
出」(2007)
『アーバンストックの持続再生』技報堂出版
[36] 北陸建設弘済会(2007)
『新潟まちづくり物語―政令市・新潟発展のいしずえをたどっ
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[37] 保母武彦・根本良一(2006)
『元気な子どもの声が聞こえる町をつくる』自治体研究社
[38] 三浦展(2004)
『ファスト風土化する日本―郊外化とその病理』洋泉社
[39] 三浦展・大林宣彦(2007)
『地方を殺すな』洋泉社
[40] 藻谷浩介(2007)
『実測!ニッポンの地域力』日本経済新聞出版社
[41] 本山美彦・山下惣一・三浦展・古田睦美・佐久間智子(2006)
『儲かれば、それでいい
のか―グローバリズムの本質と地域の力』
「環境持続社会」研究センター
[42] 山口義行(2004)
『経済再生は「現場」から始まる―市民・企業・行政の新しい関係』
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[43] 山崎正(2004)
『最新・地方行政入門』日本評論社
[44] 山田宏(2006)
『前人木を植え、後人涼を楽しむ』ぎょうせい
[45] 内閣府 http://www.cao.go.jp/
[46] 新潟市 http://www.city.niigata.jp/
[47] 新潟県 http://www.pref.niigata.lg.jp/
[48] ウィキペディア(Wikipedia):フリー百科事典 http://ja.wikipedia.org
[49] 富山ライトレール株式会社 http://www.t-lr.co.jp/
[50] 税関 http://www.customs.go.jp/
[51] 新潟県立教育センター http://www.nipec.nein.ed.jp/
[52] 新潟市歴史博物館みなとぴあ http://www.nchm.jp/
79
あとがき
本報告書は、これからの地域の発展を願い、地域のための現代に相応しいグランドデザ
インの提示を目指して作成いたしました。旧来型のまちづくりビジョンに散見される個別
インフラの整備計画や、ボトムアップでの既存施策の寄せ集めでは無く、目指すべきまち
の姿を明確にすることにビジョンの本質を見出しました。しかしながら、ビジョンを定め
ること、そしてそのビジョンのコンセンサスを得ることこそが、真に困難な取り組みであ
り、それは一朝一夕では完結しないのです。本報告書では、我がまち新潟に着目して果敢
に3つのビジョン案の提示に挑戦しましたが、決してこれらのビジョンに拘泥するもので
はありません。これらの案を新潟においてビジョンを創り上げていく過程で必要となる議
論の具としていただき、より新潟にふさわしい新たなビジョンが生まれてくることで、3
つのビジョンを揚げた目的が達成されるのです。
本報告書はJCから市民に向けて発信するものであると同時に、JCメンバーに対する
問いかけでもあります。将来、JC運動の一環としてビジョンを示していく中でも、本報
告書を指針としつつ、時代の変化に対応し、創意工夫によって本報告書の主張をさらに発
展させることを期待するものです。
本報告書が、まちづくり運動の新たな出発点になることを願って。
80
発行 2009年10月2日
発行者・監修 社団法人新潟青年会議所
編集 2009年度社団法人新潟青年会議所 新潟拠点化推進委員会
委 員 長
敤井 一友
副委員長
竹中 広樹
幹
事
渡辺 淳一郎
委
員
水戸部 修一
小泉 欽一
高野 政芳
木下内 隆文
島倉 和彦
上原 洋明
高橋 智則
熊谷 勝利
石田 勝志
菅原 専
鶴巻 浩憲
帯 浩子
長﨑 寿秀
本報告書の全部または一部につき、無断で転載・転用することを固く禁じます。
本報告書は社団法人新潟青年会議所ホームページでも閲覧できます。
http://www.niigata-jc.com/2009/machizukuri
81
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