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BIO2005ミッション報告書
BIO2005ミッション報告書 <2005 年 6 月 20 日(月)∼26 日(日)> 大 阪 商 工 会 議 所 <目次> I.派遣概要 ……………………………………………………… 1 Ⅱ.日程表(基本コース) ……………………………………… 2 Ⅲ.記録写真 ……………………………………………………… 5 Ⅳ.主要プログラム概要 ………………………………………… 9 Ⅰ.派遣概要 1.趣旨 大阪商工会議所では、世界最大のバイオイベント「BIO」の開催に合わせて、6月20日から26 日の7日間、米国大使館との共催で「BIO2005ミッション」を実施した。 大手製薬企業の集中する米国東部、フィラデルフィアで開催された「BIO2005」への参加と、 バイオの研究拠点のフィラデルフィアのサイエンスセンター、今後バイオクラスターとして発展が見込 める Lehigh Valley や、6回のノーベル賞受賞の実績もある、米国エネルギー省のブルックヘブン国立 研究所、2重螺旋を発見したジェイムス・ワトソンの研究所である Cold Spring Harbor 研究所等を訪問。 各研究所の研究開発の現状や、産学連携の事跡などについてヒアリングした。 2.実施概要 ○ 基本日程:2005年6月20日(月)から26日(日) ○ 訪問都市:フィラデルフィア・ニューヨーク ○ 主催 :大阪商工会議所、米国大使館商務部 ○ 協 力 :米国商務省、ペンシルベニア州政府、ニューヨーク州政府、大阪府、 NPO 法人近畿バイオインダストリー振興会議、監査法人トーマツ、 Reed Smith LLP、三菱商事、Burrill & Company、 大森矢口国際特許事務所、Japan Technology Group, Inc. 住商バイオサイエンス株式会社 ○ プログラム:BIO2005参加及び、サイエンスセンター、リーハイバレー大学 ○ 団構成:日経BP社バイオセンター長宮田満氏(アドバイザー) 味の素株式会社、株式会社イーベック、NEC ソフト株式会社、大阪大学、株式会社カネカ、監査 法人トーマツ、清原国際特許事務所、近畿バイオインダストリー振興会議、独立行政法人産業 技術総合研究所、塩野義製薬株式会社、シャープ株式会社、株式会社スリービー、田辺製薬株 式会社、株式会社テクノバ、東京中小企業投資育成株式会社、東京大学、株式会社トラスト、 日経BP社、株式会社ニデック、財団法人バイオインダストリー協会、株式会社ヒューマン・ キャピタル・マネージメント、フェアサイド総合税務会計事務所、財団法人北海道科学技術総 合振興センター、北海道、北海道経済産業局、北海道ベンチャーキャピタル株式会社、三菱化 学株式会社、三菱証券株式会社、株式会社ユーステクノ・コーポレーション、横河電機株式会 社 49名(事務局2名、旅行社随行1名含む) 3.総括 BIO2005は、さらに今回来場者数を更新し、活況を呈した。世界各国のバイオクラスター 間競争の色合いと、大手製薬企業がバイオ産業を確固とした位置づけにおいたビジネス展開をして いる、という点が目立つ。機能性食品やナノバイオ、医療機器関連など融合分野に注目があつまっ ておらず創薬分野中心のイベントとなっているのは、米国の注力分野に依るところが大きい。海外 の大手製薬企業がバイオベンチャーのシーズを取り込み、事業化するという構図がはっきりとして きており、第2のジェネンテックやアムジェンのような成長バイオベンチャーが育ちにくい環境に なってきているとみられる。今後、日本が競争力を発揮できる分野は、日本企業の多様性を生かし た融合分野であるナノバイオといった分野とみられる。各研究所や大学訪問のヒアリングでは、改 めて米国における産学連携システムの充実を感ずることとなった。 1 Ⅱ.日程表(基本コース) 月 日 発着都市 交通機関 時間 1 6月20日 関 西 国 際 空 港 発 (月) デ ト ロ イ ト 着 NW-070 デ ト ロ イ ト 発 フィラデルフィア着 NW-3570 11:00 13:05 12:10 15:47 17:35 集合 空路、デトロイト経由フィラデルフィアへ 13:00 15:05 13:45 15:47 17:35 集合 空路、デトロイト経由フィラデルフィアへ 成 田 空 港 発 デ ト ロ イ ト 着 デ ト ロ イ ト 発 フィラデルフィア着 NW-026 NW-3570 専用バス 行動予定 着後、ホテルへチェックインします 20 日より以前に到着されておられる方については、 以下のレセプションにご参加いただけます。 7:30 10:00 ワシントン州のブレックファスト・レセプション William Penn Room-Hampton Inn (1301 Race St) 17:30 19:30 Burrill & Company と三菱商事主催レセプション The Union League of Philadelphia 140 South Broad Street Philadelphia, PA 19102 19:00 ノースカロライナ州政府主催レセプション 21:00 Philadelphia Museum of Art 「East thBalcony」 Benjamin Franklin Parkway and 26 Street, Philadelphia, PA19130 2 6月21日 フィラデルフィア滞在 (火) 3 6月22日 フィラデルフィア滞在 (水) 食 事 18:30 21:30 Canadian Signature Event The Moshulu Restaurant & Bar Penn's Landing 401 S. Columbia Blvd. 18:30 21:30 New Jersey 州レセプション The Vasper Club, 223 South Sydenham Street, Philadelphia 18:00 21:00 韓国 gala レセプション Philadelphia Marriot Hotel, Salon H 18:00 ジェトロ主催 Japan Night Loews Hotel Millennium Ballroom 20:00 22:00 Matching dinner (Paris region,,Berlin-Brandebourg-BIORIVE, 機 × × Japan, Massachussets-California, Taiwan) 6:00 7:00 <フィラデルフィア 泊> 宮田氏による朝食勉強会 (於:シェラトンホテル内「フラワールーム」) 終日 BIO2005展示会視察 17:00 18:00 住商バイオ及び米国大手 VC 共催 レセプション 18:30 ∼ デロイト トウシュ トーマツ主催 米国のバイオ最新事情セミナー&夕食会 at MONSHULU (帆船レストラン)内「orchid room」 <フィラデルフィア 泊> 宮田氏による朝食勉強会 (於:シェラトンホテル内「フラワールーム」) 2 6:00 機 Philadelphia Club at 1301 Walnut Street in Philadelphia ○ × × ○ × 7:00 終日 18:00 ∼ × BIO2005展示会視察 Reed Smith LLP 主催 バイオビジネスセミナー&レセプション 2500 One Liberty Place,1650 Market Street <フィラデルフィア 泊> 4 6月23日 フィラデルフィア滞在 (木) 専用バス 6:00 7:00 宮田氏による朝食勉強会 (於:シェラトンホテル内「フラワールーム」) 7:35 7:45 シェラトンホテルロビー集合 出発 7:55 ロウズホテルロビー集合/出発 8:30 Science Center Tour for Visiting Delegation 9:00 ∼ 11:00 13:00 各概要説明 University City Science Center, Pennsylvania State University , Drexel University、 Japan Technology Group Lehigh 大学 Iacocca Institute Wood Dining Hall Reception 14:00 Welcome & Remarks Raymond Suhocki President Lehigh Valley Economic Development Corporation 14:15 Dick Brandt Director, Iacocca Institute, Lehigh University Director, Global Village for Future Leaders of Business and Industry 14:30 Stephen Tang Vice President of Life Science Business Development ○ × × Olympus America, Inc. 15:00 Keith Kardos Director of Research and Development Orasure, Inc. 15:30 Ray introduces John Taylor Director, Corporate Life Sciences Programs Department of Chemistry, Lehigh University Industrial Liaison for Lehigh University to the Life Sciences Greenhouse of Central Pennsylvania, Neal Simon Department Chair and Professor Biological Sciences, Lehigh University 15:50 Conclusion Raymond Suhocki President Lehigh Valley Economic Development Corporation 16:00 17:00 21:00 5 6月24日 ニ ュ ー ヨ ー ク 滞 在 専用バス (金) 6:45 6:50 VISIT Orasure http://www.orasure.com/ 陸路(専用バス)、ニューヨークへ移動 ホテル着 <ニューヨーク 泊> ヒルトンホテルロビー集合 出発 3 ○ × ○ 9:00 12:00 12:30 Brookhaven National LaboratoryRHIC-Super Collider Project-Center for Computation and Nano Technology and discussion with Lab researcher about research opportunities SUNY Stony Brook Lunch at Wang Center at Stony Brook University with L.I Life Science Institute participation Life science facilities-LI high tech incubator Center for Advanced Technology in Biotech and Sensors 移動 Cold Spring Harbor Laboratories-tour of facilities 15:00 16:00 17:15 19:30 ホテル着 21:00 BENIHANA で団員夕食会 <ニューヨーク 泊> 専用バス 6 6月25日 (土) ニ ュ ー ヨ ー ク 発 NW-539 デ ト ロ イ ト 着 デ ト ロ イ ト 発 NW-069 8:00 10:59 12:54 15:40 ヒルトンホテルロビー集合(空港へ移動) 空路、デトロイト経由帰国の途(関西国際空港)へ 専用バス NW-017 10:30 14:05 ヒルトンホテルロビー集合(空港へ移動) 空路、帰国の途(成田空港)へ 7 6月26日 関西国際空港着 (日) 18:15 着後、解散 成 田 空 港 着 16:40 ニューヨーク発 4 ○ 機 機 <機内 泊> Ⅲ.記録写真 6月20日∼22日 BIO2005 Annual International Convention 出展ブース 5 6月21日∼23日 6月23日 日経BP社 フィラデルフィア 宮田満氏朝食会レクチャー サイエンスセンター 6 インキュベーション施設 6月23日 Orasure 社 訪問 6月24日 ブルックヘブン国立研究所 7 6月24日 コールド・スプリング・ハーバー研究所 8 Ⅴ.主要プログラム概要 6月20日(月) 20:00∼22:30 パリバイオチームのアレンジによるマッチングイベント 於:City Tavern フランス、ドイツ、マサチューセッツ、台湾、日本 から、参加。 企業、研究所、大学、バイオ振興機関など、多様な分野の参加者、全員55名。 Paris Region (26) Hybrigenics Veronique Baron-Wunderle Institut Pasteur Jean-Pierre Saintouil Biométhodes Ingrid Marchal Cellectis André Choulika Institut Curie Florence Lazard Aureus Pharma Andre Michel Genopole Remy Vomscheid Genopole Yves Champey Helios Biosciences Jean-Baptiste Dumas Vaxon Biotech Philippe Berthon Regimbeau Jacques Warcoin CCIE Marianne Sasserant ARD Frédéric Faivre GIE Bioteam Keren Dahan AEE Thierry Mandon AEE Gilles Rabin AEE Patrick Cheenne AEE Alain Schebath Bionest Alain Gilbert Bionest Frédéric Desdouits French Ministry of Industry Alain Griot Cytomics Erwan Martin Reussir Valerie Leboudec IDM Didier Landais CEEVO Jean-François Benon Val de Marne Development Agency François Pays Berlin-Brandebourg-BIORIVER (5 persons) BIOTOP BERLIN Kai Bindseil Life Sciences Center Dr Thomas Heck Artes Biotechnology Dr Michael Piontek 9 Biogenes GmbH Mr Dagmar Schwertner Glycotope Mr Steffen Goletz * Japan (7 persons) OSAKA CHAMBER OF COMMERCE Ms Ako Makiyama ANGES MG Mrs Sarina Tanimoto ANGES MG Mr Takerumi Gemba TANABE Mr Yasuhisa Matsukawa SHIONOGI Mr Naoto Yamaguchi JAFCO Nobuo Fukuda JAFCO Kenji Harada * Massachussets-California (9 persons) ALICE COMMUNICATION Marie-Alice Dibon Cooley Godward LLP Mr Frederic Dorey Genentech Mrs Vicky Keston MARIE LANDEL & Associates Marie Landel, CEO BCEC Fernando Quezada Comerica Bank Janice Bourque Atlantic Resource group Andrew Clutz French Embassy Jean-Jacques Pierrat Montgomery County Bernadette Musselwhite * Taiwan (8 persons) Industrial Technology Research Institute Mr Chung-Cheng Liu Development Center for Biotechnology Mrs Jui-Lien Huang Ministry of Economics Affairs Mr Chei-Hsiang Chen Mycenax Biotech Mr Michael Hwang Mycenax Biotech Mrs Karen Wen Sun Ten Pharmaceutical Mr Herb Shen Biopharm Company Mrs Servina Liu Apex International Clinical Research Mr Albert Liou 10 6月20日(月)∼22日(水) BIO 2005 Annual International Convention http://www.bio.org/events/2005 於:Philadelphia Convention Center Biotechnology Industry Organization (BIO)は約 1000 社のメンバーを持つ、アメリカ最大の バイオ産業の業界団体。BIO 主催の BIO Annual International Convention は年に一回開催さ れる展示会、コンファレンス、パートナリングフォーラムで構成される世界最大のバイオ・イベ ント。このイベントには全世界56カ国からバイオ企業関係者、投資家、科学者等18730人 の参加登録、36カ国から500人以上のジャーナリストが取材に訪れ、今回も来場者数を更新 し、盛況のうちに幕を閉じた。展示会は 6 月 20 日から 22 日までの 3 日間、フィラデルフィアの ペンシルベニア・コンベンションセンターで実施され、1525ブースが出展したが、これも過 去最多の数字。200社以上がプレゼンテーションを行い、900以上のスピーカーにより、1 80のプログラムで専門的なセミナーが開催された。同イベントによるフィラデルフィア市への 経済効果は3500万ドル以上と試算されている。昨年はサンフランシスコがホストシティ、来 年はイリノイ州シカゴで開催される。 6月21日(火)6:00∼7:00 日経BP社 宮田バイオセンター長 於:Sheraton Society Hill 朝食会 レクチャー Flower Room ○ BIO2006の特徴 8割はクラスター展示。2割は大手製薬企業がベンチャーのシーズを取り入れらるか探す機会、日 本の存在感は昨年より小さく、台湾、インドがめだっている インドはクリニカルトライアルの情報処理など強い。英語が通じることもアドバンテージがあり、 今後の発展が見込まれる。今年のBIOでは中国よりインドの存在感大きくなっていることが目立 つ。 ○各分野について ① ターゲット治療薬 レセプターをクロスすることで効能が高くなる、これはターゲット治療薬と矛盾するが、ファイザ ーでは6つのパスウェイをブロックする薬を開発している。癌のターゲットは700とも言われる が、そのうち複数を併用するマルチファンクションな薬の開発が進んでいる。5月の癌学会では、 ハーセプチンを投与することで乳がんの再発率が、52%低下したが、それにホルモン治療をする ことで90%再発を防ぐことができることが判明している。 抗 VGF で受容体をブロックし、アバスチンで血管誘導シグナルをたつという組み合わせもある。 ② ランチセッションは主催者団体BIOの会長が政治家であったことも影響してか、同イベントが ベンチャーのためという色合いより、製薬企業のための色を強くした。日本ではみられないが、 患者団体も20以上ブース展示している。今後は、日本でもこのように患者団体との連携が必要 になる。 ③ バイオ産業はいまやバイオ医薬でささえているが、今後は、高いバイオ医薬だけで市場がもつの かどうか疑問。ハーセプチンという抗体医薬は治療費が1年に360から400万円、パスウェ イをたつアバスチンが1年900万円、両方で1年2000万円といった高い治療費となる。こ 11 のような高い治療費負担は現実には難しいので、パスウェイをブロックするものは、低分子医薬 に置き換わるかもしれない。 ④ 癌ワクチン が認可にむけてフェーズⅢが6つ走っている アジュバントでスペシフィックにアクティベイトするか注目、2007年に上市予定 ⑤ ステムセル 連邦政府は進めないが、ハーバード大学では、3000億円のファンドができるなど進んでいる し、UK では GMP レベルでつくることができるように4年後には2.5ミリオンポンドが当てら れ、シェフィールド大学で秋にクリニカル・アプリケーションが可能となっている。日本でも、 京大では1億円だがGMP施設でつくること進んでおえり各国のペースでほぼ同様である。人間 由来では感染症を防ぐなどの課題も多い。 ⑥ ジェネリック ファイザーは成長ホルモンのバイオジェネリックについて、スイス企業を訴えている。日本では、 オーバーバリューのものでも、ゾロ薬開発する。1∼2 年でバイオジェネリック、日本でもでて くると思われる。パイプラインをいかに効率よくもっているかが決め手。 ⑧ 今回のBIOでは、ニュートロシューティカルには焦点あたっていない。日本の強いところなの で、今後、同分野で生き残る道もある。 6月21日(火)17:00∼18:00 住商バイオ及び米国大手 VC 共催 レセプション 於:Philadelphia Club at 1301 Walnut Street in Philadelphia 住商バイオサイエンス他、Oxford Finance Corporation(バイオ専門のリースファイナンス会社)、 Friedman Billings Ramsey(VC)、Scheer Partners(VC)、Alston & Bird LLP(弁護士事務所) 等といった米国の大手VC等共催によるレセプションで、ミッションからは20名が参加。 6月21日(火)18:30∼22:00 デロイト トウシュ トーマツ主催「米国のバイオ最新事情セミナー&夕食会」 於:MONSHULU (帆船レストラン)内「orchid room」 Deloitte Touche Tohmatsu/デロイト トウシュ トーマツ社 http://www.tohmatsu.co.jp 世界有数のプロフェッショナルファームのひとつとして、全世界 140 カ国以上で 119,000 名超の 人員により、世界の大企業の半数以上、公的機関およびグローバルな成長企業に世界水準の監査 等の証明業務やアドバイザリー業務、税務、コンサルティングサービスを提供している。日本に おいては、監査法人トーマツが主要構成事務所としてその運営に参画し、国内 30 都市以上に約 2000 名の公認会計士・会計士補を含む約 2300 名の専門家を擁している。 当日は、米国のバイオ産業のトレンドを解説するとともに、トーマツのライフサイエンス関連事 業について紹介。 Mr. Robert Bob Go, Partner, Global Leader Mr. Richard Hisey , Deputy Managing Partner,US-LS & HC Mr. Satoshi Fujiwara, Partner Ms. Mayumi Limnios, Director 12 6月22日(水)6:00∼7:00 日経BP社 宮田バイオセンター長 朝食会 レクチャー 於:Flower Room ○E&Y 産業レポート ①米国バイオ企業は 2010 年にすべて黒字になる。現在は、20 社が黒字で 1380 社が赤字。2003 年に はベンチャーが開発した医薬品について、大企業と比べて、FDA 承認数の総数が多くなる。2004 年もその傾向が拡大している。 ②メガファーマはライセンスソースとしてベンチャーをみている。アムジェンやジェネンテックのよ うなベンチャーで独り立ちするということは今や産業構造がかわったので無理。ファイザーは 8000 億から 1 兆の研究開発費を同じ化合物でフェーズⅢを2本走らせてよいものを選ぶということをし ている。RNAi 関連のベンチャー企業だけは、ビックファーマが全くないので、独り立ちできるベ ンチャーになりえる可能性はある。 ③メルクインデックス=メルクの株価÷バイオベンチャー総評価額 ジェネンテックとアムジェンでメルクの1.5倍 20兆円のファイザーとバイオベンチャーの総評価額が同じくらい 新薬の多くはバイオ医薬で、IND 申請中で55種ある。 ④今後は安く製剤する方法が課題→血中半減期を長くして投与量を減らす 例)イントロジェン ペガシス インターフェロンα 副作用 シェーリングプラウ アプタマ 3つ下げられれば→市場とれる RNAi も分単位で半減する。 ⑤BIOにエコノミストが多いことも目立つ。 製薬企業をサポートする。薬を開発することで寿命をのばして、経済活動大へといったシナリオ で製薬企業を支持する姿勢を示すとみられる。 ⑥タンパク医薬は、抗原性の問題で臨床試験ができないので、ジェネンテックの成長ホルモンと同じ 市場構造で開発進まない。 ⑦ ジェネリックは、8社参入すれば、利益でないということでなかなかビジネスとして思うように いかない面がある。ただ、中国が製造することになると、コストは下がるし、臨床試験も出来る 状況になる。 ⑧ C型肝炎ワクチンは、1 年以内にフェーズⅠが進み、来年にはフェーズⅡのスケジュールで進ん でいる。 ⑨ 鳥インフルエンザワクチンも、一旦発生しないと開発できないが、臨床試験の段階まで進んでい る。 ⑩ サーズ、カイロンが発生後3ヶ月以内にワクチン製剤開発 → ワクチン開発のスピードあがっている ⑪イーライリリーは、GLPI という糖尿病抑制剤開発 ランゲルハンス島の増殖をうながし、インス リンの分泌をさげ、Ⅰ型、Ⅱ型両方に効く薬の開発を行っている。血中半減期長くすれば効果大 ⑫アグリバイオ 南アフリカ:ホワイトコーンで、耐乾性のあるBT植物開発記者発表。 発展途上国では、BT増えているのが現状。ナイジェリア、南アフリカ、イランでも、2月から組 み替え稲実用化、中国も同様、欧州では、フランス、スペイン、イタリア、は、かなり進んでいる。 ドイツ、オランダはやらない。中国の動きによって、世界の動きがきまると思われる。 13 6月22日(水)18:00∼21:00 Reed Smith 社主催「バイオビジネスセミナー&レセプション」 於:2500 One Liberty Place,1650 Market Street Reed Smith 法律事務所 http://www.reedsmith.com/ 1877 年にピッツバーグで創設。全米および英国のオフィスに約1000名の弁護士を擁するグ ローバル・ロー・ファームの一つであり、Corporate Counsel 誌が2003年に Fortune 誌のラ ンキングトップ250社の社内弁護士を対象に弁護士事務所のクオリティー・サービスに関して 行った調査で米国法律事務所トップ10の一つに選ばれた。とくにライフサイエンス分野におけ るライセンシング、共同研究、ジョイントベンチャーなどにおいて多くの案件に対応し、豊富な 経験をもち、世界のトップ製薬企業 10 社のうち 9 社はクライアントとして同社のサービスを受 けている。リード・スミスのジャパン・ビジネス・チームは18オフィスに属する40名以上の 弁護士で構成され、現在100社以上の日本企業や日本に関わる多数の国際企業に対しリーガ ル・サービスを提供している。今回は、米国のバイオ産業へどうアクセスするのがいいかという レクチャーと、文書管理の重要性についての解説のふたつの講話のあと、交流会を開催。 Mr. Osagie Imasogie, Senior Managing Partner, Phoenix IP Venture “How to Access and Do Business with the US Biotech Industry” Mr. James Wood, Partner, Reed Smith LLP “Retention of Corporate Documents for Litigation in the United States.” 6月23日(木)6:00∼7:00 日経BP社 宮田バイオセンター長 朝食会 レクチャー 於:Flower Room ○RNAi 関連 アイシス社はアンチセンスを用いた創薬を行う企業で、長くアンチセンス研究している。 もともと、核酸オリゴ技術 20 年くらい研究していたが、ドラッグデザインの発展により、その経 験がいかされて RNAi 研究につながっている。伝統的な医療技術研究がイノベーションつながった 例である。 ○西海岸のベンチャー企業は、アクティビティさがっているといわれ、大企業が主役をとるという見 方があるが、20世紀末には、第2のイノベーションがおこり、ステムセルや RNAi といった研究が進展をみせ、次世代の胎動が感じられるといえる。 ○セルバイオロジーは今後注目される分野で、イメージングは同分野に決定的な貢献をすると見込め る。 ○ナノバイオについては、ナノテクノロジーとバイオとの融合進んでいない。 日本はこの分野で勝てる可能性あり。 しかし、基本的なパテントはおさえられているということで、組み立て技術等としてのパテントをど う取得するか、が課題。 14 ○アメリカがあまり手をつけていない分野で日本にチャンスのあるものは、ナノバイオ、機能性食品 関連。アメリカでは、新薬開発に注力、農業にも注力しているため、食品関連など進める余地はあま りない。環境も世界的には注目されると思われる。 日本は多様性をいかすべき。食品でいうと、特保市場は 1 兆円、WHITE BIO NANO BIO などアド バンテージあるのでは、その場合でも、最適のパートナリングが必要、 ○セレーラは牛のゲノム研究をはじめている パイアレックスはトレーサビリティの研究を行い、アンガスビーフ、というブランドをアイデンティ ファイさせている ○クローン牛は、2007 年には日本でも実用化、 熊本、福井では、完全な安全性試験が 2007 年にはできる。畜産業は今後も進展する。 6月23日(木)8:30∼11:30 Science Center (サイエンスセンター) www.sciencecenter.org Philadelphia 市中心の大学地区内に位置し、全米でも最も歴史のある、最大規模の都市型リサー チパークである。1963年に設立され、有望な新技術と技術革新の商品化に必要な環境を提供 し、才能、資本および機会を融合させたナレッジコミュニティーである。Science Center の役割 はライフサイエンス、IT 企業にスペースを提供し、新技術ビジネスベンチャーを促進させ、起業 家にトレーニングや支援を提供することにより、新技術の商品化を支援することである。Science Center は民間機関で、University of Pennsylvania, Thomas Jefferson University, Temple University, Drexel University などを含めた34株主の地元の大学、研究所、そして、その他多 数 の 団 体 と 強 い 提 携 関 係 が あ り 、 過 去 3 0 年 ほ ど で 、 Centocor, Morphoteck, Neose, 3-Dementional Pharmaceuticals など含む 約350社以上企業の立ち上げを支援して来た。 Science Center のインキュベーション施設には、将来有望な日本企業2社(Japan Technology Group, H&T)を含めた約25のバイオ・IT ベンチャー企業が入居している。 治験支援をするサービス、ビジネスサポートサービス、ともに有している。 ➀インキュベーション施設の視察 ②各大学から産学連携等に関わる概要説明 University City Science Center, Pennsylvania State University , Drexel University、 Japan Technology Group ペンシルベニア大学 年間 7 億 5 千万ドルを獲得、ライフサイエンス関連の研究にほとんどが使われている。 医学部 では 50 種の研究分野がとくに優れている、例)癌、循環器病、免疫、遺伝子 15 イメージング、等 1 年に500特許獲得 1 年に100のライセンス・アグリーメント 1 年に17の起業、GSKなどは、極めて大きな資金を同大学にいれている 契約交わすのに必要な時間は、平均 8 から 10 週間かかるが、1 週間という早い場合もあり、産学連 携担当者にも成果報酬がある。 ライセンス料の30%はが研究者にはいることになる。 6月23日(木)13:00∼16:00 Lehigh Valley Region(リーハイバレー地域)www.lehighvalley.org , www3.Lehigh.edu Philadelphia から北へ約100KM に位置し、ニュージャージー州に隣接し、NYC までも車 で1時間半の距離にあり、この地域のアレンタウン、ベツレヘムなどは、かつて鉄鋼大手ベツレ ヘム・スチールの企業城下町として栄えた。そして、この20数年の地元経済・大学・そして州 政府などのいわゆる産学連携の努力により、米国東部でも最も新興産業の集中する地域と生まれ 変わった。特に、ボストンからワシントン D.C.までを結ぶ広大な米国東部バイオテクノロジー地 帯の中心であり、安価なビジネスコスト、大手製薬企業へアクセス、地元の Lehigh University などの教育機関による優秀な人材の輩出、研究開発の恵まれた環境により、近年ライフサイエン ス企業の進出が増加している。大手の Aventis、OraSure Technologies などからナノバイオ、医 療機器、分析機器などベンチャー企業まで幅広いライフサイエンスビジネスが展開されている。 また、2006年8月には、オリンパスアメリカ社が、ニューヨーク州からこの地域への米国本 社移転を終了し、米国でのさらなるライフサイエンス事業などを拡大する予定である。 Lehigh 大学 Iacocca Institute Wood Dining Hall ①Raymond Suhocki, President Lehigh Valley, Economic Development Corporation ②Dick Brandt, Director, Iacocca Institute, Lehigh University, Director, Global Village for Future Leaders of Business and Industry ③Stephen Tang, Vice President of Life Science Business Development, Olympus America, Inc. ④Keith Kardos, Director of Research and Development, Orasure, Inc. ⑤John Taylor, Director, Corporate Life Sciences Programs, Department of Chemistry, Lehigh University Industrial Liaison for Lehigh University to the Life Sciences Greenhouse of Central Pennsylvania, ⑥Neal Simon, Department Chair and Professor, Biological Sciences, Lehigh University ⑦Raymond Suhocki, President, Lehigh Valley Economic Development Corporation 6月23日(木)16:00∼17:00 Orasure 社 訪問 http://www.orasure.com/ Keith Kardos, Director of Research and Development の説明を伴い企業内視察 同社は、唾液等による診断キットの開発製造会社で、すでに製品は海外市場も有している。たとえ ばエイズの検査キットは、病院、保険会社、公的な保健機関、等で広く利用されている。 16 6月24日(金)9:00∼12:00 Brookhaven National Laboratory (BNL)/米国エネルギー省ブルック ヘブン 国立研究所 http://www.bnl.gov ブルック ヘブン 国立研究所は 1947 年に設立された米国エネルギー省直属の研究所で、多分 野にわたる研究が行われている。この研究所から生まれた発明に、これまで 6 つのノーベル賞が 贈られている。現在役 3,000 名の研究者、エンジニア、サポートスタッフを抱える。世界でも著 名な研究施設を有しているが、中でも相対論的重イオン衝突型加速器(Relativistic Heavy Ion Collider - RHIC)を使っての実験は高く注目されており、日本の研究グループも参加している。 医学分野では、L-dopa がパーキンソン病治療に有効なことが BNL における研究で発見された。 ①Director の Dr. Praveen Chaudhari による研究所概要説明 6回のノーベル賞受賞がある。4000 人の研究者が外部からきている 日本の理研は、1 年 600 万∼700 万ドルの研究費を出していて、10 年契約をしている 4つの主な研究所があり、フェニックス研究所には日本の研究者が非常に多い。 メディカルイメージング 中毒症状 PET MRI など ②IT Division の Jim Davenport Tom Schlagel Computational Biology について QCDOC Computer について スーパーコンピュータ を利用した演算、生物学、ナノテクノロジーへの応用に関連する研究 について概要説明 ③New Detector for PET Imaging Dr.Craig Woody , Dr.David Schlyer , Dr.Paul Vaska RatCAT : Rat Concious Animal PET :起きたままの動物のイメージングをとる機器につい ての説明 Wrist Monitor 動脈だけをハイライトする機器の開発や、Micro probe、Anger PET CZT for PET、PET MRI を 組み合わせた機器の開発などを行っている。 6月24日(金)12:30∼15:30 SUNY Stony Brook/ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校 Center for Biotechnology/バイオテクノロジー・センター http://www.biotech.sunysb.edu ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の中にある、バイオテクノロジー・センターを訪 問。当センターは大学と民間企業そしてニューヨーク州政府の産官学による共同研究拠点として 1983 年に設立された。ここでは特に各分野の基礎研究に重点をおいている。とりわけメディカ 17 ル・バイオテクノロジーにフォーカスを置き、診断分野から治療薬まで、様々な研究が行われて いる。また、インキュベーション施設も持ち、ベンチャー企業の育成も行っている。 Dr. Yacov Shamash, Vice President for Development and Dean, COLLEGE OF Engineering and Applied Sciences から挨拶、大学の概要説明 22000 人の研究者、16500 万ドルの研究費 全米でローヤルティー獲得 11∼12位の大学 NY市が5000万ドル投資、1億5000万ドルは民間から、連邦政府からも5000万ドルは投 資あり。 各研究分野の紹介 ① NSF Center for Polymers at Engineered Interfaces Dr.Benjamin Chu, Distinguished Professor of Chemistry Joseph Scaduto, Long Island Life Science Initiative Dr.Miriam Rafailovich ,Professor of Materials Science and Engineering ② NYS Center of Advanced Technology and Medical Biotechnology Dr.Anil Dhundale , Director for Scientific Affairs ③ NYS Center of Advanced Technology in Sensor System Dr.Peter Shkolnikov, Deputy Director その他、Electro Spring Technology & Application, Nano Fiber Medical Filltration Composite Long Island Life Science 成長率上位50社のうち 300 社ある 10社がライフサイエンス Biotech CAT バイオで経済振興する。 アカデミア 2.2ミリオンドル 政府 1ミリオンドル 産業界 1.25∼2.5ミリオンドル 現在、活動の多い分野 Fluorescent detection technology sensor and imaging Fiber powered sensors Uncooled mid –infrared lasers Superconducting electronics Bio medical sensor and application MEMS CSH 1890年 設立 12のスタートアップ企業あり 8名のノーベル賞受賞者 60%民間資金 研究所に属している 40%NIH NIS など 18 Cosmetic Life science Millitary 6月24日(金)16:00∼17:15 Cold Spring Harbor Laboratories - tour of facilities with Dr. Stillman コールド スプリング ハーバー 研究所 http://www.cshl.edu/ コールド スプリング ハーバー 研究所は癌を対象として分子生物学研究を重点領域とする教 育・研究機関。これまで、多くの著名な研究者が当研究所で様々な研究を行ってきた。中でも、 DNA の 2 重らせんをクリック博士とともに発見したワトソン博士は、ヒトゲノムプロジェクト への参加を理由に退任するまで、長く当研究所のディレクター並びに所長を務めた。今回、現在 の所長である Bruce Stillman 博士が当センターの紹介並びに主な施設を紹介した。 19