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卒業論文

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卒業論文
第1章 研究の背景
第1節 動機
文部科学省では平成 10 年 12 月 14 日に小学校及び中学校学習指導要領を、平
成 11 年 3 月 29 日に高等学校学習指導要領を公示した。インターネットの普及
が進む中、新しい学習指導要領の主なポイントの 1 つに「情報化への対応」が
挙げられ、中学校技術・家庭科では情報に関する基礎的な内容を必修し、高等
学校では教科「情報」を新設し、必修にすることを掲げた。
著作権情報センターが 2004 年 6∼7 月に全国の国公私立の小中学校など約
4,000 校を対象に実施し、約 1,800 校から回答を得たアンケート調査によると、
過去 3 年間に著作権を行った学校は全体で 59.4%、中学校と高校では 70%を超
えているという結果が出ている。
それにも関わらず、著作権に関する研修を受けた教員が 1 人もいない学校が
55.1%、著作権の例外規定を知っている教員が 1 割という現状があり、教員の
著作権意識の問題も指摘されている。
また、インターネット上で高音質の MP3 システムを使った違法行為が相次い
で摘発され、音楽を違法に配信していたのも、受信していたのも共に 10∼20 代
の若い世代が中心と言われる中、著作権教育の必要性が出てきている。
「平成 14 年度山形市教育研究所 情報教育調査研究に関する報告」よると、著
作権に関係がある設問に対し、
「はい」と回答した割合を表 1 としてまとめた。
著作権に関する指導がなされているのにも関わらず、中学生の認識度は低い。
1
表 1:著作権に関する設問に対する解答の割合
設問
1 年生
2 年生
あなたは、これまで友人や知人
44.8%
51.1%
33.1%
34.4%
31.4%
36.9%
から音楽 CD を借りて自分用に
録音した経験がありますか
自分の大好きなキャラクター
や歌詞を自分のホームページ
に貼り付けて公開することは
良いことでしょうか
インターネットから得た情報
を使ったレポートや作品を、他
の人に発信したことや発表し
たことがありますか
第2節
本研究の目的
インターネット上には著作権に関連した情報が多数公開されており、それを
うまく整理して提供することで、中学校での著作権教育がよりよいものになる
のではないかと考えた。
そこで本研究では、中学校における著作権学習教材を取り扱ったポータルサイ
トを開発することとした。中学生著作権教材ポータルサイト(以下、当サイト)
では、筆者が収集した 2 次情報を整理し、それを提供する。本論文では、当サ
イトの開発と評価について述べていく。
2
第2章
第1節
中学校の著作権教育の範囲
調査の目的
当サイトを設計・開発する上において、中学校における著作権教育の指導範
囲について、調査することにした。
「中学校学習指導要領(平成 10 年 12 月) 解
説-技術・家庭編-」によると、
「B 情報とコンピュータ」の領域において、著作
権関連の項目は次のように記載されている3)
。
「(1)生活や産業の中で情報手段
の果たしている役割」には「イ 情報化が社会や生活に及ぼす影響を知り、情報
モラルの必要性について考えること」
、内容の取り扱いには「インターネット等
の例を通して、個人情報や著作権の保護及び発信した情報に対する責任につい
て扱うこと」
「考案・創作などの創作物の著作権等については、創作者の承諾な
しに第三者が勝手にその創作物を使用できないこと、著作者の権利の保護を図
る観点から、プログラムや写真・絵画などの著作物について、その取り扱いに
注意することを指導すること」と記載されている。また、
「(4)情報ネットワーク」
の解説部分には、
「情報発信をする場合には情報の扱い方や著作権及びプライバ
シーの保護等に十分配慮する必要がある」とある。さらに「(5)コンピュータの
利用」の解説部分には、
「作品の制作に使用する素材の著作権等に注意する必要
がある」
「インターネットなどを利用して発信する場合、個人情報の取り扱いや
著作権の有無について注意を払い、その指導を確実に行い活用法について理解
させる必要がある」としている。
また、著作権指導のポイントとして、鹿児島県総合教育センターは、
「中学校
では著作権の意味を知り、その権利に気を付けながら必要に応じて、著作者の
許諾を得ようとする態度を育成する必要がある」と明記している。
現在、中学校の技術・家庭で利用されている教科書は開隆堂と東京書籍の 2
3
社である。実際に技術・家庭の技術分野の教科書を入手したが、知的所有権全
体の説明や不法コピー禁止マークの紹介、無断コピーの禁止、プログラム改変
の禁止などといった著作権違反に関わる説明の記述に留まっていた。
第2節
調査のまとめ
以上の結果にそって、著作権学習教材を分類することで、想定している利用
者である中学生や教師に使いやすいポータルサイトを構築するものとする。
また、利用を想定している中学生や教師以外の高校生、大学生、一般の人が
利用する可能性もある。
4
第3章
第1節
著作権学習教材の調査と分析
調査の目的
現在、コンピュータを使った様々な著作権学習教材が開発されている。その
中で、現在、Web 上で公開されている教材や市販されている教材を把握し、そ
れらの機能・利点・欠点を明らかにすることを目的として、調査を行った。
第2節
調査の方法
Web 上での著作権学習教材の検索には、Google の検索エンジンに著作権と中
学生に関連する言葉を掛け、掛かったサイトを 1 つ 1 つ確認し、中学生を対象
とした著作権の学習支援を目的としているサイトのみを調査対象とした。
また、調査項目は、その教材の公開場所(サイト名、URL)
、特徴、利点、欠
点とし、これらをまとめたものを次節で述べる。
5
第3節
調査の結果
3.3.1 個別学習用学習ユニット(ネット社会の歩き方)
「ネット社会の歩き方」検討委員会が製作した個別学習用学習ユニット(ネッ
ト社会の歩き方)
(http://www.cec.or.jp/net-walk/index.html)の対象者は小学
校・中学校・高校の児童・生徒となっている。長所と短所を以下にまとめる。
長所
・
自分自身で問題点を考えることが出来る。
・
考える力を身に付けられる。
・
個別学習・一斉学習に分類されている。
短所
・
図 3.1
小中高の内容が同一である。
個別学習・解説あり 学習選択場面
6
図 3.2
個別学習・解説あり 解説画面
7
3.3.2 中学生著作権教育用ソフトウェア
文 化 庁 が 製 作 し た 中 学 生 著 作 権 教 育 用 ソ フ ト ウ ェ ア
(http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/kyouiku/tyuusoft/index.html)の対象者は
中学校の生徒になっているダウンロード型教材である。別途に小学校の児童
用・高校の生徒用が提供されている。以下に長所と短所をまとめる。
長所
・ 身近な問題として著作権を意識することが出来る。
・ クイズ形式で、出題数が 10 題と取り組みやすい。
・ 著作権教材として特化されている。
短所
・ 正解した場面と不正解した場面が同じである。不正解した場合は、どうして
間違えたかという説明文があれば、もっと良いと思った。
・ ユーザの成績表のような機能が無いので、何が弱点で、どこが間違ったかを
確認出来ない。
・ ユーザ登録の機能が無い。前回から引き続きやりたい場合などの対応が必要。
図 3.3
中学生著作権教育用ソフトウェア 問題選択場面
8
図 3.4
中学生著作権教育用ソフトウェア 問題出題画面
図 3.5
中学生著作権教育用ソフトウェア 問題正解画面
9
図 3.6
中学生著作権教育用ソフトウェア 問題不正解画面
10
3.3.3 コピーライトワールド
社団法人 著作権情報センターが製作したコピーライトワールド
(http://www.kidscric.com/)では、対象者は明記されていない。しかしながら、
コンテンツの 1 つである『著作権教室』は「中学生以上の生徒さんと先生を対
象に学校や日常生活で関わる著作権の問題をまとめています」という注意書き
がある。以下に長所と短所をまとめる。
長所
・ 著作権教材として特化されている。
・ クイズで不正解になった場合、不正解の理由が明記されている。
・ 身近な場面の著作権問題を取り扱っているので、分かりやすい。
・ Q&A 形式というスタイルも面白い。
短所
・ 文字が若干小さいという印象を受けた。
・ クイズで不正解になった場合、
「もう 1 回チャレンジ」を選択すると、クイ
ズのトップ画面に戻されてしまう。
・ 音声のスキップが出来ない。
11
図 3.7
コピーライトザワールド トップページ
図 3.8
コピーライトザワールド コピーライト道場 問題出題画面
12
図 3.8
コピーライトザワールド コピーライト道場 問題正解場面
図 3.9
コピーライトザワールド コピーライト道場 問題不正解場面
13
3.3.4
情報モラル研修教材
情報モラル研修教材(http://www.japet.jp/moral/)は独立行政法人教員研修
センターが現場の教師を対象に製作された教材である。以下に長所と短所を挙
げる。
長所
・ 指導案例が準備されている。
・ 情報モラル授業の素材としても活用出来る。
・ 様々な用途に使える(勉強会・講習会など)
。
短所
・ 著作権教材としては特化していない。
図 3.10
情報モラル研修教材 トップページ画面
14
図 3.11
情報モラル研修教材 体験から学ぶ 選択画面
図 3.12
情報モラル研修教材 授業素材(事例から学ぶ)画面
15
3.3.5
インターネットと著作権
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
と
著
作
権
(http://gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/tyo/newpage1.htm)は岐阜県総合教
育センターが現場の教師を対象に製作された教材である。以下に長所と短所を
挙げる。
長所
・現場の教師が著作権を考える上で、分かりやすい教材になっている。
短所
・授業利用には向いていない。
図 3.13
インターネットと著作権 トップ画面
16
図 3.14
インターネットと著作権 問題事例の一例
17
3.3.6
中学校
技術・家庭
情報とコンピュータ
東京書籍が製作した中学校
技術・家庭
情報とコンピュータ
(http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/kyozai2004/shochu/59560.htm)は中学生を対
象としたソフトウェア教材である。以下に長所と短所を挙げる。
長所
・ 教科書の指導に沿った教材である。
短所
・ 著作権に特化した教材ではない。
図 3.15
情報とコンピュータ 単元選択画面
18
3.3.7
やさしいネチケット
東 京 書 籍 が 製 作 し た や さ し い ネ チ ケ ッ ト
(http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/kyozai2004/shochu/58101.htm)は小学生・中
学生を対象としたソフトウェア教材である。以下に長所と短所を挙げる。
長所
・
すぐ横に用語集があるので、分からない用語を調べるのには便利。
・
辞書リンクが貼られている。
短所
・ 「情報モラル」指導用の教材であるので、著作権だけに特化した教材ではな
い。
図 3.16
やさしいネチケット トップページ
19
図 3.17
やさしいネチケット 用語集ページ
20
3.3.8 情報モラル学習教材(岩手県立総合教育センター)
岩手県立総合教育センターの佐久山 明彦氏が製作した情報モラル学習教材
(
岩
手
県
立
総
合
教
育
セ
ン
タ
ー
)
(http://www1.iwate-ed.jp/kakusitu/joho/material/moral/index.html)は小学
校 5 年生から中学校 3 年生までの児童・生徒が対象のダウンロード型教材であ
る。以下に長所と短所を挙げる。
長所
・ 短時間で情報モラルの指導が可能。
・ 別途準備されているクリック判断シートを使って、自分の行動を考えること
が可能。
短所
・ 「情報モラル」指導用の教材であるので、著作権だけに特化した教材ではな
い
・ 別途、テキストを印刷して使う必要がある。
図 3.18
情報モラル学習資料 中学校編 トップページ
21
図 3.19
情報モラル学習資料 学習ページ
22
3.3.9 著作権を考えよう(福岡県教育センター)
福岡県教育センターの中野 敏昭氏が製作された著作権を考えよう(福岡県教
育
セ
ン
タ
ー
)
( http://www.educ.pref.fukuoka.lg.jp/kyouzai/cgi-bin2/kyouzai.cgi?mode=sea
rch&cat=1&part=2)は対象者が明記されていないダウンロード型の教材である。
以下に長所と短所を挙げる。
長所
・ 著作権に特化した教材。
・ 生徒指導だけではなく、職員研修での活用も可能。
短所
・ 何度も繰り返し使う教材とはいえない。
図 3.20
著作権を考えよう 音楽編 トップページ
23
図 3.21
著作権を考えよう 音楽編 解説ページ
24
3.3.10画像合成教材“バーチャル世界旅行”
静岡県立御殿場高等学校・渡森 和彦氏らが中心となって製作された画像合成
教
材
“
バ
ー
チ
ャ
ル
世
界
旅
行
”
(http://www.nichibun-g.co.jp/joho/it-edu/019/i190609.htm)は高校生を対象と
した 2 次元画像処理技術用の教材となっている。以下に長所と短所を挙げる。
長所
・ 実際に画像処理を通して、別角度から著作権を学ぶことが可能。
・ 高校生対象の教材であるが、中学生に利用することも出来るのでは?
短所
・ 画像処理という観点から著作権を取り扱っているが、対象が高校生である。
図 3.22
画像合成教材“バーチャル世界旅行” トップページ
25
第4節
調査のまとめ
発見したそれぞれの教材の内容を分析し、教材内にあった事例に
ついて「著作物配布の有無」
「著作物の改変禁止」など計 13 項目に
分類した。それらの項目を中学校技術家庭科の指導要領の著作権部
分を照らし合わせた結果を表2に示す。各教材には、事例が多く提
示されており、例えば、
「1(イ)著作者の保護」における教材内容
の「著作物の無断配布」の具体的事例としては、
「他人の書いた文章
を配ること」や「自分や家族の範囲外での著作物の配布について」
を学習することができるなどが挙げられる。
26
表 2 中学校学習指導要領と教材内容の対応
学習指導要
教材内容
領
1(イ)
著作物の無断配布
著作者の保
(2)
護
著作物の改変禁止
(3)
著作権の説明(18)
著作者の保護(19)
個人的利用(9)
著作者の権利(7)
著作物の無断コピ
ーの禁止(2)
著作隣接権(4)
著作権侵害につい
て(3)
肖像権について(2)
知的財産権につい
て(1)
4(イ)情報 授業・学校行事利用
発信
(24)
5(イ)ソフ
ホームページへの
トウェアを
掲載・発信(11)
選択して,表
現・発信がで
きる
※括弧内の数字は対応する具体的事例の数を指す
27
第4章
web 上の著作権学習教材に関する情報提供サイトの調査と
分析
第1節
ポータルサイトとは
「ポータルサイト」の定義は、web 上にある辞典や本の辞典にいくつかある
が、ほとんどの説明が異なる。現在、
「ホームページ」という語句は、本来の意
味とは別に複数の意味を持つようになっている。同様に、
「ポータルサイト」も
複数の意味を持つようになるのかもしれない。以下に複数の説明を挙げる。
「インターネットの入り口となる巨大な Web サイト。検索エンジンやリンク
集を核として、ニュースや株価などの情報提供サービス、ブラウザから利用で
きる Web メールサービス、電子掲示板、チャットなど、ユーザがインターネッ
トで必要とする機能をすべて無料で提供して利用者数を増やし、広告や電子商
取引仲介サービスなどで収入を得るサイトのことをいう。Yahoo!や Excite、
Infoseek 、 Lycos 、 goo な ど の 検 索 エ ン ジ ン 系 の サ イ ト や 、 Netscape
Communications 社や Microsoft 社などの Web ブラウザメーカーのサイト、
AOL
やリクルート、Walt Disney などのコンテンツプロバイダのサイト、So-net や
BIGLOBE、ニフティなどのネットワークプロバイダのサイトなどがそれぞれ強
みを生かしながら激しい競争を繰り広げている。
」
(IT 用語辞典 e-Words http://e-words.jp/)
「portal」は「入り口」
、
「玄関」の意味。ポータルサイトとは、ユーザーにと
ってのインターネットの入り口、すなわち、WWW ブラウザを起動したときに
表示される Web ページ(Web サイト)のこと。
WWW ブラウザを起動したときに表示される Web ページは、ユーザーがイン
28
ターネットの WWW にアクセスするたびに表示され、Web ナビゲーショ ンの
開始ポイントとなる。したがってこの Web ページをうまく設計すれば、WWW
ユーザーのインターネットブラウジングに大きな影響を与えることができ る。
インターネットが広く普及するにつれ、このポータルサイトの影響力はますま
す大きくなりつつある。現在では、検索サイトを始めとする数々のサイトが、 よ
り多くのユーザーを獲得するために激しいシェア争いを繰り広げている。
(@IT http://www.atmarkit.co.jp/index.html)
〔network と etiquette(エチケット)から〕
コンピューター-ネットワーク利用者のためのエチケット。ネット-エチケット。
インターネット-エチケット。ネット-マナー。
(goo 辞書 http://dictionary.goo.ne.jp/index.html)
インターネットアクセスをする際の起点(玄関、入り口)として利用しても
らうことを狙った Web サイト。当初は、Yahoo!などの検索サイトのディレクト
リサービスやニュースメディアといった、コンテンツによってユーザーを引き
つけようという動きが中心だった。しかしその後、Netscape 社など Web ブラ
ウザメーカーが自社製ブラウザのスタートページを自分のサイトに向け各種の
サービスを提供することでポータルとしての足がかりを掴むようになり、ポー
タルサイト争いはいっそうヒートアップしてきている。
(パソ単 最新用語基礎用語 ソフト編 98 年度版 月間アスキー編集部 株式
会社アスキー)
以上のことから、ポータルサイトとは、インターネット上に無数に点在して
いる Web ページへの入り口であると言える。つまり、
“著作権学習教材”と的
を絞ったものであっても、利用者が便利だと感じ、そのサイトを入り口として、
欲しい情報を得られるのであれば、そのサイトはポータルサイトであると言え
るということが考えられる。
29
この Web ページをうまく設計できれば、利用者は効率的に自分の欲しい情報
を得ることが出来るようになる。
第2節
調査の結果
(1)インターネットランド(http://www.tos-land.net/)
インターネットランド(通称 TOSS ランド)は、教育界随一のポータルサイ
トである。学校教育の各教科、各領域をカバーし、学校の授業作りに役立つと
思われる情報や学習指導案、実践記録、学級経営などを収集しており、2005 年
11 月 27 日現在のリンク数は 21,879,370 件である(図 4.1)
。検索方法は、キー
ワード検索・特徴として、評価システムの受付が可能であることである。大コ
ンテンツが 8 種類(授業・教科等、総合・教科外学習、教師修行・実践交流、
家庭、子ども、TOSS 外有益情報、TOSS コミュニティ、その他)と数が多いの
で、ここでは、このサイトのコンテンツの 1 つである「授業・教科等」を例に
以下で説明する。
大カテゴリ: 授業・教科等
中カテゴリ:五教科、技能系教科、特別支援教育、読書算基礎定着サイト、難
関学習成功体験サイト、オレンジクラブ、授業・教科その他
小カテゴリ:五教科−国語@、算数・数学@、理科・科学@、社会@、英語
技能系教科−体育@、健康、音楽@、図工・美術@、生活、家庭・
技術、教科その他、
特別支援教育−学習指導(訓練)
・実践、学級経営・学級行事指導・
心構え、資料・検査法紹介・他
上位カテゴリに下位のカテゴリがそれぞれ置かれている。他にメニューには、
インターネットランドへの登録、評価システム受付、登録情報修正受付がある。
このサイトに登録されている指導案などのリンク先のほとんどは、TOSS ラ
30
ンドに登録されている。このため、各々のサイトを訪問した際にリンク切れで、
情報が入手出来なかったということを回避出来る(図 4.2)
。
図 4.1
インターネットランド トップページ
31
図 4.2
インターネットワールド 著作権
32
(2)NICER ( 教 育 情 報 ナ シ ョ ナ ル セ ン タ ー )
(http://www.nicer.go.jp/)
このサイトの先生用ページには、NICER が提供している教材素材と web 上
で提供されている指導計画・実践事例・教材素材・ダウンロード型教材がある。
このサイトは、小中高の全学年全教科が対象であるので、学校・教科・学習指
導要領の項目ごとに分類されている(図 4.3)。このサイトの教師用コンテンツ
を以下に挙げる。
大カテゴリ:小学校・中学校・高校と学校ごと
中カテゴリ:各教科
小カテゴリ:技術・家庭→技術分野→A 技術とものづくり→(1)ア学習指導
要領の分類
指導案や教材などを区別するためのアイコンは表示されているが、同じ場所
にあったり、分類がされていなかったり、実際に利用する上で不便を感じた(図
4.4)
。
また、このサイトでは、著作権・情報モラルに関するコンテンツが準備され
ている(図 1.5)
。コンテンツを以下に挙げる。
大カテゴリ:著作権、情報モラル
中カテゴリ:著作権−関係団体、著作権を学ぶ、著作権表示の例
情報モラル−インターネット、メール、個人情報、トラブル・
被害
小カテゴリ:著作権を学ぶ−インターネット、ソフトウェア、音楽、画像・
写真、複写
細かくカテゴライズされていて、便利であるが、利用するに当たって、上記
と同じような不便さを感じた(図 4.5)
。また、著作権−著作権を学ぶ−ソフト
ウェアで検索した場合、教材のソフトが紹介されておらず、ソフトウェアの利
33
用に関する Q&A のページが表示された。他のページも同様であった。
図 4.3
NICER 先生用トップページ
34
図 4.4
NICER 結果一覧(技術・家庭)
35
図 4.5
NICER 著作権・情報モラルトップページ
36
図 4.6
NICER 結果一覧(著作権)
37
(3)先
生
ポ
ー
タ
ル
サ
イ
ト
(http://www.kasugai.ed.jp/teacher-web/default.htm)
先生ポータルサイトは、愛知県春日井市教育委員会が作成したポータルサイ
トである。主に小・中学校の教師が使うことを目的としている(図 4.7)
。この
サイトのカテゴリを以下に挙げる。
大カテゴリ:教育関係サイト、こども web、進路指導情報コーナー、教育新聞、
心の教室集、ネットレスキュー、話題の web、文部科学省教育
用コンテンツ開発事業、文部科学省関連及び総合的な学習・教
育の情報化、学校関係法規集、情報セキュリティポリシー、WEB
資料、教職員必携パソコン講習、学校の危機管理、教科書会社
リンク、指導と評価の資料、学校評価について、教科リンク集
中カテゴリ:WEB 資料−ソフト・ハードサポート情報、ホームページ作成
WEB 資料−インターネットと著作権・ネチケット他、参考にな
る情報
このサイトに登録されている指導案などのリンク先のほとんどは、各々のサ
イトのトップページに貼られている。また、WEB 資料という同一の大コンテン
ツ名があるのにも関わらず、中コンテンツの中身が違っている、情報量が適切
であるが、すっきりまとまっていないという不便さを感じた。
38
図 4.7
先生ポータルサイト トップページ
39
(4)インターネットと教育(http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/educ/)
総 URL(リンク)数 22,290 件のリンク集である。カテゴリには、掲示・研
究・学校・資料・活動・海外・索引があり、その下に更にカテゴリがある(図
1.8)
。カテゴリの種類が今まで見てきたリンク集とは異なるタイプであり、また、
ポータルサイトの中では比較的歴史も長いと言えるサイトである。しかし、自
分が欲しいと思う情報が探しにくいこととインフォメーションの更新が 2001
年 3 月 21 日で途絶えていることから、最新の情報を見つけにくい印象である。
また、ここのリンク集は、教科ごとに分かれていないため、指導計画や教材が 1
箇所にあり、探しづらい(図 4.9)
。コンテンツを以下に挙げる。
1. リンク集
大カテゴリ:掲示、研究、学校、資料、活動、海外、索引
小カテゴリ:掲示−過去・現在・未来
研究−機関・大学・高専・教委
学校−高校・中学・小学・養護・幼保
資料−書籍・芸術・博物・教材・報告
活動−子供・健康・国際・組織・企画
海外−子供・教師・企画
索引−国内・国外
2. インターネットの教育利用調査(2000、’99、’98、’97、’96)
このサイトは登録数も分類も多いが、使いにくいと感じた。ポータルサイト
をより使いやすくするためには、登録数が多くなった場合、どれだけ利用者が
使いやすいように分類し、うまく提供出来るかが課題であると思った。また、
こまめに情報を更新することが必要であると思った。
40
図 4.8
インターネットと教育 トップページ
41
図 4.9
第3節
インターネットと教育 資料 書籍
調査のまとめ
著作権学習教材だけに特化した情報提供サイトは無かったものの、NICER の
ように別カテゴリで提供されているサイトが存在することが分かった。しかし、
学習指導案などが参照出来ないことや一部のカテゴリの分類が中途半端である
こと、著作権におけるどの範囲を取り扱っているのかが分からないなどの問題
点が挙げられる。
42
第5章 設計
第1節
構築する中学生を対象とした著作権ポータルサイトの方針
本サイトの目的は、中学生または教員が、著作権を学習する教材や著作権学
習に関連のある情報などを Web 上から効率良く参照できることとした。ユーザ
は教員と生徒の両方を対象としている。
サイトで提供している機能の中心は、著作権教材検索機能である。著作権教
材の分析結果(表 2)に基づき、ユーザに対して学習指導要領の分野や教材の内
容、具体的事例を選択することで、それに適した著作権教材を提示するように
した。例えば、著作権者の保護と著作隣接権の中で特に他人の絵を書き換える
という事例について学びたい場合に、複数項目を選択することで、その内容を
含んだ教材が 1 つないしは複数提示される。提示される際には、著作権教材の
内容紹介が表示され、教材を直接参照しなくても、教材を選択できるようにし
た。これにより、授業で教材を利用したい教師や、自学自習したい生徒が本サ
イトを利用することで、適切な著作権教材を見つけることが出来る。
また、複数の著作権学習教材を扱ったポータルサイト(著作権のポータルサ
イトではない)におけるリンク先を整理・分類し、本サイトのリンク集を作成
した。著作権学習教材関連情報として、大カテゴリを著作権・著作権関連ニュ
ース・リンクとし、小カテゴリを著作権−関係団体・著作権を学ぶ・著作権表
示の例、リンク−教科書会社・学習指導要領・指導方法・評価方法・用語辞典・
学会・協会など・他ポータルサイト・教員作成サイト・機関と分類し、提供し
た。
43
第2節 情報提供の表示
当サイトには以下の情報を提供する。
(1)著作権学習教材の提示
著作権学習教材の分析結果(表 2)に基づき、ユーザに対して学習指導要領の
分野や教材の内容、具体的事例を選択することで、それに適した著作権教材を
提示するようにした。
例えば、著作権者の保護と著作隣接権の中で特に他
人の絵を書き換えるという事例について学びたい場合に、複数項目を選択する
ことで、その内容を含んだ教材が 1 つないしは複数提示される。提示される際
には、著作権教材の内容紹介が表示され、教材を直接参照しなくても、教材を
選択できるようにした。これにより、授業で教材を利用したい教師や、自学自
習したい生徒が本サイトを利用することで、適切な著作権教材を見つけること
が出来る。
(2)著作権関連情報
また、複数の著作権学習教材を扱ったポータルサイト(著作権のポータルサ
イトではない)におけるリンク先を整理・分類し、本サイトのリンク集を作成
した。著作権学習教材関連情報として、大カテゴリを著作権・著作権関連ニュ
ース・リンクとし、小カテゴリを著作権−関係団体・著作権を学ぶ・著作権表
示の例、リンク−教科書会社・学習指導要領・指導方法・評価方法・用語辞典・
学会・協会など・他ポータルサイト・教員作成サイト・機関と分類し、提供し
た。
(3)検索
著作権学習教材の分析結果(表 2)に基づき、ユーザに対して学習指導要領の
分野や教材の内容、具体的事例を選択することで、それに適した著作権教材を
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提示するようにした。
(4)その他
はじめに、更新情報、掲示板、問い合わせを用意する。
第3節
検索について
サイトで提供している機能の中心は、著作権教材検索機能である。著作権教
材の分析結果(表 2)に基づき、ユーザに対して学習指導要領の分野や教材の内
容、具体的事例を選択することで、それに適した著作権教材を提示するように
した。例えば、著作権者の保護と著作隣接権の中で特に他人の絵を書き換える
という事例について学びたい場合に、複数項目を選択することで、その内容を
含んだ教材が 1 つないしは複数提示される。提示される際には、著作権教材の
内容紹介が表示され、教材を直接参照しなくても、教材を選択できるようにし
た。これにより、授業で教材を利用したい教師や、自学自習したい生徒が本サ
イトを利用することで、適切な著作権教材を見つけることが出来る。
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