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急性リンパ性白血病 ALL

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急性リンパ性白血病 ALL
診療ガイドライン
各 論
24 * 急性リンパ性白血病 ALL
急性リンパ性白血病 ALL
Ⅰクリニカルクエスチョン一覧
▶ CQ 1  小児 ALL の治療方針の決定に必要な分類と検査は何か
▶ CQ 2  小児 ALL の標準的寛解導入治療は何か
▶ CQ 3  小児 ALL の寛解後の標準的治療は何か
▶ CQ 4  小児 ALL の標準的維持療法は何か
▶ CQ 5  小児 ALL の標準的 CNS 予防治療は何か
▶ CQ 6  小児 Ph 染色体陽性 ALL の治療は何か
▶ CQ 7  乳児 ALL の標準的治療は何か
▶ CQ 8  思春期・若年成人 ALL の標準的治療は何か
▶ CQ 9  再発小児 ALL の治療は何か
▶ CQ 10 小児 ALL 治療における造血幹細胞移植の役割は何か
▶ CQ 11 小児 ALL 治療における MRD 測定の役割は何か
Ⅱ略語一覧
ALL (Acute Lymphoblastic Leukemia,急性リンパ性白血病)
CNS(Central Nervous System,中枢神経系)
PCR(Polymerase Chain Reaction)
MRD(Minimal Residual Disease,微小残存病変)
TKI (Tyrosine Kinase Inhibitor,チロシンキナーゼ阻害薬)
SCT(Stem Cell Transplantation,造血幹細胞移植)
PGR(Prednisone Good Responder)
PPR(Prednisone Poor Responder)
MTX(Methotrexate,メトトレキサート)
BFM(Berlin−Frankfurt−Münster)
EFS(Event−Free Survival,無イベント生存)
CCSG(Children’s Cancer Study Group)
MRC(Medical Research Council)
AIEOP(Associazione Italiana Ematologia Oncologia Pediatrica)
COG(Children’s Oncology Group)
AML(Acute Myeloid Leukemia,急性骨髄性白血病)
FAB(French−American−British)
(ガイドライン掲載順)
CQ1
* 25
Ⅲクリニカルクエスチョン
CQ 1
小児 ALL の治療方針の決定に必要な分類と検査は何か
治療開始前には年齢,白血球数,CNS 浸潤,免疫学的分類,染色体・遺伝子異常などの検査
が必要である。治療開始後の検査としては,プレドニゾロン反応性と寛解の有無が重要であ
る。寛解後は FCM や PCR を用いて MRD の検査を行う。
エビデンスレベル:Ⅰ
推奨グレード:A
▪ 解 説
小児急性リンパ性白血病(ALL)の治療はリスクに応じた層別化治療が行われる。
層別化のために必要な検査として,治療開始前に確認しておくべきものと開始後に確認
すべき検査がある。
表面抗原による免疫学的分類で,成熟 B 細胞性の形質を有した ALL は成熟 B 細胞性
リンパ腫の治療を行う。フィラデルフィア染色体(Ph 染色体),または BCR−ABL 融
合 遺 伝 子 を 有 し た Ph 染 色 体 陽 性 ALL(Ph+ALL) は, チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 薬
(TKI)が有効であり,独立した疾患とも考えられ,同種造血幹細胞移植(SCT)が行
われる(CQ6 参照)。
1 歳未満は,MLL 遺伝子再構成の有無で層別化する。再構成を有する場合は予後不
良因子であり強化した化学療法が必要である。6 カ月未満かつ白血球数 30 万/μL 以上
はさらに予後不良であり同種 SCT が推奨される 1,2)
(CQ7 参照)
。
1 歳以上では,prednisone 反応性(7 日間の prednisone 投与を行った後の day8 の末
梢血芽球数)
,免疫学的分類,年齢,白血球数を組み合わせて層別化し,化学療法後の
骨髄芽球割合,微小残存病変(MRD)などの情報を追加して治療決定する 3−8)。PGR 群
(day8 の末梢血芽球数が 1,000/μL 未満)は化学療法で治療する。T-ALL,年齢が高
い,初診時白血球数が多いなどの PGR は,中間リスクの治療が行われる。一方,PPR
群は day8 の末梢血芽球数が 1,000/μL 以上で高リスクとなる 5)。CNS 白血病は予後不
良因子であり,高リスクの全身治療と CNS 白血病に特化した治療の追加が必要であ
る 9)。hypodiploid(低二倍体)および寛解導入治療終了時に骨髄中の芽球割合が 5%以
上であった例は非寛解と判断され,同種 SCT の対象となる。
また,鏡検では 1%以下の芽球割合の検出は不可能であるが,フローサイトメトリー
(FCM)や PCR を用いて MRD を検出することができる。MRD を定量的に測定するこ
とで,治療に対する反応性を評価し,反応不良群を抽出してより強度の高い治療への変
更が推奨される 10,11)
(CQ11 参照)。
急性リンパ性白血病 ALL
推奨
26 * 急性リンパ性白血病 ALL
CQ 2
小児 ALL の標準的寛解導入治療は何か
推奨
小児 ALL の寛解導入治療には,プレドニゾロンまたはデキサメタゾン,ビンクリスチン,L−
アスパラギナーゼの少なくとも 3 剤を用いた寛解導入治療と MTX の髄腔内投与(髄注)を
行う。高リスク群では,3 剤にアントラサイクリンを加える。
エビデンスレベル:Ⅰ
推奨グレード:A
▪ 解 説
小児 ALL の寛解導入治療は 1970 年代に確立した。プレドニゾロンまたはデキサメ
タゾン,ビンクリスチン,L−アスパラギナーゼの 3 剤を用いることで高い寛解率が得
られる 12,13)。さらに,CNS 白血病の再発予防治療(以下,CNS 予防治療)としてメト
トレキサート(MTX)の髄腔内投与(髄注)が必須である 14)。寛解導入治療は 4〜5 週
間かけて行う。アントラサイクリンを加えることの利益はランダム化比較試験では示さ
れていないが,高リスク群ではアントラサイクリンを追加した 4 剤の寛解導入治療に加
えて後半の治療を強化することにより治療成績の向上が得られており,追加することを
積極的に考慮してよい 15−17)。標準リスク群の寛解導入治療におけるアントラサイクリン
の追加は将来の心筋障害の不利益を考慮しなければならないが,アントラサイクリンの
種類や投与方法による心筋障害の情報は限定的である 18)。
CQ3
CQ 3
* 27
小児 ALL の寛解後の標準的治療は何か
推奨
エビデンスレベル:Ⅰ
推奨グレード:A
▪ 解 説
小児 ALL で寛解後に治療を行わず,治療を終了した場合,高い確率で骨髄や CNS
に再発する。小児 ALL で寛解を維持し,ひいては長期寛解ないしは治癒を得るために
は寛解後の CNS 予防治療,再寛解導入治療などの強化療法を行うことがきわめて重要
である。
CNS 予防治療として歴史的には頭蓋放射線照射と髄注が行われてきた。しかし,頭
蓋放射線照射の晩期合併症を考慮して,最近では予防照射の対象はきわめて限定されて
きている 14)
(CQ5 参照)。
再寛解導入治療は 1980 年代以降,小児 ALL の治療成績を向上させた最も大きな要
因の一つである。ドイツを中心とした BFM グループの報告によると,標準リスク群で
は再寛解導入治療を受けなかった 110 例の無イベント生存(EFS)は 58%に対して,
受けた 175 例の EFS は 87%であった。標準リスク群であっても,再寛解導入治療を省
略する治療軽減例は過去の結果よりも明らかに成績が低下した 19)。
急性リンパ性白血病 ALL
小児 ALL の寛解後には,CNS 予防治療に加えて再寛解導入治療などの強化療法が必要である。
28 * 急性リンパ性白血病 ALL
CQ 4
小児 ALL の標準的維持療法は何か
推奨
小児 ALL の治療の後半には,メルカプトプリンと MTX の代謝拮抗薬による維持療法を行
い,治療期間として最低 2 年が必要である。
エビデンスレベル:Ⅰ
推奨グレード:A
▪ 解 説
米国の CCSG は 1970 年代前半のランダム化比較試験で,3 年間寛解を維持した群に
対して,2 年間の維持療法を追加した群での予後の改善がみられないことを示した 20)。
その後,1980 年代にかけてのランダム化比較試験では,3 年間の維持療法で寛解を継続
した群において,1 回の強化療法の追加,あるいは 2 年間の維持療法の追加では,予後
の改善はみられないことを示した 21)。英国の MRC は 1970 年代のランダム化比較試験
で,女児において 3 年間の維持療法は 2 年間の維持療法と比べて予後の改善をもたらさ
なかったが,男児においては 3 年間の維持療法を受けた群は 18 カ月の維持療法を受け
た群と比べて有意に予後が良好であることが示された 22)。さらにイタリアの AIEOP は
1979 年から 1980 年代初頭のランダム化比較試験で,彼らの低リスク群と標準リスク群
において,3 年間の維持療法を 2 年間に短縮することが可能であったと結論してい
る 23)。42 のランダム化比較試験のメタアナリシスでは,維持療法期間が長くなった場
合は 3 年目の骨髄再発,精巣再発が減少するが,第一寛解期での死亡の増加と相殺され
て生存率の向上には寄与しないとされた 24)。
維持療法中の合成ステロイド薬・ビンクリスチンによるパルス治療は,初期治療の強
度が低い場合は有用であるが,初期に強力な治療が行われている場合の有用性は評価が
定まっていない 25)。
CQ5
CQ 5
* 29
小児 ALL の標準的 CNS 予防治療は何か
推奨
の併用である。
エビデンスレベル:Ⅰ
推奨グレード:A
▪ 解 説
小児期において頭蓋放射線照射は脳腫瘍の危険因子であり,内分泌学的障害なども起
こり得るため 26),可能な限り回避される方向で検討されてきている。小児 ALL におけ
る CNS 予防治療のメタアナリシスでは,MTX の長期髄注投与が CNS 予防治療として
頭蓋放射線照射に代わり得ることが示された 14)。さらに,MTX の大量静注投与(大量
MTX 療法)は,前述のメタアナリシスでの検討に加えて,ドイツを中心とした BFM
グループにおいて 5 g/m2 を取り入れた ALL−BFM86 研究以降,CNS 再発の有意な減
少を認めていること 27)などからも CNS 予防治療に有効であり,両者の併用は多くの治
療研究グループで行われている 28)。
したがって,現時点では MTX の長期髄注投与と大量療法の併用が標準的な CNS 予
防治療と考えられる。全身化学療法としてデキサメタゾンも比較試験の結果から CNS
予防治療に有効であることが報告されており 29),近年では,これらの薬剤をリスクに
応じて強化した治療で,高リスク群を含めた全症例で頭蓋放射線照射を撤廃したうえで
良好な治療成績が報告されている 30, 31)。
急性リンパ性白血病 ALL
小児 ALL 治療における標準的な CNS 予防治療は,MTX の長期髄注投与と大量静注投与と
30 * 急性リンパ性白血病 ALL
CQ 6
小児 Ph 染色体陽性 ALL の治療は何か
推奨
イマチニブ併用の化学療法を行い,第一寛解期に同種 SCT を行う。
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:B
▪ 解 説
1995 年から 2005 年の間に,本邦を含む世界各国における小児 Ph+ALL を集積レ
ビューした報告では,寛解率が 89%,寛解後における化学療法のみの 5 年無病生存率
は 34%,第一寛解期に同種 SCT を行った場合の無病生存率は 44%であった 32)。同種
SCT はドナーの血縁,非血縁を問わず,寛解後の治療として化学療法のみの場合より
生存率が良い結果であった。
2001 年に TKI であるイマチニブが市販され,Ph+ALL に対しても化学療法との併
用で高い寛解率をもたらした 33)。現在では,多くの臨床研究でイマチニブ併用の化学
療法が行われており,その有効性と安全性は確立されてきている 34)。そのなかで,米
国の COG から Ph+ALL の小児に対するイマチニブ併用化学療法の成績が発表され
た 35)。ランダム化比較試験ではなく,かつ 3 年間の観察期間であるが,イマチニブを
長期間持続投与した群では同種 SCT なしで 3 年 EFS が 80%であった。これは今後イ
マチニブなどの TKI 併用の化学療法が,小児 Ph+ALL の治療において同種 SCT を回
避し予後を改善する可能性を示している。
CQ7
CQ 7
* 31
乳児 ALL の標準的治療は何か
推奨 1
療法,再寛解導入治療,維持療法)を行う。
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:A
▪ 解 説
MLL 遺伝子再構成陰性群は乳児 ALL の約 20%を占め,ほとんどが CD10 陽性の B−
precursor ALL である。小児 ALL に準じた多剤併用化学療法により,欧州を中心とし
た Interfant−99 研究では 4 年 EFS 74%の治療成績が得られている 2)。
本邦の MLL96/98 研究は,寛解導入治療(プレドニゾロンとデキサメタゾン,ビン
クリスチン,シクロホスファミド,ドキソルビシン,L−アスパラギナーゼ,シタラビ
ン,エトポシド)
,強化療法(大量 MTX 療法,プレドニゾロン,シクロホスファミド,
L−アスパラギナーゼ,ビンクリスチン,ダウノルビシン,シタラビン,メルカプトプ
リン)
,再寛解導入治療(寛解導入治療と同じ),維持療法(メルカプトプリン,MTX,
エトポシド,シタラビン,プレドニゾロン,ビンクリスチン),および 21 回の髄注から
なり,5 年 EFS が 95%であった 36)。
推奨 2
MLL 遺伝子再構成陽性群では,強力な多剤併用化学療法を行い,高リスク群では第一寛解期
における同種 SCT を併用する。
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:B
▪ 解 説
MLL 遺伝子再構成陽性群は乳児 ALL の約 80%を占め,多くが CD10 陰性の ALL で
ある 37,38)。小児 ALL における最も予後不良な病型の一つであり,本邦では強力な多剤
併用化学療法後の第一寛解期に同種 SCT が行われてきた。MLL98 研究では,3 年 EFS
43%の治療成績が得られ,前処置における全身放射線照射の有無による治療成績の差は
認めなかった 1)。一方で,MLL96/98 研究の移植後生存例において成長障害を半数以上
に認めるなど,晩期合併症の問題が明らかになりつつある 39)。
Interfant−99 研究では,ALL 型化学療法にシタラビンを中心とした AML 型化学療法
急性リンパ性白血病 ALL
MLL 遺伝子再構成陰性群では,小児 ALL に準じた多剤併用化学療法(寛解導入治療,強化
32 * 急性リンパ性白血病 ALL
を組み合わせた治療を行い,MLL 遺伝子再構成陽性群においても予後良好因子(診断
時月齢 6 カ月以上または診断時白血球数 30 万/μL 未満)を有する場合は 4 年 EFS
44%と,化学療法単独で治療できる可能性を示した 2)。ただし,6 カ月未満かつ診断時
白血球数が 30 万/μL 以上などの高リスク群では同種 SCT の有用性があるとしてい
る 40)。
CQ8
CQ 8
* 33
思春期・若年成人 ALL の標準的治療は何か
推奨
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:A
▪ 解 説
思春期の白血病は,小児期に比べて ALL が減少し,相対的に AML の比率が上がり
思春期後半に発生数はほぼ同じになる。思春期 ALL は,小児期に比べて予後良好な
hyperdiploid(高二倍体)や TEL−AML1 陽性が少なく,予後不良な Ph 染色体陽性や
hypodiploid(低二倍体)が増加する 41,42)。FAB 分類では L2 が,免疫学的分類では T−
ALL の割合が増加する。思春期 ALL を含む小児 ALL 高リスク群において再発例の救
済率が低いことから 43),予後因子を十分検討したうえで第一寛解期の移植適応を決定
する。少なくとも Ph 染色体陽性,初期治療反応不良の ALL は,第一寛解期に同種
SCT の適応があると考えられる。
Stock らは,米国で思春期および若年成人 ALL について小児レジメン(CCG)と成
人レジメン(CALGB)による治療成績を比較検討した結果,7 年 EFS はそれぞれ
63%,34%と小児レジメンの治療成績が有意に良好であると報告した 44)。また,フラ
ンスの成人白血病研究グループ(LALA−94)と小児白血病研究グループ(FRALLE−
93)の 15〜19 歳の思春期患者における治療成績を比較した結果においても 5 年 EFS
は,FRALLE−93 が 67 %,LALA−94 が 41 % で あ り, 有 意 に FRALLE−93 が 良 好 で
あった 45)。これらの研究から,思春期および若年成人 ALL の標準的治療は,小児
ALL を基本としたレジメンが良いと考えられている。また,CCG1961 研究では,寛解
後の強化療法を増強することで思春期および若年成人 ALL においても 5 年 EFS が
72%と良好な治療成績が示された 46)。しかしながら,小児期に比べて無血管性骨壊死
が高頻度に認められており 46),今後はその原因と考えられる合成ステロイド薬の使い
方に検討を要する。
急性リンパ性白血病 ALL
思春期・若年成人 ALL は,小児 ALL の高リスク群の治療戦略に準じて治療する。
34 * 急性リンパ性白血病 ALL
CQ 9
再発小児 ALL の治療は何か
推奨 1
小児 ALL の再発後の予後は再発時期と再発部位,白血病細胞の免疫学的分類により予測さ
れ,層別化した治療を行う。
推奨グレード:A
▪ 解 説
ドイツを中心とした BFM グループでは,再発時期(very early,early,late)と再
発部位(髄外単独,骨髄と髄外の複合,骨髄単独),T−ALL か否かで,表 1 のような 3
つのリスク(SR・IR・HR)に分類した。選択すべき治療法は再発後リスク分類により
異なる 47)。
米国の COG では,再発の時期を治療開始後 18 カ月以内,18〜36 カ月,36 カ月以降
の 3 群に分け,18 カ月以内の再発を早期再発,36 カ月以降の再発を後期再発としてい
る。再発時期が早期であるほど予後不良で,T−ALL の再発例は B−precursor ALL よ
りも予後は悪い 48,49)。
本邦では表 1 が用いられることが多い。
表 1 再発後リスク分類 50)
再発時期
T−ALL 以外
T−ALL
再発部位
再発部位
髄外単独
骨髄髄外
複合
骨髄単独
髄外単独
骨髄髄外
複合
骨髄単独
IR
HR
HR
IR
HR
HR
Early
IR
IR
HR
IR
HR
HR
Late
SR
IR
IR
SR
HR
HR
Very early
Very early:治療開始から 18 カ月以内
Early:18 カ月以降治療終了から 6 カ月以内
Late:治療終了 6 カ月以降の再発
SR:標準リスク,IR:中間リスク,HR:高リスク
CQ9
* 35
推奨 2
① B−precursor ALL の後期骨髄単独再発および骨髄髄外複合再発群(表 1 の IR 群)では,
合成ステロイド薬,ビンクリスチン,L−アスパラギナーゼの 3 剤にアントラサイクリンや
他の薬剤で強化した寛解導入治療を行う。第二寛解到達後は,多剤による強化地固め療法,
CNS 予防治療,維持療法を行う。
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:B
② 治療反応性不良群では同種 SCT を行う。
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:A
▪ 解 説
1990 年代以降の報告で,この群における第二寛解導入率は 92〜97%である 50−55)。初
発 ALL の寛解導入に類似した骨格の約 4 週間の治療で合成ステロイド薬,ビンクリス
チン,L−アスパラギナーゼの 3 剤に加える薬剤選択はさまざまであり,英国の MRC は
エピルビシン 55),米国では St. Jude 小児病院がエトポシド 54),POG がドキソルビシン
を採用している 52)。ドイツを中心とした BFM グループは比較的大量の合成ステロイド
薬を 5〜7 日間で投与し,これにビンクリスチン,L−アスパラギナーゼさらに大量
MTX や大量シタラビンなどを組み合わせたブロック治療である 50,51)。再発後の寛解導
入治療の治療毒性発生率は,初回治療よりも高くなるため注意を要する 53)。強化地固
め療法では寛解導入と異なる薬剤も含む何種類かのブロック治療も行われる 53)。
全体で 40〜65%の 5 年 EFS が期待される 50−55)この群においても,再発後の寛解導入
治療早期の MRD が陽性の例は,化学療法のみでの予後が不良であることから 56),同種
SCT の適応となる。
推奨 3
CNS 単独再発(表 1 の髄外単独再発 IR 群・SR 群)では全身化学療法と髄注により治療を
行い,十分な全身治療後に頭蓋脊髄放射線照射を行う。
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:A
▪ 解 説
小児の CNS 単独再発に対する治療は,髄注(一般的に週 1 回で 4〜6 回投与,その
後 4〜6 週に 1 度)に加え,全身化学療法,さらには頭蓋および脊髄に対する放射線照
射が行われてきた。放射線照射の時期を十分な全身治療を行った後まで遅らせることに
急性リンパ性白血病 ALL
36 * 急性リンパ性白血病 ALL
より,予後が改善することが報告されており,維持療法開始前照射が推奨される。再発
前に放射線照射を受けていない例では,この治療にて 70〜80%の EFS が得られてい
る 57,58)。一方で,照射既往のある症例での CNS 再発の予後は不良であるが 59),CNS 単
独再発に対する同種 SCT の報告は限られており,優位性は証明されていない 59,60)。
推奨 4
精巣単独再発(表 1 の髄外単独再発 IR 群・SR 群)では局所治療に加え,全身化学療法を行う。
エビデンスレベル:Ⅳ
推奨グレード:B
▪ 解 説
治療中や治療終了早期の精巣単独再発の 6 年 EFS は 44〜48%,6 年生存率は 52〜
57%であるが,表 1 の標準リスク(SR 群)に相当する後期精巣単独再発では 6 年
EFS,6 年生存率はそれぞれ 76%と 81%である 48)。この標準リスク群では T−ALL で
あっても,局所治療を併用した全身化学療法のみで治癒が期待できる。局所治療として
の放射線照射と外科的手術による精巣摘除の選択の優劣に関するエビデンスはない。局
所治療を行わない治療計画の報告もみられるが少数例報告に留まっている 61)。
CQ10
CQ 10
* 37
小児 ALL 治療における造血幹細胞移植の役割は何か
推奨 1
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:B
▪ 解 説
初回化学療法開始後 1 カ月を経ても寛解に至らない症例は,その後寛解に至っても
5 年 EFS は 16%と低い 62) ため,第一寛解期での同種 SCT の適応になる。Satwani ら
は,寛解導入不能症例に対する第一寛解期での移植成績としては 5 年 EFS が 71%で
あったとしている 63)。また同様に Balduzzi らは,寛解導入不能症例に対して血縁者間
同種 SCT 例では 5 年 EFS が 56%と化学療法による 27%より有意に高いとしている 64)。
推奨 2
hypodiploid(低二倍体)を呈する ALL に対して第一寛解期で同種 SCT を行う。
エビデンスレベル:Ⅳ
推奨グレード:B
▪ 解 説
初診時白血病細胞の染色体分析における hypodiploid(低二倍体),とりわけ染色体数
が 43 本以下の場合は 8 年 EFS が 30%であり 65),第一寛解期での同種 SCT の適応であ
る 66)。
急性リンパ性白血病 ALL
初期治療で非寛解の ALL 症例に対しては,寛解到達後に同種 SCT を行う。
38 * 急性リンパ性白血病 ALL
CQ 11
小児 ALL 治療における MRD 測定の役割は何か
推奨
小児 ALL の骨髄 MRD 量は再発との関連が極めて高い予後因子であり,MRD 測定は治療の
層別化に有用な検査である。
エビデンスレベル:Ⅲ
推奨グレード:A
▪ 解 説
小児 ALL の MRD 測定のターゲットとして利用できる白血病細胞の生物学的異常に
は 3 種類ある。染色体転座に伴う融合遺伝子は測定感度が高く,安定した MRD のター
ゲットではあるが,小児 ALL ではその頻度が低いため汎用性に難点がある。これに対
して,白血病細胞の抗原受容体関連遺伝子再構成を利用した PCR−MRD 測定と細胞表
面マーカーの異常な発現を FCM で検出する FCM−MRD 測定は,ともに ALL 症例の
90%以上に実施可能であり,現在ではこれらが広く利用されている 67−73)。両者の MRD
測定時期は同一ではなく,PCR−MRD は治療開始 5 週目と 12 週目の MRD 量が予後に
強く関連しているが 67),FCM−MRD は,より早期(治療開始後 2 週目)の MRD 量が
予後と関連している 68,69)。
ドイツを中心とした BFM グループは,早くから PCR−MRD を小児 ALL の治療層別
化に利用する試みを行っており,ALL2000 研究では従来の半定量的な MRD 測定法に
代わり,RQ−PCR 法による定量的 MRD 量に基づいた層別化治療を実施している 70,71)。
近年,欧州では国際 BFM 会議参加国を中心として,多施設共同研究で用いる RQ−
PCR による MRD 測定法とその解釈を標準化するための組織(The European Study
Group on MRD detection in ALL;ESG−MRD−ALL)が設立され,厳密に標準化され
た測定方法を用いて MRD 層別化治療研究が実施されており,本邦の小児 ALL 研究グ
ループの MRD 測定施設も 2010 年から正式参加している 72)。なお,国内では民間の検
査会社でも MRD 測定を受託検査として実施しているが,この場合は ESG−MRD−ALL
のような国際的に標準化された測定方法と異なる可能性もあるので注意が必要である。
MRD の臨床応用で最も大切なことは,MRD 量の予後因子としての役割は,その
MRD 測定が実施された治療プロトコールに特異的なものであり,その結果を他の治療
プロトコールと比較することや,これから実施予定のプロトコールに安易に外挿するこ
とはできないという点である。これらのことを十分に理解しておく必要がある。
文献検索と文献採択 * 39
Ⅳ文献検索と文献採択
▶ CQ1 小児 ALL の治療方針の決定に必要な分類と検査は何か
初版のガイドラインにはない CQ。
本項目は関連キーワードが多岐に及び,システマティックな文献検索方法は適用できない
ため,これ以外の方法で検索した文献,専門学会・研究会や班会議等の研究報告書なども参
▶ CQ2 小児 ALL の標準的寛解導入治療は何か
▶ CQ3 小児 ALL の寛解後の標準的治療は何か
▶ CQ4 小児 ALL の標準的維持療法は何か
初版のガイドラインの更新。
初版のガイドラインに記載されている文献 14 件を再度検討して特に重要なもの 12 件を残
し た。 こ れ に 加 え て medline に よ る 過 去 4 年 間(2007〜2010) の 文 献 検 索(acute
lymphoblastic leukemia & children & clinical trial & meta−analysis)で得られた 9 件から特
に関連の深い 2 件を追加して最終的に 14 件を採用した。
▶ CQ5 小児 ALL の標準的 CNS 予防治療は何か
初版のガイドラインの更新。
初版のガイドラインに記載されている文献 4 件を再度検討して特に重要なもの 2 件を残し
た。 こ れ に 加 え て medline に よ る 過 去 4 年 間(2007〜2010) の 文 献 検 索(acute
lymphoblastic leukemia & children & CNS)で得られた 102 件から関連が深いと思われる
27 件の抄録または本文を読み,特に関連が深いと思われる 5 件を追加して最終的に 7 件を採
用した。
▶ CQ6 小児 Ph 染色体陽性 ALL の治療は何か
初版のガイドラインの更新。
新規治療薬の出現により大きく変化のある領域であるため,改めて medline による過去
11 年 間(2000〜2010) の 文 献 検 索 を 行 っ た。 最 初 に 単 一 の キ ー ワ ー ド(philadelphia
chromosome positive acute lymphoblastic leukemia)検索で得られた 574 件から,さらに対
象年齢を all child/all infant に制限して検索した 144 件の抄録または本文を読み,最終的に
最も関連すると思われる 4 件を採用した。
▶ CQ7 乳児 ALL の標準的治療は何か
初版のガイドラインの更新。
本邦において治療の考え方が移植から化学療法へと転換をしつつある領域である。初版の
ガイドラインに記載されている文献 4 件を再度検討して特に重要なもの 1 件を残した。これ
に 加 え て medline に よ る 過 去 4 年 間(2007〜2010) の 文 献 検 索(acute lymphoblastic
leukemia & infant & treatment & MLL)で得られた 60 件の抄録または本文を読み,特に関
急性リンパ性白血病 ALL
考にした結果,最終的に 11 件を採用した。
40 * 急性リンパ性白血病 ALL
連が深いと思われる 3 件を追加し,それ以外の方法で得られた 2 件を加えて最終的に 6 件を
採用した。
▶ CQ8 思春期・若年成人 ALL の標準的治療は何か
初版のガイドラインの更新。
初版のガイドラインに記載されている文献 4 件を再度検討して特に重要なもの 3 件を残し
た。 こ れ に 加 え て medline に よ る 過 去 4 年 間(2007〜2010) の 文 献 検 索(acute
lymphoblastic leukemia & clinical trial で対象年齢を adolescent/young adult に制限)で得
られた 299 件から特に関連が深いと思われる 2 件を追加し,それ以外の方法で得られた 1 件
を加えて最終的に 6 件を採用した。
▶ CQ9 再発小児 ALL の治療は何か
初版のガイドラインの更新。
初版のガイドラインに記載されている文献 15 件を再度検討して特に重要なもの 8 件を残
し た。 こ れ に 加 え て medline に よ る 過 去 4 年 間(2007〜2010) の 文 献 検 索(acute
lymphoblastic leukemia & children & clinical trial & relapse)で得られた 138 件から特に関
連が深いと思われる 2 件を追加し,それ以外の方法で得られた 5 件を加えて最終的に 15 件
を採用した。
▶ CQ10 小児 ALL 治療における造血幹細胞移植の役割は何か
初版のガイドラインにはない CQ。
Medline による過去 6 年間(2005〜2010)の文献検索(acute lymphoblastic leukemia &
children & treatment & allogeneic transplantation)で得られた 215 件から最も関連が深い
3 件と,それ以外の方法で得られた 2 件を加えて最終的に 5 件を採用した。
▶ CQ11 小児 ALL 治療における MRD 測定の役割は何か
初版のガイドラインにはない CQ。
Medline による過去 10 年間(2001〜2010)の文献検索(acute lymphoblastic leukemia &
children & MRD)で得られた 303 件から特に関連が深い 64 件の抄録または本文を読み,9
件を採用した。また,それ以外の方法で得られた 2 件を加えて最終的に 11 件を採用した。
【文献】
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rearrangements : outcome following intensive chemotherapy and hematopoietic stem cell
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