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ノバルティス ファーマ株式会社
〒105-6333
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号
虎ノ門ヒルズ森タワー
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2016年6月22日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2016年6月6日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要
約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英
語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。
ノバルティスの「タフィンラー®」+「メキニスト®」併用療法が3年間
の追跡調査において、進行性悪性黒色腫の患者さんの
生存ベネフィットを示す
•
本試験は、標的併用療法を受けた BRAF V600E/K 遺伝子変異陽性の悪性黒色腫患
者さんを対象とした、これまでで最長の第 III 相試験の生存追跡調査です。
•
最新のデータは、「タフィンラー®」+「メキニスト®」併用療法を受けた患者さん
の約 44%が生存していることを示しました 1。
•
3 年目時点で生存追跡調査に参加している患者さんのうち、58%が「タフィンラー」
+「メキニスト」併用療法を受けていました 1。
2016年6月6日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、第III相試験でBRAF V600E/K遺
伝子変異陽性の進行性悪性黒色腫の患者さんが、一次治療として「タフィンラー®」(ダ
ブラフェニブ)+「メキニスト®」(トラメチニブ)の併用療法を受けた場合、「タフィ
ンラー」の単剤療法と比較して生存率の有意な改善を示したことを発表しました 1 。
COMBI-d試験の3年間の追跡調査解析は、BRAF遺伝子陽性の進行性悪性黒色腫患者さん
を対象とした最長の生存追跡調査試験のひとつで、分析結果は、シカゴで開催された臨床
腫瘍学会(ASCO)の第52回年次総会で発表されました。
マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタル、ヘンリ・アンド・べリンダ・テルミア・セ
ンターのディレクターでハーバード・メディカル・スクールのキース・T・フラハティ内
科学教授(Keith T. Flaherty, MD, Director of the Henri and Belinda Termeer Center for
Targeted Therapies, Massachusetts General Hospital Cancer Center and Professor of
Medicine, Harvard Medical School)は次のように述べています。「BRAF遺伝子変異は、
進行性の悪性黒色腫患者さんの治療法を決定する重大な遺伝子の特徴です。これらの結果
は、この併用療法により長期の生存が可能であることを裏付けており、BRAF遺伝子変異陽
性の進行性悪性黒色腫の患者さんにとって、併用療法が重要な治療選択肢であることを示
しています。特に、治療開始前の腫瘍量が少ない患者さんに対して併用療法を行った場合
に優れた予後を示したという点は注目に値します」
423名の患者さんを対象としたCOMBI-d試験の結果、「タフィンラー」+「メキニスト」
併用療法を受けた患者さんの3年後の推定生存率は44%(95%信頼区間[CI] 36.4%
-50.5%)、「タフィンラー」単剤療法を受けた患者さんの推定生存率は32%でした(95%
CI 25.4%-38.3%)1。事前解析で併用療法が有意な全生存率(OS)の改善を示した後に、
26名の患者さんが単剤療法群から併用療法群にクロスオーバーしました1。また3年時点
の無増悪生存率は、併用療法群22%(95% CI 16.2%-28.0%)、単剤療法群12%(95% CI
7.1%-18.0%)でした1。乳酸脱水素酵素(LDH)値が正常で、病変部位が3カ所未満の患
1/5
者さんを解析したところ、3年生存率は併用療法群で62%(95% CI 49.3%-72.0%)、「タ
フィンラー」単剤療法群で45%(95% CI 34.9%-55.1%)でした1。進行性悪性黒色腫に
おいては、LDH値は予後の予測因子であることが多く、治療効果を予測できる可能性が
あります2。
安全性に関する結果は、これまでの併用療法にみられたプロファイル、「タフィンラー」
単剤療法にみられたプロファイルと一致しており、新たな安全性上の問題は認められま
せんでした1。併用療法群で最も多く認められた(≧20%)有害事象は、発熱、疲労、悪
心、頭痛、悪寒、下痢、発疹、嘔吐、関節痛、高血圧、咳および末梢浮腫でした1。
ノバルティス オンコロジー事業部グローバル開発およびメディカルアフェアーズ責任者
であるアレッサンドロ・リバ(Alessandro Riva, MD, Global Head, Novartis Oncology
Development and Medical Affairs)は次のように述べています。「ノバルティスは進行性
悪性黒色腫の患者さんの予後の改善に取り組んでいます。これらのデータが、『タフィ
ンラー』+『メキニスト』併用療法を受けた多くの患者さんの生存期間を延ばしている
ことを示すものであったことに満足しています。このデータは、合理的な標的併用療法の
重要性を示す重要な例であり、ノバルティスの治療薬で3年以上治療を受けられる可能性
が高い患者さんを特定することができます。このような治療のアプローチはプレシジョ
ン・オンコロジーというがんの個別化治療を普及させる一助となるだけでなく、がん治療
に根本的な変化をもたらす可能性があります」
COMBI-d試験について
COMBI-d試験は、一次治療として、切除不能(ステージIIIC)または転移性(ステージIV)
のBRAF V600E/K遺伝子変異陽性悪性黒色腫の患者さんを対象に、BRAF阻害薬「タフィ
ンラー」とMEK阻害薬「メキニスト」の併用療法を、「タフィンラー」単剤療法およびプ
ラセボと比較する、無作為化、二重盲検の第III相ピボタル試験(NCT01584648)です。
この試験は、オーストラリア、欧州、北米および南米の試験実施施設において423名の患
者さんを対象に実施しました。この試験の主要評価項目は治験医の評価による無増悪生存
期間(PFS)、副次評価項目は、全生存率(OS)、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、
および安全性でした。事前解析で併用療法が有意なOSの改善を示した後、26名の患者さん
が単剤療法群から併用療法群にクロスオーバーしました1。
「タフィンラー」+「メキニスト」併用療法群は、2年間の追跡調査の分析の結果と同様、
3年間の追跡調査でもDoRおよびORRの評価においてベネフィットを示しました1。安全性
成績は、これまでに「タフィンラー」と「メキニスト」の併用療法で確認されたものや「タ
フィンラー」単剤療法で確認されたものとも一致しており、新たな安全性の懸念は認めら
れませんでした。
悪性黒色腫について
転移性の悪性黒色腫は、最も重篤で生命を脅かす、生存率の低い皮膚がんです3,4。末期の
悪性黒色腫と診断された後の5年生存率は約20%にすぎません3。世界中で毎年約200,000
例の新たな悪性黒色腫が診断されており3、このうち約半数に転移性悪性黒色腫治療の標的
であるBRAF遺伝子変異が認められます。遺伝子検査で腫瘍にBRAF遺伝子変異があるかど
うかを判定し、その結果が予後診断や適切な治療法を決定する上での重要な役割を果たし
ています2。
「タフィンラー®」+「メキニスト®」併用療法について
切除不能または転移性のBRAF V600E/K遺伝子変異陽性悪性黒色腫患者さんに対する「タ
フィンラー」+「メキニスト」併用療法は米国、欧州、オーストラリア、チリ、カナダで
承認されています。日本では、「タフィンラー」および「メキニスト」は、BRAF遺伝子
変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として、2016年3月に承認され、同年6
月に発売されました。
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「タフィンラー」と「メキニスト」は、悪性黒色腫に関連するRAS/RAF/MEK/ERK経路の
セリン・トレオニンキナーゼファミリーの異なるキナーゼ、BRAFおよびMEK1/2をそれぞ
れ標的とします。「タフィンラー」と「メキニスト」を併用した場合、腫瘍の増殖速度を
それぞれ単剤で用いた場合より抑制することが明らかになっています。「タフィンラー」
+「メキニスト」併用療法については、現在、この併用療法をがん腫横断的に評価するた
めの臨床試験プログラムが世界中の試験施設で進行中です。
承認されている適応症以外では、「タフィンラー」+「メキニスト」併用療法の安全性お
よび有効性のプロファイルは確立されていません。
「タフィンラー」および「メキニスト」は、BRAF V600遺伝子変異の切除不能または転移
性悪性黒色腫患者さんの治療薬としてそれぞれ単剤で、米国および欧州を含む世界35カ国
で承認されています。日本では、「タフィンラー」は単剤としても、「メキニスト」は「タ
フィンラー」との併用において、承認されています。
転移性悪性黒色腫に対する「タフィンラー®」+「メキニスト®」併用における安全性に関
する重要な情報
「タフィンラー」+「メキニスト」の併用投与により、重篤な有害事象が起きる可能性が
あります。
「タフィンラー」と「メキニスト」との併用療法は、BRAF遺伝子の変異を有する悪性黒
色腫の治療薬としてのみ使用できます。BRAF遺伝子変異がなく、RAS遺伝子変異を有す
る患者さんにBRAF阻害剤を投与した場合細胞増殖のリスクがあるため、医師は治療を開
始する前に検査を行う必要があります。
また、BRAF阻害剤を単剤療法で使用したことのある患者さんの場合、わずかですが「タ
フィンラー」+「メキニスト」併用療法の有効性が低いことを示すデータがあるため、他
の治療法を検討する必要もあります。
「タフィンラー」単独投与、または「メキニスト」との併用投与により、新たながん(皮
膚がん、およびその他のがん)が発現する可能性があります。新たな病変、既存の皮膚病
変の変化、その他の悪性腫瘍の徴候と症状が認められた患者さんはすぐに医師に報告して
ください。
「タフィンラー」を「メキニスト」と併用投与、または「メキニスト」単独投与により、
重度の出血を引き起こし、死に至る可能性もあります。患者さんは、頭痛、めまい、脱力
感、咳に血や血の塊がまじる、血またはコーヒー残渣様の吐物の嘔吐、赤または黒いター
ル状の便、その他なんらかの異常な出血の徴候が認められた場合は、すぐに医師に報告し
適切な処置を受けてください。
それぞれの単独投与、または「タフィンラー」と「メキニスト」の併用投与により、失明
に至ることもある重篤な眼障害が起きる可能性があります。患者さんは、視力低下、失明
またはその他視覚の変化、色の付いた点が見える、ハロー(物体の周りにぼやけた輪郭が
見える)、眼痛、眼の腫れや赤みなどの眼障害の症状が認められた場合は、すぐに医師に
報告してください。
「タフィンラー」単独投与、または「メキニスト」との併用投与により、発熱が起きる可
能性があり、重篤化する場合もあります。発熱の発現頻度や重症度は「タフィンラー」を
「メキニスト」と併用投与した場合により高くなる可能性があります。発熱は、悪寒また
は悪寒戦慄、過度な体液喪失(脱水)、低血圧、めまい、腎障害を伴う場合があります。
ダブラフェニブ投与中に38.5oC(101.3oF)を超える発熱が認められた患者さんは、すぐに
医師に報告してください。
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「タフィンラー」を「メキニスト」と併用投与、または「メキニスト」単独投与により、
心ポンプ機能に影響を与える可能性があります。投与開始前および投与中は患者さんの心
機能検査を行う必要があります。患者さんは、動悸、息切れ、足首や足の腫れ、意識朦朧
などの心臓障害の症状と徴候が一つでも認められた場合は、すぐに医師に報告してくださ
い。
「タフィンラー」単独投与、または「メキニスト」との併用投与により、腎機能障害また
は腎臓の炎症を引き起こす恐れがあります。腎機能障害は、発熱患者、または体液喪失量
が多い患者さんに多く認められます。38.5 oCを超える発熱、尿量減少、疲労、食欲不振、
下腹部または背部に不快感が認められる場合、すぐに医師に報告する必要があります。「タ
フィンラー」は腎機能不全(クレアチニン> 1.5 x ULN)の患者さんを対象とした試験が
行われていないため、腎機能不全の患者さんに使用する場合は注意が必要です。
「タフィンラー」を「メキニスト」と併用投与、または「メキニスト」単独投与により、
肝機能障害を引き起こす場合があります。疲労、食欲不振、黄色皮膚、暗色尿、腹部不快
感が認められる場合があります。肝機能障害は、
血液検査により評価する必要があります。
このような症状が認められた場合は、医師に報告してください。中等度から重度の肝機能
障害患者さんに「タフィンラー」または「メキニスト」を投与する場合は注意が必要です。
高血圧の既往の有無にかかわらず、「メキニスト」を「タフィンラー」と併用した患者さ
ん、または「メキニスト」を単独で使用した患者さんの血圧上昇が報告されています。「メ
キニスト」を投与する場合は血圧を監視し、必要に応じて標準療法により高血圧をコント
ロールする必要があります。
「タフィンラー」を「メキニスト」と併用投与、または「メキニスト」単独投与により、
肺組織の炎症を引き起こす恐れがあります。息切れや咳など、肺の新たな症状や悪化、あ
るいは呼吸の問題が認められた場合は医師に報告してください。
「タフィンラー」を「メキニスト」と併用投与、または「メキニスト」単独投与により、
副作用として発疹が多く観察されます。また、「タフィンラー」を「メキニスト」と併用
投与、または「メキニスト」単独投与により、その他の皮膚反応が起こる可能性もありま
す。これらの皮膚反応は重症化することがあり、病院での治療が必要となる場合がありま
す。患者さんは、辛いまたは継続する皮疹、ざ瘡、手や足の赤み、腫れ、剥け、または圧
痛、皮膚の赤みなどのいずれかの症状が認められた場合は、すぐに医師に報告してくださ
い。
「タフィンラー」を「メキニスト」と併用投与、または「メキニスト」単独投与により、
横紋筋融解症と呼ばれる筋破壊を引き起こす恐れがあります。筋肉痛、筋肉の圧痛、筋力
低下、筋腫脹が認められた場合は、すぐに医師に報告する必要があります。
「タフィンラー」単独投与、または「メキニスト」との併用投与により、膵臓の炎症(膵
炎)を稀に引き起こす恐れがあります。原因不明の腹痛がある場合は直ちに検査し、過去
に膵炎に罹患した後で「タフィンラー」の投与を再開する場合は、注意深く監視する必要
があります。
「タフィンラー」を「メキニスト」と併用投与、または「メキニスト」単独投与により、
腕や脚に血栓を生じることがあり、これらが肺に運ばれ死に至る可能性もあります。患者
さんは、胸痛、突然の息切れまたは呼吸困難、腫れを伴うまたは伴わない脚の痛み、腕や
脚の腫れまたは冷感や蒼白を感じた場合はすぐに医師に報告し、適切な処置を受けてくだ
さい。
「タフィンラー」および「メキニスト」は、いずれも胎児に悪影響を及ぼす可能性があり
ます。また、「タフィンラー」によりホルモン避妊薬の効力が失われる場合があります。
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「タフィンラー」+「メキニスト」併用投与により最も多く認められた副作用は発熱、疲
労、悪心、頭痛、悪寒、下痢、発疹、関節痛、高血圧、嘔吐、咳です。発熱の発現頻度と
重症度は「メキニスト」を「タフィンラー」との併用下で投与した場合に高くなります。
辛い副作用が起きたり、副作用が継続する場合は医師に報告してください。「タフィンラ
ー」+「メキニスト」併用投与により、上記以外の副作用が起きる可能性もあります。詳
細については医師や薬剤師にお問い合わせください。
「タフィンラー」+「メキニスト」併用投与は、厳密に処方に従って行ってください。医
師の指導なしに用量を変更したり、服用を中断したりしないでください。「メキニスト」
は1日1回(朝または夕方、「タフィンラー」と同じ時間に)のみ服用し、「タフィンラー」
は約12時間間隔で服用してください。「タフィンラー」+「メキニスト」は食事の1時間
以上前または食後2時間以降に服用してください。「タフィンラー」を服用し忘れた場合、
6時間以内に次の投与スケジュールがくる場合は、飲み忘れた分を服用しないでください。
「タフィンラー」カプセルは開けたり、潰したり、かみ砕いたりしないでください。「メ
キニスト」を服用し忘れた場合、12時間以内に次の投与スケジュールがくる場合は、飲み
忘れた分を服用しないでください。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その
内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに
より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、
ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼
科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅
広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2015年の売上高は494
億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87億米ドル)でした。スイ
ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約118,000人の社員を擁しており、世界180
カ国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.novartis.com
参考文献
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以上
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