...

協会組織・機能のあり方について 〔基本的な考え方〕

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

協会組織・機能のあり方について 〔基本的な考え方〕
協会組織・機能のあり方について
〔基本的な考え方〕
平 成 16 年 4 月 16 日
日 本 証 券 業 協 会
【本協会を取り巻く環境】
¾
投資家からの信頼確保や行政との役割分担の明確化(検査の重複回避
等)等自主規制に課せられた役割の重要性が一段と増すなかで、本協
会の自主規制機能について、公正・中立な運営がこれまで以上に求め
られている。
¾
業界活動部門においては、多様な業態を形成する会員の意見を十分に
吸収し、それらを意思決定に適切に反映させる仕組みが求められてお
り 、本 協 会 の 業 界 活 動 機 能 を 一 層 強 化 し て い く こ と が 期 待 さ れ て い る 。
【新体制のガバナンス構造】
1.同一法人内別組織化
¾
上記の環境を踏まえ、協会機能のあり方に関して、自主規制機能と業
界活動機能について、別法人、親子・兄弟法人、同一法人内別組織の
三案が考えられるが、そのうち、以下の理由から、本協会の中で両機
能を併せ持つ、同一法人内別組織を選択し、それぞれを独立的に運営
することとする。
(1)
両 機 能 は 相 互 に 密 接 に 関 連 し 、補 完 し 合 っ て お り 、同 一 法 人 内
に併せ持つ必要がある。
(2)
自 主 規 制 は 、市 場 仲 介 者 の 信 頼 を 高 め る た め 、証 券 業 務 の 実 態
に 照 ら し 、業 界 と し て そ の 役 割 を 果 た す も の で あ り 、自 主 規 制
機能と業界活動機能は同一法人内で行うことが望ましい。
1
(3)
両機能を別法人とする際の二重のコスト負担を回避する観点
からも、同一法人内に両機能を置くべきである。
(4)
本 協 会 内 に 両 機 能 を 置 く こ と に よ り 、両 機 能 が そ れ ぞ れ の 視 点
に 応 じ た 考 え 方 を 尊 重 し 、対 応 す る こ と が 可 能 と な り 、双 方 に
とって良い効果をもたらすことになる。
(5)
上 記 の 他 、同 一 法 人 内 別 組 織 と し 、両 機 能 を 独 立 的 に 運 営 す る
こ と に よ り 、自 主 規 制 及 び 業 界 活 動 の 間 に 起 こ り 得 る 利 益 相 反
の 問 題 も 防 止 す る こ と が で き 、公 正 性・中 立 性 が 確 保 さ れ る こ
とになる。
2.理事会の権限と構成
¾
自主規制機能と業界活動機能の両機能が、本協会内で独立的に運営さ
れるためには、理事会を「予算・決算、会費、組織、両部門の基本方
針等専決事項の決議を行い、協会運営全体を監督する機関」と位置づ
けたうえで、理事会の委任を受けて、両部門の意思決定機構がそれぞ
れ所管する通常業務の決議を行うガバナンス体制を構築する。
¾
理事会は、協会運営全体に係る専決事項の決議と協会運営全体の監督
機能を担う機関として位置づけ、効率的・効果的な意思決定を図るた
め、よりコンパクトな構成とし、公正性・中立性が担保でき、対外的
にみて納得性の高いガバナンス体制を構築する。
3.自主規制会議の権限と構成
¾
自主規制部門の意思決定機構として、自主規制会議を設置し、自主規
制会議は、理事会の委任を受けて、自主規制に係る通常業務の決議を
行い、理事会に報告する。
¾
自主規制会議は、公正性・中立性を担保するため、公益委員を入れた
構成とするとともに、業態ごとの実態を反映し、会員間のバランスを
考慮した構成とする。
2
4.証券戦略会議の権限と構成
¾ 業界活動部門の意思決定機構として、証券戦略会議を設置し、証券戦
略会議は、理事会の委任を受けて、証券戦略に係る通常業務の決議を
行い、理事会に報告する。
¾ 証券戦略会議は、業態ごとの実態を反映し、地方会員を含む会員間の
バランスを考慮した構成とし、多様な業態を形成する会員や地区会員
の意見を十分に吸収し、それらの意見を証券戦略会議に反映させるた
め、証券戦略部門に評議会を形成する。
【その他】
1.財務・予算の透明性の確保
¾ 予算・決算等協会全体の組織運営に係る事項の審議は、両部門に対し
て公正・中立な位置づけとするため、理事会の下に、協会員によって
構成する総務委員会を設置し、同委員会がこれを行うこととする。ま
た総務委員会の下部機構に財務分科会を設置し、予算配分や会費等の
決定に協会員の意見を幅広く反映させ、財務・予算の透明性の確保を
図ることとする。
2.市場管理部門の暫定措置
¾ 市場管理部門については、ジャスダックの取引所化に向けて、本協会
から独立する方向で作業が進められており、その間は暫定的に自主規
制部門において、市場管理を行うこととする。
以
3
上
別紙1
日本証券業協会理事会等の構成
平成 16 年 4 月 16 日
○ 理 事 会
(10名以内)
・公 益 理 事
3名
・会 員 理 事
3名
・特別会員理事
1名
・常 任 理 事
3名
(注)公益理事は「証券業と直接関係のある業務を営む会社の常務に従事
する者以外の者」から選任する。
○ 自主規制会議
(11名程度)
・公 益 委 員(うち1名は自主規制会議議長)
4名
・会 員 委 員
4名
・特別会員委員
1名
・会
1名
長
・自主規制部門執行責任者(事務局責任者)
○ 証券戦略会議
1名
(15名程度)
・会 員 委 員(うち1名は証券戦略会議議長)
12名
・証券評議会議長
1名
・地区評議会議長
1名
・会
長
1∼2名
・証券戦略部門執行責任者(事務局責任者)
○ 総務委員会
(11名以内)
・会 員 委 員(うち1名は総務委員会委員長)
・特別会員委員
10名
1名
以
上
協会組織・機能のあり方(全体イメージ図) 日本証券業協会
総
監事会
理
理 事
事 会会
総 務 委 員 会
委員長(副会長)
会
会員・常任監事
長
副会長
公益理事、会員理事、特別会員理事、常任理事
総括・管理部門
会
会
人事推薦合同委員会
長
事務局組織
(人事・総務・経理等)
理事会の決議事項を除く通常業務の決議を、自主規制会議及び証券戦略会議のそれ
ぞれに委任する。
証
券
戦
略
部
門
自
機能 ○税制、経済法規、証券取引・業務等の業界意見のとりまとめ
・要望活動
○証券知識の普及・啓発、広報活動の企画・推進、NPO支援
○会員向け資質向上研修の企画・実施
○会員向け各種相談、統計データ収集 など
制
部
門
証券戦略部門
執行責任者
自主規制会議議長(副会長)
(事務局責任者)
〔常任理事〕
自主規制会議
人事推薦委員会
証券戦略会議
規
機能 ○証券取引関係ルール及び市場ルールの制定、行政ルールについて
の専門家としての 業界意見のとりまとめ
○エンフォースメント(監査・処分等)
○資格管理、義務研修の実施
○苦情相談・あっせん など
人事推薦委員会
証券戦略会議議長(副会長)
主
証券戦略部門事務局組織
政策委員会(仮称)
証券普及啓発委員会(仮称)
東 京
大 阪
名古屋
・
・
・
地区別評議会
証
券
評
議
会
∧
仮
称
∨
(事務局責任者)
〔常任理事〕
自主規制部門事務局組織
規 律 委 員 会
リーテイル証券評議会
自主規制委員会(仮称)
外国証券評議会
市場委員会(仮称)
インターネット証券評議会
ホールセール証券評議会
業態別評議会
証券外務員等資格試験委員会
その他必要な委員会
別紙2
その他必要な委員会
地
区
評
議
会
∧
仮
称
∨
自主規制部門
執行責任者
参
−市場機能を中核とする金融システムに向けて−
金融審議会金融分科会第一部会報告(平成15年12月24日)より抜粋
(2)市場監視体制
①行政の体制
∼省略∼
②自主規制
市場の実情に精通している者が、臨機応変に自らを律していくこ
とにより、投資家からの信頼を確保するという自主規制の理念につ
いては、何人も異論はないものと思われる。しかし、現実は理念ど
おりに機能していないとの指摘もある。株式会社化して営利追求す
る証券取引所や業界団体でもある証券業協会に有効な規制が可能か
という疑問や、行政と、各証券取引所、証券業協会、日本銀行など
公的主体の検査業務に重複が多いことへの批判には、真摯に対応す
べきである。
まず、自主規制業務の遂行体制としては、他の業務から独立して
行われるよう担保すべきである。そのために、資本関係のない別法
人とするか、親子・兄弟法人とするか、同一法人内の別組織とする
かは、自主規制の現場の品質管理といった側面も踏まえて検討され
る必要がある。有効な体制を実現するために制度的な手当が必要で
あれば、選択肢が用意されることが望ましい。いずれにせよ、自主
規制業務の独立した遂行体制を確立することは、広報活動や政策提
言など、業界団体としての活動を制約なく行っていく上でも有益で
あることを銘記すべきである。
また、検査については、行政の体制一元化を契機に、行政と自主
規制機関及び自主規制機関相互での主たる役割分担を見直すべきで
ある。例えば、証券業協会が財務や内部管理体制、証券取引所が取
引関連を一義的に分担し、行政がその結果をチェックするとともに、
法令違反やシステミック・リスクなどを中心に検査するといった役
割分担の姿も考えられよう。今後、自主規制機関の検査体制が充実
1
考
すれば、行政検査は、その検証にとどめることも可能になろう。ま
た、各主体間で、可能な検査方法の統一や合同検査の実施など、実
務上の工夫を重ねることにより、市場監視体制全体としての効率性
を確保していくことが望ましい。さらに、行政も含めた個々の検査
官の資質や能力は、市場監視を実効あらしめる上で極めて重要な要
素であり、その向上に向けた不断の努力が払われるべきである。
2
Fly UP