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第120号(平成24年3月発行)(PDF形式 889 キロバイト)
県立病院ニュース 病院に関係する全ての人から信頼される病院を目指して 第120号 平成24年3月 病院局発行 BSCアクションフ BSCアクションプ アクションプラン「2011小出病院賞」報告 「小出病院賞」は、職員のモチベーションの向上や成長を実感できる人材育成を戦略目標とした BSC 院長シートのアクションプランの一環であり、病院運営等に優れた貢献をしたセクション・委員会・チ ームの活動や取組をたたえて表彰するもので、平成18年度(病院局全体として BSC を導入する前年度)か ら始まり、今年度で6回目となりました。 応募のあった16件の取り組みについて、選考委員会を2月17日に開催しました。 ①問題の着眼点、②取組方法、③改善効果、④まとめ方・発表方法等、⑤総合的評価について、院長、 事務長、看護部長及び若手職員からなる審査員が3点~0点で評価して、最優秀賞1件、優秀賞2件、 審査員特別賞1件及び佳作3件を決定しました。 2月27日に、表彰式と受賞者によるプレゼンテーション を行い、受賞者には表彰状と副賞が贈られました。 プレゼンテーションの中には、参加者や運営スタッフ一同 がびっくりするような迫真の演技を取り入れたものもありま した。(左写真) 「小出病院賞」の輪が院内でさらに広まること、来年度も たくさんの応募があることを期待しています。 (BSC管理推進小委員会事務局 大竹 薫) 最優秀賞 東2病棟 中期中絶・子宮内胎児死亡の児と家族への関わり 産科は、新しい命が産まれてくるというおめでたいイメージが多くありますが、経済的・社会的な理 由等から選択された中期中絶や、産みたかったのに胎内死亡となったIUFD(子宮内胎児死亡)のお 産に関わることも少なくありません。どのように関わればよいか戸惑うこともありますが、普通のお産 と同じように関わっています。具体的な取組み内容は、以下のとおりです。 ① (本人の了承時) 中期中絶・IUFDの分娩後の分娩直後の児との面会、分娩時の夫等の立ち会い、 退院までの間の母児同室 ② (希望により)死産児の手形・足形採り、へその緒も一緒に渡す ③ 納棺準備として、棺に入れる児へのメッセージ作成を促し、 折り紙を一緒に折る、服等なんでも入れていいと伝える ④ 患者さんや家族による児の写真の撮影 ⑤ 棺を準備せず入院した患者さんに、売店で桐の棺を取扱い (妊娠中期の死産児対応 右写真) ケースにより状況は様々ですが、その背景に合わせて後悔が無いように、また、胎児を失った悲しみ が少しでも軽減されるよう、患者さんの気持ちに寄り添った看護を提供しています。 今後も一例一例大切なお産となるよう関わって行きたいと思います。 優秀賞 教育担当トレーナー委員会 BSL研修 ※概要は.県病ニュース 116 号で紹介 組織を超えた交流を図ることを目的に企画・運営したBSL(一次救命処置)研修の取り組み 優秀賞 栄養課 咀嚼・嚥下困難者に対するソフト食導入 従来、咀嚼困難者にはキザミ食、嚥下困難者にはうらごし食を提供。これらは見た目や味が好まれ ない傾向があり、さらに誤嚥のリスクが高く、咀嚼・嚥下困難者に向かない食形態であることが分か ってきました。単に軟らかいだけではなく、しっかりと形のある、喉ごしの良い食事である「ソフト食」 を昨年3月から導入しました。 審査員特別賞 医療クラーク室 医師事務作業補助者の取り組み 医療クラーク4名は、医師の指示・指導に基づいて事務的な作業補助を行っています。主な業務内 容は①医師の回診補助、②診断書等の書類作成や補助、③診療録・処方箋の代筆等です。整形外科外 来では直接医師の指示を受け診療の補助(事務的作業)を行っています。 佳作 東2病棟 皆が楽しんだクリスマス会 毎年、小児科だけで開催していたクリスマス会を病棟全体で楽しんでもらった取り組み 佳作 東3病棟 東3病棟を楽しく・機能的に スタッフ全員に笑顔が見られ、病棟内を整理整頓することで、気持ち良く働くことができるように したフィッシュと5Sの取り組み 佳作 看護師長会 大会議室クリーン作戦 老朽化している大会議室を周辺も含め改修した取り組み 病院ビジョン、「こうありたい」姿に向けて、職員が力を合わせて業務に取り組んでいるということが素晴らしい!! 喜ばれる病院食 ばれる病院食を 病院食を目指して 目指して 吉田病院常食試食会 病院職員に病院食を試食・評価をしてもらって改善した食 事の提供でさらに患者さまに喜んでいただくこと、栄養課の 職員だけでなく、病院全体で今後の病院食について関心をも ってもらうことなどを目的に、3 月 2 日、講堂で院内常食試 食会を実施しました。参加料は 690 円、38 名の職員から参 加していただきました。 アンケート項目の「試食してみての感想」としては、想像 した以上においしかったという方が85%と好感触でした。 また、「彩り、風味のよい料理は食べる前から食欲をそそります。」「副食のバランスがよく、満足し ました。」「茶碗蒸しがとてもおいしかったです。薄味すぎず、味付けがしっかりとしていておいしかっ たです。」などの褒め言葉と「季節の食材がでると、患者さんは喜びます。ゼリー食も物が何かわかる ような形だと嬉しいです。」「うどんの時は滑らない箸がいい。」「茶碗蒸しのスプーンを小さくしてく ださい。」「普通食なので、野菜はもっと硬めが良いのでは?」など具体的な改善アイディアをいただき ました。今後に生かしていきます。 (高橋栄養課長) ← A メニュー えび天うどん・茶碗蒸し・酢の物 季節の果物 B メニュー → ご飯または全粥・かれいの煮物 茶碗蒸し・磯和え・季節の果物 平成 23 年度変革プロジェクト 年度変革プロジェクト実践研修賞状授 プロジェクト実践研修賞状授与式 実践研修賞状授与式 3 月 22 日、改善実践報告の優秀15所属と、変革プロジェクト実践研修で優秀賞となった病院局チ ーム・テーマ「地域から信頼される病院づくり」が、知事から賞状を授与されました。 受賞後の記念撮影 向かって右から、 泉田知事 横田主任 貝沢看護師長 八木主任理学療法士 長谷川副参事 江口局長 医療安全特集 4/4 標準予防策の重要性の確認 今後に向けての提言 医療安全特集 4 回シリーズのまとめとして、今後に向けての提言をしていただきます。 六日町病院麻酔科 市川高夫さん 今回の診療報酬改定から、厚労省が患者安全において感染管理に重点を置いて いるのは明らかです。既に多くの病院で医療安全を感染対策と同時並行して行っ ています。院内感染対策に高額の診療報酬が容易に認められるとは考えにくいの で、必ずその質が検証され、形だけの体制では認められません。さらに,指導病院 (感染防止対策加算1を算定する病院)同士で相互評価を行うことで更に加算がつきま す。その実態が不充分なものであり、認められないと判断された場合の損害も重大になります。予防で きる院内感染は医療事故なのですが、それを理解できない管理者、指導的立場の職員がまだ多いのでは ないでしょうか。 感染対策の基本は「標準予防策」です。言葉は知っていても、その内容を正確に説明できる職員は限 られています。よく見られる間違いは、「標準予防策」と「接触予防策」の混同です。また廃棄物処理 に「標準予防策」を適応する誤りも多くの病院で見かけます。各々が、どのような目的で作られたかを 考える必要があります。手指衛生は、感染対策の根幹で標準予防策でも重要な位置をしめます。この現 段階の集大成はWHOの手指衛生ガイドラインです。このエッセンスを体得し、多剤耐性菌を含むあら ゆる院内感染から患者および職員を守ることが感染対策チームに求められます。WHOの手指衛生の訓 練には、訓練を積んだインストラクター、観察者が必要です。大きな学会あるいは都道府県がそういっ たスタッフ養成コースを開催する必要があると感じています。 感染対策を身につけるには最低3年は必要とされています。医療安全の考え方は1年余で方法論は理 解できますが、さらにコミュニケーションスキルを含むノンテクニカルスキル、医療者教育などについ ては終生訓練と情報収集が必要です。 欧米の国と日本を比較して感染対策について感じる点を書いてこのシリーズを終わりたいと思いま す。欧米は感染対策に集学的な集団が関わります。まず設計段階から清掃業者、感染管理看護師、感染 管理医が参加しています。建築費の 1~5%はアメニティに使用され、殺伐とした病院でなく、アート があり、やさし光につつまれ、活気のでる香り(朝のコーヒーの香りなど)が普通にあります。手洗い の配置、空気の流れを含むゾーニングは建築前に確認が必要です。建築途中にも必ず感染対策担当職員 が視察します。教育にはスタッフが専任でおり、時間も勤務時間内に全ての職員が参加できるようにな っており、その履修は人事考査に関係するところもあります。感染管理の最大の武器は知識であること が周知されており、必要な所には充分な資金が投入されますが、無駄とされるものは極力排除されてい ます。もちろん知識だけでなく、昔から「手順」や「スキル」の訓練は充実しています。 ネットワークが重要で(共通言語としての英語をどの国の担当者も普通に使います。オランダもフラ ンス語圏のスイス・ジュネーブも、オーストリアも)、ICU管理、手術法も含め感染管理の考え方も かなり標準化されています。(グローバルスタンダードであり、日本の目指すアメリカンスタンダード とは違います。日本はあまりに無思考的にCDCに盲従していると言われています。) 感染管理、患者安全に終わりはなく、指導者を含め継続的な情報収集と自己研鑽、チーム研修が必 要です。 皆様からの 皆様 からの「 からの 「 こんなことやっているよ」 こんなことやっているよ 」 という情報提供 という 情報提供や 情報提供 や 投稿を 投稿 を 心 からお待 からお 待 ちしています! ちしています ! 病院局業務課改革室 E-mail: [email protected]