山梨伝統工芸の IT 革新に向けて ― 芸術科学が果たすべき

NICOGRAPH 2013, pp.209
招待パネルディスカッション
山梨伝統工芸の IT 革新に向けて ― 芸術科学が果たすべき役割
2013 年秋，長い歴史を誇る NICOGRAPH が初めて山梨県で開催される運びとなり，この機会に当県を代
表する伝統工芸―ワイン，宝石，花火，織物を採り上げ，その科学技術による発展的継承を展開してこら
れた 4 名の方々をパネリストとしてお招きすることにした．そして，各自の取り組みの実際に加え，IT 革
新の課題や期待についてお話いただくとともに，宮田芸術科学会長を交えて，芸術科学が果たす役割とそ
の可能性について議論していただく．
司会：茅 暁陽 (山梨大学大学院医学工学総合研究部・教授)
パネリスト
柳田 藤寿
山梨大学生命環境学部地域食物科学科長・教授・評議員
ワイン科学研究センター・教授・農学博士
東京生まれ．1988 年東京農業大学大学院を修了し農学博士号取得．1990 年山梨大学の助手としてワ
イン中の乳酸菌に関する研究を行う．2000 年世界で初めて海水から分離した海洋酵母によるワイン開
発に成功，ヒット商品となる．
2008 年山梨大学教授．2010 年大豆で作った飲むヨーグルトを開発（ワイン酵母使用）ヒット商品と
なる．現在，日本乳酸菌学会（評議員）
，日本ブドウワイン学会（理事），日本醸造協会（理事）日本
ワイン文化振興協会（理事）など 8 つの学会に所属．著書は、
『世界が認めた国産ワイン』
（ぶんか社）
『ワインと宝石』
（山梨日日新聞社）
，など 10 冊．学術論文，解説文は，約 80 編．
齊木 克司
煙火師 甲州花火元祖 株式会社齊木煙火本店 4 代目代表取締役社長
山梨県出身．昭和 41 年生れ．昭和 59 年山梨県立甲府西高校卒業．山梨県在住．平成 3 年より家業で
ある齊木煙火本店に入社．自社での下積みを経て平成 21 年 4 代目を継承し現在に至る．現代花火の
特徴でもある新色また色の変色，鮮度にこだわり研究開発を進める．
近年の全国花火競技大会においては，平成 24 年大曲全国花火競技大会創作花火の部「準優勝」・10
号玉の部「優秀賞」・昼花火の部「優勝」，平成 25 年大曲全国花火競技大会創作花火の部「優秀賞」・
10 号玉の部「入賞」・昼花火の部「優秀賞」，平成 24 年土浦全国花火競技大会スターマインの部「2
等」・10 号玉の部「優秀賞」，平成 25 年土浦全国花火競技大会スターマインの部「特等」・10 号玉
の部「3 等」など，日本の花火の第一線で活躍している．
佐野 照雄
山梨県工業技術センター 生活技術部 部長
山梨県出身．昭和 61 年埼玉大学大学院工学研究科修了後，電気職として山梨県に採用される．山梨
県工業技術センターで，メカトロ，信頼性，EMC 等の技術支援に携わり，3 年間の山梨県富士工業技
術センターへの異動を経て，平成 9 年より山梨県工業技術センターの研磨・宝飾科に配属される．こ
れまで，研磨宝飾業界の技術支援や研磨宝飾向けのダイヤモンド工具の開発等の宝石加工技術に関す
る研究を行う．現在，生活技術部長として，研磨宝飾，食品，ニット縫製など地場産業分野の技術支
援を担当．山梨県ジュエリーマスター認定制度試験実施委員．
五十嵐 哲也
山梨県富士工業技術センター 繊維部技術支援科 主任研究員
千葉県出身．平成 3 年千葉大学工学部工業意匠科卒業後，山梨県に移住しデザイン職として山梨県職
員に採用される．山梨県デザインセンター（山梨県工業技術センターデザイン開発部）を経て平成 11
年より山梨県富士工業技術センター勤務．これまで任意の縞柄をデザインするためのアプリケーショ
ン『乱縞メーカー』開発など，コンピュータ活用による織物産地のデザイン支援のほか，産地企業の
ブランド力向上のための各種支援事業を担当する．また画像処理を応用したジャカード織物の製造技
術開発に関する研究『ジャカード織物の製造方法』で特許取得し，現在同テーマの発展形について山
梨大学茅・豊浦研究室との共同研究を実施している．
宮田 一乘
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科・教授
1984 年東北大学工学部応用物理学科卒業．1986 年東京工業大学大学院・総合理工学研究科・物理情
報工学専攻修士課程修了．同年，日本アイビーエム（株）東京基礎研究所入社．1998 年東京工芸大学
学術部助教授．2002 年より，北陸先端科学技術大学院大学知識科学教育研究センター教授．2012 年
より，同大学知識科学研究科教授．博士（工学）．コンピューターグラフィックスおよびメディア表
現に関する研究に従事．情報処理学会，芸術科学会，映像情報メディア学会，ACM，IEEE 等会員．
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