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大多喜町地域公共交通網形成計画(素案) [8872KB pdfファイル]

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大多喜町地域公共交通網形成計画(素案) [8872KB pdfファイル]
大多喜町地域公共交通網形成計画
(素案)
平成28年
2月
大多喜町地域公共交通活性化協議会
〔
目
次
〕
序.計画策定の背景及び目的 ----------------------------------------------------- 1
1.地域公共交通の現状 ---------------------------------------------------------- 2
1-1
地域特性 -------------------------------------------------------------------- 2
1-2
既存公共交通の現状 -------------------------------------------------------- 14
1-3
上位関連計画におけるまちづくりの方向と公共交通の位置づけ ------------- 33
1-4
いすみ鉄道沿線地域公共交通総合連携計画実施施策の評価・検証 ----------- 36
2.地域住民ニーズの把握 -------------------------------------------------------- 37
2-1
公共交通に関する町民アンケート調査結果---------------------------------- 37
2-2
公共交通利用者アンケート調査結果 ---------------------------------------- 40
2-3
大多喜町の公共交通に関するアンケート調査(高校生用) ------------------ 41
2―4
大多喜町の公共交通に関するアンケート調査(大学生用) ------------------ 42
2―5
意見交換会 ----------------------------------------------------------------- 44
2-6
実態調査に基づくまとめ ---------------------------------------------------- 46
3.公共交通を取り巻く課題 ----------------------------------------------------- 47
3-1
社会経済動向 --------------------------------------------------------------- 48
3-2
公共交通を取り巻く課題 ---------------------------------------------------- 49
4.望ましい公共交通ネットワークのあり方 -------------------------------------- 51
5.地域公共交通網形成計画 ----------------------------------------------------- 55
5-1 望ましい公共交通ネットワークのあり方 ------------------------------------ 55
5-2 目標を達成するために行う事業及び実施主体 ------------------------------- 57
序.計画策定の背景及び目的
・大多喜町では、鉄道やバス路線等の公共交通ネットワークは比較的充実しているが、運行サ
ービスの低下により自家用車への依存傾向が依然として高く、鉄道駅やバス停から遠い公共
交通不便地区が散在すると共に、近年の急速な少子高齢化や人口減少、自家用車の普及によ
り公共交通利用者の減少が続き、将来に向けて公共交通機関の維持確保が大変厳しい状況と
なっている。
・一方、近年、圏央道をはじめ高速道路網の充実により高速バスの利便性が向上し、利用者も
増加傾向にあり、広域幹線交通体系の動向も大きな転換期を迎えているが、紅葉シーズンは
観光目的のマイカーの増加に伴う交通渋滞も発生している。
・このような状況を少しでも解消していくため、国の補助制度(地域公共交通確保維持改善事
業)を活用して調査業務等を行うとともに、 現在運行されているいすみ鉄道、路線バスとの
連携を図りながら、地域の実情に即した持続可能な公共交通計画のマスタープランとなる
「大多喜町地域公共交通網形成計画」を策定し、将来を見据えた有効な施策の推進に取り組
むことを目的とする。
1
1.地域公共交通の現状
1-1 地域特性
(1)地勢
①位置・地形
・大多喜町は、千葉県房総半島のほぼ中央に位置し、東はいすみ市、西は市原市、君津市、南は鴨
川市、勝浦市、北は睦沢町、長南町に接し、東西約 12 ㎞、南北約 19 ㎞、総面積 129.87 ㎞ 2
と、県内町村では最も広い面積を有している。
・森林が総面積の約 70%を占め、夷隅川や養老川などが流れているとともに、平坦地が少ない地
形条件となっている。
・平成9年には東京湾アクアラインが、平成 25 年には圏央道が開通し、広域アクセス性の向上に
よる半島性・内陸性の解消が期待される。
■大多喜町の位置
2
(2)人口動向
①人口及び世帯数
・人口は、昭和 60 年の国勢調査時には 13,391 人であったが、平成 22 年では 10,796 人まで
約 20%の減少となっている。
・世帯数は、3,900 世帯前後で、ほぼ横ばいとなっている。
■人口及び世帯数の推移(資料:国勢調査)
16,000
14,000
13,391
13,218
12,678
12,121
12,000
11,514
10,796
10,000
8,000
6,000
3,772
4,000
3,818
3,925
H2
H7
3,907
3,898
3,923
2,000
0
S60
人口(人)
H12
H17
H22
世帯数(世帯)
②地区別人口
・地区別人口は、大多喜地区が最も多く、平成 26 年で 3,531 人となっており、最も少ないのは、
老川地区で、平成 26 年度で 1,129 人となっている。
・全体的に減少傾向であり、中でも西畑地区の減少が最も多く、平成 17 年から平成 26 年で、442
人の減少となっている。
■地区別人口・世帯数(平成 27 年 5 月末)
(資料:大多喜町提供資料)
4,000
3,767
3,707
3,706
3,688
3,649
3,660
3,604
3,558
3,562
3,531
2,516
2,551
2,467
2,401
2,350
2,306
2,230
3,500
3,000
2,672
2,606
2,549
2,500
2,000
1,500
1,000
1,830
1,812
1,797
1,780
1,750
1,740
1,707
1,699
1,893
1,850
1,832
1,788
1,748
1,739
1,742
1,712
1,688
1,626
1,292
1,261
1,230
1,216
1,191
1,151
1,129
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
1,399
1,360
1,319
1,628
1,631
500
0
H17
H18
H19
老川地区
西畑地区
総元地区
3
大多喜地区
上瀑地区
③地区別年齢別人口(65 歳以上人口の推移)
・地区別の 65 歳以上人口の推移をみると、全体的に増加傾向であり、中でも上瀑地区では、平成
17 年から平成 26 年で 123 人増加している。
・人数が最も多いのは大多喜地区で、平成 26 年で 1,257 人(35.6%)となっており、65 歳以
上の割合が最も高いのは西畑地区で、38.3%に上っている。
■地区別 65 歳人口の推移(資料:大多喜町提供資料)
39.0%
38.3%
37.1%
37.1%
37.0%
36.1%
35.2%
34.7%
35.0%
33.5%
33.5%
33.6%
33.9%
33.0%
31.0%
28.4%
34.2%
33.7%
33.7%
33.1%
31.7%
32.1%
29.6%
28.8%
33.1%
32.9%
31.5%
32.7%
30.5%
30.1%
29.5%
30.1%
29.9%
28.0%
27.5%
34.2%
32.4%
30.7%
30.0%
29.0%
29.0%
32.2%
31.9%
31.8%
31.6%
33.8%
33.4%
35.6%
29.7%
31.1%
30.2%
29.9%
28.9%
28.3%
27.0%
27.7%
27.2%
25.0%
H17
H18
H19
老川地区
H20
西畑地区
H21
H22
総元地区
H23
大多喜地区
H24
上瀑地区
■地区別 65 歳人口の割合(資料:大多喜町提供資料)
39.0%
38.3%
37.1%
37.0%
35.6%
35.0%
33.1%
32.7%
33.0%
31.0%
29.0%
老川地区
西畑地区
総元地区
4
大多喜地区
上瀑地区
H25
H26
④将来人口の見通し(大多喜町人口ビジョンより抜粋)
・国立社会保障人口問題研究所のによる推計では、平成 22 年の人口 10,671 人を基準とし、平成
52 年には 6,367 人 40.3%減少、平成 72 年には 4,056 人 62.0%の減少となる見通しを
示している。
・年齢別人口の老年人口は、昭和 55 年で 16.0%であり、平成 22 年には 33.8%に達しており、
平成 52 年には 47.5%、平成 72 年 49.9%となる見通しを示している。
・年齢3区分別人口構成を見ると、年少人口及び生産年齢人口は平成 72(2060)年まで一貫し
て減少するとしている。一方、老年人口は平成 32(2026)年まで増加が続くが、この年の 3,790
人をピークに減少に転じる見通しを示している。
・大多喜町人口ビジョンの人口の将来展望では、過去4年間の人口推移からみた、将来の平均合計
特殊出生率は、段階的に上昇させ、平成 72 年において 8,000 人の総人口を目標としている。
■年令3区分別人口の推移(単位:%)
■総人口の目標
5
(3)産業
①就業構造
・産業分類別の就業者数の推移をみると、第1次産業は減少傾向にある。平成2年では 12.9%
(831 人)であったが、平成 22 年では 6.8%(316 人)にまで減少している。
・第二次産業においても減少傾向にあり、平成 2 年で 34.8%(2,238 人)であったのに対し、平
成 22 年では、25.9%(1,202 人)となっている。
・反面、第三次産業では、平成 2 年で 52.3%であったが、平成 22 年では 67.3%まで増加して
いる。
■産業分類別就業人口の推移(単位:%)
0%
10%
H2
12.9%
H7
12.4%
H12
10.4%
H17
11.3%
H22 6.8%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
34.8%
90%
100%
52.3%
31.0%
56.6%
29.6%
60.0%
26.8%
61.9%
25.9%
第一次産業
80%
67.3%
第二次産業
6
第三次産業
②商業の状況
・商業活動は、大多喜城下市街地及び中野地区、国道 297 号バイパス沿いを中心に展開されてお
り、平成 19 年の商業統計調査によると、卸売業の商店数 25 店、従業者数 219 人、年間販売
額 76 億円、小売業の商店数 179 店、従業者数 857 人、年間販売額 112 億円となっている。
・これまで小売業を主体に町内の購買ニーズに応えてきたが、小規模個人経営がほとんどを占める
商業構造にあって、町内外の大型店への購買力の集中をはじめ、消費者ニーズの多様化、高度化
への対応の遅れ、高齢化や後継者不足といった問題を抱えており、既存商店街は空き店舗や空き
地が目立つようになり、深刻な状況となっている。
(出典:大多喜町過疎地域自立促進計画(平成 22 年~平成 27 年度)
)
③観光の状況
・本町は、豊かな自然環境や貴重な歴史・文化環境に包まれ、多様な観光・交流資源を有している。
大多喜城及び周辺の城下町をはじめ、養老渓谷・養老渓谷温泉郷、体験・観光農園や農家民宿、
道の駅たけゆらの里おおたき(都市交流センター)、ハーブアイランド等々の観光スポットが町全
域に点在している。このほかにも、タケノコをはじめとする豊富な農林畜産物や、竹を生かした
特産品、さらには特色あるまつりやイベント、伝統芸能等にも恵まれ、本町を訪れる観光客は、
年間およそ 96 万人にのぼっている。
・しかし、全国的な景気の低迷や観光地間の競争の激化等を背景に、観光客数はおおむね横ばい状
態にあるほか、数多くの観光・交流資源も、年間を通じて多くの観光客を呼び込める魅力ある観
光・レクリエーショ ン基盤としての活用状況は十分とはいえず、観光・交流資源の一層の活用や
新たな拠点の整備等が求められている。
(出典:大多喜町過疎地域自立促進計画(平成 22 年~平成 27 年度)
)
・本町の観光入込客数の推移は、平成 20 年以降減少傾向にあり、特に平成 23 年以降は東日本大
震災等の影響により大幅に減少したが、平成 25 年では回復し、平成 23 年を上回る入込客数と
なっている。
■観光入込客数の推移(資料:各年千葉県観光入込調査報告書)
1,200,000
1,083,403
1,037,575
1,042,791
1,000,000
964,850
941,913
879,492
800,000
600,000
400,000
200,000
0
H20
H21
H22
7
H23
H24
H25
(4)公共施設等分布状況
・公共公益施設の分布状況は、ほとんどの施設が大多喜駅周辺に集まっている。
・中央部~南部においては、小学校やコミュニティセンターなどが分布するのみとなっている。
■公共公益施設分布状況
8
(5)道路網
・道路網は、勝浦市から市原市方面に通過する国道 297 号といすみ市から君津市方面に通過する
国道 465 号を中心に、県道 8 路線、町道 518 路線によって構成されている。
■道路網図
9
(6)交通流動
・流出流入状況をみると、大多喜町内に居住し、大多喜町内に従業・通学する人は 5,190 人とな
っている。
・流出先で最も多いのが市原市で 450 人/日、次いで茂原市 396 人/日となっている。
・流入先では、いすみ市が圧倒的に多く 933 人/日、次いで勝浦市 440 人/日となっている。
■流出流入人口(単位:人)
(資料:H22 国勢調査)
10
(7)交通機関分担率
①目的別公機関分担率(平成 20 年度)
・利用交通手段を目的別に見ると、
「自宅-通学」以外は「自動車」の利用が多くなっており、
「勤
務・業務」では 83.7%となっている。次いで、
「私事」においても「自動車」の利用が 78.8%
と多くなっている。
・「鉄道」や「路線バス」といった公共交通機関の利用はほとんど見られず、全体の 1 割にも満た
ない利用状況となっており、公私ともに「自動車」への依存度が高いことがわかる。
■交通機関分担率(資料:H20 パーソントリップ調査)
0%
自宅-勤務
10%
20%
30%
40%
50%
9.0%
自宅-通学
60%
70%
80%
90%
79.6%
14.1%
38.0%
自宅-業務 1.4%
3.7%
2.1%5.6%
16.2%
31.6%
78.4%
3.1%4.2%
0.5%
自宅-私事 2.5%
79.8%
帰宅
74.7%
5.6% 0.2%
勤務・業務 4.0%
0.2%
3.8% 6.6%
路線バス
自動車
7.6%
2輪車
11
7.0%
8.9% 0.2%
7.9%0.5%3.8%
78.8%
鉄道
10.7% 2.1%
3.1% 7.1%
83.7%
私事 1.4%
100%
自転車
徒歩
その他
6.7% 5.5%
②目的別交通機関分担率の推移
・目的別に代表交通手段を見ると、平成 10 年、平成 20 年ともに「自動車」の割合が 60%を越
え、平成 20 年では 74.6%と、10%以上の増加となっている。
・利用交通手段別に見ると、割合が増加しているのは「鉄道」、
「2輪車」で、
「2 輪車」は、平成 10
年から平成 20 年で 1.6%、
「鉄道」は 0.1%の増加となっている。
■目的別交通機関別分担率の推移(資料:各年パーソントリップ調査)
0%
10%
20%
30%
H10 5.4%
0.6%
40%
50%
60%
64.2%
70%
80%
2.3% 12.5%
90%
100%
14.9% 0.0%
0.5%
H20 5.5%
74.6%
鉄道
路線バス
自動車
3.9% 5.9% 9.4% 0.3%
2輪車
12
自転車
徒歩
その他
(8)車種別保有自動車台数の推移
・車種別保有台数の推移を見ると、乗用車(軽自動車含む)は近年わずかに減少傾向である。
・車種構成に大きな変化は見られず、
「普通車(乗用)」と「小型車(乗用)
」が全体の約 7 割を占
めている。また、
「普通車(乗用)
」の割合は、わずかに増加傾向にある。
■乗用車保有台数の推移(軽自動車含む)
乗用車保有台数の推移(軽自動車含む)
9,000
8,602
8,556
8,558
8,564
8,507
H22
H23
H24
H25
H26
8,500
8,000
7,500
7,000
6,500
6,000
5,500
5,000
■車種別保有自動車台数の推移(資料:各年千葉県統計年鑑)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
H22
6.7%
0.2%
9.8% 1.5%
28.4%
47.8%
3.4% 2.3%
H23
6.5%
0.2%
9.8% 1.3%
29.5%
47.0%
3.3% 2.2%
H24 6.4%
9.6% 1.3%
29.9%
47.0%
3.4% 2.3%
H25 6.2% 9.5%1.2%
30.3%
47.1%
3.4% 2.3%
H26 6.4% 9.5%1.2%
30.8%
46.2%
3.5% 2.5%
普通車(貨物) 小型車(貨物) 牽引車(貨物) 乗合自動車
普通車(乗用) 小型車(乗用) 特殊用途自動車 小型二輪
13
1-2 既存公共交通の現状
(1)鉄道
・鉄道は、いすみ鉄道が上総中野~大原を、小湊鉄道が上総中野~五井を運行している。
・1 日平均運輸状況では、いすみ鉄道の大多喜駅が最も多く、次いで、上総中野駅となっている。
・平成 24 年から平成 25 年の運輸実績を見ると、城見ヶ丘駅を除いて減少しており、特に大多喜
駅では 70 人近く減少している。
・いすみ鉄道は、上下分離方式により運行され、平成 31 年までの存続が決定している。
■大多喜町内鉄道駅別 1 日平均運輸状況の推移(資料:各年千葉県統計年鑑)
400
374 380
357
342
339
350
289
300
250
200
141 144
130 122
119
128
150
100
50
23 30 37
34
20 26
10 7 6 6 7 5
1010 7 7 6 4
1915
9 7 10 8
小谷松
東総元
久我原
3633
252118
13
29
1914151614
総元
西畑
40
23232825 26
0
城見ヶ丘
大多喜
いすみ鉄道
H20
H21
H22
上総中野
上総中野
小湊鉄道
H23
14
H24
H25
■鉄道網図
15
(2)バス等
①路線バス
・バス交通は、現在、21 系統の民間路線バス(HMC 東京・小湊バス)が運行されている。いずれ
も、往路・復路で運行本数が異なっていたり、一日の運行本数は少なく、土日祝日の運行がされ
ていない路線があるなど、利便性は高いとは言えない状況にある。
・町の補助対象路線の利用状況を見ると、渓谷線以外は減少しており、中でも「平沢線」は平成 25
年から平成 26 年で、300 人以上の減少となっている。
・全体的に運行本数は少なく、朝晩の通勤・通学時間帯は比較的運行が見られるものの、日中の運
行が少なく、土曜・日曜祝日の運行がない等、通院や買物利用等への対応が求められる。
■路線バス運行概要(H26)
事業者
路線名
区間
平日
往路
大01
大02
大03
大04
大05
大06
勝11
勝12
牛05
牛06
小湊鐵道
茂41
中01
中02
中03
中04
養01
養03
養04
養05
養06
HMC東京 大多喜線
大多喜車庫~粟又・ごりやくの湯
大多喜車庫~筒森
塩田病院~大多喜車庫
大多喜車庫~一宮駅
大多喜車庫~塩田病院
大多喜車庫~粟又・ごりやくの湯
大多喜車庫~勝浦駅
大多喜車庫~市の川~勝浦駅
大多喜車庫~牛久駅
大多喜車庫~循環器病センター~牛久駅
大多喜車庫~茂原駅
中野駅~粟又・ごりやくの湯
中野駅~筒森
中野駅~養老渓谷駅
中野駅~平沢循環
養老渓谷駅~粟又・こりやくの湯
養老渓谷駅~筒森
筒森~大多喜車庫
大多喜車庫~養老渓谷駅
大多喜車庫~養老渓谷駅
大多喜駅~茂原駅
復路
1
0
2
4
6
0
2
0
3
5
5
4
0
1
0
0
0
4
0
2
1
2
1
7
5
3
1
0
1(左回り) 2(右回り)
3
2
1
1
1
5
3
0
1
1
0
6
運行本数
土曜
往路
復路
0
1
1
0
3
2
1
0
3
5
4
2
0
1
0
5
0
1
0
0
5
0
0
0
0
0
1
1
1
1
7
4
4
0
0
0
5
0
1
1
0
6
■輸送人員の推移(資料:大多喜町提供資料)
35,000
30,847
30,944
30,243
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
6,363
6,214 6,270
7,735
7,369
7,112
2,282
2,147
5,000
2,040
0
渓谷線
粟又線
H24
16
平沢線
H25
H26
筒森線
日曜・祝日
往路
復路
0
0
1
0
3
0
1
0
2
4
3
1
0
0
0
5
0
0
1
0
5
0
0
0
0
0
1
1
1
2
4
3
0
0
1
0
4
0
0
0
0
6
■バス路線図
17
②スクールバス
・大多喜町立大多喜小学校に通学する総元地区・上瀑地区、大多喜町立西小学校に通学する老川地
区の児童の通学を支援するため、下記に示す3路線を運行委託している。
・いずれの路線も、登校時 2 便、下校時 3 便が運行され、乗車予定の児童数は、総元地区では 44
人、上瀑地区 48 人、老川地区 18 人となっている。
○総元地区
登 校
部田消防庫
下
①午前7時00分
大多喜小学校発
校
③午後3時10分
②午前7時37分
④午後4時00分
⑤午後5時20分
○上瀑地区
登 校
市部バス停
下
①午前6時55分
大多喜小学校発
校
③午後3時10分
②午前7時35分
④午後4時00分
⑤午後5時20分
○老川地区
登 校
集落センター
発
下
①午前7時20分
西小学校発
②午前7時45分
校
③午後2時50分
④午後3時50分
⑤午後5時00分
18
■スクールバス路線図
19
③高速バス
・本町を経由する高速バスは、東京湾アクアライン経由で、安房小湊駅・御宿~浜松町・東京駅の
1路線 6本/日が運行している。
・利用者数は、平成 21 年度から平成 25 年までは横ばいであったが、平成 25 年度に首都圏中央
連絡自動車道の整備により、都心との時間距離が短縮され、利用者数が増加している。
・町内のバス利用者数をみると、大多喜バス停では、上記の理由により、利用者数が増加する一方
で、たけゆらの里は微減となっている。
・平成 27 年 12 月から、新たに大多喜始発となる品川・羽田空港線が運行されている。
■高速バス利用者数の推移
利用者数
90,000
84,675
80,000
70,983
71,148
70,702
H21
H22
H23
73,030
69,638
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
H24
H25
H26
■大多喜・たけゆらの里利用者数の推移
大多喜
たけゆらの里
12,000
11,124
10,823
10,000
9,701
4,967
10,003
9,469
3,489
6,000
5,309
4,734
10,000
10,000
8,000
8,000
8,790
4,839
8,000
4,000
12,000
5,809
5,514
5,174
12,000
4,630
5,301
6,000
6,000
4,000
4,000
2,000
2,000
4,829
0
0
H22
H23
乗車
H24
降車
H25
6,375
3,188
3,317
3,047
3,058
H21
H22
6,786
6,662
3,402
3,331
6,201
6,121
3,150
3,026
3,051
3,095
H25
H26
5,315
2,000
H21
6,235
3,384
3,331
0
H26
総数
H23
乗車
20
H24
降車
総数
■高速バス時刻表(出典:京成バス(株)HP)
21
■高速バス路線図
22
【参考資料:高速バス品川・羽田空港線及び大多喜オリブ内バスターミナル整備概要】
■時刻表・運賃等
■大多喜オリブパーク&ライド駐車場位置
23
24
④高齢者福祉サービス
・高齢者の移動手段の確保として、外出支援サービス及び福祉タクシー事業を行っている。
・外出支援サービスは、タクシーにより町内の病院や金融機関、買い物等の送迎を月 8 回行い、利
用者負担は、タクシー料金の 2 割又は 3 割の額となる。
・外出支援サービスの地区別利用回数では、大多喜地区が最も多く、平成 26 年で 96 回となって
いるが、ピーク時(平成 24 年)からはやや減少している。
・町が負担している利用延べ額については増加傾向にあり、平成 26 年で 15,378,150 円となっ
ている。
■外出支援サービス地区別利用者数及び利用延べ額の推移(資料:大多喜町提供資料)
200
18,000,000
180
15,169,510
15,378,150
16,000,000
14,000,000
12,102,730
12,000,000
120
100
15,059,510
13,771,560
160
140
14,847,920
102
109
109
108
10,000,000
96
87
8,000,000
80
60
40
20
0
54
40
34
52
38
41
59
59
57
53
50
55
45
41
18
20
23
H21
H22
H23
54
6,000,000
36
55
29
4,000,000
27
28
26
H24
H25
H26
2,000,000
0
利用延べ額
老川地区
西畑地区
総元地区
大多喜地区
上瀑地区
・福祉タクシー事業は、65 歳以上の高齢者世帯で車を所有していない方が、買い物などでタクシ
ーを利用する場合、1 回の利用につき 730 円を助成している。福祉タクシー事業は、1 年に 24
回分を助成している。
・福祉タクシー事業の利用回数の推移を見ると、平成 21 年から平成 23 年までは増加傾向にあっ
たが、その後は減少傾向にある。
・町が負担している利用延べ額については、平成 26 年で 121,950 円となっている。
■福祉タクシー事業の利用者数及び利用延べ額の推移(資料:大多喜町提供資料)
15
300,000
14
250,000
251,960
10
10
10
9
200,000
9
8
173,440
173,380
150,000
140,250
126,370
121,950
5
2
2
2
2
2
2
1
H23
H24
H25
H26
100,000
50,000
1
0
1
H21
利用延べ額
1
H22
老川地区
0
西畑地区
25
総元地区
大多喜地区
上瀑地区
■大多喜町の高齢者福祉サービス対象者の目的と対象者要件
ア 大多喜町外出支援サービス事業は、在宅の高齢者及び障害者に対し、外出支援サービスを
提供することにより、当該利用者の利便性の向上及び家族介護者の負担の軽減を図ることを
目的としている。
【対象者】
① 70 歳以上で公共交通機関を利用することが困難な者又は歩行が困難な者
② 介護保険法(平成 9 年法律第 123 号)による要介護認定で要支援以上の認定を受けた 65
歳以上の者
③ 65 歳以上の世帯員のみで構成されている世帯の者で、当該世帯で車を所有していないも
の
④ 60 歳以上の下肢が不自由な者で、当該世帯で車を所有していないもの
⑤ 知的・身体・精神障害者に該当する者で、当該世帯で車を所有していないもの
イ 大多喜町福祉タクシー事業は、高齢者及び重度心身障害者が福祉タクシーを利用する場合
に、その料金の一部を助成することにより、高齢者及び重度心身障害者の社会参加を促進
し、もってその福祉の増進を図ることを目的としている。
【対象者】
① 高齢者(次のそれぞれに該当する者)
ア 世帯で車を所有していないこと。
イ 町内に居住する子又は子の配偶者が車を所有していないこと。
ウ 公共交通機関を利用することが困難な者又は歩行が困難な者
② 重度心身障害者
③ 知的・身体・精神障害者に該当する者で、当該世帯で車を所有していないもの
26
(2)補助金等
・全路線バス事業における損益状況は、営業収入は平成 25 年から減少しているものの、営業費用
は増加しており、年間実車走行キロの増加により、キロ当たりの経常費用は増加傾向にあり、平
成 26 年度で 216.45 円/㎞となっている。
■路線バス事業の損益状況
平成24年度
3,116,779
2,412,396
851,392
11,913,982
営業収入
営業費用
経常損益
年間実車走行キロ
平成25年度
3,395,210
2,626,336
805,358
12,646,270
平成26年度
3,371,201
2,851,845
562,343
13,392,713
・補助事業の対象となる路線バスは、
「一宮大多喜線」、
「渓谷線」、
「粟又線」
、
「平沢線」、
「筒森線」
であり、この5路線については、輸送人員の減少等による減収となっているが、年間経費は増加
していることから、損益が拡大している状況にある。
・今後、輸送人員の更なる減少等により、補助対象要件を満たさない路線は事業対象外となる可能
性もあり、本町の財政状況を勘案しながら、路線存続のための方策を講じる必要がある。
・町内の公共交通サービスについては、町費による充当が行われており、町負担額は平成 26 年で
58,233 千円となっているが、平成 25 年からは、やや減少している。
■利用者数及び町負担額の推移(大多喜町提供資料)
H24
利用者数
いすみ鉄道
H25
町負担額
利用者数
H26
町負担額
利用者数
町負担額
435,604人
38,604千円
395,895人
36,119千円
393,247人
29,454千円
町内4路線
45,609人
6,287千円
47,227人
6,684千円
46,724人
6,937千円
一宮線
31,895人
718千円
29,825人
699千円
25,491人
1,027千円
7,121人
11,228千円
7,192人
11,443千円
7,202人
11,802千円
218人
176千円
195人
140千円
165人
130千円
会所児童
1人
606千円
1人
832千円
1人
813千円
会所生徒
2人
166千円
1人
83千円
0人
0千円
通
小学校遠距離
学
17人
756千円
21人
834千円
20人
790千円
中学校遠距離
19人
2,295千円
29人
3,545千円
24人
3,149千円
0人
0千円
23人
3,958千円
21人
4,131千円
小計
(いすみ鉄道除く)
84,882人
22,232千円
84,514人
28,218千円
79,648人
28,779千円
合計
(いすみ鉄道含む)
520,486人
60,836千円
480,409人
64,337千円
472,895人
58,233千円
バ
ス
タ 外出支援
ク
シ
ー 福祉タクシー
送迎バス
○ 備 考
注:通学にかかる人数は、該当者人数を表記
27
(3)交通不便地域
・山間地域のため、限られたエリアに人口が集積し、町内の主要施設は大多喜駅及び上総中野駅周
辺等鉄道沿線地域に立地している。町内外への移動は、小湊鐵道、いすみ鉄道、高速バス、路線
バス(21 系統)等が運行しているが、路線バスの便が少ない沿線やバスが運行していない山間
部では交通不便地域が存在し、地域間格差も生じている。
・また、国土交通省の「公共交通・鉄道・バスのアクセシビリティの評価」によると、大多喜町は、
空間的アクセシビリティは高いが時間的アクセシビリティが低くなっており、既存の公共交通ネ
ットワークは充実しているものの、運行本数などのサービス水準が低く利用しづらい状況となっ
ていることが伺える。
■交通不便地域の現状
※鉄道駅から1㎞、バス停から 300m 以内を利
用圏域とし、それ以外を交通不便地域とした。
28
【参考資料:地域公共交通の「サービスのアクセシビリティ指標」】
(国土交通省総合政策局)
29
30
(4)観光交通
・観光シーズンの自動車の渋滞を削減するためのパーク&ライドや町内の主要観光施設を結ぶ循環
バスの運行が行われている。
・観光循環バスは、無料で観光客以外も誰でも利用できたが、事前のPR等の期間が短かったこと
や周知も不十分であったこと等の理由から利用者は少なかった。
■養老渓谷パーク&バスライド
実施日:平成 27 年 11 月 21 日(土)
、22 日(日)、23 日(月祝)、28 日(土)、
29 日(日) 計5日間
養老渓谷臨時駐車場:300 円/台、収容台数約 300 台
シャトルバス:15 分~30 分間隔、フリー乗降券 560 円(大人)
31
■町内観光循環バス
実施日:10 月 9 日~13 日まで(5日間)
ルート:観光本陣~城下駐車場~主要施設~たけゆらの里~主要施設~城下駐車場~
観光本陣
運賃:無料
[運行日]10 月
9 日(金)
10 日(土)
11 日(日)
12 日(月)
13 日(火)
観光循環バス乗車人員
25
21
20
15
13
10
8
5
5
3
0
10/9(金)
10/10(土)
10/11(日)
10/12(月)
10/13(火)
20 便運行(5 日間)
乗車人員:50 人
(内観光客 46 人)
32
1-3 上位・関連計画におけるまちづくりの方向と公共交通の位置づけ
大多喜町新総合計画第3次実施計画
計画期間
目標
平成 23 年度から平成 27 年度
城と緑とやさしさに彩られた 生命輝くよろこびのまち・大多喜
― みんなでつくるよろこびのまち 大多喜新世紀計画 ―
1
2
3
基本目標
4
5
6
美しく快適なおおたき
―地球にやさしい快適なまちづくり
やさしく健やかなおおたき
―人にやさしい健康福祉まちづくり
歴史と創造性が光るおおたき
―歴史と創造性が光る生涯学習・文化のまちづくり
豊かで活力に満ちたおおたき
―活力と躍動感みなぎる複合産業のまちづくり
定住と交流を育むおおたき
―新たな出会いと発展を支える基盤づくり
ともに築くおおたき
―新たな時代の参加と連携のまちづくり
第5章 定住と交流を育むおおたき
2.道路交通網の整備
●バス交通の充実
○路線バスの維持・確保、利便性向上及び町内におけるバス交通のあり方
についての検討
各論
●いすみ鉄道の維持と利便性向上
○いすみ鉄道収益増対策等による利用者の増加促進
○いすみ鉄道と小湊鉄道の房総横断鉄道に向けた連携・強化
○いすみ鉄道車両更新、枕木交換等により基盤維持を図る
計画事業
地方バス路線維持助成事業
○不採算路線の損失額の助成
いすみ鉄道対策事業
○基盤維持補助
○鉄道対策事業費補助(車両更新、枕木交換
等)
33
大多喜町過疎地域自立促進計画(現在新たな計画を策定中)
3 交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進
■対策
ア 本町にふさわしい道路体系の確立を目指し、広域的な道路・交通ネットワークへのアクセ
スの向上や観光・交流機能の強化、産業の振興、一層の安全性・利便性の向上等を見据えた
全町的な道路整備計画を策定し、これに基づいた総合的、計画的な道路網の整備を図ります。
エ 関係機関と連携しながら、路線バスの維持・確保、利便性の向上に努めるとともに、通学
や通院、観光的な活用も含めた町内におけるバス交通のあり方について検討し、その充実に
努めます。
オ 山間地域等における路線バスの運行を維持するために、路線バス事業者に対し、運航費の
助成を行います。
ク 首都圏中央連絡自動車道を利用して首都圏との交通アクセスの向上を図るため、 本町と
京浜地域を結ぶ直通高速バス運行を計画し、拠点施設とするためのバスター ミナルの整備
を進めます。
大多喜町地方創生事業(先行型交付金実施計画)
1 公共交通政策事業
■対象事業の概要(目的)
大多喜発着の羽田空港経由品川駅(予定)への新規高速バス運行を図り、都心と大多喜町の
距離を近づけて、通勤、通学を容易にし、定住化や移住を図る。更には、観光客の誘致につ
なげ地域の活力を高める。
羽田空港への乗り入れに際し、事業者の初期投資額支援と、今後の利用者の利便性と利用
者の増加により、人口流出の抑制を図るため支援する。
■事業の概要
平成 28 年度に投資額の助成を行い、高速バスの運行を実現する。バス運行は、当初から
採算性の高い利用者は見 込めないことから、検証期間を 5 年設け、その間の赤字分の助成
を図り運行後 4 年度以降は黒字に転換することを目標にしている。
2 小さな拠点事業
上総中野駅周辺には、集落が点在しており、交通空白地域や路線バスが運行している地域
も、朝晩以外の本数は少なく、地域住民からは公共交通政策の実現を求められ、上総中野駅
を小さな拠点として、コンビニエンスストア、いすみ鉄道グッズの販売、農産物直売施設及
び高齢者から子どもまでが集える場所を整備する。
大塚山を訪れる人や観光客が利用できることにも重点を置くとともに、公共交通の拠点と
することにより地域住民を駅に集約できるように効果的な事業とする。
3 外国人観光客誘致事業
いすみ鉄道と台湾の集集線が姉妹鉄道提携を結んだことを契機に、主として台湾観光客を
対象とした誘致事業を実施するとともに、成田空港からのアクセスが改善されたことによ
り、外国人観光客を大多喜町へ誘致し本町の活性化に繋げる。
34
大多喜町総合戦略
3 広域交通網の充実
本町と都心を結ぶ広域交通網を充実させ、通勤・通学の利便性を高め、町民の定住化や移
住の促進を図るとともに、観光客の誘致を促進する。
4 観光資源の磨き上げ
観光・レクリエーション拠点や祭り・イベントはもとより、景観や観光事業者、町民のホ
スピタリティー(もてなしの心)、観光PR媒体に至るまで、観光客が触れるあらゆる対象
を本町の持つ観光資源ととらえ、これらを一つ一つ磨き上げることにより、観光客数の増大
を図る。
2 地域公共交通の充実・再編
町内の各地域において過疎化が進む中でも、交通空白地帯が発生することのないよう、費
用対効果を考慮しながら、地域公共交通網の充実・再編を図る。
35
1-4 いすみ鉄道沿線地域公共交通総合連携計画実施施策の評価・検証
(1)公共交通の利便向上に関わる事業
事業名
①地域イベントに連携した鉄道の増
便・二次交通の運行
②鉄道の沿線の観光地アクセス改善に
向けた鉄道の増便・二次交通の運行
実施主体
いすみ市
いすみ鉄道
実施状況
・国吉駅において、商店街を中心に毎年
イベントを開催して利用客の誘致を行
っている。
大多喜町
・路線バスが運行している。
いすみ鉄道
・路線バスの運行しない日曜・祝日及び
小湊鉄道バス部門
③サイクル&ライド
大多喜町
④いすみ鉄道車両の代替更新
いすみ鉄道
夏休み紅葉シーズンの土曜に探勝バス
として老川・渓谷方面を運行
・駐輪場整備済み(城見ヶ丘駅)
・平成23年~平成27年にかけて更新。
・新たに、国鉄形気動車キハを導入
(平成24年)
(2)公共交通の利用促進に関わる事業
事業名
実施主体
実施状況
①ホタルウォッチングトレインの運行
いすみ鉄道
・毎年実施
②ミステリークリスマストレインの運
行
いすみ鉄道
・毎年実施(今年度は実施しない)
③ボランティア活動運営支援
大多喜町
・友の会を中心に、年数回沿線の草刈り
及び春の菜の花に向けての種まきを行
っている。
・各駅花壇・プランターへ春と秋に花の
植栽を実施
・大多喜高校や中学生による駅の清掃
・各種マップを作成済み
いすみ市
いすみ鉄道
④鉄道利用促進を目的としたマップ等
の作成
いすみ鉄道
⑤駅からハイキングマップの作成
大多喜町
いすみ市
いすみ鉄道
大多喜町
⑥鉄道沿線の観光施設への誘導看板設
置
いすみ鉄道
・作成済み
・設置済み
(大多喜駅・総元駅・中野駅から周辺観
光地への案内擬木看板)
(3)効果的な広報・宣伝に関わる事業
事業名
①鉄道利用促進を目的としたイベント
情報提供
②広報宣伝活動
③鉄道PR拠点整備
実施主体
大多喜町
いすみ鉄道
大多喜町
いすみ市
いすみ鉄道
いすみ市
36
実施状況
・イベント開催のポスターは作成してい
るが、「いすみ鉄道利用」の表現はな
い。
・メディアを活用したPR実施済み。
・鉄道利用案内所は未設置。
(観光案内所はある)
2.地域住民ニーズの把握
2-1 公共交通に関する町民アンケート調査結果
(1)アンケート実施概要
対象者
大多喜町民 2,000 人
住民基本台帳より無作為抽出(15 才以上)
同一世帯1人抽出で町全体の 51.38%を対象
配付・回収方法
郵送による配付・回収
実施期間
平成 27 年 9 月 18 日~9 月 30 日
回収数
933 票(回収率:46.7%)
(2)アンケート結果概要
①自家用車への依存
・全体の 7 割以上が運転免許を所持し、6 割以上が自分専用の自動車を所有している現状から、日
常の外出行動のほとんどが「自分で車を運転」か「家族等の車での送迎」で賄われており、公共
交通機関であるバスや鉄道などの利用はほとんど見られず、特に買い物行動においての鉄道利用
は全く見られない。
・「外出時に困ることがあるか」の問に対しても、
「困ることはない」と回答した人は 70%を越え
ている。
・また、
「何歳まで運転を続けるか」の問に対しては、半数以上が 75~84 歳、85 歳以上と回答
している一方で、
「将来の移動」については、半数以上が「不安がある」と回答している。
・バス路線や鉄道など、交通体系はある程度形成されているが、日常的な利用に関しては、利便性
の高い「自家用車」を利用していることがわかる。
・今後、高齢化が進展していく中で、
「クルマ」に頼らず移動できる手段の確立が求められる。
■買物時の交通手段
全体
1.3
0.5
1.0
(N=795)
老川地区
(N=93)
西畑地区
(N=147)
74.2
3.21.1
1.1
11.9
71.0
3.4
20%
30%
老川地区
(N=93)
4.31.13.2
3.41.4
0.7
0.7
西畑地区
(N=147)
6.1 0.0
0.7
3.20.8
1.6
総元地区
2.5
0.8
0.8
(N=119)
73.1
10.7
大多喜地区
(N=276)
68.8
1.3 7.9 1.3
上瀑地区
(N=143)
8.9 1.1 5.4
74.8
10%
1.1
2.2 5.4
15.3
72.9
上瀑地区
0.7
2.0
(N=151)
全体
(N=778)
12.9
75.0
大多喜地区
0.4
0.7
(N=280)
1.9 4.0 5.00.1
15.1
77.6
総元地区
1.6
0.8
1.6
(N=124)
0%
■通院時の交通手段
11.9
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
3.30.5
1.8
70.6
3.5
18.4
20%
30%
40%
13.3
50%
60%
鉄道
高速バス
路線バス
鉄道
高速バス
路線バス
自分で車を運転
家族等の車での送迎
タクシー
自分で車を運転
家族等の車での送迎
タクシー
バイク・自転車
徒歩
その他
バイク・自転車
徒歩
その他
(データラベルは%)
■外出時に困る頻度
全体
(N=814)
8.8
老川地区
(N=96)
15.4
17.7
西畑地区
(N=148)
6.1
75.8
13.5
68.8
13.5
80.4
総元地区
(N=126)
7.9
15.9
76.2
大多喜地区
(N=291)
8.2
16.2
75.6
上瀑地区
(N=153)
7.8
16.3
75.8
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
(データラベルは%)
困ることがよくある
困ることがたまにある
37
困ることはない
70%
80%
1.1
1.1
1.1
3.42.0
0.7
0.7
18.5
12.7
72.7
10%
2.62.7 3.30.1
15.1
68.0
3.60.7
1.4
0%
15.0
73.1
2.5
0.8
0.8
3.6 2.5 6.5
0.7 6.3 3.5
90%
100%
(データラベルは%)
②公共交通利用頻度の低さ
■路線バスの利用状況
・「鉄道」
、
「高速バス」
、
「路線バス」と
全体
13.8
86.2
もに、外出時の移動手段として「利用 (N=821)
老川地区
20.4
79.6
していない」と回答している割合が (N=93)
西畑地区
3.3
96.7
高く、
「路線バス」では 90%近くに、 (N=153)
総元地区
7.2
92.8
「鉄道」では 60%以上となってい (N=125)
大多喜地区
17.4
82.6
(N=299)
る。
上瀑地区
18.5
81.5
・
「利用しない理由」としては、
「自家用 (N=151)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
車で移動するため必要ない」が多く
(データラベルは%)
利用している
利用していない(したことがない)
を占めており、公共交通のニーズが
低いことがわかる。
・さらに、
「今後、どのような方向で取り組む必要があるか」の問に対しても「わからない」と回答
している人が 3 割近くに、また、
「維持させるために支援できること」については「支援するこ
とは困難である」が 30%以上となっている。
・このように、公共交通機関の利用頻度が著しく低いだけでなく、
「不便」という悪いイメージを持
っている人が多いことがわかる。
・今後、公共交通機関に対するイメージの改善や周知活動を行い、利用促進につなげるとともに、
厳しい財政状況の中で、いかに公共交通サービスの内容を充実させていくかを検討する必要があ
る。
③公共交通の満足度
■運行本数・運行時間帯の満足度
・公共交通利用の満足度において、
「鉄
全体
7.9
12.6
27.1
26.2
26.2
道」では、ほとんどの項目で「不満」、 (N=214)
老川地区
31.0
17.2
48.3
「やや不満」の回答が目立つ。中でも (N=29) 0.03.4
西畑地区
10.3
23.1
17.9
35.9
「運行本数・運行時間帯」は、60% (N=39) 12.8
総元地区
23.3
23.3
20.0
30.0
以上となっている。比較的満足度が (N=30) 3.3
大多喜地区
14.6
26.8
35.4
13.4
高いのは、
「時刻表・路線図等の運行 (N=82) 9.8
上瀑地区
32.4
26.5
23.5
情報案内」
、
「駅舎の快適さ(バリアフ (N=34) 8.8 8.8
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
リー)
」で、30%程度となっている。
(データラベルは%)
・
「高速バス」では、
「運行ルート」の満
満足
やや満足
どちらでもない
やや不満
不満
足度は高く、50%以上となっている
が、他は「どちらでもない」の回答が多くなっている。
・「町内のバス交通」では、
「利用していない」割合が 90%近くに上っている。その中で、特に不
満足度が高いのは「運行本数」
、
「運行時間帯」で、60%~70%以上に上っており、
「満足」や「や
や満足」はほとんど見られない。他の項目においても満足度は低く、15%程度となっている。
・
「タクシー」も路線バスと同様に、利用率は低くなっているが、比較的満足度は高く、
「利用のし
やすさ(電話での呼び出し等)
」は 70%程度となっている。
・路線バスについては、利用者の利便性の確保を図るために、地域住民の移動ニーズや交通実態を
踏まえ、いかに公共交通を確保するかを、地域の実情に応じた運行を図る必要がある。
38
④公共交通の維持・確保について
・今後の取り組み方法としては、財政負担に加えて利用者や企業の協力により、公共交通を維持・
充実していくことが望まれており、地域が主体となって取り組む意見も少なくない。
・今後の新たな公共交通の利用意向としては、山間部地域(老川地区、西畑地区)で割合が高く、
新たな公共交通が期待されているといえる。
・公共交通の利用促進施策としては、鉄道・路線バスの運行情報、乗り方案内等の掲載した公共交
通マップの作成・配布、商業・観光施設と連携した割引チケット、乗継ぎ運賃割引等の取り組み
施策が望まれている。
■公共交通の維持・充実のための方法
・地域住民にとって、公共交通が「使
全体
いにくい」と感じないように、今後 (N=799)
8.6
15.6
10.6
7.6 2.5
24.8
25.7
4.5
老川地区
のサービス向上を図るとともに、地 (N=89)
12.4
7.9
12.4
4.50.0
21.3
29.2
12.4
西畑地区
域住民が主体的に参画して公共交 (N=150)
12.0
12.0
8.7
9.3
4.0
25.3
24.0
4.7
通を維持するような体制づくりを 総元地区 4.7
21.1
10.9
4.7 3.9
22.7
27.3
4.7
(N=128)
大多喜地区
行うことも重要である。
6.7
19.9
11.3
9.9 1.8
24.1
23.0
3.2
(N=282)
上瀑地区
(N=150)
10.0
0%
11.3
10%
10.0
20%
6.0 2.7
30%
29.3
40%
50%
28.7
60%
70%
80%
2.0
90%
100%
(データラベルは%)
現状と同程度の財政負担で現状と同様の公共交通を維持していくべきだ
現状と同程度の財政負担を維持しつつ、運行の効率化など見直しを図るべきだ
利用状況により、路線の廃止や運行本数の減便を行い、財政負担を減らすべきだ
町民が積極的に公共交通を利用して、財政負担を減らすように協力すべきだ
利用者負担や財政負担が増加しても、現状より公共交通を充実させていくべきだ
路線を運行する地域で、地域が主体となって、地域の生活にあった路線の設定や運行サービス水準を検討・
導入し、それに対して財政負担・支援を行っていくべきだ
わからない
その他
■公共交通の維持・充実のための方法
全体
(N=673)
19.2
老川地区
(N=73)
18.7
23.3
西畑地区
(N=128)
19.2
15.6
18.9
大多喜地区
(N=240)
20.0
9.4
56.7
26.2
20%
10.2
51.9
14.2
10%
6.8
55.5
19.8
19.0
0%
8.6
50.7
18.8
総元地区
(N=106)
上瀑地区
(N=126)
53.5
30%
9.2
48.4
40%
50%
60%
6.3
70%
80%
90%
100%
(データラベルは%)
運賃の値上げなど利用者が負担する
行政(税金)で不足分を負担する
行政(税金)に加えて、住民や企業の協力などで不足分を負担する
その他
■新たな公共交通の利用意向
全体
(N=107)
29.9
老川地区
(N=21)
26.2
38.1
西畑地区
(N=22)
28.6
36.4
総元地区
(N=18)
14.3
上瀑地区
(N=25)
11.1
33.3
10%
4.5
44.4
5.6
40.0
20%
30%
40%
4.8
45.5
38.1
24.0
0%
7.5
28.6
13.6
38.9
大多喜地区
(N=21)
36.4
14.3
28.0
50%
60%
70%
80%
8.0
90%
100%
(データラベルは%)
利用したい
39
利用しない
わからない
その他
2-2 公共交通利用者アンケート調査結果
(1)アンケート実施概要
対象者
鉄道・バス・高速バスの利用者
調査日時
9 月 17 日、18 日、20 日、10 月 13 日
回答数
鉄
道:平日 91 人
バ
ス:平日 90 人
高速バス:平日 20 人
休日 118 人
休日 24 人
休日 26 人
(2)アンケート結果概要
①鉄道利用者
・鉄道利用者の利用目的は、平日は「通勤」
「通学」が多く、利用頻度も高くなっている。駅までは、
「徒歩」で行く人が多い。
■鉄道の利用目的
・満足度では、
「行き先」や「定時制」
、
全体
「駅舎の快適性」についての満足度 (N=208)
4.3
26.0
3.4 3.4
0.0
19.2
0.0
43.8
は比較的高いが、
「運行本数」や「運
平日
9.9
51.6
5.5
7.7 0.0 13.2 0.0 12.1
賃」については不満足度の方が高く、 (N=91)
休日
0.0 6.0 1.7
0.0
23.9
0.0
68.4
特に「運行本数」については 50% (N=117)
近くとなっている。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
(データラベルは%)
通勤
通学
買物
通院
公共施設利用
趣味・娯楽
金融機関利用
その他
②バス利用者
・バス利用者の利用目的は、
「通学」が最も多く、平日では 80%を越えている。このため、利用頻
度も「週に 5 日以上」の割合が高くなっている。
・満足度では、
「運行本数」や「運行時
■バスの利用目的
間帯」の満足度はやや高いものの、
0.9
全体
8.8
73.5
2.7
1.8
1.8 10.6
(N=113)
「行き先」や「運賃」
、
「定時性」
、
「所
1.1 1.1
平日
要時間」等の項目では不満足度の方
9.0
84.3
3.4 1.1
(N=89)
が高く、中でも「行き先」は 60%
休日
8.3
33.3
4.2 8.3
45.8
(N=24)
近くとなっている。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
(データラベルは%)
通勤
通学
買物
通院
公共施設利用
趣味・娯楽
金融機関利用
その他
③高速バス利用者
・高速バス利用者の利用目的は、
「その他」が多く、「帰省」との回答が多く見られた。
・「利用頻度」は、
「月に数日」など、利用頻度は低くなっている。
・満足度では、
「運行本数」や「運行時間帯」での満足度は 50%を超えているが、
その他の項目では不満足度の方が
■高速バスの利用頻度
高く、
「総合的な利用のしやすさ」で
全体
8.7 2.2
13.0
34.8
41.3
は 50%を超え、
「行き先」や「運賃」 (N=46)
平日
20.0
5.0
10.0
35.0
30.0
では、40%以上となっている。
(N=20)
休日
0.0
(N=26)
0%
15.4
10%
34.6
20%
30%
50.0
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
(データラベルは%)
週に5日以上
40
週に3~4日程度
週に1~2日程度
月に数日
その他
2-3 大多喜町の公共交通に関するアンケート調査(高校生用)
(1)アンケート実施概要
対象者
大多喜高校在校生 487 人
調査日時
10 月
調査方法
学校に依頼
回答数
471 人
(2)アンケート結果概要
①自家用車利用
・町外居住者が多く、登下校時の主な
利用交通手段は、
「鉄道」が最も多く
なっているが、次いで「自動車(送
迎)
」となっている。
・また、自転車利用者等の雨天時など
に交通手段を変えると回答した人
は、
「自動車で送ってもらう」が 8 割
を超えている。
・高校生においても、家族のクルマ利
用が多いため、こうした結果につな
がっていると考えられる。
■登下校の主な交通手段
登校する時(N=471)
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
鉄道
45.0
41.8
バス
22.3
自動車(送迎)
38.0
自転車
19.7
徒歩
8.9
その他
1.9
(%)
下校する時 (N=453)
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
鉄道
45.0
50.0
45.9
バス
24.5
自動車(送迎)
34.2
自転車
19.9
徒歩
その他
40.0
9.9
1.5
(%)
②運行本数の増便
・バスの利用時間は、登校時は 7 時台、下校時は 19 時以降が最も多くなっている。
・今後の利用については、約 4 割が路線バスサー
■路線バスのサービスが良くなった際に利用する条件
ビスが良くなれば「利用する」と回答しており、
そのうち「運行本数を増やす」が 7 割近くに上
何が改善されれば利用できるようになりますか。(N=62)
っている。
終発便を遅くする
・今後、自家用車の利用を減らすためにも、朝夕、
その他
4.8%
9.7%
バス停を自宅の近
通勤・通学時間帯の増便が望まれている。
くにする
始発便を早くする
6.5%
12.9%
運行本数を増やす
66.1%
41
2―4 大多喜町の公共交通に関するアンケート調査(大学生用)
(1)アンケート実施概要
対象者
三育学院大学在校生 250 人
調査日時
10 月
調査方法
学校に依頼
回答数
168 人
(2)アンケート結果概要
①スクールバスで町内、高速バスで東京へ行く学生
・キャンパス内の学生寮に居住する生徒が9割以上と多く、大多喜町内に住んでいても7割が徒
歩で通学できる距離に住む三育学院大学の生徒は、買い物目的で、大多喜町内に外出する割合
が最も多くなっている。
・町内では、大学のスクールバスを利用して町の中心部にあるショッピングプラザのオリブへ行
く割合が多い。
・一方、東京に行く割合も高く、たけゆらの里から高速バスの利用が多く見られる。
■大学の外へ出かける場所
その他の町内
オリブ
スーパー
オリブ、ウエルシア
不明
出かける場所
(N=162)
9.3
大学直近
久我原駅周辺
大多喜駅周辺
道の駅たけゆらの里周辺
その他の大多喜町内
大多喜町外
その他
不明
0.6
33
1
1
8
15.4
13.0
26.5
11.1
25.3
町外
千葉市
茂原市
横浜市
市原市
市川市
勝浦市
白井市
富津市
木更津市
不明
4
4
2
1
1
1
1
1
1
2
その他
東京
実家
地元
新宿
成田
群馬、東京
埼玉、東京、沖縄
横浜、東京
名古屋、東京
不明
3.7
0.0
10.0
20.0
30.0
②路線バスのサービス向上による潜在需要
・普段、路線バスを利用している学生は少ないが、サービスが良くなれば利用すると考えている
割合は5割以上と高い。また、キャンパス内の寮に住む学生が多いことから、最寄りのバス停
が遠く、路線バスがないので利用できないと感じている生徒も2割以上いる。
・路線バスの利用条件として、
「運行本数を増やす」が5割以上と最も高いが、次いで、「バス停
を自宅や大学の直近まで来てほしい」と思っている生徒も多い。
■路線バスのサービスが良くなった際に利用する条件
改善してほしいこと
(N=69)
バス停を自宅の近くにする
39.1
運行本数を増やす
52.2
始発便を早くする
0.0
終発便を遅くする
7.2
その他
13.0
0.0
10.0
20.0
42
30.0
40.0
50.0
60.0
28
4
2
1
1
1
1
1
1
1
③品川方面の高速バスや町内巡回バスへ高いニーズ
・高速バスについては、月に1回以上利用する生徒が多く、買い物や遊び等での東京方面への足
となっている。大多喜町から品川間の高速バスについても利用したいと思う生徒が5割以上に
なっている。
・たけゆらの里おおたき~大多喜駅~大多喜ショッピングプラザオリブ等の巡回バスについても
6割近くの学生が利用したいと考えており、そのうち週1回以上利用する学生が6割近くとな
っている。一方、女子生徒が多い大学であることから、バス停までの安全面や距離等に不安や
不満の声もあり、運行するバスについては、キャンパス内まで乗り入れることが望まれてい
る。
■大多喜-品川間高速バスの利用意向
大多喜-品川間高速バス利用
(N=159)
その他
1.9%
わからない
23.9%
利用したい
57.2%
利用しない
17.0%
■たけゆらの里~大多喜駅~オリブ巡回バス利用意向
巡回バス利用
(N=160)
その他
3.1%
わからない
16.9%
利用しない
18.8%
利用したい
61.3%
43
2―5 意見交換会
(1)意見交換会実施概要
地区
老川地区
総元地区
西畑地区
大多喜地区
上瀑地区
日時
11 月 16 日
11 月 18 日
11 月 21 日
11 月 25 日
11 月 27 日
旧老川小学校
味の研究館
農村コミュニテ
ィーセンター
中央戸公民館
上瀑ふれあいセ
ンター
24 人
13 人
30 人
23 人
21 人
場所
参加者
内容
1.開会
2.職員紹介
3.趣旨説明
4.大多喜町における公共交通の現状
5.意見交換
テーマ1:現状の移動について
テーマ2:今後の公共交通等の移動システムについて
6.閉会
(2)意見交換会結果概要
①移動の実態
・自家用車は町民の生活の重要な足として利用されており、バスを利用したことのない町民が多い
が、公共交通の必要性は強く感じている。
・路線バスが入れない山間部の交通空白地域では、親族や近所の方に送ってもらって買物や医院へ
行く高齢者等が存在する。
・送迎を頼める人がいない場合は、タクシー補助券を利用している人もいるが、金銭的にも厳しく、
買物については、巡回販売等を利用している。
・自分で移動する手段が無いことで、仕事にも行けず、地域を離れる人もいることから、定住化を
意識した上でも公共交通が重要であると考える人もいる。
②公共交通に関する要望、提案
・路線バスが運行できない地域では、自分たちの足を確保するために、地域主体で会員制の乗合シ
ステムを走らせる意欲がある(旧老川小学校)。
・バス停まで遠い、或いは待つのが大変な高齢者のためにもデマンドタクシーのようなドアトゥド
アのシステムが必要。
・高齢者の独居世帯が多い交通空白地域を優先的に考えてほしい。
・スクールバスの空き時間の活用、登下校時の一般人の混乗の可能性を検討してほしい。
・路線バスが多く運行する通勤通学時間帯以外の昼間時間帯に、買物や通院のための公共交通を運
行してほしい。
・ゴルフ場や自動車教習所など、既存の送迎車両の空き時間の活用について車両保有者と協議でき
ないか。
・高速バスが停まる鶴舞 IC では、P&R 駐車場が満車になることのあるため、鶴舞 IC までの路線
バスを運行してほしい。
44
・高速バスを町内の路線バス停に停車することにより、町内移動の運行本数の増加や高速バス利
用の利便性向上につなげてほしい。
③周知、利用促進について
・普段バスに乗り慣れていない人のために、バスや鉄道を乗換えて行くことのできるモデルコース
等をつくって、利用の周知を図る。
・乗り場がわかりづらい所があるので、観光客でも迷わないような、わかりやすい案内が必要。
・バスを利用したことがない町民も一度乗れば便利さがわかり、利用への抵抗がなくなるので、体
験的にバスに乗る機会を設ける。
・自動車が運転できなくなった高齢者等を対象に、免許返納者割引等を行い、公共交通の利用促進
を図る。
・路線図や時刻表等が容易に手に入れることができるように、幅広い周知、配布が必要。
・自家用車を利用している人も鉄道の運行を担うことができる「サイモンズポイントカード」のよ
うに地域で公共交通を支える仕組みとして、バス等でも活用できる仕組みを考える。
・役場職員が通勤時に公共交通を利用体験し、公共交通の実態を把握するとともに自家用車から転
換する機会を設ける。
・車両の更新による利便性・快適性の向上(ノンステップバス、高速バスのトイレ施設の完備
等)
。
45
2-6 実態調査に基づくまとめ
①町民の移動実態
・日常生活においては、町内で買い物や通院をしている人が多いが、通勤や娯楽等では、東京都内
や千葉県中心部へ行くことのできるJR線(五井駅、茂原駅、勝浦駅等)や町内からも利用がで
きる高速バスで移動をしている。JR駅や高速バス停留所までは、鉄道(いすみ鉄道、小湊鉄道)
、
自家用車を利用している傾向がある。
・町民の多くは、買い物や通院、JR駅や高速バス停留所等ほとんどの移動において、自家用車を
利用しており、鉄道や路線バスを利用する習慣が少ない。その結果、縮小してしまった運行本数
や時間帯等に不満を持っている。
・一方、高齢化に伴い、今後自家用車に頼る生活に不安を抱えている町民も多く、特に現時点で、
家族や友人に送迎してもらっている人もいる地区において、将来的に買物や通院等の生活交通と
して利用できるような公共交通の充実が求められている。
②公共交通の利用状況
・鉄道や路線バスは、日常で自家用車を利用する町民に比べ、自家用車を自分で運転できない学生
の利用が最も多く、貴重な利用者層となっていることから、通勤・通学に合わせた運行内容とな
っており、日常生活で使うことを考えた際の町民からの不満も多い。また、山間部等では、交通
空白地域となっており、公共交通を利用できない地域も残る。
・高速バスは、日常的な利用は少ないものの、他の公共交通に比べ、町民や大学生の町外、県外へ
の移動手段として活用されている。高速バスによる長距離移動が根付いてきていることから、千
葉方面への運行等、今後更なる拡大が期待されている。また、町内の高速バスの停留所(オリブ、
たけゆらの里等)や、多方面への路線が充実している高速バスターミナル(鶴舞、金田等)まで
の公共交通の充実も求められている。
③公共交通の維持・確保について
・将来想定される新たな乗合バスや乗合タクシーの利用意向については、既存の公共交通が運行し
ていない老川地区や西畑地区では利用意向が4割近くと高く、町内の巡回バスについては、中心
部から距離のある三育学院大学生の利用意向も6割近くと高いことから、新たな公共交通につい
ても期待されている。
・既存の路線バスのフリー乗降や、高速バスの路線バス区域での各バス停での停車、スクールバス
や送迎車両の空き時間の活用等、既存の交通手段の見直しによる充実も求められている。
・観光地を有していることから、町民にも観光客による路線の確保・維持にも期待があり、観光客
も利用しやすくわかりやすい公共交通が求められている。
・自家用車の利用が根付いている町民にとって、困った時は家族や友人が自家用車で送迎をするコ
ミュニティが成り立っていることもあり、自分たちで乗合システムを維持・確保する意識も存在
する。
・通院でタクシーを利用する人もいるが、外出支援サービス利用でも経済的な負担が大きく、他人
に送迎を依頼できなくなった際に選択できるような公共交通が望まれている。
46
3.公共交通を取り巻く課題の整理
[まとめ]
■大多喜町の現況概要
■まちづくりの方向性
○鉄道網やバス網による交通ネットワークは充実しているが、運行本数などのサービス水準は低い
○定住・交流人口の維持・拡大(外国人観
○自家用車の利用を前提としたライフスタイルの定着
光客誘致、お試し居住)
○交通空白地・交通不便地域が存在
○小さな拠点の形成
○様々な移動サービスの存在(鉄道、高速バス、路線バス、スクールバス、外出支援サービス等)
(観光レクリエーション拠点の形成によ
○既存の公共交通機関との役割分担の整理、連携不足
る中野駅周辺の活性化)
○通学におけるスクールバスの利用
○自家用車から公共交通機関への利用転
○高速バス利用者数の増加、品川駅・羽田空港便の新設
換による環境負荷の軽減
○公共交通利用者の減少
○適正な土地利用計画
〇高齢化の進展等に伴う交通弱者の増加
■社会経済動向
①人口減少、少子高齢化の進展
②需要の減少と厳しい交通事業経営
③高速交通体系の充実による都心とのアク
セス向上
④不安定な財政運営
⑤旅客と貨物の混載に係る新たな制度の創
設に向けた対応
○路線バスの昼間時のサービス水準の低下
○公費負担による公共交通の維持・確保
■地域住民ニーズ
〔町民アンケート調査〕
〇生活交通として自家用車に依存せざるを得ない。
○公共交通はほとんど利用しておらず、満足度は低い。
◯通勤通学目的での公共交通利用が多く、路線維持を担
っている。
◯高速バスは、広域移動でのニーズが多く、今後の千葉・
横浜方面拡大への期待も強い。
○将来高齢になった場合、移動に不安を感じているが、
すぐには転換しない。(自動車を運転する)
○公共交通の維持・充実については協働の意識が高い。
◯観光客にもわかりすい公共交通の充実による町の活性
化にも期待している。
■公共交通を取り巻く課題
〔公共交通利用者アンケート調査〕
◯経営が厳しい鉄道については、運行本数への満足度が低く、今後の利用衰退が懸念され
①地域公共交通維持に向けた幹線・支線の
明確化
ている。
◯需要の伸びている高速バスは、行き先への満足度が低いことから、多方面への拡大ニー
ズがある。
◯限られた道路を運行している路線バスについては、行き先の満足度が低い。
〔高校生・大学生アンケート調査〕
◯高校生は、町外居住者が7割を超え、鉄道の他、家族による送迎が多くなっている。雨
の日等は自転車通学者も家族に送迎してもらっていることから、路線バス等の公共交通
の充実が求められている。
◯大学生は、帰省等で高速バスの利用が多く、町内(オリブ等)への移動手段ニーズもあ
る。
②地域住民・来訪者等の二次交通 の利便
性確保
③地方創生まちづくりを支える交通結節
点の強化
④地域に存在する全ての交通機関の有効
活用
⑤将来の自家用車の運転に不安を抱えて
〔意見交換会〕
◯交通空白地域を中心に、自家用車を運転できなくなった際に、家族や友人を頼らず、自分で移動できる交通手段の確保が求められている。
○地域が主体的に交通システムの運行に関わる機運がある。
◯高速バスターミナル(オリブ、金田、鶴舞等)への移動ニーズがある。
◯路線バスのフリー乗降や、高速バスの路線バス区域の停車、スクールバスや送迎車両の空き時間の活用等、財政負担の少ない仕組みへの期待。
47
いる高齢者の足の確保
⑥持続可能な地域公共交通 の維持・育成にむ
けた地域住民の協力と人材の育成
(1)社会経済動向
①人口減少、少子高齢化の進展
・人口減少や少子高齢化社会の進展により、生産年齢人口(通勤・通学需要)の減少による公共交
通サービスの縮小やサービス低下、高齢者数の増加による買物、通院及び公共施設利用など移動
ニーズの多様化などが懸念される。
・このため、公共交通は、従来の移動手段の確保という役割だけでなく、高齢者の外出機会の増加
によるまちの賑わいの創出や健康増進、観光客など来訪者の交流の活性化など多様な目的を達成
し、まちづくりと一体となった公共交通の再編が求められている。
②需要の減少と厳しい交通事業経営
・人口減少、少子高齢化の進展により、公共交通を担う高校生や生産年齢需要は、今後減少し、現
時点においても厳しい交通事業経営にさらに拍車をかけることとなり、近い将来において町内の
公共交通は維持できない状況に陥る可能性がある。
③圏央道の開通による高速交通体系の充実と都心アクセスの向上
・首都圏中央連絡自動車道の開通に伴い、東京都心や千葉方面への広域アクセス利便性が向上し、
クルマや高速バスを利用した通勤・通学流動の活発化および観光客などの交流人口の増大等によ
る定住促進が期待されている。
・平成 27 年 12 月には、大多喜オリブ始発の品川・羽田空港便が運行開始され、パーク&ライド
駐車場の整備等により利用環境の向上が図られている。
④不安定な財政運営
・町の財政面では、税収の落ち込み、各種交付金の減少等歳入の増額は見込めず、医療・福祉関連
経費等の増加や、人件費や公債費等の経常的経費の割合が高く、依然として厳しい財政事情が続
いている。
・町民の生活の足を確保維持するため約 6,000 万円の支出を行っているが、これらを含む町財政
支出を抑制し、経費全般の節減合理化及び予算の厳正な執行、自主財源の確保及び国・県の補助
事業の有効活用により、経費の節減と健全な財政基盤の確保が望まれている。
⑤旅客と貨物の混載に係る新たな制度の創設に向けた対応
・地域の貨物自動車運送事業者の事業運営に支障がない等一定の
条件を満たした場合には、一般乗合事業及び自家用有償旅客運
送者は、有償で少量の貨物を運送できることとなった。
・さらに、過疎地等において、地域の旅客自動車運送事業者の事
業運営に支障がなく、かつ、運送の安全確保等に関して一定の
条件を満たした場合には、貨物自動車運送事業者は、有償で旅
客を運送できる新たな制度の創設の動きがある。
48
(2)公共交通を取り巻く課題
①地域公共交通維持に向けた幹線・支線の明確化
・公共交通の空間的アクセシビリティ指標の高い特性を踏まえ、既存公共交通を有効活用する。
・町内の骨格を形成するいすみ鉄道及び小湊鐵道は、高速バスとともに周辺都市を連絡する重要
な都市の骨格交通軸であるため、引き続き確保・維持に向けた取組みを継続する必要がある。
・路線バスは、町内の通勤・通学・買物・通院など様々な日常生活の足として機能しており、鉄
道とともに確保・維持・改善に向けた取組みが必要である。
・とくに上総中野駅を起終点とした路線では、スクール対応の運行ダイヤとなっているなど昼間
時のサービス水準が低下し、より効率的な運行が求められている。
・このため、需要に対応した効果的な運行形態とすることや、幹線に位置づけられる鉄道や民間
路線バス等の維持・確保を図るためにも、その端末交通としての役割を明確にし、交通空白地
域や小規模分散型の需要に対応した交通サービスを提供する必要がある。
・支線については、二次交通として来訪者が着地した後の移動の円滑化を図るため、、幹線との
連携を確保していく必要がある。
②地域住民・来訪者等の二次交通 の利便性確保
・高速道路網体系の整備により利用者の増加が著しい高速バスは、町の定住促進及び観光振興の
観点から今後着目すべきポイントになると考えられ、バスからバスへの乗継ぎやパーク&ライ
ド需要の増大も配慮し、既存交通機関相互の接続性・乗継ぎ利便性を確保しながら、地域住民
はもとより来訪者の二次交通結節機能を強化する必要がある。
③地方創生まちづくりを支える交通結節点の強化
・外国人観光客誘致やお試し居住による定住・交流人口の拡大、観光レクリエーション拠点の形
成による中野駅周辺拠点形成を踏まえ、複数の交通機関との乗継ぎ可能な拠点(鉄道駅・高速
バス停、道の駅、ショッピングセンター等)を交通結節点として機能強化し、公共交通等によ
り有機的にネットワークさせることでまちの骨格構造を形成することが必要である。
④地域に存在する全ての交通機関の有効活用
・現行の鉄道・バス路線だけで、多様な地域の多くの地域住民ニーズに対応することは困難と考
えられることから、地域の特性や時に応じて既存の交通手段を有効活用しながら効果的かつ柔
軟に対応できる仕組み(高速バス、タクシー、宅配貨物車(貨客混載)、福祉交通、その他送
迎車両等)について検討する必要がある。
・また、福祉政策としての外出支援サービス事業や福祉タクシー事業との役割分担を明確にし、
公共交通と一体となった交通サービスとして連携が必要である。
⑤将来の自家用車の運転に不安を抱えている高齢者の足の確保
・地域の高齢化率(35%)も高いうえ、高齢になっても自家用車を手放せず将来の移動に不安
を持抱えている高齢者が今後益々増えてくる可能性があることから、潜在的移動ニーズに合っ
た多様な公共交通体系の確保が必要である。
・国道 297 号に集積する沿道型商業施設への移動ニーズに対応した公共交通の確保が必要であ
る。
49
⑥持続可能な地域公共交通 の維持・育成にむけた地域住民の協力と人材の育成
・持続可能な公共交通を確保するためには、地域住民の意識の醸成が必要不可欠であり、さらに
住民の協力を先導するキーマンや専門技術を有する役場担当者等の人材が必要不可欠である。
50
4.望ましい公共交通ネットワークのあり方
大多喜町の公共交通網の方向性は、既存の公共交通網を有効に活用し、広域幹線(鉄道・高速バ
ス)、幹線路線(路線バス)
、支線交通システム、及び補完交通システムの4段階に機能分類し、主
要な交通結節拠点を中心に、公共交通機関相互の連携により、利便性向上と効率的な運行を目指し
たネットワークを構築する。
●既存公共交通網の機能分担を明確にし、交通結節点として、大多喜駅、上総中野駅、大多喜
オリブ、道の駅たけゆらの里を位置づけ、広域幹線と地域内路線との連携を強化するととも
に、支線路線に位置づけられる路線バスの再編成や補完交通システムの充実により、運行の
効率性や利便性向上を目指す。
■地域公共交通システムの機能分担
機能分類
鉄道
広
域
幹
線
高速バス
性格・役割
○都市間連絡の骨格となる広域公共交通
軸
○いすみ鉄道
○小湊鐵道
○通勤・通学、通院、買物、観光など多様
な目的に対応
○高速バス
・東京駅発着路線
・品川駅発着路線
幹線路線
○周辺都市への連絡及び町内の骨格路
線
○民間路線バス
(茂原・勝浦方面)
○通勤・通学、通院、買物、観光など多
様な目的に対応
支線路線
○町内の地域内移動サービスと公共交
通不便地域の解消を担う路線
地
域
内
路
線
○民間路線バス
(中野・養老渓谷駅発着路線)
○地域の実情にあわせて主に通勤通学、 ○新しい交通システム
買物、通院、観光等の目的に対応
○観光循環バス、観光シャト
ルバス等
補完交通システム
○鉄道、バス交通等(広域幹線・幹線路 ○タクシー
線・支線路線)を補完し、主に高齢者 ○スクールバス、自動車学校
などの移動を支援する。
送迎バス
○外出支援サービス、福祉タ
クシー事業
○地縁交通、貨客混載
(宅配便車両の活用)
交通結節拠点
○上記交通システムの乗継ぎ拠点で、待 ○鉄道駅
合空間の整備・乗継ぎ情報等機能強化 (大多喜駅、中野駅)
を図るべき拠点
○道の駅たけゆらの里
○公共交通ネットワークのハブ&スポ
ーク化
51
○大多喜オリブ 等
■輸送力と需要密度との関係による各交通システムの位置付け
輸
送
力
鉄道・高速バス
路線バス
幹線路線
観光循環バス
観光シャトルバス等
支線路線
新しい交通システム
タクシー
スクールバス
その他送迎車両
外出支援サービス
福祉タクシー
広域幹線
公共交通システム等
補完交通システム
福祉施策
需要密度
52
■高齢者福祉サービス(外出支援サービス・福祉タクシー事業)の位置づけについて
・高齢者福祉サービスは、求められる機能が一般公共交通サービスとは異なり、限定的な町民を
対象者として運行する特別なサービスである。このため、今回の網形成計画においては、1人
で外出可能な不特定の町民が利用することを前提とした一般公共交通サービスを中心に位置
づけ、その一部を限定的に補完するサービスとして高齢者福祉サービスで対応することとする。
■公共交通と高齢者福祉サービスの役割分担
機能
公共交通
高齢者福祉サービス
対 象 者
不特定の利用者(1 人で外出可能)
特定の利用者(限定的)
ネットワーク性
需要規模に応じて定時定路線からデマンド
ドアトゥドアの2地点間の移動性が求めら
型まで多様な形態があり、基本的に乗合
れる
速 達 性
一定の速達性が求められる
速達性は求められない
定 時 性
定時性が求められる
定時性は求められない
輸 送 力
需要に応じた運行形態が可能である
個別輸送
車
バリアフリー化、ユニバーサルデザインが
リフト付車両、ヘルパーを兼ねた運転手が
求められる
求められる場合がある
両
■大多喜町の高齢者福祉サービスの目的と対象者要件
①大多喜町外出支援サービス事業は、在宅の高齢者及び障害者に対し、外出支援サービスを提
供することにより、当該利用者の利便性の向上及び家族介護者の負担の軽減を図ることを目
的としている。
【対象者】
○ 70 歳以上で公共交通機関を利用することが困難な者又は歩行が困難な者
○ 介護保険法(平成 9 年法律第 123 号)による要介護認定で要支援以上の認定を受けた 65 歳以上の
者
○ 65 歳以上の世帯員のみで構成されている世帯の者で、当該世帯で車を所有していないもの
○ 60 歳以上の下肢が不自由な者で、当該世帯で車を所有していないもの
○ 知的・身体・精神障害者に該当する者で、当該世帯で車を所有していないもの
②大多喜町福祉タクシー事業は、高齢者及び重度心身障害者が福祉タクシーを利用する場合に、
その料金の一部を助成することにより、高齢者及び重度心身障害者の社会参加を促進し、も
ってその福祉の増進を図ることを目的としている。
【対象者】
○ 高齢者(次のそれぞれに該当する者)
ア 世帯で車を所有していないこと。
イ 町内に居住する子又は子の配偶者が車を所有していないこと。
ウ 公共交通機関を利用することが困難な者又は歩行が困難な者
○ 重度心身障害者
○ 知的・身体・精神障害者に該当する者で、当該世帯で車を所有していないもの
53
■公共交通ネットワークの骨格形成イメージ
凡例
広域幹線(鉄道)
広域幹線(高速バス)
幹線路線(路線バス)
支線路線(路線バス)
支線路線(新しいシステム)
支線路線(観光循環バス)
交通結節点
c
c
c
c
v
v
観光拠点
「大多喜町歴史的景観条例」に
規定する「景観形成地区」
大多喜駅
養老渓谷駅
c
大多喜オリブ
c
v
上総中野駅
道の駅
●養老渓谷
観光拠点
●大塚山自然公園
観光拠点
54
5.地域公共交通網形成計画のとりまとめ
5-1 地域公共交通の構築に係る基本方針と目標
(1)基本方針
①公共交通機関の機能分担と相互の連携によるわかりやすく利便性の高い公共交通
ネットワークの再編
②地域の実情に即した多様な公共交通の実現
③まちづくりと連携した地域公共交通サービスの展開
④協働による持続可能な仕組みづくりの確立
(2)計画の区域及び計画期間
①計画の区域
・計画対象区域は、千葉県大多喜町全域とする。
②計画期間
・基本計画の実施計画期間(H32 年度)及びいすみ鉄道の存続期間(H31年度)等との整合性を
考慮し、平成 28 年度から平成 32 年度の概ね5ヶ年間とする。
■大多喜町総合計画基本構想基本計画における計画期間
55
(3)計画の目標
①基本理念
既存公共交通網の機能分担と連携により、地域力を活かした
有機的な地域公共交通ネットワークの構築
②地域公共交通の目標
■評価指標の目標値(イメージ)
基本方針
①
評価指標
公共交通利用者数
指標の定義
〇鉄道利用者数(町内全駅1日平均
現況値
目標値
(H26)
(H32)
415 人
乗車人員)
維持する
〇新規高速バス利用者数
バス路線数
○町内路線バス運行路線数
公共交通に対する財
路線バスの運行に要する町の財政
政負担額
負担額(通学除く)
IC化率
路線バスにおけるICカード対応
人
144 人
21 路線
21 路線
現況の負担
49,000 千円
額の範囲内
0台
台
31.3%
40.0%
%
%
件
件
車両の割合
公共交通の満足度
現状値を
町民アンケート調査による交通の
便に対する満足している人の回答
割合
低床バスの導入率
町内を運行する路線バスの低床バ
ス(ノンステップ、ワンステップ)
の普及割合
③
②、④
まちづくりとの連携
大規模商業店舗や観光施設との公共
強化の支援度
交通利用特典サービス件数
地域の実情に合った
地域住民主体による協働の取組み
地域交通の取組み
数
56
-
1 地区
5-2 目標を達成するために行う事業及び実施主体
基本方針
①
②
③
④
実施事業(イメージ)
【事業 1】いすみ鉄道、小湊鐵道の活性化及び維持
○維持・確保、運行サービスの向上
●
○いすみ鉄道と小湊鐵道の接続時間の改善
●
○交通系ICカード利用の導入要望
○沿線地域における利用促進活動
○観光振興施策との連携
【事業 2】路線バスの活性化及び再編
○高速バス停や国道 297 号沿道商業施設等へのアクセスを考慮した路線
バスの再編成(ルート経由地の変更)
●
○中野駅や養老渓谷駅を中心とした路線バスの見直し・再編成
(朝夕ダイヤ見直しによる定時定路線運行の維持、鉄道が運行していない
時間帯の大多喜中心部、高速バス停、国道 297 号沿道商業施設へ運行)
○交通系ICカード利用の導入要望
【事業 3】公共交通の総合的情報等の提供(総合公共交通マップ等)
●
●
○路線系統やバス停位置、乗り方、運賃の支払い方法など誰もが知りたい
情報をわかりやすく網羅した情報の提供
【事業 4】山間部交通空白地域における新たな交通システムの導入
●
●
○デマンド型乗合タクシー(道路運送法第 4 条一般乗合)
○グループタクシー(道路運送法第 4 条一般乗用、外出支援サービス事業
の条件見直し(複数人数の申込推奨等)、連携)
【事業 5】交通結節点の整備
○鉄道駅:上総中野駅における待合空間の改善
●
●
○高速バス:大多喜オリブのバスターミナルの再整備、待合空間整備、
東京便・品川便のバス停の統合、城見ヶ丘駅の乗継ぎ情報提供
道の駅たけゆらの里のパーク&ライド駐車場の整備、待合空間の改善
【事業 6】養老渓谷や大塚山自然公園を中心とした観光レクリエーション拠
●
●
点への観光シャトルバス+パーク&ライド
【事業 7】町内観光循環バスの運行の見直し、PR の充実
●
●
○観光機能を有した街なか循環バスの運行
●
【事業 8】高齢者おでかけ支援のための移動プログラムの提供
○公共交通を利用した外出行動のモデルルートの作成
57
基本方針
①
②
③
実施事業(イメージ)
④
【事業 9】地域が運行主体となるよる持続可能なシステムの導入検討
○地域による交通事業者への運行委託
●
●
●
○地域による交通空白地有償運送の実施(道路運送法第 78 条)
○地域によるボランティア輸送
○公共交通専門の担当課の創設と地域のキーマンの育成 等
【事業 10】利用促進策の実施
○お試し乗車券の配布
●
●
○利用促進やマイバス意識の醸成を促すため、園児・小中学生・高齢者
を対象とした公共交通の乗り方教室の実施
○交通系 IC カードの導入、公共交通共通パス券の導入
58
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