...

挽地 愛 渡邊 淳平 小西 哲史 塚本 亮

by user

on
Category: Documents
40

views

Report

Comments

Transcript

挽地 愛 渡邊 淳平 小西 哲史 塚本 亮
08
中堅職員編
広がるフィールド
プロフェッショナルとして
他省庁
企業・金融機関等の間の資金の流れ
を円滑化し、経済成長を支える企業
に対して充分な資金を供給するため
私が強く感じている国税庁総合職
のマーケットを支える重要なインフ
の魅力。それは、税や会計等の専門
ラです。
性の高い分野のプロになることが求
私はこのうち、会計監査に関する
H21.4 課税部 課税総括課
H22.7 長官官房 企画課
H23.7 大宮税務署 法人課税部門 国税調査官
H24.7 関東信越国税局 課税第二部 国税実査官
H25.7 米・ワシントン大学留学
H26.7 長官官房 人事課 係長
H27.8 現職
あります。一方で、個々の納税者に
応対する国税局・税務署の運営を考
えなければなりません。そのため、
私は、国税庁から財務省主計局に
国税庁総合職には、ミクロ・マクロ
出向しています。主計局は予算の編
両面の視点が求められます。個々の
成をする部署ですが、私はそのなか
納税者を見据えながら、一方で、国
でも、各省庁をまたがる分野の予算
家財政の全体の枠組みで、国税庁の
に関する調整を担当しています。主
仕事を考えることが重要です。
計局での業務は、国税庁では体験で
振り返れば、これまで国税庁では
きない、「マクロの視点」で物事を
どちらかというとミクロ寄りの視点
考える仕事になります。
で仕事をしていましたが、出向を契
められる一方で、行政官として日本
制度の企画・立案を担当しています。
経済を支える重要な制度の企画・立
残念ながら、近年、大企業による不
案に携わることができるというフィ
正会計事案の発生等を契機として、
ールドの広さ、やりがいの大きさで
会計監査に対する信頼が改めて問わ
す。
れている状況です。経済が国際化し、
金融庁企業開示課では、ディスク
日本のマーケットに対する海外投資
ロージャー制度、公認会計士監査制
これまで、私は、国税庁本庁に加
機に、よりマクロの視点で仕事がで
家からの信頼も揺らぐことになりか
え、国税局・税務署での勤務も経験
きるようになっているのかと思いま
度、会計・監査基準、更には国際会
ねません。想像以上に重い責任と緊
してきました。そこでは、納税者の
す。
計基準(IFRS)や、政府の成長戦略
張感を感じながら、政府としてどの
方々一人一人に応対し、個々の納税
ミクロ・マクロ両面の視点どちら
の重要施策であるコーポレートガバ
ような対応が必要か、企業、取引所、
者の方々の事情を聴くなど、言わば
も身に着けることができるフィール
ナンス・コード、スチュワードシッ
業界団体、学者、アナリスト等と議
「ミクロの視点」が求められました。
ドが用意されているのが国税庁総合
国税庁は、霞が関の組織です。国
職の魅力であると思います。
プ・コードなどを所掌しています。
論を重ねながら、日夜、検討を進め
学生の皆さんには馴染みがない制度
ているところです。
かもしれませんが、これらは国民・
金融庁 総務企画局 企業開示課 課長補佐
H20.4 長官官房 総務課
H21.7 徴収部 徴収課
H22.7 福岡税務署 個人課税部門 国税調査官
H23.7 福岡国税局 課税第二部 国税実査官
H24.7 課税部 個人課税課 係長
H25.7 課税部 課税総括課 審理室 係長
H26.7 財務省 大臣官房 政策金融課 主任
H27.7 現職
小西 哲史
17
ミクロ・マクロ
両面の視点から
家全体の中で仕事をしていく必要が
National Tax Agency 2016
地方公共団体への出向
~地方創生の現場から~
岡山県和気町。全国的に、和気清麻
呂の生誕地として知られるこの町で、
私は働いています。このパンフレット
を手にしている方は、税務署での勤務
を想像されていると思います。しか
し、私が現在働いているのは税務署で
はありません。『地方創生人材支援制
度』(地方創生に積極的に取り組む市
町村に対し、意欲と能力のある国家公
務員などを、市町村長の補佐役として
派遣する制度)により、和気町役場で、
和気町の地方創生実現に向けて、働い
ているのです。
平成26年12月、国では、
「まち・ひ
と・しごと創生長期ビジョン」、「ま
ち・ひと・しごと創生総合戦略」が策
定され、今後の「地方創生」の方向性
が示されました。和気町でも、深刻化
挽地 愛
する人口減少・少子高齢化問題の克服
を目的として、
「和気町人口ビジョン」
(和気町における人口分析を行い、今
後目指すべき将来の方向と将来の人口
展望を示したもの。)と「和気町ま
ち・ひと・しごと創生総合戦略(和気
町の地方創生実現のため施策を取りま
とめたもの。)を策定しています。
私の主な仕事内容は、この「人口ビ
ジョン」と「総合戦略」の策定であ
り、策定後は、①施策の企画立案
(「総合戦略」に掲載した施策の具
体化)、②町内関係部課との調整(政
策間連携の推進)、③商工会や民間企
業・地元大学・地元の金融機関等との
調整(官民連携(官学連携)の推進)、
④国・県・他市町村との調整(地域間
連携の推進)などにより、
「総合戦略」
の遂行に向けて、奮闘しています。和
気町の地方創生実現に向けて、和気町
役場での挑戦は続きます。
和気町役場 総合政策監
財務省 主計局 主計企画官付 係長
H21.4 長官官房 総務課
H22.7 内閣府 大臣官房 企画調整課
H23.7 八尾税務署 個人課税部門 国税調査官
H24.7 東京国税局 課税第一部 国税実査官
H25.7 課税部 課税総括課 係長
H26.5 現職
出向を
振り返ってみれば
総合職採用者には出向の機会が多
くあります。そんな出向の一つを少
しご紹介します。私の所属する経済
産業省企業行動課は、財務省に提出
する税制改正要望の省内とりまとめ
を担っており、省の政策、事業者の
要望などを集約し、税制改正におい
て実現していくのが役割です。
経済産業省は、いわゆる「政策官
庁」であり、仕事は全て政策ありき
です。トップダウンで伝達される事
項を基に、いかに迅速・的確に対応
方針を作るかが重要になります。そ
のため、業務はプロジェクトごとに
進行し、個々人が主担というスタイ
ルです。所掌も流動的で、若手でも
局長や事務次官にどんどん議論して
渡邊 淳平
H22.4 課税部 課税総括課
H23.7 調査査察部 調査課
H24.7 武蔵野税務署 個人課税部門 国税調査官
H25.7 大阪国税局 課税第一部 国税実査官
H26.7 課税部 資産課税課 係長
H27.7 現職
塚本 亮
いけと奨励する文化です。
また、税制改正については要望側
の官庁なので、使う側から税制を見
ています。事業の経営者も心中を打
ち明けてきますので、政策税制に対
する論理が実感を伴って伝わってき
ます。「経営目標のEPSは税額控除
でぐっと上がります」、「即時償却
って税金かかる利益を設備に換える
ようなもんですわ」などなど。企業
活動のための環境整備に必要なもの
は何か、これもあるべき企業税制の
姿なのでしょう。
数ある官庁の中でも、税は専門的
な分野なので、国税庁出身の私は出
向先ではかなり重宝されていると思
っています。税はすべての経済活動
を包む“膜”みたいなものです。ど
んな分野にも通じる特定の軸(専門
性)を持ちたいなら“国税庁”はオ
ススメです。
経済産業省 経済産業政策局 企業行動課 係長
National Tax Agency 2016
18
Fly UP