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平成27年度 現場実習 <社会福祉士:「ソーシャルワーク実習」状況>

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平成27年度 現場実習 <社会福祉士:「ソーシャルワーク実習」状況>
平成27年度 現場実習
福祉総合学部では社会福祉士,精神保健福祉士,介護福祉士の国家試験受験資格,保育士の国家資
格取得のための実習を行っている。
平成27年度の実習実施状況は,以下のとおりである。
<社会福祉士:「ソーシャルワーク実習」状況>
1.実習生数
2年生
3年生
4年生
31名
9名
9名
合計 49名
2.実習施設数 31施設/延べ 36施設
3.実習施設別実習生数
病院・行政機関
2年生
3年生
4年生
指定医療機関
2
−
−
社会福祉協議会
−
−
1
2名
−
1名
合 計
障害者福祉施設
2年生
3年生
4年生
障害者支援施設
13
3
2
身体障害者福祉センターB 型
1
1
−
障害福祉サービス事業(移行支援事業)
−
1
−
相談支援事業所
1
2
−
就労移行支援事業・就労継続支援事業 B 型
1
−
−
就労継続支援 B 型
1
1
1
多機能型事業所
2
−
2
共同生活介護・共同生活援助事業
2
−
−
21名
8名
5名
合 計
─ 30 ─
老人福祉施設
2年生
3年生
特別養護老人ホーム
7
−
3
通所介護
−
1
−
デイサービスセンター
1
−
−
8名
1名
3名
合 計
4年生
<精神保健福祉士:「精神保健福祉援助実習」状況>
1.実習生数
3年生
4年生
5名
5名
合計 10名(延べ18名)
2.実習施設数
精神保健福祉援助実習Ⅰ(地域)
6施設
精神保健福祉援助実習Ⅱ(病院)
7病院/延べ 8病院
3.実習施設別実習生数
Ⅰ
Ⅱ
精神科医療機関
−
8
保健所
2
−
指定障害福祉サービス事業所
1
−
就労継続支援 B 型
5
−
生活介護事業
2
−
10名
8名
合 計
─ 31 ─
<保育士:「保育実習」状況>
1.実習生数
2年生
3年生
4年生
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
42名
3名
35名
23名
9名
−
3名
−
2名
合計 82名(延べ117名)
2.実習施設数
保育実習Ⅰ(必修:保育所)
44施設
保育実習Ⅱ(必修:施 設)
28施設
保育実習Ⅲ(選択必修:保育所)
20施設
保育実習Ⅳ(選択必修:施 設)
10施設 計 96施設 / 延べ102施設
3.実習施設別実習生数
保育所
保育実習Ⅰ
保育実習Ⅲ
保育所(公立)
25
15
保育所(私立)
18
8
認定こども園
2
−
45名
23名
保育実習Ⅱ
保育実習Ⅳ
児童養護施設
14
3
児童自立支援施設
1
−
乳児院
2
2
福祉型児童発達
5
−
医療型児童発達
1
4
指定医療機関
2
−
障害者支援施設
7
−
福祉型障害児入所施設
4
1
医療型障害児入所施設
2
1
38名
11名
計(68名)
福祉施設
合計(49名)
─ 32 ─
<介護福祉士:「介護実習」状況>
1.実習生数
1年生
(介護実習Ⅰ)
2年生
3年生
(介護実習Ⅱ) (介護実習Ⅲ)
21名
25名
17名
合計 63名
2.施設数 27施設
介護実習Ⅰ 16施設
介護実習Ⅱ 15施設
介護実習Ⅲ 11施設(うち居宅介護 3施設) 3.実習先施設内訳
障害者福祉施設
障害者支援施設
合 計
1年生
2年生
3年生
−
2
4
−
2名
4名
老人福祉施設
1年生
2年生
3年生
特別養護老人ホーム
15
18
7
老人保健施設
3
5
5
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
1
−
1
認知症対応型共同生活介護
2
−
−
21名
23名
13名
合 計
居宅介護
訪問介護事業所
合 計
1年生
2年生
3年生
−
−
16
−
−
16名
─ 33 ─
社会福祉士実習レポート
【ソーシャルワーク実習】
2年 北川 大介
実習種別 :障害者支援施設
実習施設名:永幸苑
実習期間 :Ⅰ期 平成27年10月4日∼10月20日,Ⅱ期 11月4日∼11月20日
1.実習内容
Ⅰ期では,主に身体障害の方を対象とした永幸苑や,知的障害の方を対象としたピクシーフォレス
トにて実習を行い,入所や通所における支援を通して施設での生活の理解,各専門職員による講義か
ら多職種との連携について理解し,施設という社会資源がどのような機関であるかを学んだ。
Ⅱ期では,相談支援事業所「ほほえみ」にて実習を行い,利用者の方との面談に同席させて頂き,
実際に利用者の方の話を伺い,相談支援の場面を体験した。また,利用者の方の就労支援や自立支援
協議会,認定調査に同行させて頂き,相談支援専門員の役割や面接技術について学んだ。他にもピア
カウンセラーによる講義を受けた。後半には,事例を用いてサービス等利用計画を作成し,作成した
計画を職員の方に説明しアドバイスを受けた。
2.実習のテーマと取り組み
Ⅰ期のテーマは,
「利用者との関わりを通して利用者理解,信頼関係について学ぶ。」と「実習施設
の支援目標に合わせた支援方法について理解する。」を掲げた。取り組みとしては,日中行っている
余暇活動を通して利用者とコミュニケーションを図り,関係を築けるよう心がけた。また,支援員の
支援の様子から,
「人とのふれあい」や,
「本人の意思を尊重しながら自立に向け努力する」等,支援
目標を意識した関わりを考えつつ各フロアの支援を見学した。特に,言語でのコミュニケーションが
苦手な方からの訴えがある場面ではより注視した。
Ⅱ期のテーマは,
「利用者のストレングスに着目した支援を考える。」と「多職種,地域,家族,医
療機関等との連携について学ぶ。
」を掲げた。取り組みとしては,ほほえみに来所される方との面談
を通して,相談者の強みとなる部分を見つけられるように聴くよう心がけた。また,サービス等利用
計画作成時も,本人の強みを尊重しつつ要望にも応えられるよう作成した。連携においては,Ⅰ期で
は看護師や栄養士,マッサージ師,Ⅱ期では,ピアカウンセラーによる講義を受け,その内容から福
祉専門職のみでは,利用者が安心できる環境を提供することが難しいため,多職種による連携が欠か
─ 34 ─
せないことを理解した。また,自立支援協議会に同席させていただいたことから,行政機関との連携
の実際についても学ぶことができた。
3.考察
今回の実習では,施設での支援と相談支援事業所での支援をさせていただいたが,Ⅰ期では,施設
入所支援における目的の多様性について学んだ。利用者の ADL の低下予防と維持をしていくことは
重要であるが,それ以前に,日常生活の中における楽しみをみつけ,その人らしく生活できるような
環境を目指していく必要があると感じた。日常に変化を加えたくても,施設でのスケジュールはほぼ
決まったサイクルで行われているため,利用者に慣れが生じて,日中活動ですら意欲的に取り組めな
くなる可能性もある。また,それが原因で支援拒否をされ,ADL の低下に繋がってしまい,生きる
意欲すら欠いてしまうことにもなりかねない。そのため,マンネリ化しつつある日常に刺激を加えて
いくことは大切だと思うが,利用者側が能動的にイベントに参加していくための取り組みはなかなか
難しいと感じた。そのため,ボランティアや実習生など,外部から働きかけていき,多くの人とふれ
あうことで,利用者が生き生きと生活していけるように支援していくことも大切であると考えた。
Ⅱ期では,ストレングス視点の重要性と信頼関係の難しさを学んだ。事業所に来所される方との面談
に同席の際に,職員の対応を観察すると,どんなにマイナスの内容を話されても,そこから考えられる
強みや出来ていることを発見し伝えており,受容,傾聴,共感を意識した面談を行っていた。その時に,
相槌や頷き,聴く際の表情,問いかけへの対応等,面接技術の必要性を感じた。職員からは,技術も
必要だが何より個性を活かした面談を行うことが大切であると伺った。支援者が皆同じ対応であったら,
相談者も困っている事等の本音を出せなくなり,真のニーズを取り入れた計画を作成できなくなると考
えた。また,私も実際に面談をさせていただいた場面も何度かあったが,相談者が来所された際に,
「あ
なたしか対応できないのか」と言われてしまった。確かに会って2週間程度の関わりで信頼関係を築き
上げるのは難しいとは思ったが,お話を伺うことすら出来なかったことはショックであった。原因とし
ては,今までの私の対応が相談者にとって気に障る部分があったのだと考えられた。支援者として,面
接技術等のスキルを磨くだけでなく,自分らしさを織り交ぜていくことが必要であると考えた。
4.実習の成果と今後の学習課題
今回の実習を通して,社会福祉士として必要な福祉サービスや制度,障害や疾病に関する知識,面
接時の面接技法等の技術を学ぶことができた。また,社会資源として提供する施設や事業所について
の理解を深めておくことで,利用者や家族に計画書の内容を説明しやすくなるため,説明と同意がよ
り明確に行えると思った。また,利用する福祉サービスがなぜ必要なのか根拠を用いて説明すること
の重要性を学べた。
今後の課題としては,成果に挙げた知識や技術を身につけていくことに加え,利用者や多職種の職
員と関係を築けるように,普段から多くの人と関わりをもち,人間としての幅を広げ,成長できるよ
うにしていきたい。
─ 35 ─
精神保健福祉士実習レポート
【精神保健福祉援助実習Ⅰ】
3年 宮内 杏
実習種別 :指定障害福祉サービス事業所
実習施設名:こころの風 元気村
実習期間 :平成27年6月15日∼7月8日
1.実習先概要
職員数
サービス管理責任者1.0人・生活支援員7.0人・訪問支援員1.0人・地域移行支援員1.5人
目標・方針
元気村は次の5つの理念を掲げて,理想とする福祉の実現を目指します。
・利用者が笑顔になれるような魅力的な場所にします。
・利用者本人,家族,関係者,支援者が満足のいく支援を目指します。
・お互いを大切にしたチームワークをつくります。
・よりよい地域づくりに取り組みます。
・
「学び」
「チャレンジ」
「向上心」を忘れません。
事業内容
宿泊型自立訓練サービス
・ADL の向上を目指し泊りによる訓練を提供。
・利用者が居室その他の施設を利用しながら自立した日常生活または社会生活が営むことができる
よう,次のようなサービスを行う。生活訓練・入浴,整容,着替えなどの支援・相談および援助・
健康管理。
自立訓練(生活訓練)
・地域生活移行のために ADL の向上を目指し泊りによる訓練を提供。
・通所の形式で次のようなサービスを行う。なお,障害のある方の自宅を訪問する形式で行うこと
もある。入浴,排せつ,食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練・生活等にす
る相談および助言・その他必要な支援。
─ 36 ─
2.実習プログラム
前期 ・プログラムへの参加(調理プログラム,清掃プログラム,地域移行支援プログラム)
・日々の会話などのかかわりの中で利用者とのコミュニケーションをとる
・プロセスレコード(利用者との会話から自己理解を深める)
中期 ・ちばりよ~(就労移行・支援施設)への実習
・受診,訪問同伴
・プロセスレコード(利用者との会話から自己理解を深める)
後期 ・利用者のアセスメント及び個別支援計画の作成
3.実習の成果および考察
テーマとして①社会復帰のあり方について学ぶ②利用者理解を深めると設定した。そして実習を通
して特に,1.宿泊型自立訓練施設・自立訓練(生活訓練)の役割,2.利用者理解この2項目につ
いて学びを深めることができた。
社会復帰のあり方については,入所型の施設ということもあり日々の生活から,利用者一人一人に
合わせた社会復帰の支援を考えることが求められており,社会復帰のあり方は基本的な支援は同じで
あっても,ニーズや利用者の置かれている状況により変化するのだと学んだ。
次に利用者理解を深めるでは,プログラムの参加や日々のコミュニケーションの中から,言語的・
非言語的コミュニケーションを通して,障害や病気・薬の作用からなるものであるのか,利用者が持っ
ている本来の性格からであるのかを見極めることにより,その利用者への理解が深まるのだと学んだ。
利用者と関わりを多く持つことができたため授業では学ぶことのできない利用者理解や関わり方,社
会復帰支援のあり方についても学ぶことができた。訓練を行うための施設となるため,時には利用者
に対し指導を行う場面も目にした。利用者主体,自己決定の尊重はもちろん重要となってくるが,利
用者が施設内での規則や約束事などを破るようなことがあるならば指導を行うことも必要である。支
援者自身の感情ではなくどのような規則や約束を破ったのか,なぜ守ることができなかったのかを順
を追って聞き出し,守るためにはどのようにすればよいのかという改善策を出すことも必要な場合も
あるのだと学んだ。また,自身の価値観だけで話をしてしまうと相違点が多く出てしまうため,利用
者と話す際には利用者にとって分かりやすい言葉づかい,表現でなければ真意を伝えることはできな
いのだと学んだ。
4.今後の課題について
宿泊型自立訓練施設のため,利用者の服用している薬について知識を問われる点が多くあったが,
知識不足のため受け答えることができないということがあった。主流となっている薬には,どのよう
な効果と副作用があるのかを知識づける必要性があると感じた。利用者の中には,なぜこの薬を飲ま
なければならないのかと質問をしてくる方もいるため,答えられるようにしておかなければ,専門職
員として信頼を得ることも難しくなってしまうのではないかと考えさせられた。
─ 37 ─
利用者の日中活動の場として地域にどのような施設があるのかを知ることで,実習後半に作成した
個別支援計画を,更に充実したものとすることができるのではないかと思った。そのため,地域で活
用できる施設やサービスについて知識づけていく必要があると感じた。
毎週プロセスレコードを通して自己分析を行ってきたが,自身の考え方や利用者理解について偏り
があると知ったため,実際に支援を行う際には自分本位な支援に繋がってしまうのではないかと危機
感を感じた。利用者本位の支援を行うことができるよう,自己理解を深めていかなければならないと
思う。
─ 38 ─
保育士実習レポート
【保育実習Ⅰ】
2年 宇田川 夏純
実習種別 :保育所
実習施設名:浦安市立東野保育園こばと保育園
実習期間 :平成27年10月26日∼11月9日
1.実習施設の概要
<所在地> 千葉県浦安市東野1-7-2
<開 設> 平成元年4月
<職 員> 園長1名,副園長1名,主任1名,保育士14名,事務所主任1名,事務員1名,管
理栄養士1名,給食員5名,看護師1名,時間外サポーター(朝)17名,
(夕)15
名
<入所定員> 171名:0歳児21名,1歳児15名(たんぽぽ),15名(すみれ),2歳児12名(うめ),
18名(もも)
,3歳児30名,4歳児30名,5歳児30名
<保育理念> ・子どもたちの健やかな成長を目指す
・安心して,生き生きと子育てができる支援を目指す
・子どもと家庭を見守り,ささえあえる保育園を目指す
<保育方針> ・子どもたちがのびのび,生き生きと自らの力を十分に発揮し,子どもが主体となる保育を行う
・養護と教育の一体的な展開をはかり,保育の専門性を生かしながら,保育の内容を充実させ質を
高める
・保育園が子育ての拠点として機能を発揮し,家庭,保育園,地域が互いにささえ合う
2.実習で取り組んだ実習内容
今回の実習では,初めの一週間で0歳児~5歳児クラスに一日ずつ入り,クラスが上がるごとに子
どもの成長を感じながら園での一日の流れを覚えた。クラスの流れの中で年齢に応じて食事の援助や
オムツ交換,着替えの援助などでの声掛けや室内清掃や食事の準備など環境整備を行った。子どもが
午睡している時間には教材作りを行った。2歳児クラスより上のクラスでは近くの公園まで散歩へ行
─ 39 ─
き,公園で遊んだり落ち葉を拾ったりした。そして1歳児クラスで手遊び歌と絵本読み聞かせの部分
実習を行った。
3.実習の目標と達成状況
<目標> 本実習に臨むにあたり以下の目標をたてた。
・個人差や発達の違いに応じた保育をどのように行っているか学ぶ
・子どもたちの体調の変化にいち早く気付くために先生方が注意している点について学ぶ
・叱り方,及び叱る際に意識している点について学ぶ
・実習中の体調管理をきちんと行う
<達成状況>
日々の実習の中で積極的に質問を行い,学びを深めた。毎日新しい発見や学びを得ることができた。
実習中は日々の日誌に追われ寝不足が続いたが,体調を崩すことなく無遅刻無欠席で実習を終える
ことができた。
4.実習で学んだこと・反省点・今後の課題
目標で挙げた3点について以下のことを学んだ。まず個人差や発達の違いに応じた保育については,
子ども一人一人に合わせた接し方が必要なため,個人をよく理解することが大事だということを学ん
だ。そのためどこにつまずきやすいか考えながら個人に合った対応をしていることを学んだ。
次に子どもの体調にいち早く気付くための注意点についてである。先生方は子どもに対し常に体調
のことに気を配っていた。例えば子どもを抱いた時に熱がないか肌で感じたり,子どもの目がうるん
でいないかを確認するなど沢山の細かな注意点を聞くことができた。
最後に叱り方,叱る時に意識していることについてである。怒ると叱るを間違えないようにするた
めに,子どもの話をよく聞き,子どもの気持ちを理解することが大事だと学んだ。その後どうするべ
きか年齢によっては子どもと共に考え,伝えていくことが大事だと学んだ。
最終日反省会で特に笑顔が足りなかったと先生方から言われた。連日睡眠不足だったことも影響し
ていたかもしれないが,子どもたちと接する時には切り替えをしていかなければならなかった。自分
が思うよりもっと笑顔を意識していかなければならないと痛感した。笑顔と同様に声のトーンも抑揚
をもう少しつけると良かったとアドバイスを頂いた。反省会後,最後の子どもと接する時間では反省
を踏まえ話し方,笑顔を強く意識して取り組んだ。
今後の実習で今回の反省を生かすために,常に笑顔でいることや話し方は日々の生活の中で意識し
改善していこうと思う。また現場に慣れるために空いている時間を有効活用したいと思う。
─ 40 ─
【保育実習Ⅱ】
3年 木川 智恵
実習種別 :児童養護施設
実習施設名:恩寵園
実習期間 :平成27年6月18日∼6月30日
1.実習で取り組んだ実践の概要
今回の実習は児童養護施設での実習であり,起床から登校,帰園,就寝まで一日を通して子どもた
ちと関わることができ,2年次に経験した保育所実習との大きな違いを感じたと同時に,教科書でし
か知ることがなかった児童養護施設について実際に見て学ぶことができる貴重な体験をさせていただ
いた。
朝は子どもを起こし,子どもたちと朝食を摂り,学校へ行く準備を手伝った。また,子どもたちを
送り出してからは,掃除や洗濯などの業務を行い,職員の朝の会議にも参加させていただいた。子ど
もたちの帰園後には,一緒に宿題に取り組んだり,外で遊んだりした。夕食の時間には,お米を炊く
ことや夕食の準備の手伝いを任される場面も多くあり,保育所実習では体験することのない風呂掃除
や洗濯,食器洗いなどの家事に普段からどれだけ取組むことができているかが重要になる実習であっ
た。
休日には,平日とは違い,子どもとゆっくりと遊んだり話をしたり,部活や塾,バイトへ行く子
どもを見たりして,施設が子どもの「家」なのだと深く感じた。積極的に関わることはもちろんだが,
施設は子どもが落ち着いて生活することができる「家」であることを忘れず,時と場合によっては受
容的な態度で接することを心がけた。
私がお世話になったのは小学生から高校生までの男子グループであったので,保育所実習で学んだ
読み聞かせや手遊びなどを通した関わりを生かす機会はなかったが,ケンカの仲裁など学びを生かす
ことができる場面もあった。
また,今回の実習では専門職講義やケーススタディー等といった学習の機会を設けていただき,子
どもとのかかわりだけでは知ることができない職員の役割や,子どもへの支援方法を学ぶことができ
た。
2.実習の目標と達成状況
今回の実習では,
「児童養護施設の子どもたちがどのような遊びをしているのか学ぶ」,
「遊びも含め,
職員が子どもをどのように日常的に支援しているのか学ぶ」ということを目標にした。事前ボランティ
アをさせていただいたときに,遊びの種類の多さや自由さに驚いた。好きなゲームソフトをたくさん
集めていたり,魚を飼ったりもできるのだと知り,子どもたちが興味のあるものに積極的にかかわる
─ 41 ─
ことのできる環境なのだと感じ,実習では遊びを通して関わり学びたいと思っていた。また,一人ひ
とり違う支援が必要となる児童養護施設で,どのような日常的支援が行われているのかを知りたいと
考えた。
目標の達成状況は,どちらも「学ぶ」ことを目標としていたが,2週間の実習期間のなかで十分に
学び,さらに自分の実習に生かすことができたので,もっと具体的に学びを深められる目標が望まし
かったと感じた。しかし,一番多くの時間を遊びを通した子どもとのかかわりに費やしたので,多く
のことを学び,たくさんの支援の方法を見ることができた。 3.実習の反省点(考察)
実習期間中,自分自身で次にするべきことを考えて動くだけではなく,職員の方に「〇〇をして」
や,
「〇〇君を手伝ってあげて」などと頼まれることが何度かあった。その場合に,自分なりにねら
いやその子ども自身の課題などを考えた支援をするだけではなく,施設や職員の方の支援のねらいや
目的もうかがったうえで,それに沿った支援の仕方を自分自身でもできたらよかった。そのためには,
観察により職員の方の支援方法を学ぶだけではなく,あのときの支援のねらいはなんだったのだろう
と深く考えて質問し,理解し,さらに自分が実習生としてそのねらいを達成させるためにどのように
協力できるかまで考えた行動が必要だったと感じた。
また,失敗をしてしまい,注意やアドバイスを受けたときに,失敗を引きずるあまり,その後の作
業にも影響が出てしまった場面があったので,必要以上に失敗を気にしすぎず,切り替えるべきとこ
ろはしっかりと気持ちを切り替え,同じことを繰り返さないようにしようというプラス思考ができた
らよかった。
4.実習の成果と今後の学習課題
今回の実習で,人見知りである私が,男子グループに配属され,さらに自分と年齢が近い子どもも
いるなかで,その輪に入り,自分自身も楽しみながら関わり,学ぶことができたことは大きな成果で
あると感じており,グループの子どもたちにとても感謝している。私が今回の実習で一番に学ぶこと
ができたのは,積極的に関わっていく力であると思う。事前ボランティアの日には,子どもたちは全
員が個々に携帯ゲームで遊んでおり,話しかけても「今集中しているから」と言われてしまい,保育
所との違いを大きく感じていた。しかし,実習を通して,子ども一人ひとりの好きなことや,好きな
距離感を理解することを大切にし,小さなことは気にせず自分から関わっていく積極性を身に付ける
ことができたと思う。
今後は,子どもとの関わりだけに積極的になろうとせず,職員の方などとも積極的に関わり,たく
さんのことを質問して,より多くのことを学びたいと考えている。
─ 42 ─
【保育実習Ⅲ】
3年 滝口 理奈
実習種別 :保育所
実習施設名:東金市立第三保育所
実習期間 :平成27年11月9日∼11月20日
1.実習施設の概要
<所在地> 千葉県東金市前之内6-1
<開 設> 昭和28年4月30日
<職 員> 所長1名,副所長1名,保育士9名
<入所定員> 70名:0〜1歳児11名,2歳児11名,3~5歳児52名(さくら組26名,ひまわり組
26名)
<保育理念> 保育所は児童福祉法に基づき保育に欠ける乳幼児を保育することを目的とする児童
福祉施設である。したがって,保育所における保育は,ここに入所する児童の最善
の利益を考慮し,児童の福祉を積極的に増進することに最もふさわしいものでなけ
ればならない。
<保育方針> 1.子どもが健やかに成長していくため,園と家庭が協力し共に育てていく。
2.それぞれの個性を尊重し,集団生活の中で協調性と社会性を培う。
3.同年齢,異年齢の友達とのかかわりの中で,お互いに思いやる心を育てる。
4.健康・安全保育を心がけ,丈夫な体作りや基本的な生活習慣や態度を育てる。
5.様々な体験を通して,豊かな感性と創造性を育てる。
6.地域における子育て支援のために,乳幼児などの保育に関する相談に応じ,助
言するなどの社会的役割をはたす。
2.実習で取り組んだ実習内容
今回の実習では0~1歳児クラス2日間,2歳児クラスに2日間,3~5歳児クラスに6日間配属
され,観察実習,部分実習,半日と全日の責任実習をした。また,土曜の合同保育や朝や夕方の時間
外保育にも参加した。主に,着替えや排泄や食事の援助,手遊び,絵本の読み聞かせを行い,午後の
半日実習では新聞紙遊び,午前の半日実習ではカードの制作,全日実習ではエプロンシアターを行っ
た。
3.実習の目標と達成状況
今回の実習での目標は,①積極的に子どもたちと関わり,一人ひとりの発達や個人差に合わせた関
─ 43 ─
わりを深く学ぶ。②広い視野で物事をとらえつつ,個人を見られるようにする。③保育者の意図を自
分なりに考えて,行動する。④前回学びきれなかった,子どもたちがケンカをした時の保育者の対応
を学ぶ,であった。
乳児と関わる時は手遊びをしたり,絵本の読み聞かせをする時間をいただき,積極的に関わること
ができた。自分なりに一人ひとりの発達を理解し,その子に合った関わりをするように心がけて行動
できたので,個人を見ることが上手くできたと考えた。しかし,幼児では広い視野で物事をとらえよ
うと,全体ばかりを見てしまい,子どもたちと積極的に関わることがあまりできなかったと感じた。
子どもたちと深く関われる自由遊びの時間や給食の時間などを,もっと有効に利用できたら良かった
と感じた。また,改めて広い視野を持つことの難しさやその中で個人を見ていく大変さを学ぶことが
できた。③の目標について,子どもがケンカをした時や悪いことをしてしまった時には,自分なりに
今の状況で何を優先すべきなのか,子どもたちに何と声を掛けたら解決に導けるのかを考えて行動す
ることができた。しかし,自分が計画していない時の自由遊びや外遊び等の活動の際に,保育者の意
図を考えずに子どもと一緒に遊んでしまっていたことがあった。保育者が活動を通して子どもたちに
何を学んでもらおうとしているのかをきちんと考えながら行動できたら良かったと考えた。最後に前
回学びきれなかった,子どもたちがケンカをした時の保育者の対応については,今回何度か見ること
ができ,年齢によって,どこがいけなかったのか分かり易く説明することが大切であることや子ども
たち自身が何をしたら良いのか考えられるように問いかけることが大切であると学ぶことができた。
そして,ケンカの場面に遭遇した時に保育者として何をすることが大事なのか考え,行動することが
できた。
4.実習で学んだこと・反省点・今後の課題
今回の実習では責任実習を行い,そこで特に学んだことがたくさんあった。
一つ目は指導案を書く際,細かく子どもの姿を予測することが大切であるという事である。主活動
で新聞遊びを行った際,子どもの行動の予測不足で安全面が考慮できていないところがかなりあった。
子どもの行動が予測できていなかったため,説明が不足し,上手くできなかった。それらのことを改
善するために,子どもの行動を細かく予測し,それに対する対応を具体的に考えておくことが大切で
あると感じた。二つ目は子どもたちの集中を自分の方に向ける難しさを学んだ。子どもたちが静かに
なり,聞く体勢になる前に話始めてしまい,指示が伝わらないことがあった。絵本を読んだ後は子ど
もたちが比較的落ち着いており,話を聞いてくれやすいとわかったので,話をする状況やタイミング
などを考え,子どもたちの注目を集め静かになったところで話すように次の機会では心がけて行って
いきたい。その他にも,保育士が保護者と連絡帳でやり取りをしたりお迎えの時に連絡している姿を
見ることができたので改めて保護者との連携の大切さを学んだ。
今後の課題は,制作活動をした際に早く終わってしまった子はどうするのかエプロンシアターや読
み聞かせが早く終わってしまった時など,時間が余った時にどうするのかを考えておくことと,反省
をすぐに改善し次につなげていくことである。
─ 44 ─
【保育実習Ⅳ】
3年 前田 実季穂
実習種別 :乳児院
実習施設名:聖愛乳児園
実習期間 :平成27年11月18日∼11月30日
1.実習で取り組んだ実践の概要
今回の実習では,3~5歳児クラスのぱんだ組で5日間,2~3歳児クラスのくま組で5日間,1
歳未満児クラスのひよこ組で1日,3ヶ月未満児クラスのこあら組で1日実習を行った。各クラスに
入る前にまず部屋の掃除,モップ掛けを行った。その後ぱんだ組とくま組では,ホールで子どもと一
緒に遊びそれぞれのクラス別に分かれ課題保育に入った。天気が良い日には外に散歩に行き木の実を
拾ったり,電車を眺めたり,園庭にある遊具などで身体を使って伸び伸びと自然物に触れ合いながら,
子どもに危険がないかを見守りつつ配慮して遊んだ。昼食では,行儀が悪くないか,好き嫌いなく食
べているか,三角食べができているか配慮しながら声かけを行った。食後は手洗いや着替え,午睡の
ための準備を行った。午後のおやつの際は,子どもたちがみんなで楽しく食べられるよう声かけをし
た。その後,3クラス合同の遊び時間なとなり,そこで他のクラスの子どもとも関わりながら絵本を
読んだり,玩具で遊んだり,テレビを見たりした。ひよこ組では,実際に離乳食を食べさせたり,授
乳も行ったりした。こあら組では,乳児の抱きおろし,オムツ交換,授乳,着替え,沐浴見学を行い,
乳児と幼児の違いや乳児の生活介助の方法を学んだ。
2.実習の目標と達成状況
今回の実習では,2つの目標をもって臨んだ。1つ目は,乳児院で生活をする子どもの様子を知り,
保育士が子どもたちとどのような関わりをしているのかを観察すること。2つ目は,乳児とのコミュ
ニケーションを言葉や表情を使ってすることであった。
乳児院で生活をする子どもたちの入所理由や抱えている問題は様々であり,入所前の虐待経験や不
適切な養育環境,入所による家族からの分離は子どもたちの心身の発達に影響を及ぼしていることが
少なくない。そのような子どもにとっての安全で安心できる場としての乳児院の生活とはどのような
ものか,異年齢の子どもと一緒に生活を送る中でどのような行動や言動がみられるのかを観察するこ
とができた。また,虐待を受けた経験のある子どもに保育者がどう関わっているのかとてもよく観察
できた。保育者は子ども一人ひとりにあった関わり方をしており,その子どもが行動しやすいような
声かけを行っていた。性格や行動パターンは皆同じではないため,一人ひとり異なったその子にあう
関わりが必要であるということを学んだ。
乳児と関わるのははじめてに等しく実習当初は緊張していたが,私の緊張が子どもに伝わってしま
─ 45 ─
わないよう笑顔で接することを心がけた。
言葉や表情だけではなく,身体と身体を触れ合わせてコミュ
ニケーションを行うベビーマッサージについて学ぶこともできた。また,乳児は言葉を発せず泣くこ
とで欲求を伝えるが,保育者は子どもの欲求を1つずつ確かめ子どもが快適に生活できるよう心がけ
ていることを学んだ。
3.実習の反省点(考察)
今回の実習の反省点として,子どもの気持ちの代弁がうまくできなかったこと,乳児の離乳食介助
に時間がかかってしまったこと,着替え介助で泣かれてしまい焦ってうまく行えなかったことなどが
挙げられる。
ケンカの際に,すぐに「ダメ!」と言ってしまい,子どもがなぜその行動をしたのか,子どもの気
持ちを考えることができなかった。しかし,意識をして過ごすと子どもに「~したかったんだよね?」
と気持ちの代弁ができるときもあった。いきなり否定することから入るのではなく,まずは子どもが
なぜそうしてしまったのかを考えることが大切だと学んだ。また,離乳食介助では,子どもがなかな
か食べてくれずスプーンに一度に乗せる量が多くなったり,声かけがなくなったりして,食べさせる
のに時間がかかってしまった。子どもは初対面の人に食事介助をされるのを怖いと感じてしまうので,
もっと声かけや玩具などをうまく使って食事をあげることができたらよかった。また,着替え介助の
際は,焦りが子どもに伝わってしまわないようもっと落ち着いて迅速にできたらよかったと思う。た
くさん練習をして,日々積み重ねていくことが大事だと考えた。
4.実習の成果と今後の学習課題
今回の実習を通して,乳児院という施設の役割,子どもの生活や発育の様子,保育者の子どもの関
わり方などを学ぶことができた。また,乳児と初めて関わって,乳児の生活介助の方法,乳児と幼児
の違いなども学んだ。
乳児院は,保育者が母親・父親代わりとなって子どもと一緒に生活をすることで,子どもが安全で
安心できる場所となっていた。また,実習園では子ども一人ひとりに担当保育士がついて,職員のこ
とを「~ママ」とよんでおり,より家庭に近い環境であることを体感した。保育者は,子ども一人ひ
とりの性格をよく把握し,その子にあった声かけをしていた。乳児クラスに入った際に,1ヶ月の差
でできることも違うということを実際に観察を通して知ることができた。さらに,乳児の生活介助の
方法についても,職員に教えていただきながら自分で介助をしてみると,どのような点に配慮し注意
をしたら良いのかなども学ぶことができた。
今後の課題は,ケンカが起きたときのように,すぐに行為を否定するのではなく,子どもの気持ち
を考えてから声かけをすることである。また,乳児と多く関わって乳児の生活介助をスムーズに行え
るようにしたい。そのためには,今後,ボランティア等に積極的に参加し,子どもと関わる機会を多
くし経験を積み重ねていくことが大切であると考える。
今回の実習での学びを将来保育者になったときに生かしていきたい。
─ 46 ─
介護福祉士実習レポート
【介護実習Ⅰ】
2年 宮川 明日香
実習種別 :指定介護老人福祉施設
実習施設名:セイワ習志野
実習期間 :平成27年2月6日∼2月20日
1.はじめに
今回の「介護実習Ⅰ」では見学が主であったが,各種の介助も行った。そこでは大学の講義だけで
は実感できなかった重要な事柄が目の前で行われていた。正しい知識と適切な技術を身につけなけれ
ばならないと実感した2週間であった。
2.実習の目標と達成状況
私の実習の目標
1)コミュニケーションを通じて,利用者のこころを理解する。
2)利用者を理解し,どのような生活支援を受けているかを把握する。
1)利用者のこころを理解することは難しいということを現場で学ぶことができた。“コミュニ
ケーション”といっても,ただこちらが「ご趣味は ?」や「好きな食べ物は何ですか ?」といった質
問をするだけでは一方的である。
私も実習中,排泄介助や入浴介助の場に立ち会い,ただ黙って介助するのではなく「ちゃんと出
ていて良かったですね。
」
「髪乾かしてさっぱりしましたね。
」と声をかけると利用者が笑顔になる場
面が何度もあった。悲しそうな利用者に職員が「こっちも悲しくなっちゃうよ。泣かないで。
」と手
を握りながら話しかける場面を見ることができた。声かけの重要性を再認識する一方,言語コミュニ
ケーションばかりでなく非言語コミュニケーションの大切さに気付かされた。
2)利用者を理解するということは,その人の生活やこれまでの生きてきた人生を理解することも
必要だと気付いた。介護が必要となってからの日々だけではなく,これまで生きてきた日々を理解し,
介護に活かすことが求められていると強く感じた。
食事一つとっても好き嫌いは必ずあるし,同じ品でもその日の味付けによって箸が進まないことも
─ 47 ─
ある。さらに,そのときの体調によっても変わるだろう。実習中,前夜食事が進まなかった利用者が,
翌朝の朝食は全量召し上がっていた。好きな品が出たのかと思い尋ねてみると「夕べはよく眠れた。」
と返事が返ってきた。介護する側は様々なことを想定し,観察とコミュニケーションを重ねながら,
利用者にとって何がよいかを判断していかなければならないと改めて感じた。
3.考察
利用者を理解するための観察とコミュニケーション,そして生活支援の内容の把握において,10人
いれば10通りある。今回の実習では見学が中心であったが,はじめの頃は見知らぬ同士ということで
うまくいかず,表面的な会話が多くなってしまった。日々,反省を重ね,徐々にコミュニケーション
はとれるようになったものの,もっと早くできていればと残念に思う。こころを理解することは難し
いが,時間を掛けて関係を築いていくのだと学び,介護の難しさを改めて考えさせられた。
今回の実習で学んだことは,介助の一つひとつに意味があるということである。声かけや食事介助
の細かなことにも「これは何々のため」
「これは何々とならないため」と理由があり,その理由すべ
てが利用者のためにある。時には厳しく注意を促すこともあるが,それも利用者を守るためなので
ある。介助前,介助中,介助後の声かけは大切だが言葉,言い方によってその人の受け取り方は違う。
常にどのように声をかけたら利用者が安心できるだろうかと考えなくてはならない。
今回,目標としていた「コミュニケーション」の前提は相互理解にあると考える。もちろん,利用
者がどのような生活支援を受けているかを把握し,適切に対応することはもちろんだが,介護者が相
手の生命を守り,人間としての尊厳を守ることが根底に無ければならない。その思いを持ち続けて接
することが,利用者からの理解を得られるのではないだろうか。介護とは一方的に何かを行うのでは
なく,介護者と利用者との二人三脚で行うものだと考える。
4.実習の成果と今後の学習課題
現場で学んだことが,私にとって大きな財産となった。食事・睡眠・入浴,どれをとっても,人間
として生きていく上で重要なことであり,決しておろそかにはできない介護である。
私は二つの目標を掲げこの2週間を過ごしたが,はじめはコミュニケーションが取りにくかった方
から,実習の終わりには手作りの品をいただくなど,自分なりに懸命に行っていたことを評価された
ようで涙がこぼれそうになった。
実際に介護を行いたいと強く思うようになった。今後,今回の経験を心に留め,学業に取り組んで
いきたい。2段階の実習では特定の利用者だけでなく,積極的にコミュニケーションをはかり利用者
にとっての快適な生活とは何か,また介護職だけでなく他職種と連携の在り方を理解できるよう知識
と技術と人間性を磨いていきたい。
─ 48 ─
【介護実習Ⅱ】
3年 中澤 智子
実習種別 :指定介護老人福祉施設
実習施設名:淑徳共生苑
実習期間 :平成27年2月6日∼3月9日
1.はじめに
特別養護老人ホーム「淑徳共生苑」にて24日間の実習を行った。そのうち1日は,デイサービスに
て行った。実習では,利用者とコミュニケーションを図ることや,食事・排泄・入浴・移動等の介助
の見学や実践,介護過程の一部(アセスメント,介護計画の作成)実践を行った。
実習では,アセスメント・介護計画の作成方法を実践し学ぶことができた。情報収集の際には,ど
ういった情報がどの程度必要なのかという難しさを知ることができた。また,個別性に基づいた生活
支援技術の根拠と原則の重要性を改めて学んだ。
2.実習の目標と達成状況
私の実習の目標
1)利用者の生活と生活環境,施設の一日の生活を理解する。
2)コミュニケーションにより,利用者との介護関係を構築していく技術をより深める。
3)心身の状況に応じた質の高い介護サービスを提供するために,受け持ち利用者について介護過
程の一部(アセスメント,介護計画の作成)を実践する。
4)利用者との介護関係を基盤として,個別性に基づく生活支援技術をその根拠と原則を踏まえて
習熟する。
1)利用者の生活については,利用者とコミュニケーションを図ることや,生活支援・レクリエー
ション・清拭巻きといった生活の一部を共に過ごしたり,行ったりすることによって理解することが
できた。利用者の生活環境については,利用者との会話や居室の掃除を行うことによって,フロアの
共有スペースでは見ることのできない生活環境を垣間見ることができた。施設の一日については,早
番・日勤・遅番・夜勤を体験することにより,どの時間にどのようなことをするのかを理解すること
ができた。
2)私は,今回の実習では前回の実習よりも積極的に利用者とコミュニケーションを図るよう意識
した。目の前にいる利用者が,何を考えているのか,何をしたいのか,といったような,利用者ので
きるだけ多くの情報を知ることができるよう努めた。それにより,利用者理解に近づけると考えた。
─ 49 ─
また,利用者と接する際には,利用者を不安や不快な思いにさせてしまわないよう,できるだけ笑顔
を心がけて傾聴・受容・共感を実践した。
3)受け持ち利用者の心身状況やニーズを知るために,主に会話でコミュニケーションを図った。
受け持ち利用者は,ある程度自立度が高く,自分の情報が周囲の利用者に知られてしまうのを嫌って
いた。そのため,会話を通しての情報収集は主に受け持ち利用者の居室にて行った。受け持ち利用者
と会話をしていくうちに,彼女の望みや悩みを知ることができた。だが,生活課題の抽出を行う際に,
受け持ち利用者の望みの達成を優先すべきか,悩みの解決を優先すべきか迷ってしまった。最終的に
悩みの解決を優先し,介護過程の一部を実践するという目標は達成することができた。しかし,本当
に受け持ち利用者のためとなる介護計画を作成することができたのかと実習終了後も自問自答が続い
ている。
4)利用者の持っている機能を把握し,生活支援がどのような役割や機能を果たしているのかにつ
いては理解することができた。しかし,実践では一度職員から指摘を受けたことに対して,
「次の支
援では注意しよう」とそのことだけに集中しすぎてしまい,前回の支援で指摘を受けた部分は改善で
きたものの,今までできていた他の支援について指摘されることがあった。また,利用者にとって辛
い体勢になってしまった場面も一部あった。そのため,習熟することはできていなかったように思わ
れる。
3.考察
私は,実習中に印象に残ったことがあった。私が受け持ち利用者と会話をしていた際,受け持ち利
用者が「考えごとしてたら悲しくなっちゃってね。夜,泣いてたの,ずーっと。」と言った。それに
対して,私は「最近何か悲しいことがあったんですか。
」と尋ねたが,受け持ち利用者は悲しそうな
顔をした後,話をそらしてしまった。なぜ話をそらしてしまったのか分からず,職員に尋ねてみると,
「話したい話題じゃなかったら,普通は自分から話さない。もしかしたら,尋ねた質問が受け持ち利
用者様の耳に届かなかったのかも。
」とアドバイスを受けた。他者に話したり,書面に起こすことで,
自分が考えている方向とは別の方向から理由を見つけることができると考えた。
介護過程の一部を実践することはできたが,利用者に対して重要視する生活課題の見極めができて
いないと考えた。利用者が求めているものは何かを考えられるようにしたい。
4.実習の成果と今後の学習課題
前回の実習時よりも積極的に利用者とコミュニケーションを取ることができたが,もう少し情報収
集を慎重に,また多角的に行う必要があると考えた。そのため,次の実習では,より利用者とコミュ
ニケーションを図り情報収集することができるよう意識したい。
個別性に基づく生活支援技術を根拠と原則を踏まえて習熟することについて,利用者に必要な支援
─ 50 ─
を理解することができても,実践で行えなかったのは,生活支援技術の基本が習熟できていなかった
からだと思われた。もう一度確認し,次の実習では生活支援技術の実践の面でも習熟できるようにし
たい。
【介護実習Ⅲ】
4年 林 奈々
実習種別:介護老人保健施設
実習期間:平成27年2月6日∼3月10日
1.はじめに
私は今回,老人保健施設で4週間の実習を行った。実習内容は,食事・入浴・排泄等の日常生活介
助そしてアセスメント・計画の立案・実践・評価の全プロセスを体験した。
受け持ち利用者に選定したA氏は,初対面の私とも様々な話をしてくれて,話すうちに,脳梗塞に
よる左片麻痺があり身体が思うように動かないこと等の理由から,やりたいこと(ニーズ)の思いは
あるが実際に行えていないということを知った。今回はそのことに関わっていきたいと考え,受け持
ち利用者に選定した。
2.事例の概要
1)プロフィール
氏名:A氏 70歳代後半 性別:女性 要介護度:3
性格:優しい,学ぶこと,行うことが好き,話が好き,謙虚,社交的
特技:和裁や編物が得意。農家をしていたので野菜・花などに詳しい。
家族関係:夫,娘,孫との仲は良好。夫は体調を崩していて娘や孫は自分たちの生活があり,今は
あまり面会に来られていない。
その他:左半側空間失認,感情失禁,認知障害あり,注意散漫,集中力低下
2)生活歴
農家に5人兄弟の長女として生まれる。29歳で結婚し,子ども1人(長女)に恵まれ,婦人会の役
員をしていた。野菜作りや花を育てることが好きだった。
3)入所までの経緯
脳梗塞発症後,車椅子生活となる。ポータブルトイレが自立できれば在宅復帰も考えられる。しか
し現状では困難であり,日常生活に於いては,介助が必要な状態で介護者の夫が体調不良のため入居
に至る。
─ 51 ─
4)健康状態
主な疾患:心原性脳梗塞による左片麻痺,左手足の拘縮
既往症:不整脈,高血圧,不眠症,変形性脊椎症による腰痛,皮脂欠乏性湿疹(頭部),左目充血眼脂,
便秘症,発作型上室性頻脈
服薬状況:ワーファリン(血流を良くする)
,マグミット(下剤),ワソラン(不整脈や狭心症の治
療薬)
,マイティア(眼の乾燥をおさえる)
5)現在の生活状況
移動:介助用車椅子を使用し右手足で自走している。しかし,左側ブレーキとフットレストの管理
ができていないことが時々ある。車椅子からベッドへの移乗時はスウィングバーを使用し,
職員の声掛けにより右手でスウィングバーを握り回転,上下肢の関節可動域制限と注意力の
低下から起立移乗時がふらつきがある。職員は,腰に手を添えたり見守りをして一部介助を
行う。
整容:更衣整容は,朝起きたら食堂へ行き,洗面台で顔を洗い,歯磨きをして髪を少し濡らした後,
居室へ戻り髪をくしでとかしている。更衣は袖を通す多少の協力動作があるので一部介助を
行う。
食事:食事形態は主食は粥食小盛りで副食は並食,箸,スプーンを使用し自力で食べる。
排泄:昼は布パンツに尿取りパット,夜はポータブルトイレの介助後,紙オムツ着用。尿取りパッ
トは便の付着が気になることから使用している。トイレ,ポータブルトイレの誘導,車椅子
と便座間の移乗,ベッドとポータブルトイレ間への移乗の介助を行う。トイレでの排泄時は
尿意,便意があれば車椅子を自走しトイレへ向かう。手すりにつかまれば立位は安定を保て
るが,手すりから右手を離してしまうと,ふらつきが生じる可能性があるため自らズボンを
降ろすことはできていない。
入浴:リフト浴を使用する。浴室内は見守りをし,車椅子とリフト浴間の移乗介助を行う。洗髪は,
全介助,洗身は手の届く範囲は自ら洗い他の部分は介助,清拭は部分清拭を行う。
睡眠:体位交換は一部介助を行い,ねころんぼ(クッション)を使用する。不眠症あり,就薬とし
てベンザリン(睡眠薬)を服用していたことがある。
3.介護過程
1)生活上の課題
(1)
根拠となる情報
①心原性脳梗塞による左片麻痺。
②注意散漫,集中力低下。現在安定している。
③移乗,排泄,入浴は一部介助,食事は自立。
④
「家に帰ったらまた花を育てたい」
「散歩でもしたい」「一人で歩ければ家に帰りたい」「鍵編
み針で編み物をしてみたい」と話す。
─ 52 ─
⑤花を育てることが好き。
⑥余暇活動への参加は積極的。
⑦余暇活動の一つであるフラワー教室へは「上手くできないから」と現在参加をしていないが,
他の利用者の作品を見ている。
(2)
情報の関連付け・統合化
①②③④⑤⑥⑦
会話の中で「花」というキーワードを多く聞くので,花自体が好きだと思われる。やりたいことが
多くあり,それがA氏の支えになることと関係し前向きに活動することにつながっているのではない
かと思われる。そのやりたいことを実現させるためには,環境を整えることで可能になると思われた。
(3)
生活課題
「本人のやりたいことを取り組める環境を整えることで意欲や生きがいにつなげ日常生活をより充
実させることが出きる」とした。他にもいくつか生活課題を挙げたが,約4年間施設に入所している
ことや家には夫しかおらずその夫が体調を崩してしまっていることから,施設での生活を考え楽しみ
等を感じられるように支援したいと考えた。 2)介護計画
長期目標:活動範囲が広がり有意義な時間を過ごすことができる。(4ヶ月)
短期目標:① 屋外散歩を行い気分転換ができる。(3ヶ月)
② 編み物を行い楽しみを感じることができる。(3ヶ月)
③ 花の水やりやフラワー教室に参加し,花との関わりを持ち以前の生活習慣を取り戻
すことができる。
(3ヶ月)
援助内容
① (ア)
A氏の空き時間(水曜日の14時か木曜日の13時30分)に30分程行う。
(イ)
実習生と一緒にエレベータ―で2階へ降り,横の扉から外へ出て本人に自走してもらっ
たり車椅子を介助して屋外散歩をする。
(ウ)
外の空気や植物の会話をして笑顔がみられる支援をする。
(エ)
雨天時には,同様の日時で居室から窓を開け,外を眺めて会話をする。
(オ)
A氏と実習生の他に,普段仲の良いB氏とも一緒に行動し同じ時間を過ごす。
② (ア)
A氏の空き時間(おやつ後を主にする)でA氏がやりたいときにやる。
(イ)
実習生と一緒に食堂の自分の席で1時間を目安にゆび織りで編み物をする。
(ウ)
介助者は編み物のセッティングをしてA氏の右側から手伝いをし,編み込み等の出来る
ことは本人にやってもらい他の毛糸をおさえるという作業をする。
(エ)
1時間程を目安にしているがA氏の様子観察をし,飽きてきたり集中力が低下した場合
は中止するか休憩後再開するか決める。
③ (ア) 居室の床頭台の上に花を置き,11時にペットボトルに水を入れ水やりをする。
「花の様
子はどうですか」ときいて花についての会話をする。
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(イ)
介助者はA氏をみかけたら「今日は水をやりましたか」
「花の様子はどうですか」と聞
いて,花について会話をする。
(ウ)
フラワー教室は,食堂で実習生と一緒に行う。
(エ) 介助者はA氏が茎を切るときに花を持ちA氏にはハサミを使って切ってもらう方を勧
める。
3)介護計画の実施
1日目:③ 花への水やりということで居室の床頭台に飾らせてもらう。
(花はパンジーと菊で花
が少し咲いていて蕾があるもの)
2日目:② ゆび織りで編み物を開始する。編み物の説明をすると真剣にきいていた。
「できるか
しら」と話していたので「一緒に頑張りましょう」と返すが変化は見られなかった。
③ 「花,開いてきましたね」と花の話をすると笑顔で会話する様子がみられる。「写真を
撮った方がいいんじゃない?初めと終わりで」と話す。自らの居室の棚からコップを
取り出して「これなら私でもできる」と水やりに興味を持つ様子がある。
3日目:① 花や景色をしばらく眺めることや自ら車椅子を走らせる様子がある。施設内へ戻り屋
外散歩の感想を聞くと,いつもより大きな声で手振りをつけ笑顔で話す。
② 「できるかしら」
「完成するといいね」と話す。手を止めることはあるが集中力低下や
飽きる様子はなかった。
③ 11時に居室の水道から水をくみ,介助者は鉢を持ち葉をかきわけてA氏に水を土にか
けてもらう。
「花の数増えましたね」というとA氏は「そう?」
「今日はいくつ?」と話
す。
4日目:① 自走する様子や景色を眺める様子があり施設内に戻り会話すると「第2の人生の出発
だ」と話す。
③ 11時にA氏の所へ行き「花はどうですか」と聞くと「今日は水を朝した」と話す。こ
の日から自ら朝8時に水やりを行う。
5日目:② 「できてきましたね」というと「いい色だったね」
「ここはこのやり方でいいの?」と話
す。
③ 「今のAさんの楽しみや生きがいはなんですか」と聞くと「水やり」と話す。自ら水
やりを朝に行う。フラワー教室は,花瓶に花を選んで生けるという計画に変更した。
積極的にハサミを使っていた。花の高さやバランスはアドバイスを受けて調整をして
いた。
6日目:② 編み物が完成し終了とする。
「居室に飾りますか?食堂にしますか?」と聞くと「食
堂にしようかな」
「次は長いものでもつくりたい」と話す。
③ 「朝,花のにおいがしてくる」
「いいにおい」と話す。自ら水やりを朝に行う。花の成
長を見て「おひさまに向かって伸びていくのかね」と話す。
7日目:③ 「今日で水やりが1週間たちましたけど,どうですか?これからもやりますか」と聞
─ 54 ─
くと「花を見て林さんを思い出すからやろう思う」と話す。
4.実習したケアの結果と評価
①屋外散歩時はマスクを着用していて表情はあまり確認できなかったが,花や景色をしばらく眺め
ていることや施設内へ戻ったときに「第2の人生の出発だ」と話すことや大きな手振りをつけて会話
すること,活動が積極的になったということから,プラスの発言・行動になると考え気分転換が出来
たのではないかと思う。
②計画では食堂の自分の席で行おうとしていたがA氏が「できないことで何か言われたりしたく
ない」と話すことから,居室の静かな環境で行うことに変更した。初めは,できるか不安に思う様子
があったが毎日1時間行い,集中力低下が見られないことや居室へ来る利用者の方と会話をすること,
最後には完成したものを食堂へ飾ると発言したことからA氏の自信につながったのではないかと思う。
変更した点は,編み物を開始してからは思うように進まなかったりしていたため,自信を持ってもら
いたいと考え,実習中に完成するものにしたいと思い初めは小さいひざ掛けだったが大きめのコース
ターにした。
③花への水やりは,最初から花への関心があった。フラワー教室も次回もしてみようという発言が
あり生きがいとも思っていただいたり花と関わることで笑顔が見られたりしたので生活の中に「花」
が加わったことは良いことにつながったのではないかと思う。変更は,水やり4日目から自ら水やり
を行っていたのでA氏の行動を尊重し,それを続けてもらうことにした。
全体を通してプラスの行動が多くあったのでこの計画は適していたのではないかと思う。
5.考察
今回の実習は介護老人保健施設あり,今回で3つの種別施設で実習をさせて頂いた。今までの施設
と今回では共通点や異なる点があり,専門的な知識・技術を深めることができたり新たな支援方法を
学ぶことができた。それは,各業務での注意点,主に食事介助の方法(口へ運ぶ速度や声の掛け方)
と排泄介助の方法(素早さや手順)である。他には施設の雰囲気の部分で,介護老人保健施設は身体
機能の維持・向上を目指しリハビリテーションを行うことが特徴の1つにあるので,日々の実習でよ
く目にしたり利用者の方,自ら行動していることや発言を聞くことがあり,そのような場面に居合わ
せてよかったと考える。介護過程については前回の反省点である情報を量と質の両面で適切に収集す
るという目的は達成できた。受け持ち利用者の様々な情報をより多く収集して,職員の方のアドバイ
スを頂いて具体的な記録にし,後から見てもその利用者の ADL 状況や様子が理解できるものを作成
することができた。また,前回の実習は介護計画の立案までを目的とし,利用者の思いや実現可能な
ことを考えることであった。しかし,今回は実践をふまえた介護計画の立案を行うので,前回の考察
内容を含め,施設で実現可能なのか現実的なことと本人の願う生活があうのか,どうすれば合うのか
を考えて進めた。その結果,介護過程の「具体的」の部分を学ぶことができプロセスを一通り体験し
て1つ1つの大切さを学び,知ることができた。今回の実習を通して,介護福祉士の将来像のイメー
─ 55 ─
ジが深まった。利用者に近い存在になり,専門的知識・技術を個別性に変化させ支援を行い,他職種
と意見交換をしやすい関係を築いていく。このことを学べたこともあるが,それが実際にはどういう
ことなのかを見ることができ,将来を考えた現実味が一番あった実習となった。
6.おわりに
全段階の介護実習を振り返り,大学での学びをより深く現実的なものにできたと思う。学んだこと
とは,例えば施設内容でいうと,施設でも種別ごとに雰囲気が異なり大切にしている事や重要にして
いるところが異なった。また,他職種との連携の関係性に違いがあること介護内容でいうと,施設に
は様々な利用者が入居し生活している。そして生活課題や生活状況,介護方法,福祉用具が様々で個
別性を持つ。その個別性に適した支援を提供すること。なぜその支援が適しているといえるのかと
いう根拠や利用者の行動・発言から様々な予測をし,あらゆる情報と統合すること。訪問介護やデイ
サービスなどは一日のうちで利用者と関わり(満足してもらえるような支援)をもつことが大切だと
学んだ。初めは介護に対するイメージはどちらかというとマイナスの方が多く,プラス面を見つける
ことが難しかった。しかし,実習を第Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと行ううちに,施設の他職種や利用者との関係,自
分の施設・職場での役割とはこういうことなのかなと実際に行うことでプラス面が考えられ見つける
ことができるようになった。そして,介護・福祉関係の学びは「情報」が大切ということをとても印
象深く感じた。この先,今回や今までの学びを活かし,より多くのことに気づき自分を成長させてい
きたいと思う。
─ 56 ─
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