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ビジターセンター、物産館、親水公園の機能及び規模

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ビジターセンター、物産館、親水公園の機能及び規模
●ビジターセンター、物産館、親水公園の機能及び規模
(面積:㎡)
ビジターセンター
展
示
・展示室
240
60㎡×4コーナー
(地下水かん養の科学)
(堰、井手の技)
(農業と水の文化)
(水際生態系)
1室
・展示収蔵庫
50
(企画展示物等の収蔵)
学習、研究
・講義室
120 名
150
(小中学生 3 クラス程度、AV 機器)
・図書コーナー
1室
70
(地下水等資料閲覧、開架式)
交
流
・会議室
2 室(30 名/15 名)
70
(生産者消費者交流等多目的に使用)
・研究室
2室
50
(NPO、ボランテイア活動の拠点機能)
管
理
1室
・事務室
70
(館長室、応接室を含む)
50
・施設、公園管理準備室
(機器倉庫、シャワーを含む)
エントランスホール、ラウンジ
70
トイレ、機械室
80
100
通路、その他
計
105
1,000
白川中流域物産館
物産直売所
170
・販売スペース
(ホール等を含む)
30
・倉庫、搬出入スペース
(販売用)
30
・管理事務
(事務室、小会議室を含む)
・トイレ
30
・機械、その他
40
計
300 ㎡
地元の味処
・食堂
52 席
(4 席×10
100
6 席×2)
50
・厨房
(食堂×0.5)
・エントランスホール、トイレ
30
・管理事務、機械室、その他
20
計
200 ㎡
屋外体験ゾーン
散策路
・上井手、下井手に沿った遊歩道整備
約 200m
(路面、植樹、ベンチ、照明等)
堰、井手
・既存の堰、井手周辺の環境整備
水路,水車
・ビジターセンター周辺の散策路沿いに水路及び水車を設置
水路 50m
・ビジターセンターの外構として水路に接続した池を設置
水車 2 基
106
体験水田
約
2ha
・ビジターセンター周辺の水田を活用した体験水田の整備
・
湛水公園(ビオトープ)
約 0,5ha
白川中流域の植生を活した地域性ある湛水公園の整備
・生態系観察、教室等のプログラムを準備する
●ビジターセンター、物産館、親水公園の建設費概算
(単位:千円)
ビジターセンター建設費
496,000
物産館建設費
212,000
建築設計監理費
48,000
その他(散策路/水車/ビオトープ)
67,000
合計
ビジターセンター(RC 木混構造
項目
823,000
1,000㎡)
(単位:千円)
数量
単位
共通仮設
1
式
23,000
建築工事
〃
〃
196,000
47.1%
648/T
空調設備工事
〃
〃
33,000
7.9%
109/T
給排水衛生設備工事
〃
〃
12,000
2.9%
40/T
電気設備工事
〃
〃
36,000
8.7%
119/T
浄化槽工事
〃
〃
15,000
3.6%
100 人槽
展示工事(240 ㎡)
〃
〃
87,000
20.9%
1,198/T
外構工事(1,000 ㎡)
〃
〃
14,000
3.4%
46/T
416,000 100.0%
1,375/T
純工事費
金額
38,000
現場経費
備考
5.5% 5.9%
9.2%
454,000
工事原価
42,000
一般管理費
496,000
工事価格
107
9.3%
76/T
白川中流域物産館(RC 木混構造
項目
500 ㎡)
(単位:千円)
数量
単位
共通仮設
1
式
9,000
建築工事
〃
〃
90,000
50.8%
596/T
空調設備工事
〃
〃
17,000
9.6%
113/T
給排水衛生設備工事
〃
〃
9,000
5.1%
60/T
電気設備工事
〃
〃
18,000
10.1%
119/T
浄化槽工事
〃
〃
15,000
8.5%
100 人槽
外構工事(500 ㎡)
〃
〃
7,000
4.0%
46/T
食事処機器備品(200 ㎡)
〃
〃
12,000
6.8%
198/T
177,000 100.0%
1,172/T
純工事費
金額
備考
5.1% 5.5%
17,000
現場経費
60/T
9.6%
194,000
工事原価
18,000
一般管理費
9.6%
212,000
工事価格
建築設計監理
(単位:千円)
項目
数量
単位
金額
ビジターセンター
1
式
32,000
6.45%
物産館
〃
〃
16,000
7.55%
48,000
合計
屋外体験ゾーン/湛水公園(ビオトープ)
項目
備考
(単位:千円)
数量
単位
金額
備考
散策路
1
式
18,000
200m×3m×30/㎡
水車
〃
〃
24,000
12,000/1 棟×2
〃
〃
25,000
5000 ㎡×0.5/㎡
屋外体験ゾーン
湛水公園
ビオトープ
67,000
合計
※1
基盤整備(水田・水路整備、道路・駐車場整備など)を含まない。
※2
消費税を含まない。
108
(10)地下水保全市民ネットワーク推進プログラム
●実施主体
熊本市水保全課等
●実施協力
環境ネットワークくまもと、NPOくまもと、熊本地下水研究会
●実施方法
情報誌の作成や現地学習会の協力・運営、フォーラムの開催などの活動に
関係団体の参画を仰ぎながら、情報共有化のためのネットワークを構築す
る。
●実施内容
①情報発信事業への参画
②現地学習会等、学習イベントへの参画
③講演会・フォーラム等への参画
④ネットワーク連絡会議への参画
⑤ボランティア活動への参画
●推進体制
事務局機能の設置:情報の総合窓口として機能すると共に、各種団体を参
画させていくための方法を検討する事務局を設置する。事務局は市民参加
型で運営する。
(11)流域資源管理協議会(仮称)推進プログラム
●実施主体
任意の第三機関として立ち上げる。
●実施協力
熊本地域地下水保全対策会議、熊本地域地下水保全活用協議会、(財)肥
後の水資源愛護基金、
(財)熊本開発研究センター、
(社)日本技術士会熊
本技術センター、熊本大学・熊本県立大学・九州東海大学、熊本経済同友
会、JA熊本中央会、環境ネットワークくまもと、NPOくまもと、地元
土地改良区
●組織の性格
下流域から中流域への支援のあり方や、具体的事業の推進及びその評価、
地下水かん養に関する諸資源の管理、等を実施する為の組織として、産業
界・学界・行政・住民団体等の参加により構成する。既存の「熊本地域地
下水保全対策会議」を核に、研究機関や市民活動団体を取り入れた、幅広
い組織構成を検討する。新たな財団もしくはNPO 法人としての立ち上
げも検討する。
●実施内容
①かん養事業企画・運営・管理の実施
②地下水に関する調査研究事業の実施
③土地利用の将来ビジョンの策定と運営・管理の実施
④地下水に関する総合窓口機能
⑤地下水科学館・親水公園(ビオトープ)等の企画・運営管理
109
第5節 流域連携プログラムの推進にあたって
以上、白川中流域での流域連携事業のプログラムについて提案を行った。冒頭に述べたよ
うに、本流域連携事業においては、まずその担い手となるべき熊本市民は、白川中流域への
知識や関心が薄いという状況から、対応策を考えなければならないという課題があった。こ
のことは、本流域連携事業の最大の特徴ともいえる。一般に、流域といえば特定河川の地形
的広がりにおいて、共通の生活基盤を認識することができる。そのことによって、上流・中
流・下流といった圏域での連携の目標も確認できる。しかし、下流域の熊本市民が、地下水
を生活用水として利用しているからといって、
それがなぜ白川中流域との連携につながるの
かは、簡単には理解できない。地下水のかん養メカニズムとその挙動といった知識が不可欠
になる。先にも指摘したように、下流域の熊本市民にとっては、白川中流域に対する関心は
中抜け状態で、意識的には上流域の阿蘇と結びついているのである。したがって、流域連携
事業の着手も、こうした市民の意識における中抜け状態を修正するための、情報発信事業か
ら取り組むことを提案せざるを得なかった。水源かん養林という言葉が一般的となればなる
ほど、市民の意識は「山=阿蘇」という情報に占められるのであり、
「水田=中流域」と言
う情報は大きく欠落するのである。そして、地下水を守るためには「山に木を植える」こと、
あるいは「山を自然の状態で守ること」が重要であると誰もが信じてしまう。山で保水・貯
留された雨水が白川の水量を維持し、その白川の水を堰から採って、用水路から水田にひき、
その水田から地下水へとかん養されるといったつながりについては、
まだほんの一部の関係
者しか知らない情報なのである。このためには、こと熊本地域の地下水かん養にとっては、
山は間接的役割を果たしており、直接的な関わりは水田であることを訴えつづけなければな
らない。そのことが流域連携事業着手への第一歩である。
そこで連携事業プログラムでは、情報の発信として、情報誌の発行や現地学習バスツアー
の実施、小学校への出前授業といった活動の仕掛けを提案した。熊本市行政としては、県や
大津町・菊陽町といった関係機関と連携を採りながら、2年間をめどにまずこうした広報事
業を推進すべきである。少なくとも、市民意識調査において熊本市民の半数が白川中流域の
水田の重要性とかん養対策の必要についいて理解できているといった結果が出るよう、広報
活動の充実を図っていく必要がある。このような情報発信の広がりを得なければ、他の流域
連携事業の推進は困難であるといえる。
こうした状況づくりの次に、流域連携事業の推進として配慮すべきことは、消費者団体や
環境団体、ボランティア等の活動をネットワークしていく仕掛けが必要である。これは地下
水を活動テーマとする団体が現時点では存在しないため、
様々な団体をネットワークしてい
くことで、全体として地下水保全のテーマを担ってもらうという狙いと、そもそも地下水の
テーマは白川中流域の水田機能維持という、営農問題に直接的関係があるため、地産地消の
テーマやや農作業体験、あるいは環境学習といった種々のテーマとの関連の中で、全体とし
ての地下水保全の活動を推進してもらうという目的による。とくに、学校教育との関連は学
110
校現場のニーズにもかなったテーマとなっており、教育委員会との連携で推進することが求
められる。
さらに、具体的な仕掛けでは、熊本市における校区単位の地域づくり推進活動との連携も
重要である。熊本市では地域づくり推進課が主管となって、校区単位で地域づくり活動の立
ち上げと、その取り組みへの支援を行っている。具体的には自治会や老人会、子供会、PT
A、あるいは小学校などが活動主体となって、地域づくり活動のテーマを選定し、研究会か
ら団体立ちあげへと、取り組みを進めている。そこで、かつての湧水地帯であった八景水谷
がある清水校区や、江津湖がある砂取校区、泉ケ丘校区、画図校区といった校区での地域づ
くり活動において、湧水と地下水との関連や、白川中流域住民との交流といった、環境学習
などのテーマを選定し、モデル的に市民レベルでの流域連携事業を推進できるよう、校区へ
の説明等、関係者にアプローチしていくことが求められる。
中流域との連携事業では、その窓口となる団体の役割が重要となる。地元役場やJAなど
関係機関との連携はもちろんであるが、とくに土地改良区との連携は不可欠となる。用水路
清掃ボランティアや現地学習バスツアーの実施といった事業での連携だけでなく、日常的に
水管理の要である土地改良区と情報交換して、密接な関係の構築が必要である。
白川中流域に関する流域連携事業は、市民やボランティア団体等の自主的な交流活動から、
水田の地下水かん養機能維持のための政策実施に関わる関係機関の連携まで、多種多様な形
態が考えられる。このような中で、特に政策的レベルに関わる連携については、
「流域資源
管理協議会」のような新たな第三機関が、全体の連携事業をマネジメントできることが望ま
しい。こうした第三機関が、白川中流域の将来的な水利用や土地利用の方針を検討し、例え
ば埼玉県における「見沼田圃」の保全・活用・創造の取り組みに見るように、可能なところ
から地下水保全方針に基づいた、白川中流域公有地化事業へと、より高度なレベルへの移行
も重要な課題となってくるものといえる。
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