Comments
Description
Transcript
PDF:1207KB
∼特集∼ 月日を無事に過ごすための行事 材の味を大事にする食文化です。 主な年中行事と行事食 ― 3/3 上巳 ◇ハマグリの吸い物 ― よい伴侶に巡り合うようにと の願いが込められている 3/ 頃 春の彼岸 ◇ぼた餅 牡丹の花に見立てた先祖への 供え物 5/5 端午 ◇柏餅 新芽が出るまで古い葉が落ち ないため、家系が絶えない縁 起物とされる 7/7 七夕 ◇そうめん 旧暦7月7日の七タの儀式に 供え物の一つとして供えられ たとか 9/9 重陽 ◇菊酒 古来中国から伝わり、菊のし ずくで不老長寿を願う 9/ 頃 秋の彼岸 ◇おはぎ 小豆の粒が、咲き乱れる萩の 花に似ていたため、食される ように / 頃 冬至 ◇かぼちゃ︵なんきん︶ ﹁ん﹂が付く食べ物は幸運を 呼び込むといわれている 23 23 越えてきました。 行事食には、季節の移り変わ りを知るとともに、自然の恵み を取ることによって、体調を整 えようとした昔の人々の知恵が 詰まっています。 です。 そのときに、ご馳走を神に供 え、家族みんなで食事をする。 これが行事食です。 この五節句とともに、彼岸や 冬至などの季節の節目ごとに、 その季節に合った食材を体内に 取り入れ、体調を整えたり、厄 払いをしたりします。 ■魅力の宝庫 平成 年 月、ユネスコ無形 文化遺産に﹁和食﹂が登録され ました。 春 20 夏 秋 12 / 大晦日 ◇年越しそば 冬 ■季節の節目に 毎年必ず巡ってくるハレの日 を年中行事と言いますが、その 基本は﹁五節句﹂です。 奈良∼平安時代に中国から伝 わってきた風俗や暦法を、日本 固有の行事と習合させた五節句 には、人日︵1月7日 、 )上巳 ハマグリ 鉄やリンが「貧血」を予防し、 カルシウムが「精神」を安定さ せる 小麦粉 タンパク質が「消化器系全般」 を丈夫に あずき 豊富なビタミンB₁が 「疲れ」 を 取る 菊 「疲労」回復や「食欲」増進が 期待できる かぼちゃ カロテンやビタミンCが「風邪」 や「生活習慣病」を予防 そば 消化吸収の良いデンプンで「胃 もたれ」知らず 七草 おせち料理などで「疲れた胃」 を休める 邪気を払い、無病息災を願う 1/7 人日 ◇七草がゆ 神様に供えた餅を食す ◇雑煮 良い一年を過ごせるようにと、 願いを込めてハレの日を祝う 田作り︵豊作祈願︶、数の子 ︵子孫繁栄︶など一つ一つに ◇おせち・雑煮 細く長く寿命が延びるように 1/1 正月 31 12 3月3日 、端午︵5月5日 、 日本の四季、それを感じられ ( ) ) 七夕 7月7日 、重陽 9月9 る自然とともに育まれてきた和 ( ) ( 日 が 食は、見た目の美しさはもちろ )あります。いずれも厄払 いの意味を持ち、新しく迎える ん、栄養バランスにも優れ、素 ∼主な行事食に使われる 食材の栄養と効果∼ 12 和食の中でも行事食は、日常 の食事に上手に取り入れること で﹁旬﹂の新鮮な食材を自然に 食べることになります。 また、行事ごとに決まった食 事を家族や地域の人たちと取る ことで、その結びつきを強めて くれるといった良さもあります。 さらに、地域によって作り方や 味付けなどに特色が出るため、 そうした点も魅力の一つになっ ています。 家族の健康や長寿、穏やかな 日々を願って食される行事食は、 各地方で、それぞれの気候や風 土に適した作物や魚介類などの 食材の栄養を十分に生かした料 理が多く用いられています。 行事食で季節を楽しむ ∼貝の「うま味」を味わおう∼ 25 【材料 人分】 ハマグリ つ、三つ葉 本 A(水 400㏄、昆布 ㎝) 酒 大さじ しょうゆ 小さじ 塩 少々 【作り方】 ①ハマグリは殻の表面をきれいに洗い、海 水くらいの塩水( %の塩分)につけ、 涼しいところに ∼ 時間置き砂抜きを してから洗う。 ②三つ葉は茎を湯がき、半分に折り結ぶ。 ③鍋にAと①のハマグリを入れて火にかけ、 沸騰してきたら昆布を取り出す。 ④ハマグリの口が開いたら、あくを取り除 き、酒、塩、しょうゆの順に入れ調味す る。 ⑤器にハマグリを入れ、汁を注ぎ、②の三 つ葉を添える。 ■先人の知恵 旬 レシピ♪ 行事食の 2 3 四季折々の自然に出会うこと ができる日本には、伝統行事や 祭りなどの﹁ハレの日﹂に食べ る﹁行事食﹂があります。 行事食は和食の一つで、自然 の恵みに感謝し、旬の食材を使 うことから、季節そのものを味 わうこともできます。 稲作を中心とする農耕生活を 続けてきた日本人は、季節の変 化を知ることができる日に行事 を行うことで、収穫に感謝して きました。 また、旬の食材で作られたご 馳走を食べることで、体に栄養 と休息を与え、体調を崩しやす い季節の変わり目を元気に乗り ひと足先の