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第3章 開催時期

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第3章 開催時期
第3章 開催時期
1.開催期間の検討
1)国際園芸博覧会の開催条件
国際園芸博覧会の類型からA2・B1を選択すると、会期条件は
以下のようになる。
A2
8日以上 20 日以内
B1
3ヶ月以上6ヶ月以内
A2・B1
最短
3ヶ月(A2をB1期間内に取り込み)
最長
6ヶ月20日(A2をB1期間外に設定)
2)草花の開花条件
札幌市内における草花等の開花状況は、以下のようになる。
大通公園
春花壇の植栽(4月下旬)
(パンジー、デイジー等)
夏花壇の植栽(7月上旬、8月中旬)
(マリーゴールド等)
秋花壇の植栽(10 月上旬)
(キク、ハボタン等)
草花の開花条件からは、4月下旬から 10 月下旬までの間に会期
を設定することが可能であると想定されるが、4月当初の植栽に当
たっては、ハードニング(馴化処理)が必要であり、また、10 月下旬
の植栽については、使用できる花きが相当限定されるものと想定さ
れ、会場内の草花の開花が期待される国際園芸博覧会として、事
実上、それぞれ2週間程度の短縮が必要であると思われる。
41
<参考資料>
■札幌市内公園緑地の主要花卉の開花時期
花が咲く時期
3
4
5
6
7
8
9
10
11
花の種類
上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下
旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬 旬
アジサイ
○ ○ ○
イチョウ
ウ メ
エゾエンゴサク
○ ○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○ ○
エンレイソウ
○
オオウバユリ
○ ○ ○ ○ ○ ○
カエデ
カタクリ
○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○
キクザキイチゲ
○ ○ ○
キバナノアマナ
○ ○ ○ ○ ○ ○
コジマエンレイソウ
サクラ
○
○ ○ ○
シラカバ
○ ○ ○
スイレン
○
スズラン
○ ○
タニウツギ
○ ○ ○
チューリップ
○ ○ ○
ツツジ
○ ○ ○ ○
ナツツバキ
ニリンソウ
○ ○ ○
○ ○ ○
バ ラ
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
フ ジ
○ ○ ○
マンサク
ミズバショウ
○ ○ ○
○ ○ ○
ムクゲ
ムスカリ
○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○
ユ リ
ライラック
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○
※札幌市ホームページより
42
3)気候条件
※霜と雪の初日・終日
雪の初日(初雪) 10月27日
雪の終日
4月19日
霜の初日
10月22日
霜の終日
4月24日
※最高気温及び最低気温
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
2.7℃
7.8℃
12.4℃
17.1℃
18.5℃
13.6℃
6.9℃
~
~
~
~
~
~
~
11.1℃
17.0℃
21.1℃
25.0℃
26.1℃
22.0℃
15.8℃
理科年表(第77冊)より
(統計期間 71 年~00 年)
霜の終日及び初日を考慮すると、4月下旬から10月中旬が妥当
な会期となるが、地理的条件によっては最低気温や体感気温が相
当下がることが予想され、特に、植物の成長を考慮すると、10月上
旬が限界とも想定される。
4)施工条件
積雪による工事の中断を考慮し、基本的な施設整備及び造園修
景空間の造作は前年度の秋までに終了しているものとし、開催年度
の工事は、花壇への草花植栽工事及び出展庭園に係る整備工事と
想定すると、雪の終日から開会日までの日数は以下のようになる。
*花壇草花植栽工事は、花壇造作と土壌改良を前年度に終了し
ていると想定すると、開場前1ヶ月の工程。
*出展参加者による庭園工事は、大型の造作等は前年度に終了し
ており、各出展庭園の配置をゆとりを持って対応できる場合は、
開場前1ヶ月の工程(各庭園の前面にゆとりのある幅の園路が接
続していると想定)
*上記はいずれも園路等の関係工事は前年度に終了していること
が条件
なお、雪の平均的な終日(4月19日)を考慮すると、開会日は5
月20日前後となることが想定される。
上記の開催条件、開花条件、気候条件、施工条件から、大型屋
内展示場で屋内出展等のみを先行的にオープンする手法をとらな
い場合は、5月下旬から10月初旬までの会期が考えられる。
*例えば、A2を大型屋内展示場でゴールデンウィークから20日間
程度先行的に開催し、B1を主会場で5月下旬以降開催する手
法もあるが、AIPHとの調整や入場券の発行方式など検討課題
も多い。
43
2.開催年次の検討
国際園芸博覧会の開催年次については、同クラスの実績である
※国際園芸博覧会の準備期
間は、会場の基盤となる公
園等の整備如何にもよる
が、既設の公園を基礎とし
て活用する場合、短い期間
で開催準備を整えることが
十分に可能と考えられる。
「浜名湖花博」や「淡路花博」の準備過程をなぞると、開催誘致の意
思決定より最短で概ね6年程度の準備期間での対応が可能である。
一方、国際園芸博覧会は多くの企業・団体・個人等による出展等
の参加によって構成される。国際園芸博覧会が一定の政策目標を
掲げ、多くの参加によってまちづくりの社会現象へとつなげていくた
めには、市民参加者の関心を継続できる準備期間であり、時代環
境についての認識が予測の範囲内にとどまることが望ましい。
こうしたことから、十年一昔の言葉に代表されるように、少なくとも
10年以内の期間であって、かつ、多様な参加を促進できる準備期
間があることが望ましい。
以上を考察すると、仮に、2008年末に開催誘致を決定するとして、
開催時期は、2015年から2018年程度とすることが適切である。
1)開催準備スケジュール
札幌市における国際園芸博覧会の開催準備スケジュールについて
は、直近の「浜名湖花博」の準備開催スケジュールを参考に、最短の2
015年開催のケースでは、次表のように設定することが考えられる。
すでに供用されている既存の施設を活用する場合には、行政手続や
基盤となる公園等の整備工程などの準備スケジュールを短縮することが
※A2については開催4年前ま
でにAIPHに申請、B1につ
いては開催3年前までに申
請する必要がある。仮に、
国際博覧会条約に基づくA
1をめざす場合は、開催6年
前までにAIPHに申請する
必要がある。
可能と考えられる。また、国際園芸博覧会としての国際園芸家協会
(AIPH)による承認手続きも、A2B1クラスの規定上、開催初日の4年前
までとされており、2015年の開催は可能な範囲内であると考えられる。
なお、2008年度における市民意向の把握等に時間を要し、AIP
Hとの折衝や基本構想の着手が2009年度に遅延するケースでは、
2016年以降の開催も合わせて検討する必要がある。
※他の園芸博覧会と重複しな
い等の規定があるため、早
期に開催申請を行い、カレ
ンダーに登録することが必
要(正式申請の前に立候補
だけでもよい)
2008 年
意思決定、AIPH への意向表明、基本構想検討準備 等
2009 年
基本構想・基本計画策定、準備室及び協議会の設置 等
2010 年
国際園芸博覧会実行組織設置(協会、日本委員会等)、
実行組織としての第一次実施計画調査 等
2011 年
会場実施設計及び第二次実施計画調査
2012 年~
2013 年 会場整備並びに各種準備運営開始、参加勧奨
2014 年
出展者工事、会場修景、会場運営準備
2015 年
国際園芸博覧会開催
44
■浜名湖花博を参考にした最短(2015 年)開催準備スケジュール
(詳細)
※「浜名湖花博」では、用地取
得はなされていたものの新
しい都市公園等を新規に整
備することと合わせて事業
が進められたため、行政内
部における検討開始から都
市計画決定等の行政手続
を含め、概ね10年の期間を
要している。
年次
開催準備スケジュール
開催10年前 ・開催要望
(2005年) ・要望企画案制作(経済団体主体)
開催9年前
(2006年)
開催8年前 ・可能性調査(行政主体)
(2007年) 開催7年前 ・開催意向の決定((パブリックコメント等による市民意向の把握)
(2008年) ・意向表明
・AIPHとの折衝(AIPH日本代表(全国企業団体)との調整)
・国際園芸博覧会基本構想検討準備(行政主体)
・事業進行監理体制樹立
開催6年前 ・開催行政組織設置(準備室等)
(2009年) ・基本構想策定(行政主体)
・推進協議会等設置(実行組織に向けての企業団体、市民等との連携)
・AIPH役員による候補地調査(行政主体)
・シンポジウム等の開催による機運の醸成(企業団体、市民等との連携)
・AIPH正式承認手続き(行政主体)
・基本計画策定
開催5年前 ・博覧会実行組織(協会、日本委員会)設立(企業団体との連携)
(2010年) ・会場基本設計・第一次実施計画策定(協会主体)
・博覧会正式名称、シンボルマーク等公募(協会主体・市民等との協働開始)
開催4年前 ・会場実施設計、第二次実施計画策定(協会主体)
(2011年) ・市民等参加活動
・関連公共事業整備(行政主体)
開催3年前 ・関連公共事業整備(行政主体)
(2012年) ・会場基盤整備(基盤公共事業)
・出展等参加勧奨
・植物調達調整(協会主体)
・市民等参加活動
開催2年前 ・会場基盤整備
(2013年) ・出展等参加勧奨
・植物調達調整
・コンテスト企画
・会場運営準備(協会主体)
・市民等参加活動
開催1年前 ・会場修景
(2014年) ・出展調整・コンテスト準備
開催年
(2015年)
・会場運営準備(協会主体)
・参加準備、出展者工事等
・市民等参加活動
・国際園芸博覧会開催
・市民等参加活動
・コンテスト実施
「浜名湖花博」における準備過程
(1994年度)
・国際園芸博の県内開催の検討開始(それ以前に全国都市緑化フェアの可能性調査実施)
(1995年度)
・AIPHに意向表明(プロヴィジョナルカレンダー登録)
・県庁内に推進組織
・会場候補地決定
・AIPHに回答書送付
(1996年度)
・県「園芸博準備室」設置
・地元推進組織設置
・AIPH役員による候補地調査
・AIPH総会で正式承認(ハンガリーにて)
・基本構想取りまとめ
(1997年度)
・AIPHにて基本構想概要説明
・全国的な支援組織として日本委員会設置(木村尚三郎会長)
・正式名称、シンボルマーク決定
・財団法人静岡国際園芸博覧会協会設立(会長:鈴木修氏)
・地元経済界による支援組織「しずおか国際園芸博覧会浜松地域推進協議会」発足
・基本計画取りまとめ
(1998年度)
・第2回日本委員会開催
・AIPH総会で進捗状況報告
(1999年度)
・第3回日本委員会開催
・AIPH総会で進捗状況報告
・博覧会跡地利用計画「浜名湖ガーデンパーク構想」公表
・AIPH役員等による国政園芸博覧会セミナー開催
・中国世界園芸博覧会へ出展
(2000年度)
・県準備室を「国際園芸博推進室」へ改組
・第4回日本委員会開催
・AIPH総会で進捗状況報告
・「静岡国際園芸博覧会植物監修会議」設置
(2001年度)
・協会建設部浜松事務所設置
・AIPHマーケッティング委員会において開催期間正式承認
・全国都市緑化フェア及びジャパンフラワーフェスティバルの併催承認
・第5回日本委員会開催
・AIPH総会で進捗状況報告
・「しずおか国際園芸博覧会輸送交通対策協議会」設置
(2002年度)
・「浜名湖地域協議会」を「静岡国際園芸博覧会浜名湖地域推進実行委員会」に改組
・オランダフロリアードに出展
・韓国国際花の博覧会に出展
・イギリスチェルシーフラワーショーに出展
・AIPH総会で進捗状況報告
・県民参加による全県的な組織「浜名湖花博推進協議会」発足
・第6回日本委員会開催
・AIPHマーケッティング委員会においてコンテスト概要説明及び審査員就任依頼
(2003年度)
・秋篠宮殿下名誉総裁御就任
・カナダモザイカルチャーに出展
・AIPH総会で進捗状況報告
(2004年度)
・「浜名湖花博」開催
・コンテスト実施
45
2)公園等整備スケジュール
仮に、前項の開催準備スケジュールによる国際園芸博覧会の開
催に合わせて、サッポロさとらんど及びモエレ沼公園の一体整備や
周辺整備等を実施する場合には、以下のようなスケジュールを設定
することが考えられる。
ただし、用地買収の状況や整備の内容によっては、さらに期間を
要することも考えられる。
2008 年
国際園芸博覧会基本構想検討準備及びサッポロさとらん
ど及びモエレ沼公園整備基本構想検討準備
2009 年
サッポロさとらんど及びモエレ沼公園整備周辺基本計画
構想・基本計画策定及び都市計画等手続き、イサムノグ
チ財団調整
2010 年
都市計画事業認可及び用地買収、用地測量、公園基本
設計(買収予定地等)、連絡橋等予備設計
2011 年
2012 年
用地買収継続、公園実施設計、連絡橋基本設計
用地買収及び公園実施設計継続、連絡橋実施設計、基
盤整備一部着手
2013 年
基盤整備、連絡橋整備、環境植栽及び施設整備
2014 年
修景植栽及び施設並びに工作物整備、竣工
2015 年
国際園芸博覧会開催
<参考資料>開催目標年次の記念行事等
AIPHの規程及び開催までのスケジュールを考慮し、2015 年以降の主な記念行事等を整理す
ると次のようなものがある。
年次
2015年
主な記念行事など
モエレ沼公園グランドオープン10周年 2005年 モエレ沼公園全面供用開始
札幌開墾150年
2016年
北海道新幹線函館開業
2018年
2021年
備考
1866年(慶応2年) 大友亀太郎が本格的な農地開拓のため入
植
2016年 新函館~新青森間まで開業予定
1968年(明治元年 )開拓使設置、
札幌市創建150年または開道150年 1918年 開道50年記念北海道博覧会開催
札幌市市政施行100年
及び政令市移行50年
1922年 市政施行、1972年 政令指定都市移行
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