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国家補償!
国家補償 行政救済法の全体像 行政救済法とは? 国(公務員等)の行政活動によって私人の権利・自由に不利益を与えた場合、それを救済する方法を 定めたもの では、救済方法としてどんなものがあるか? ①行政処分自体を争う方法 or ②金銭的な救済を与える方法 国家賠償の新旧 明治憲法 日本国憲法 公務員による損害 請求不可 (国家無答責の原則) 国家賠償法1条で請求 物的瑕疵による損害 民法717条で請求 (徳島小学校誘導円棒事件) 国家賠償法2条で請求 徳島小学校誘導円棒事件(大判大5.6.1) ①小学生が校庭で誘導円棒(木製の遊具)で遊んでいた。 ②腐敗していた支柱が折れて負傷。2日後に死亡した。 国に救済を図れないか? この点、 当時(大正5年)は、国家無答責の原則により、物的瑕疵による損害も請求は認められていなかった。 しかし、 大審院は校庭を民間の庭と同じと考えることによって、民法の工作物責任を根拠にした。 よって 請求可能。 国家賠償法の構成 ◎国家賠償法1条と2条の違い 国家賠償法1条 国や公共団体の公務員の公権力の行使にともなう損害の損償責任 国家賠償法2条 公の営造物の設置または管理の瑕疵にともなう損害の損償責任 ◎共通点 ①行政主体(国又は公共団体)に賠償責任がある。 ※損償責任の相手方は、公務員個人でも、行政庁(知事や各省大臣や市町村長等)ではない。 ②民法、特別法が適用されることがある。(次ページに判例あり) 国家賠償法に規定にないものは、民法の規定が準用される。 ③相互保証主義 日本人が、外国で公権力によって被害を受けた場合に当該外国で国家賠償が受けれる場合に限っ て、当該外国人に対して国家賠償を認める(国家賠償法6条) 国家賠償法と失火責任法 A ①消防職員が現場に向かう。 市 ②火が鎮火していたため出火原因の調査と残り火の点検だけで引き上げた。 ③翌日、前夜の残り火が原因で再び出火し、家屋は全焼した。 火事現場 ④国家賠償を請求 A市は、失火に対して軽過失を免責する失火責任法は国家賠償請求にも適用されるから、 消防職員に重過失のない本件では責任を免れると主張した。 判例 失火責任法は適用されるのか? この点、 国家賠償法4条は、民法の規定が補充的に適用されることを明らかにしている。 そもそも失火責任法とは 失火者の責任条件について民法709条の特則を規定したものである。 よって 失火責任法は適用される。 公権力の行使にあたる公務員の失火による国又は公共団体の損害賠償責任については、国 家賠償法4条により失火責任法が適用され、当該公務員に重大な過失があることが必要である。 求償権の有無 求償権とは? 行政主体 一般人(被害者)が公務員個人(加害者)によって被害を受け、 国が損害賠償を負った場合、国が公務員個人に対して、 その損害を公務員個人に求める権利 ③求償権 これは認められるのか? 一般人 ①加害 では、この求償権は認められるのか? 公務員個人が故意又は重過失の場合のみ求償権を有する。 ②損害賠償 公務員個人 確認問題 国家賠償法に関する次の記述のうち、判例・通説に照らし、次のア〜ウについて正しい組み合わせは どれか。 ア.国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、重大な過失によって違法に他人に損害を加 えたときは、国又は公共団体はこれを賠償しなければならないが、国又は公共団体はその公務員に 対して求償権を有しない。 イ.明治憲法下では、国や公共団体に対する損害賠償についての法律はなかったが、公の営造物の 瑕疵による損害に関しては、民法の規定によって一定範囲で損害賠償の請求ができた。 ウ.失火ノ責任ニ関スル法律は失火者個人の保護を目的とするところ、その趣旨は公務員個人への求 償が故意又は重過失の場合に制限されている国家賠償請求には妥当しないため、消防署職員の消 火活動が不十分なため残り火が再燃して火災が発生した場合における公共団体の損害賠償責任に ついては、失火ノ責任ニ関スル法律は適用されない。 ア イ 1. 正 正 ウ 正 2. 正 誤 誤 3. 誤 正 正 4. 誤 正 誤 5. 誤 誤 誤