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一般社団法人日本手外科学会 第21回春期教育研修会

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一般社団法人日本手外科学会 第21回春期教育研修会
一般社団法人日本手外科学会
第21回春期教育研修会
■日 時:2015 年 4 月 18 日(土) 8:00~15:30
■会 場:京王プラザホテル コンコードボールルーム B
〈7:30~〉
受付開始
〈8:00~9:00〉
1.肋骨肋軟骨移植術による関節形成術 ―上肢骨軟骨損傷の治療を中心に―
佐藤 和毅(慶應義塾大学医学部整形外科)
〈9:00~10:00〉
2. 形成外科における神経移植と神経付き皮弁の拳上法
柏 克彦(岩手医科大学医学部形成外科)
〈10:10~11:10〉 3. 肘部管症候群の病態と治療
尼子 雅敏(防衛医科大学校整形外科)
〈11:10~12:10〉 4. Musician’s Hand の治療の実際
仲尾 保志(医療法人社団保和会元赤坂クリニック)
〈12:20~13:20〉ランチョンセミナー
「CRPS の最前線」
平田 仁(名古屋大学大学院医学系研究科 手の外科学)
〈13:20~14:20〉 5. 筋肉移植術による上肢機能再建の基礎と実際
服部 泰典(小郡第一総合病院整形外科)
〈14:30~15:30〉 6. 橈骨遠位端骨折 ―診療ガイドラインと治療戦略―
澤泉 卓哉(日本医科大学整形外科)
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座長:小畠 康宣(奈良県立医科大学整形外科)
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肋骨肋軟骨移植術による関節形成術 ―上肢骨軟骨損傷の治療を中心に―
佐藤 和毅(慶應義塾大学医学部整形外科)
関節軟骨の障害は関節機能に大きな影響を与える。したがって、関節面の障害や欠損に対し
ては可能な限り正確な解剖学的整復が要求される。演者の行っている関節再建術としての肋
骨肋軟骨移植術について、手術手技や治療上の注意点、治療成績などを動画も交えて解説さ
せて頂く。
本移植術の適応は、外傷性骨軟骨欠損、外傷後関節症性変化、離断性骨軟骨炎など様々な原
因による四肢の比較的小さな関節の障害・欠損である。
本移植術の特長は、①他の関節を犠牲にしないこと、②関節軟骨欠損を硝子軟骨により生物
学的・解剖学的修復することが可能なことである。また、③軟骨部分を自由に形成可能であ
るため、欠損部母床に合わせた関節形成が容易であることも特長の一つである。一方、問題
点は①手術手技に多少の習熟が必要であること、②肋軟骨の骨化を認める年配者では関節形
成が困難であること、③ 1 片の肋骨肋軟骨片で修復できる関節軟骨欠損の大きさに限界があ
ること、である。
座長:鳥谷部 荘八(仙台医療センター形成外科・手外科)
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形成外科における神経移植と神経付き皮弁の拳上法
柏 克彦(岩手医科大学医学部形成外科)
外傷や腫瘍切除などに起因する神経損傷の治療目的は運動・知覚機能の最大限の獲得であり、
神経移植法は四肢・頭頸部をはじめとする神経欠損の修復に不可欠な手法である。そして、
微小血管吻合を用いた血管柄付き神経移植は、大径の神経再建や、周囲血行が不良な部位で
の神経再建、周囲軟部組織欠損を伴う症例などにも有用な選択肢の一つとして、1970 年代後
半から用いられ、今日でもその適応や手技についての検討が進んでいる。
以下の事項に言及しつつ、主に形成外科領域における神経移植術の実際を提示する。併せて、
演者が用いている神経付き皮弁の拳上手技(腓腹神経複合皮弁、外側大腿皮神経複合皮弁な
ど)
について紹介する。
《1)神経移植の歴史、2)神経の修復法、3)神経の縫合法、4)神経の移植法、5)移植神経の種
類と選択、6)血管柄付き神経移植と神経付き皮弁;特徴・適応・手技・pitfalls》
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座長:射場 浩介(札幌医科大学整形外科)
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肘部管症候群の病態と治療
尼子 雅敏(防衛医科大学校整形外科)
肘部管症候群は上肢の絞扼性神経障害の中で手根管症候群についで 2 番目に多く、日常診療
でしばしば遭遇する。本疾患は、肘関節のダイナミックな動きに伴って発生・進行し、絞扼
部位、発生原因など病態は様々である。診断は詳細な神経学的所見に加え、最近は新たな神
経障害誘発テストや、病態を可視化する MRI や超音波検査などの画像診断の試みがなされて
いる。治療法として外科的治療が推奨され、手術法による明らかな優位性はないとされる。
しかし、術後成績不良例も散見され、全ての症例が網羅されているとは言い切れない。異な
る病態に対して単一の治療法で対処するのではなく、病態に即した治療法を適切に選択して、
治療成績の向上に努めるべきである。そのために治療に関するアルゴリズムを考案し、その
方針に沿って治療を行い、有用性を検証していくことが今後の課題である。
座長:青木 光広(北海道医療大学リハビリテーション科学部)
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Musician’s Hand の治療の実際
仲尾 保志(医療法人社団保和会元赤坂クリニック)
Musician’s Hand の治療の特殊性は、①手指の過度の使用が必須である、②手指の分離運動
が必要である、③特殊な姿勢での演奏を強いられる等の特徴があります。そして医者側も④
楽器や演奏技術をある程度は知っている必要があり、また実際の治療では、コンサートなど
治療に時間的制限のあることが少なくありません。
本日の講演では、具体的な疾患として、ピアニストに多い腱鞘炎、ヘバーデン結節、バイオ
リニストに多い肘部管症候群、チェリストに多い手根管症候群に加えて、手指の骨折、靭帯
損傷などの外傷が生じた音楽演奏家の手の治療についても、具体例を上げて解説し、手術法
の工夫やリハビリの実際、さらには楽器の調整方法から再発防止のための演奏フォームにつ
いても述べたいと思います。そして最後に、診断治療ともに難しく、いまだ根本的な治療が
確立していないジストニアについて、私の行っている保存療法と手術治療を紹介いたします。
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座長:田中 克己(長崎大学医学部形成外科)
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筋肉移植術による上肢機能再建の基礎と実際
服部 泰典(小郡第一総合病院整形外科)
筋肉移植術は代表的な遊離複合組織移植術のひとつであるが、近年では四肢や顔面の機能再
建術において欠かせない手術法となっている。筋肉移植術を成功させるためには移植筋の生
着は当然であるが、移植筋の選択、作動神経となる運動神経の選択、移植筋の設置部位、
pulley の作成、移植筋の縫合の緊張、神経縫合術の手術手技など多くの要因がある。本講演
では、筋肉移植術を成功させるために必要な筋肉の基礎的な解剖、生理、上肢のバイオメカ
ニクスなどを中心に解説し、最も一般的な薄筋を用いた腕神経叢損傷に対する筋肉移植術の
手術手技と術後療法の実際について供覧する。
座長:建部 将広(安城更生病院手の外科・マイクロサージャリーセンター)
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橈骨遠位端骨折 ―診療ガイドラインと治療戦略―
澤泉 卓哉(日本医科大学整形外科)
橈骨遠位端骨折診療ガイドラインは,実際の臨床の場で橈骨遠位端骨折の診断・治療に携わ
る医師が,適切な判断や決断を下せるよう支援することを目的として作成された.実際の策
定作業は 2007 年から日本手外科学会(当時日本手の外科学会)から選出された 12 名の委員と
担当理事が担当した.診断,治療,リハビリテーション,手術的治療を積極的に行わない一
般開業医の視点も考慮した保存療法を十分に盛り込むこと,また最近 2-3 年の治療法の変化
に相応しい CQ も盛り込むことに注意した.最終的に診断 9,治療総論 6,保存的治療 6,手
術的治療 26,そのほかの骨折治療法 6,リハビリテーション 5,機能評価・予後 2 で計 60 項目
の Q&A となった.本研修会では,Q&A の中から特に日常診療に直接役立ちそうなものを中
心に解説する.
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