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第2章 - 日野市
第2章 「新たにはじめた取組」 49 1.高齢者“気にかけ”運動の立ち上げ 1)活動の狙いと期待される効果 ○ 誰でも気軽に参加できる新しい見守り支援活動を展開し、これまで目の行き届かなかった高齢 者や登録を拒否するが心配な高齢者に対して適当な見守り支援の体制を構築します。 ○ 地域の中でお互いに『気にかける』 『声をかける』きっかけをつくって、見守り支援ネットワー ク事業全体の底上げと一層の展開を図ります。 ○ 「気にかけ」意識を持ってもらうだけで、定期報告等は求めない敷居の低い取り組みであるた め、認知症サポーターや徘徊高齢者SOSネットワークといった類似活動との連携も含め、こ れまで以上に多くの人の協力が期待できます。 ○ 対象高齢者のいない推進員に地域のアンテナ役としての役割を再認識してもらう機会となるな ど地域に広く「気にかけ」意識が広がることが期待できます。 ○ グループ単位での登録を想定し、個人での登録・活動となる「ふれあい見守り推進員」と差別 化を図ることができます。 ▼実際にあった出来事 50 2)進め方 ▼立ち上げの考え方 ○ 現在の見守り・声かけの活動のような個人単位での活動ではなく、“地域”での自主的な取り 組みを育てていくため、事業の認知が進まない当初は、地縁組織等の既存の団体を中心に協力 を依頼していきます。 ○ 既存の団体として、自治会や老人クラブ、ミニミニふれあい活動実施グループなどを想定し、 団体の活性化も目指します。 ① 事前周知 ・地域かわら版(平成 22 年秋冬号)やPRチラシを配布し、自治会に一斉周知 ・日野市広報による周知も実施 ② 個別団体への働きかけ ・活動的な団体に直接連絡を取り、協力を依頼する ・協力意向がある団体と日程を調整し、説明会の開催を準備する ③ 説明会の開催 ・高齢福祉課職員と地域包括支援センター相談員が団体を訪問し、チラシをもとに活動の 趣旨などを説明する ・協力意向があった場合に申込用紙の記入を依頼する ④ 活動目標の決定 パターンA:説明会後に団体内部で話し合って決めてもらう パターンB:説明会の中で時間を設け、市や包括関係者が加わったワークショップ形式で 活動目標を話し合う ⑤ 申込用紙の回収 ・高齢福祉課職員と地域包括支援センター相談員が記入済の申込用紙を回収する ・申込用紙と引き替えに気にかけグッズ(外出時用カード、携帯クリーナー)を配布する ⑥ 立ち上げ後の働きかけ ・参加申込のあった団体の代表者に地域包括支援センター相談員が訪問/電話連絡 ・事業全体での申込状況や参考になる宣言やご意見・質問などの内容をフィードバック 51 <参考>気にかけ運動PRチラシ(表紙) 52 3)立ち上げの成果 ▼登録団体 ○ 説明会を行った 14 団体のうち、下記の 7 団体にご登録いただきました。 ○ 現在、活動目標を検討していただいているグループで、今後登録していただける可能性のある ところもあります。 ・百草団地ふれあいサロンスタッフ --------------------- 11 名 ・喜楽会(老人クラブ)-------------------------------- 41 名 ・平山6丁目有志グループ ----------------------------- 10 名 ・松ヶ丘自治会1班 ----------------------------------- 3名 ・川辺堀之内自治会 ----------------------------------- 24 名 ・丂ツ塚自治会 --------------------------------------- 25 名 ・高幡台団地自治会(手と手の会)---------------------- 19 名 <参考>説明会の中で出た主な意見 【質問】 ○個人で目標を立てるのか、自治会で目標を立てるのか、どちらなのか。 ○目標を立てるとはどういうことか。 ○既にこのような活動を実践している場合にはどうすればよいのか。 【運動に対する好意的なご意見】 ○非常に良い取組だと思う。市の音頭にのらない手はないと思う。 ○自治会ぐるみでやることで市と自治会のネットワークが生まれるのではないか。 ○年寄りは既にこのような活動をやっている。むしろ若い人に意識を持ってもらいたいが、やらな い人ははじめから地域の活動にも出てこない。どうすればよいのか。 ○遠くの人ではなく隣近所で気をつけてあげるというのが重要である。 ○近所の意識が一番大切だと思う。 【市への要望など】 ○ただ漠然と気にかけているというのはむなしい。地域の中の認知症の方の情報などがあると良 い。 ○地域の中には自治会に入っていない人もいる。アパートの住まいの人の中にはお互いの顔が全く 分からないような人もいる。こういう所は是非市の方で回って欲しい。 ○誰かが倒れているのを見つけた時にはどうしたらよいのか、困ったときにはどこに相談したらよ いのかを体系的に順序立てて示した紙をまず用意することが先決ではないか。 53 ▼ワークショップでの意見交換 ○ ある活動グループとワークショップ形式で話し合いを行いました。 ○ 以下は、ワークショップの中で出された「気にかけてみよう」と思うことのアイディアです。 54 ▼活動の成果・反省点・今後の課題 ○取組をきっかけに登録団体と高齢福祉課や地域包括支援センターと顔の見える関係ができ、地域の 集まり等に声をかけていただくようになりました。 ○自治会へ案内を送付したのが2月だったため、役員改選の時期と重なり、せっかく説明の機会をい ただいても登録へなかなか結びつきませんでした。 ○登録団体への継続した働きかけを地域包括支援センターと行っていく必要がありますが、現在十分 にできておらず、登録後そのままになってしまっている団体もあります。 ○説明を聞いた団体からは、取組内容がわかりにくいとの声がありました。 ○負担感の軽減のため、あえてレポートの作成などを求めていませんが、活動の成果が見えにくいと の指摘がありました。 ○今後は、登録団体と地域包括支援センター、登録団体相互の交流が図れる場を設けていく必要があ ります。 ○登録団体数が伸び悩んでいるため、モデル地区を設定して重点的な働きかけをするなど、もう一度 立ち止まって、「相手を決めない見守り」への全市的な機運が高まるような方策を検討する必要があ ります。 ○高齢者に「私を見てください」と手上げしてもらうための PR より、地域住民に対して「見守って ください」 「何かあったら連絡してください」という PR に力を入れる必要があると思われます。 55