...

各機関の取り組み - 近畿地方環境事務所

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

各機関の取り組み - 近畿地方環境事務所
資料-3
検討会
平成 18 年 4 月 10 日
各機関の取り組み
国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所河川環境課
滋賀県琵琶湖環境部自然環境保全課
滋賀県農政水産部水産課
滋賀県水産試験場
近畿大学農学部、滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター
国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所河川環境課
侵 略 的 外 来 魚 (オオクチバス・ブルーギル)対 策 の検 討 フロー
オオクチバス、ブルーギル等侵略的外来魚の増加によるコイ科魚類等
への捕食による影響が指摘されている。
侵略的外来魚からコイ科魚類等を守る必要がある。
【2 つの視点】
外来魚の個体数抑制(駆除)
「棲み分け」によるコイ科魚類の保護
研究が進んでいる
事例が多い
研究成果がほとんど無い
事例が少ない
駆除技術にも活用
できる可能性がある
刺激に対する魚類の選好性を利用して、「棲み分け」状態を作り出し、
侵略的外来魚によるコイ科魚類の捕食を防ぐ技術を検討する。
侵略的外来魚と在来魚に同じ刺激を与えて反応(忌避と選好)の違いを調べる
【実験】
1.実験対象魚の種類 侵略的外来魚として「ブルーギル」と「オオクチバス」、在来の
コイ科魚類の代表として「ギンブナ」を選定した。
、既
2.刺激の種類 魚に与える刺激は、既存文献などの知見から「堰による流速変化」
存の文献や汎用性・刺激の強さから、「音」と「光」を選定した。
魚に与える刺激
選定理由
3.実験時期
堰による流速変化
堰を設置し流速を変
化させることにより 外
来魚の遡上抑制の可
能性がある
音
海洋牧場などで実績が
ある音の刺激で外来魚
と在来魚の集魚・忌避
の可能性がある
光
集魚灯による漁業で実
績のある光の刺激で外
来魚と在来魚の集魚・
忌避の可能性がある
活性期と非活性期で反応が異なると考えられることから、活性期として 4
∼7 月、非活性期として 9∼11 月で実験を行う。
4. 実験スケジュール
平成17年度
【非活性期の実験】
実験の種類
堰実験
音実験
光実験
平成18年度
【活性期の実験】
平成19年度以降
【フィールド実験】
効果有り
効果の確認
効果の確認
一部効果有り
効果の確認
効果が期待できる
場合実施
効果なし
1
侵略的外来魚駆除技術の検討
国土交通省近畿地方整備局
琵琶湖河川事務所
検討の背景
検討の背景
取り組みのイメージ図
お魚の生息環境と水質の改善
・農業取排水の集約化
・減農薬
安心なお米の販売
(環境こだわり米)
お魚産卵・成育場の確保
魚 道
外来魚のいない川づくり
たまり
お魚逃げ遅れの防止
水 路
・魚道による外来魚のそ上防止
・たまりの定期的な干し上げ
※本検討の目的
・水路の切りかえ
湖内外来魚の削減.
・びわこルールを守る
・漁業者の協力による
外来魚駆除
ヨシ帯修復
消波堤
突
堤
仔稚魚生育環境
の改善
・突堤の建設
・ヨシ帯の修復
・消波堤の建設
2
検討目的
検討目的
■検討目的
琵琶湖沿岸においてコイ科魚類が減少しているとされ
ているが、その要因の一部としてブルーギル、オオクチバ
ス等侵略的外来魚(以下、外来魚とする)の増加によるコイ科
魚類等への捕食による影響が指摘されている。
本検討は、「湖岸域や琵琶湖と田んぼをつなげる水路での
外来魚がいない川づくり」や「湖内外来魚の削減」における外
来魚駆除技術を確立するための基礎資料を得ることを目的
とする。
ブルーギル
オオクチバス
検討フロー
検討フロー
文献整理
※今回の検討内容
有識者ヒアリング
外来魚駆除基礎実験(H17)
外来魚がいない川づくり
湖内外来魚の削減
■光実験
■堰実験
堰による遡上防止技術の確立
効果的な集魚技術の確立
■音実験
効果的な集魚技術の確立
外来魚駆除適用実験(H18 予定)
◎自然環境条件での適用検討及び残された課題への対応
駆除実施
効果検証(フィードバック)
外来魚駆除技術の確立
3
H17外来魚基礎実験の実施項目と目的
H17外来魚基礎実験の実施項目と目的
目的
実験項目
堰による外来魚の
堰実験
遡上防止効果の検証
光実験
光による外来魚の
集魚効果の検証
音による外来魚の
音実験
集魚効果の検証
文献情報
ブルーギルは本来止水域にすむ魚であ
り、河川の堰や水路と川の落差、流れなど
の要素がブルーギルの侵入を阻害してい
ると考えられる(中島ら2001)。
イカ、サンマ、サバ、アジ、イワシな
どでは集魚灯の蝟集効果が実用化されて
いる。刺激の持続・反復に対する慣れに
ついては資料が乏しい(石川ら1991)。
音響の漁業への利用についてはいろい
ろな面から試みられてきているが、まだ
灯火漁法ほど商業的規模での新たな開発
までには至っていない(添田ら1998)。
堰実験(目的)
堰実験(目的)
■実験目的
もぐり堰(水面より下に設置し
た堰)による外来魚の遡上防止効
果の検証
実験施設
(L3m×B0.8m×H0.6m 2区)
■期待される成果
外来魚が侵入できない堰高、流速を把握することに
より、琵琶湖と内湖や水田をつなぐ水路において、
外来魚の侵入を防止する。
4
堰実験(方法)
堰実験(方法)
■実験方法
止水状態の実験区で15h馴致後、流速を設定し、トラップ
による捕獲や目視観察により遡上状況を確認した。
・実験対象種:オオクチバス、ブルーギル各20個体
・実施時期:H17/11/3~16
・水路の高さ:0.8m ・流速:0.2~0.8m/s
・堰高:0~0.4m ・水深:0.45m
※堰実験で使用した堰は、水面
より下に設置した堰であり、以
下の実験結果で示す堰高は、水
路の底面からの堰の高さを示す
(水面より上の堰の高さを示す
ものではない)。
堰実験のイメージ
堰実験(結果①)
堰実験(結果①)
■オオクチバスの遡上率
100%
堰なし
90%
80%
×有意差なし
N:全個体数
S:遡上個体数
堰高0.4m
○有意差あり
遡上率
70%
60%
50%
40%
30%
N=20
S=18
N=20
S=17
N=20
S=20
N=20
S=20
20%
10%
N=20
S=5
0%
0.2m/s
0.5m/s
流速
実施せず
0.8m/s
実験施設
● 流 速 が 早 い と
(0.5m/s) 、 堰 ( 堰 高
0.4m)による遡上防止
効果がみられた。
●なお、遡上してい
ない個体の多くはた
まりに分布していた。
※遡上率は、実験開始6時間後
までに堰を上った最大個体数の
割合を示す。
※堰高0.4mで遡上が確認された
ため、それ以下の堰高の設定で
は実験を実施しなかった。
※有意差はFisherの正確確率検
定(P<0.05)で判定した。
5
堰実験(結果②)
堰実験(結果②)
■ブルーギルの遡上率
100%
○有意差あり
堰なし
堰高0.2m
N:全個体数
S:遡上個体数
堰高0.4m
90%
○有意差あり
80%
遡上率
N=20
S=20
○有意差あり
70%
60%
50%
実験施設
●堰(堰高0.4、0.2m)
による遡上防止効果
がみられた。
●なお、遡上してい
ない個体はすべてた
まりに分布していた。
40%
30%
N=20
S=18
20%
10%
N=20
S=20
N=20
S=15
0%
N=20
S=6
実施
せず
0.2m/s
0.5m/s
流速
N=20
S=0
実施せず
0.8m/s
※遡上率は、実験開始6時間後
までに堰を上った最大個体数の
割合を示す。
※堰高0.2mで遡上が確認された
ため、それ以下の堰高の設定で
は実験を実施しなかった。
※有意差はFisherの正確確率検
定(P<0.05)で判定した。
光実験(目的)
光実験(目的)
■実験目的
各色の光による外来魚の集魚効
果の検証
黄色区
赤色区
青色区
対照区
白色区
実験施設
(L1.2m×B2.4m×H0.6m
3~5区)
■期待される成果
外来魚が集まる光を把握することにより、外来魚の
効率的な捕獲方法などに利用する。
6
光実験(方法)
光実験(方法)
■光実験①の実験方法
z実 験 対 象種: オオク チ
バス、ブルーギル、ギン
ブナ各20個体
z実施時期:H17/10/13~
25
z光 : 青 、黄、 赤、白 灯
の100W電球
z流速:ほぼ止水状態
各色の光(1灯)の集魚効
果を予備的に検証するため、
光源周辺のビデオ撮影を伴
う実験を、日没前後、夜間、
日の出前後に1時間行った。
光実験①のイメージ
集魚反応が確認された場合に光実験②を実施
■光実験②の実験方法
光実験①の結果を受け、
各色の光(1灯か2灯)に対す
る各個体の詳細な反応を把
握するため、実験区全域の
ビデオ撮影を伴う実験を夜
間に1時間行った。
z実 験対象 種:ブルーギ
ル、ギンブナ各20個体
z実施時期:H17/11/2~8
z光 :青、 黄、赤、白灯
の100W電球
z流速:ほぼ止水状態
光実験②のイメージ
光実験①(結果)
光実験①(結果)
■予備的な集魚効果の検証結果
8
6
n=7
8
オオクチバス
日没前後
6
4
4
2
2
0
6
n=7
黄
赤
青
夜 間
白
無
4
2
0
8
6
n=7
黄
赤
青
日の出前後
白
無
8
6
8
4
2
赤
n=7
青
白
無
ブルーギル
日没前後
○有意差あり
4
2
0
6
n=7
黄
赤
青
夜 間
白
○有意差あり
黄
赤
青
日の出前後
無
4
2
0
8
6
青
夜 間
白
無
n=7
黄
赤
青
日の出前後
白
無
黄
赤
白
無
0
黄
8
赤
0
2
6
黄
2
4
8
n=7
4
6
0
平均個体数(±SD)
平均個体数(±SD)
平均個体数(±SD)
0
8
ギンブナ
日没前後
n=7
n=7
白
青
●オオクチバスでは光による集魚は確認され
ず、光実験②は実施しなかった。
●ブルーギルではある程度の光による集魚が
確認されたため、光実験②を実施した。
●ギンブナは在来魚の代表種として外来魚と
比較するため、光実験②を実施した。
無
4
2
0
黄
赤
青
白
無
※平均個体数は、全20個体のうち光源から半径0.5m以内で確認さ
れた個体数の10分毎(1時間で計7回)の平均値を示す。
※有意差は各灯(実験区)と無灯(対象区)と比較してWilcoxonの符
号付順位検定(p<0.05)で判定した。
7
光実験②(結果①)
光実験②(結果①)
■ブルーギルの集魚効果の検証結果
20
平均個体数(±SD)
実験区(n=7)
15
対照区(n=7)
○有意差あり
○有意差あり
10
5
0
青
無
無
無
平均個体数(±SD)
20
実験区(n=7)
対照区(n=7)
15
○有意差あり
○有意差あり
10
5
0
黄
無
無
無
● ブ ル ー ギ ルでは、
いずれの灯色でも無
灯側に分布する個体
が 多 く 、光 による集
魚効果は確認されな
かった。
平均個体数(±SD)
20
実験区(n=7)
対照区(n=7)
15
○有意差あり
10
5
0
赤
無
無
無
平均個体数(±SD)
20
実験区(n=7)
対照区(n=7)
15
※平均個体数は、全20個体のうち各灯側で確認され
た個体数の10分毎(1時間で計7回)の平均値を示す。
ただし、ビデオ解析で位置が不明な個体は除いた。
※有意差はWilcoxonの符号付順位検定(p<0.05)で判
定した。
○有意差あり
10
5
0
白
無
無
無
光実験②(結果②)
光実験②(結果②)
■ギンブナの集魚効果の検証結果
平均個体数(±SD)
20
実験区(n=7)
対照区(n=7)
15
実験施設
10
5
0
青
無
無
無
平均個体数(±SD)
20
実験区(n=7)
対照区(n=7)
15
10
5
0
黄
無
無
無
● ギンブナ では、無
灯側に分布する個体
が多いか、どちらも
同 数 程 度 で 、光 によ
る 集魚効果は確認さ
れなかった。
平均個体数(±SD)
20
実験区(n=7)
対照区(n=7)
15
○有意差あり
10
5
0
赤
無
無
無
平均個体数(±SD)
20
実験区(n=7)
対照区(n=7)
15
※平均個体数は、全20個体のうち各灯側で確認され
た個体数の10分毎(1時間で計7回)の平均値を示す。
ただし、ビデオ解析で位置が不明な個体は除いた。
※有意差はWilcoxonの符号付順位検定(p<0.05)で判
定した。
10
5
0
白
無
無
無
8
音実験(目的)
音実験(目的)
■実験目的
実験施設
各種の音による外来魚の集魚
効果の検証
実験施設
(L15m×B2.4m×H0.6m)
■期待される成果
外来魚が集まる音を把握することにより、外来魚の
効率的な捕獲方法などに利用する。
音実験(方法)
音実験(方法)
■実験方法
実験施設
実験区で8h以上馴致後、連続して各種の音を発信し、ビ
デオ撮影により分布位置を確認した 。
・実験対象種:オオクチバス、ブルーギル、ギンブナ各100~120個体
・実施時期:H17/11/21~26
・流速:ほぼ止水状態
・音の発信方法:5分連続音 ・音圧:120dB、150dB
・音の種類:純音100Hz~700Hz、泡の音、砂の音、カワウ鳴き声、ア
オサギ鳴き声、落水音、電子音低音、電子音高音
音実験のイメージ
9
音実験(結果①)
音実験(結果①)
■オオクチバス
●音による集魚効果の可能性は残るものの、明確な反応は確認されなかった。
●実験区全域で群れで回転遊泳していることが多かった。
●カワウの鳴き声に対して群れ全体が遠ざかる顕著な忌避反応が確認された。
オオクチバス(120dB)
音源からの平均距離±SD(m)
15.0
7 5
音なし
100Hz
300Hz
700Hz
500Hz
泡の音1
砂の音
カワウ
アオサギ
60 60
鳴き声
60 鳴き声
12.0
66
68
49 60
57
54
61
67
60
電子音
低音
落水
電子音
高音
7 0
64
63
9.0 N=59
61
67
61 66
6 5
68
65
6 0
66
63 56 61
61
0.0
10:17
61
63
57
5 5
66
69 45
52
62 58
60
66 65
66
61
6.0
3.0
泡の音2
54
65 55 54
56
53
50
60
61 60
67
58
70
61
65
41
60 60 60
61
64 67
5 0
69
61
4 5
68 63
4 0
10:22
10:27
10:32
10:37
10:42
10:47
10:52
10:57
11:02
11:07
11:12
11:17
11:22
時刻
オオクチバス(150dB)
音源からの平均距離±SD(m)
15.0
8 0
100Hz
音なし
64
300Hz
500Hz
62
69
12.0
61 62
61
700Hz
64
カワウ
鳴き声
砂の音
泡の音2
アオサギ
鳴き声
60 61 72
65
66
落
52
66
56
66
69
電子音
高音
電子音
低音
60
59
56
68
62
9.0
泡の音1
63
68
57
7 0
61
63
60
6 0
55
75
5 0
60
60
56
6.0
67 56
66
53
57
N=50
63
68
57
64
58
45
53 59
66
60 61
60
0.0
59
12:38
4 0
55
59
55
3.0
61 68
59
3 0
67
67
66
54
61
2 0
62
55
60
64 45
1 0
0
12:43
12:48
12:53
12:58
13:03
13:08
13:13
13:18
13:23
13:28
13:33
13:38
13:43
時刻
音実験(結果②)
音実験(結果②)
■ブルーギル
●音による集魚効果の可能性は残るものの、明確な反応は確認されなかった。
●音源付近に群れることが多く、そこから遠くに離れることはなく、音に対する反
応は全般的に弱かった。
ブルーギル(120dB)
音源からの平均距離±SD(m)
15.0
1 0 5
音なし
100Hz
300Hz
500Hz
700Hz
泡の音1
カワウ
鳴き声
砂の音
アオサギ
鳴き声
泡の音2
落水音
電子音
低音
電子音
高音
1 0 0
12.0
98
9 5
9.0
98
95
N=94
6.0
87
96
3.0
93 94 96
90
89
96
89 93 91 99
89
88
99
92 90 94 97 91 91
96
93 94 84 92 98
92 91 100 93100 94
91 97 94
95 95 91
94 96 95
95
96
100
96
9 0
92
96
95 99
94 94
92 90 97
95 92
100 95
94
8 5
94 99
8 0
0.0
7 5
13:53
13:58
14:03
14:08
14:13
14:18
14:23
14:28
14:33
14:38
14:43
14:48
14:53
14:58
15:03
15:08
時刻
ブルーギル(150dB)
音源からの平均距離±SD(m)
15.0
1 2 0
音なし
泡の音1
90
12.0
アオサギ
鳴き声
泡の音2
電子音
低音
落水音
電子音高音
300Hz
100Hz
96
91
87
500H
700Hz
1 0 0
87
75
95
9.0
93
88
87 93
N=92 95
92 89 94 93
96
90 94
97
95
8 0
91
95
96
6.0
3.0
カワウ
鳴き声
砂の音
100
91
92
90 84
90 93
98
94
86
89
92
92 95 94 91
97
6 0
93
93
95
95
90
99
99
93
91
88
90
91
76
57
4 0
2 0
54
0.0
0
16:16
16:21
16:26
16:31
16:36
16:41
16:46
16:51
16:56
17:01
17:06
17:11
17:15
17:20
時刻
10
音実験(結果③)
音実験(結果③)
■ギンブナ
●音による集魚効果は確認されなかった。
●実験区全域で小さな群れで分散して遊泳していることが多かった。
●150dBのアオサギの鳴き声に対して分散していた群れが1つになって遠ざかる顕著な忌避反応
が確認された。
ギンブナ(120dB)
音源からの平均距離±SD(m)
15.0
12.0
1 3 0
音なし
100Hz
300Hz
114
103113
109
112 117
113
115
110
119 114
500Hz
700Hz
泡の音1
95 99
114
118
114
99
115
112
9.0
115
116
116118
111
112
109 111118
99
カワウ
鳴き声
砂の音
111118
アオサギ
鳴き声
105
101
110
泡の音2
電子音
高音
1 2 0
117
113
110
105 111
109 107101 104
109
108109118
107115
108
111
111
114 115
1 1 0
121
111
落水音
113
1 0 0
98
6.0
119
116 121
9 0
8 0
117
114
3.0
83 102
113
7 0
103
0.0
13:24
113
6 0
13:29
13:34
13:39
13:44
13:49
13:54
13:59
14:04
14:09
14:14
14:19
14:24
14:29
14:34
14:39
時刻
ギンブナ(150dB)
音源からの平均距離±SD(m)
15.0
1 3 0
音なし
100Hz
500Hz
700Hz
9.0
97
99 99
101
102
107
98
89 93
103 112102
93
96 98
110
100
118
114 104
115
107
104
アオサギ
鳴き声
85
泡の音2
落水音
電子
115 115 低
電子音
高音
114
1 2 0
84
110
106
117
95 94
103 117
73
106 107 117
118
116
113 114
95
85
91
カワウ
鳴き声
118
72
99
砂の音
泡の音1
96 105
12.0
6.0
300Hz
1 1 0
80
96
1 0 0
106
100
85
102
112
103
116 114
9 0
110 115
111
3.0
112
94
110
8 0
108
0.0
15:20
7 0
15:25
15:30
15:35
15:40
15:45
15:50
15:55
16:00
16:05
16:10
16:15
16:20
16:25
時刻
外来魚駆除基礎実験のまとめ
外来魚駆除基礎実験のまとめ
目的 オオクチバス ブルーギル
堰実験
光実験
音実験
堰による外来魚の遡上防
止効果の検証
光による外来魚の集魚効
果の検証
音による外来魚の集魚効
果の検証
●流速が早いと(0.5m/s)、
●晩秋季の成魚では、集
堰(0.4m)による遡上防止
●秋季の成魚では、集魚 魚効果の可能性は残るも
効果がみられた。
効果は確認されなかった。 のの、明確な反応は確認
●遡上していない個体の
されなかった。
多くはたまりに分布した。
●堰(0.4、0.2m)による遡
●晩秋季の成魚では、集
上防止効果がみられた。 ●秋季の成魚では、集魚 魚効果の可能性は残るも
●遡上していない個体はす 効果は確認されなかった。 のの、明確な反応は確認
されなかった。
べてたまりに分布した。
ギンブナ
-
●晩秋季の成魚では、集
●秋季の成魚では、集魚
魚効果は確認されなかっ
効果は確認されなかった。
た。
11
外来魚リリース禁止のこれまでの取り組み
滋賀県自然環境保全課
1.平成15年4月「外来魚リリース禁止」の施行
琵琶湖本来の生態系を回復していくためには、ブルーギルやブラックバスといった外来魚を少しでも減らしていくこ
とが不可欠である。そこで「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」いわゆる「琵琶湖ルール」を定め、
釣りというレジャーの側面からも釣り上げた外来魚は琵琶湖にもどさないという、新しい釣りルールの普及と定着化
の取り組みを行っている。
2.釣り人からの外来魚の回収や普及の取り組み
(1)外来魚回収施設の設置
釣り人がノーリリースを実行しやすい環境整備として、外来魚回収ボックス、外来魚回収いけすを設
置した。
①外来魚回収ボックス
南湖周辺と彦根∼長浜地先の湖岸や公園、駐車場に設置。平成17年度の設置基数は40基。
②外来魚回収いけす
北湖周辺の漁港中心に設置。平成17年度の設置基数は23基。
(2)ノーリリースありがとう券事業の実施
ノーリリースの広報啓発と実行のきっかけづくりとして、外来魚の重量に応じて買い物に使える「ノ
ーリリースありがとう券」を交付する取り組みを、平成15年から平成17年に3回実施した。その結
果約12,700件の外来魚の持ち込みに対し、107,500枚の券を発行し、55.9トンの外来魚を回収した
表1
実施年度
H15
H16
H17
引換枚数
30,000
55,582
21,944
ノーリリースありがとう券事業過年度との引換状況の比較
引換日数
63日間
90日間
42日間
引換期間
1日当りの枚数
7月 5日∼9月 5日
476枚/日
7月 3日∼9月30日
618枚/日
7月21日∼8月31日
522枚/日
引換件数
3,847件
6,462件
2,380件
1回当りの枚数
7.8枚
8.6枚
9.2枚
3.釣り人からの外来魚の回収実績
平成15年4月から平成18年3月までの外来魚回収量は、回収ボックスで約31トン、回収いけすで
約4トン、ノーリリースありがとう券事業で約56トン、そして平成17年度に実験的に行った外来魚持
込ステーションで約0.8トンとなり、琵琶湖ルール施行後で約92トンの外来魚が、釣り人の協力により
回収された。
表2
年度
H15
H16
H17(4∼3月)
計
外来魚回収施設、ありがとう券事業等の年度ごとの回収量
回収ボックス
8,145.3kg
10,586.0kg
12,243.1 kg
30,974.4kg
回収いけす
1,468.9kg
1,329.3kg
1,701.2kg
4,494.4kg
ありがとう券
15,915.5kg
28,473.2kg
11,496.4kg
55,885.1kg
持込ステーション
814.4kg
814.4kg
計
25,529.7kg
40,388.5kg
26,255.1kg
92,173.3kg
4.課題と今後の取組の方向性
条例施行後の広報啓発によるリリース禁止の周知度は非常に高く、平成17年7月の調査では湖岸の釣り人
の約94%が「知っている」と回答している。しかし、必ずしも実践されているとは言えず、同年8月のバス
釣りポイントにおけるアンケートでは、リリースしないという回答は6割程度にとどまっている。
今後は、外来魚持込ステーションなどの新たな外来魚回収施設の充実や、ノーリリースありがとう券事業の
ノウハウを活かした「みんなで広める琵琶湖ルールの輪事業広めよう事業」の実施により、外来魚リリース禁
止をすそ野の広い市民レベルの防除活動へ発展させることが必要である。
また、平成18年7月からは、これまで琵琶湖と内湖だけであったリリース禁止の適用範囲を県内全域に広
め、内陸部も含めた取り組みへと発展させていくことになっている。
12
釣りという側面から外来魚を少しでも減らしていくことで定められたリリース禁止だが、今後は漁業者によ
る外来魚駆除や今年度から本格実施される国の防除モデル事業とも連携を図りながら、琵琶湖の外来魚対策を
総合的かつ効果的に進めていくことが必要であると考える。
13
外来魚対策事業の概要
滋賀県水産課
∼平成18年度有害外来魚ゼロ作戦事業∼
(1)① 外来魚駆除促進対策事業
※1
[県漁連へ補助]
●重量当たりの捕獲経費を支給し400トンを駆除
(350円/kg×400トン)
エリで捕獲された外来魚
刺網で捕獲された外来魚
(1)③外来魚繁殖抑制実証事業
(1)②外来魚繁殖抑制対策事業
●オオクチバス稚魚のタモ網すくい駆除事業
(駆除目標量:800万尾)
タモ網すくいの様子
捕獲されたオオクチバス稚魚
(2) 外来魚回収処理事業
[県漁連へ委託]
●小型ビームトロール網により、外来魚稚魚の効率的な
捕獲を行い、効果を検証する。
[県漁連へ補助]
[県漁連へ補助]
●捕獲された外来魚(400トン)を巡回回収し、魚粉等へ
加工して資源を有効活用
3分間曳網 1700g
(3) 外来魚駆除技術事業化試験
[水試]
●外来魚の効果的な駆除技術、繁殖阻止技術の確立等
※1 平成18年度からは国としても今後の被
害拡散を防ぐ必要があるとの観点から、
国直接補助事業としても対応されること
となった。
県としては、この国直接補助事業と連携
して積極的に事業に取り組んでいく。
・国からの直接補助
・県費補助
計
70,000千円
70,000千円
140,000千円
14
水産課における過年度の外来魚駆除事業における捕獲実績
捕獲量
計
(t)
バス
(t)
ギル
(t)
バス稚魚
昭和60年度
51.6
51.6
−
−
昭和61年度
51.5
51.5
−
−
昭和62年度
100.0
100.0
−
−
昭和63年度
45.0
45.0
−
−
平成元年度
30.0
30.0
−
−
平成2年度
30.0
30.0
−
−
平成3年度
80.0
80.0
−
−
平成4年度
140.0
仕分けなし
−
平成5年度
96.8
仕分けなし
471
平成6年度
14.7
7.1
7.6
−
平成7年度
17.7
8.7
9.0
156
平成8年度
10.7
5.8
4.9
159
平成9年度
20.2
8.6
11.6
307
平成10年度
12.4
2.7
9.7
240
平成11年度
51.2
6.9
44.3
497
平成12年度
188.3
仕分けなし
−
平成13年度
276.5
仕分けなし
631
平成14年度
521.3
仕分けなし
358
平成15年度
418.3
仕分けなし
317
平成16年度
408.3
仕分けなし
628
平成17年度
401.0
仕分けなし
1,200
備考
(万尾)
漁業者による自主駆除量
82.5t
捕獲量の内、雇用分
52.9t
捕獲量の内、雇用分
17.3t
捕獲量の内、雇用分
7.6t
加えて県漁連による
自主駆除量 22.2t
※平成17年度の捕獲量は速報値のため変更の場合あり
※水産課事業の他に自然環境保全課のありがとう券、回収ボックス、回収イケスでの捕獲量があり、
平成15年度は25.5トン、平成16年度は40.4トン、平成17年度は トンを捕獲
15
平成18年4月10日
滋賀県水産試験場
近年の外来魚対策研究の概要
西浅井町岩熊
N
西浅井町月出(湾入部)
×
西浅井町菅浦
1.外来魚の効果的捕獲法・繁殖抑制法の検討
マキノ町海津
西浅井町月出(開放部)
×
湖北町延勝寺
今津町桂
(1)産卵場調査
(方法)ブルーギル親魚捕獲等の繁殖抑制対策を行う場所を特定す
るため、平成13年と14年の5月∼7月、琵琶湖沿岸部の代表
的な地形や植生の場所を22地先選定し、潜水や水上からの
目視によってブルーギルの産卵床を確認した。
(結果)8地先で親魚が保護している産卵床を、2地先で産卵床の痕
跡を確認した。大まかな傾向は次のとおりであった。
人工護岸
石積み護岸で産卵(大津市におの浜
など)
抽水植物帯
多くの抽水植物帯で産卵
(湖北町延勝寺など)
貧抽水植物帯
湾入部で産卵(西浅井町菅浦など)
×
新旭町針江
× 安曇川町南船木
×高島町鵜川
近江八幡市沖島
× 志賀町八屋戸 × 近江八幡市沖島町
× 近江八幡市長命寺町
大津市今堅田
×
守山市野洲川河口部
×
×
大津市堅田
守山市幸津川町
大津市苗鹿
草津市北山田町
×
大津市におの浜
図1
草津市山田町
● 産卵床とともにブルーギル親魚または卵、孵化仔魚を確認したもの
○ ブルーギルまたはオオクチバスの産卵床の痕跡のみを確認したもの
× 産卵床なし
ブルーギルの産卵場調査結果.
(2)産卵場における捕獲法
(方法)産卵場内のブルーギル親魚を捕獲する方法として、平成14年度以降、小型
地曳き網、囲い刺網(巻き刺し網)、投網、各種カゴ網、角型刺網、長野県
式小型三枚網などの漁法を比較検討した。
(主な結果)
・ブルーギルのコロニーを対象として、小型地曳き網、囲い刺網、投網で採捕効
図2 従来型カゴ網(上)
率を比較したところ、投網がもっとも効率的であった(H14年度)。
と遮光型カゴ網(下,格子
・ドーム状カゴ網(商品名アイカゴ)の上部に遮光シートを被せることにより(遮
状遮光シートタイプ).
光型カゴ網)、遮光シート無しの対照よりも多く採捕された(屋外実験池,H14
年度)。また、曽根沼で従来型カゴ網(餌有り)と比較した場合もブルーギルの
採捕数量は個体数で7.7倍、重量で11.5倍であった。また、野田沼では、遮光型カゴ網を産卵場内に
設置することによって産卵場外よりも成熟オスが多く採捕された。遮光型カゴ網の入り口を沖向き
と岸向きに設置した場合の比較では沖向きに設置した方が多く採捕された(H15年度)。
・ブルーギルのコロニー内への設置で、長野県式小型三枚網では保護親魚をほぼ確実に採捕できたの
に対し、遮光型カゴ網では保護親魚の採捕は確認できなかった。しかし、尾数では遮光型カゴ網の
方が多く、成熟魚を含む様々なサイズのブルーギルが採捕された(H17年度)。
(3)水草帯での捕獲法
網の仕様
第1ビーム(イレクターパイプ)
第2ビーム(角材)
4mm角メッシュ
浮子
2mm角メッシュ
(方法)外来魚の主な分布域である琵琶湖沿岸部の水草帯で当歳魚を含む
外来魚を効率的に捕獲するため、二艘曳きトロール漁法、一艘曳き
曳網方法
桁枠式トロール漁法、一艘曳き桁棒式トロール漁法(小型ビームト
ロール網)の効果を南湖の水草帯で曳網することにより検討した。
(結果)二艘曳きでは水草の混入が多く、網が絡まるなど非効率であった。
沿岸帯(水草帯)
図3 小型ビームトロール網の仕様
桁枠式では水草の混入は少なかったが当歳魚を中心とする小型魚
と曳網方法.
が主に採捕された(H14年度)。小型ビームトロール網では水草の混
入はあったものの、網の形状を安定したまま曳くことができ、ブル
ーギルでは1歳以上魚も多く採捕された。平成15年5月∼11月に行った南湖での5日間38曳網の
3m
2m
ロープ(30m)
沈子綱
1.1m
2.5m
1.8m
2.7m
2.6m
小型動動力船
小型ビームトロール網
ロープ30m
16
結果では、ブルーギルで曳網1分当たり18.1尾、183.9gの採捕数量であった(H15年度)。
(4)港湾での捕獲方法
(方法)外来魚が多く見られる港湾での効率的捕獲方法の検討のため、宇曽川漁港内で巻き網(13m×
40m)を用いて外来魚の採捕を試みた(5地点5曳網,H14年度)。
(結果)ブルーギル128尾、1.9kg、オオクチバス293尾、
23.6kg、その他77尾1.1kgが採捕された。
(5)在来魚によるブルーギルの繁殖抑制
図4
巻き網による調査風景(平成14年10月31日)
(方法)在来魚によるブルーギルの繁殖抑制を検討するため、屋外実験池で在来魚とオオクチバスやブ
ルーギルを混養して繁殖状況を確認した。
(結果)
・ブルーギルの繁殖はオオクチバスや在来魚(コイ+ニゴロブナ+ホンモロコ混養)によって繁殖抑制
された(H16年度)。
・ブルーギルの親魚が保護している産卵床上の卵仔魚へのオイカワ(H14)、コイ(H14、17)、ニゴロブ
ナ、ホンモロコ(H17)による捕食行動を確認した。
2.冬季蝟集場所調査(分布特性把握)
外来魚の効率的な駆除場所を特定するため冬季の蝟集場所を調査した。その結果、曽根沼流入水
路でブルーギルの蝟集を確認した(H13∼H16年度)。温排水が流入する大津市におの浜では外来魚が
投網で比較的多く採捕された(H13年度)。内湖(平湖など)ではブルーギルの当歳魚が湖岸付近の抽水
植物群落内で多く見られた(H14年度)。下水処理水が流入する彦根旧港湾では外来魚が冬季に蝟集す
ることが示唆されたが、港湾外から内部への移動は明確には把握できなかった (H16∼H17年度)。
3.在来魚回復状況調査(曽根沼でのモデル実験)
外来魚駆除のモデルケースとするため、平成15年から曽根沼(彦根市)で地元漁業者の協力のもと、
積極的にブルーギルを駆除している。平成15年5月∼平成16年3月までに4.1トン、平成16年4月∼平成
17年3月に3.5トン、平成17年5月∼10月に0.7トン駆除した。ピーターセン法によるブルーギルの推定
生息量(当歳魚除く)は平成16年9月時点の98000尾から平成17年5月時点の45000尾に減少した。小型定
置網によるブルーギルの採捕尾数(4月∼9月各月2日)は平成15年の3294尾から平成17年の358尾に減
少した。それに伴いカネヒラが平成15年の0尾から平成17年の205尾へ増加するなどの在来種の増加が
認められたが、オオクチバスの増加も示唆された。
4.生息状況調査
(1)漁獲情報を用いた生息量の推定
外来魚駆除事業の効果把握のため、漁法別漁獲量、年齢組成等のデータから漁獲方程式を用いて生
息量を推定したところ、平成17年度当初で、琵琶湖全体でブルーギルが1413トン、オオクチバスで327
トンであった。将来的にはコホート解析を行う予定でありデータを蓄積中である。
(2)小型ビームトロール網を用いた生息レベル推定
平成13年度より小型ビームトロール網を用いた琵琶湖沿岸部での生息密度レベルの推定を行って
いる。方法は掃海面積法(面積密度法)に準じて、水深7m以浅の沿岸帯に一定の基準で107定点を設け
曳網した採捕数量から生息密度を推定するものである。三年間の調査の結果では南湖のブルーギルの
生息量は減少傾向であると推定された。
17
湖北野田沼におけるブルーギル仔稚魚の動態について
近畿大学農学部、滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター
18
Fly UP