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平成26年7月9~10日出水・降雨の概要

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平成26年7月9~10日出水・降雨の概要
平成26年7月9~10日出水・降雨の概要
今回の洪水の規模は、小出水位観測所では、観測史上第4位の水位を記録。47年ぶりに避
難判断水位を超過した。
下野
水位観測所
順位
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
第6位
第7位
第8位
第9位
第10位
下野観測所
水位(m)
生起年月
昭和42年 8月
15.94
平成25年 7月 15.62
昭和44年 8月
15.26
昭和32年 7月
15.22
平成26年 7月 15.19
平成14年 7月
15.10
昭和31年 7月
15.05
平成 9年 6月
14.94
昭和40年 7月
14.80
昭和33年 9月
14.78
長崎観測所
長崎
水位観測所
順位
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
第6位
第6位
第8位
第9位
第10位
生起年月
昭和42年 8月
昭和31年 7月
昭和32年 7月
昭和33年 9月
昭和40年 7月
平成25年 7月
平成26年 7月
昭和41年 7月
平成16年 7月
昭和28年 8月
水位(m)
15.80
15.25
15.10
14.80
14.55
14.40
14.40
14.18
13.96
13.95
小出観測所
小出
水位観測所
順位
第1位
第2位
第3位
第4 位
第5位
第6位
第7位
第8位
第9位
第10位
水位(m)
起生年月
昭和42年 8月
13.50
昭和31年 7月
12.88
昭和33年 9月
12.67
平成2 6年 7 月 1 2.6 1
昭和33年 9月
12.58
昭和40年 7月
12.43
平成 5年 8月
12.26
昭和32年 7月
12.25
昭和41年 7月
12.20
昭和61年 8月
12.18
18
◆
最上川の出水状況
平成26年7月9~10日出水・降雨の概要
みかのせばし
速報
てんどうし、さがえし
むらやまばし
むらやまし
村山橋付近の出水状況(天童市、寒河江市)
三ヶ瀬橋付近の出水状況(村山市)
おおくぼ
大久保遊水地(洪水調節施設)
最上川
最上町
尾花沢市
大淀狭窄部
7月10日撮影(ラジコンヘリによる空撮)
寒河江川
天童市
7月10日撮影(ラジコンヘリによる空撮)
山形市
■大石田
舟形町
金山町
東根市
村山市
天童市街地
最上川
新庄市
山形市街地
■下野
大石田町
新庄市街地
須川
■古口
上山市
寒河江市街地
河北町
寒河江市
鮭川
真室川町
中山町
高畠町
山辺町
大蔵村
鮭川村
南陽市街地
南陽市
戸沢村
西川町
荒砥狭窄部
■糠野目
川西町
米沢市街地
米沢市
朝日町
大江町
最上狭窄部
■小出
白鷹町
河井山狭窄部
長井市街地
長井市
飯豊町
庄内町
やちばし
酒田市
ひがしねし、かほくちょう
谷地橋付近の出水状況(東根市、河北町)
鶴岡市
通常時
あらとてつどうきょう
荒砥鉄道橋付近の出水状況(白鷹町)
最上川
赤川
酒田市街地
■両羽橋
鶴岡市街地
最上川
最上川
7月10日撮影(ラジコンヘリによる空撮)
19
7月10日撮影
平成26年7月9~10日出水・降雨の概要【大久保遊水地の整備効果】
①
②
第二遊水地
第一遊水地 湛水状況(7月10日)
大久保遊水地
越流堤
第一遊水地
越流堤
大旦川排水機場
第一遊水地
今回の出水において、大久保遊水地に洪
水を貯めることにより、下流の水位を低減。
①
最上川
②
④
③
大久保第一遊水地
④ 大久保遊水地全景
⑤
⑥
大久保第二遊水地
第二遊水地
⑥
大旦川排水機場
第一遊水地
越流堤
第一遊水地
第二遊水地
越流堤
おおくぼ21
7月12日11:20撮影
大久保遊水地
20
平成26年7月9~10日出水・降雨の概要【洪水調節施設の効果】
 今回の洪水では、これまでに整備した3ダム(寒河江・長井・白川)で防災操作(洪水調節)および大久保
遊水地で洪水調整を実施しました。
 3ダム・遊水地の下流に位置する大石田地点では、約0.1mの水位を低減させる効果があったものと推測され
ます。
800
大石田
0.0
寒河江ダム
700
寒河江ダム上流流域平均雨量
600
寒河江ダム流入量
3ダム・遊水地が
無かった場合
約0.1m水位が上昇
10.0
20.0
寒河江ダム放流量
実績ピーク水位
15.78m
3ダム・遊水地が
無かった場合
約0.1m上昇
484.33(m3/s)
30.0
最大調節量
308m3/s
400
300
40.0
50.0
60.0
100
70.0
7/8 12:00
7/9 0:00
7/9 12:00
7/10 0:00
7/10 12:00
7/11 0:00
7/11 12:00
実績ピーク水位
80.0
7/12 0:00
0.0
600
長井ダム
500
10.0
20.0
長井ダム上流流域平均雨量
長井ダム流入量
396.96(m3/s)
40.0
最大調節量
327m3/s
200
60.0
時間雨量(mm)
50.0
300
大石田地点横断図
30.0
長井ダム放流量
400
流入量・放流量(m3/s)
HWL
220.71(m3/s)
200
0
7/8 0:00
時間雨量(mm)
流入量・放流量(m3/s)
500
大久保
遊水地
70.0
80.0
109.76(m3/s)
大久保遊水地
90.0
100.0
100
110.0
0
7/8 0:00
7/8 12:00
7/9 0:00
7/9 12:00
7/10 0:00
7/10 12:00
7/11 0:00
7/11 12:00
400
120.0
7/12 0:00
0.0
白川ダム
320
最上川
10.0
白川ダム上流流域平均雨量
白川ダム流入量
20.0
白川ダム放流量
211.53(m3/s)
160
30.0
197.86(m3/s)
最大調節量
14m3/s
40.0
時間雨量(mm)
流入量・放流量(m3/s)
240
50.0
60.0
80
※稲下観測所ピーク水位発生時点より約4時間後に撮影
(稲下観測所水位ではその間に約30cm水位低下)
70.0
0
7/8 0:00
7/8 12:00
7/9 0:00
7/9 12:00
7/10 0:00
7/10 12:00
7/11 0:00
7/11 12:00
80.0
7/12 0:00
数値等は速報値です。今後の精査等により変更をする場合があります
21
15.78m
平成26年7月9~10日出水・降雨の概要【大旦川排水機場の整備効果】
 平成26年6月に完成の新排水機場が、平成26年7月出水で稼働し、内水被害を軽減。
 仮に排水機場が整備されていなければ、浸水面積約147haの被害が発生していたものと推定される。
排水機場が無かった場合の想定浸水範囲(平成26年7月出水)
位置図
平成26年7月10日 15:00 撮影
村山市街地
想定浸水範囲
大旦川排水機場
大旦川排水機場
大旦川排水機場
平成26年7月10日 4:30 撮影
最上川
数値等は速報値です。今後の精査等により変更
をする場合があります。
排水機場からの排水
22
平成26年7月9~10日洪水の概要<吉野川流域>山形県南陽市
平成26年7月9日からの梅雨前線の影響による大雨により、吉野川及び織機川沿川では越水氾濫等により南陽市街
地が冠水するなど甚大な被害が発生しました。
白山在家橋落橋
白竜湖周辺浸水状況
H25.7洪水の浸水状況
南陽市街地冠水状況
吉野橋下流右岸越水状況
23
平成26年7月9~10日洪水の概要<織機川流域>山形県南陽市
四谷橋落橋
川原橋付近の状況
浸水による土砂堆積
氾濫状況
24
◆南陽市に対する支援
平成26年7月9~10日洪水の概要<リエゾン派遣>
 災害の発生
 リエゾンの派遣
7月9日からの豪雨に伴い、南
陽市の吉野川が氾濫し家屋の
浸水被害や国道が冠水する被
害が発生。
山形河川国道事務所では南陽市
の要請を受け、10日、11日の2日
間リエゾンを派遣。
被災情報の収集や災害対策
支援を実施。
※7月10日午前1時30分から活動開始
 資機材の提供支援
◆土のう造成機 1300袋作成
◆資材の手配
・1t土のう
100袋
・袋詰根固(2t) 100個
◆路面散水車
氾濫で泥が堆積、清掃支援
1t土のう
 リエゾンの活動
土のう造成機
市防災本部会議にリエゾン出席
(7/10~7/11 稼働)
路面散水車
(7/11 市の指定場所に搬入)
25
(7/12~7/13 稼働)
各種情報の入手方法 ~地デジによる河川情報の提供~
・地上デジタルテレビのデータ放送で河川情報(雨量・水位)を入手することができます。
・NHK、民放含め全国49放送局の協力により、全都道府県において提供されています。
(山形県内はNHKのみ)
NHKの放送例(画面はイメージ)
<雨量情報>
<河川水位情報>
放送画面
放送画面
■雨量観測所を地図上の円で位置を表示
■雨量は強さに応じて5段階の色で表示
50ミリ~
30ミリ~
10ミリ~
3ミリ~
0.1ミリ~
■基準水位を超えた観測所を表示
■ラベルの色は、水位レベルに応じて色分けして表示
はん濫危険水位
避難判断水位
はん濫注意水位
水防団待機水位
リモコンのdボタンで
データ放送画面を表示
し、上下ボタンで画面
の切り替え操作を行い
ます。
■過去時刻の水位に対しての増減の状況を矢印で表示
■リモコンの上下ボタンで、それぞれの基準水位を超えた観測所
のリストの表示を切り替え可能
■リモコンの上下ボタンで東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
の情報を切り替え可能
26
各種情報の入手方法 ~川の防災情報~
27
各種情報の入手方法 ~XRAIN~
・国土交通省では、従来の広域レーダに加え、より早く、より詳細に観測できる、XバンドMPレーダによる
雨量観測情報の提供を行っています。
<XRAINの配置・監視エリア>
山形県
宮城県
村山市
河北町
福島県
寒河江市
天童市
中山町
※円は半径60kmの定量観測範囲を示す。
高頻度( 倍)
(Cバンドレーダ)
・最小観測面積:
1kmメッシュ
・配信周期: 5分
・観測から配信に
要する時間:
5~10分
大江町
高分解能( 倍)
<XRAINの特徴>
【既存レーダ】
さらに任意の地点を
クリックすると、周辺
地域を拡大
東根市
16 5
28
【XRAIN】
(XバンドMPレーダ)
・最小観測面積:
250mメッシュ
・配信周期: 1分
・観測から配信に
要する時間:
1~2分
各種情報の入手方法 ~時系列氾濫シミュレーション~
堤防決壊時の浸水エリアが確認できます。
◆各種検索エンジンで、「最上川(スペース)時系列氾濫シミュレーション」と入力し検索
◆山形河川国道事務所のホームページからは、以下のとおり
29
まるごとまちごとハザードマップの取り組み状況について
・「まるごとまちごとハザードマップ」とは、浸水想定区域図の浸水エリア、浸水の
深さ、避難ルートなどを把握し、実際にまちなかを点検し、その情報を現地に表示す
るなどし、地域防災力を向上させる取り組みです。
■これまでに7市町20地区で実施
・H18 長井市(館町南地区)
・H18 天童市(寺津地区)
・H19 中山町(桜町、梅ヶ枝町、いずみ、あおば)4地区
・H20 河北町(吉野、舞台、荒子屋)3地区
・H21 河北町(押切、田井、山王)3地区
・H21 南陽市(梨郷、砂塚、竹原)3地区
・H21 川西町(門の目、東他屋、中の他屋)3地区
・H22 川西町(高山)1地区
・H25.3 大江町(百目木)1地区
(標識の例)
川西町
長井市
大江町
地図を使い、避難ルート
危険箇所を検討
遊佐町
真室川町
最上川
酒田市
赤川
金山町
鮭川村
三川町
庄
内 戸沢村
町
新庄市 最上町
舟形町
尾花沢市
大石田町
大蔵村
鶴岡市
村山市
山形県 寒
河
西川町
江河北町 東根市
市
大江町
天童市
中山町
朝日町 山辺町
山形市
白鷹町
南陽市
長井市
検討マップを基に実際に
まちを歩き、点検を実施
標識の設置状況
地域版の危険箇所マップを
作成する地域もあります
30
上山市
南陽市
小国町
川西町
高畠町
飯豊町
米沢市
河川管理用CCTVカメラの映像共有について
・国土交通省では、平成16年12月10日に「豪雨災害対策緊急アクションプラン」をとりまとめ、その施策
の一つとして河川管理者が保有するCCTV等による画像情報の自治体への提供を実施。
・当事務所では、平成18年度に米沢市、天童市、山辺町を皮切りに、現在まで沿川の16自治体に対し
て画像情報の提供を実施。
〈市町村への提供画像情報〉
遊佐町
最上川
赤川
酒田市
三
川
町
①河川CCTVカメラ画像
(山形県の河川CCTVカメラ画像含む)
真室川町
②ヘリコプター画像
金山町
鮭川村
③現地災害カメラ画像
新庄市 最上町
庄
内
町 戸沢村
ヘリコプタみちのく号
通信衛星
舟形町
尾花沢市
大石田町
大蔵村
鶴岡市
ヘリコプタ基地局
村山市
山形県 寒
河
西川町
江河北町 東根市
市
大江町
天童市
中山町
朝日町 山辺町
山形市
白鷹町
長井市
H26.4~ R287
白鷹町大瀬地区
県、町へ情報提供
マイクロ回線
Ku-SATⅡ
衛星小型画像伝送装置
自営光ファイバ回線
上山市
南陽市
小国町
川西町
高畠町
山形河川国道事務所
飯豊町
米沢市
CCTVカメラ
東北地方整備局
衛星通信車
災害現場
光ファイバ回線
現在は、16市町へ光ケーブルにより画像情
報を提供しています。
○村山市
○寒河江市
○高畠町
○東根市
山形県県土整備部河川課
米沢市消防本部司令室
山辺町役場会議室
31
○天童市
○山辺町
○川西町
○朝日町
○河北町
○米沢市
○白鷹町
○山形市
○中山町
○南陽市
○大江町
○長井市
H27.6現在
河川管理用CCTVカメラの映像共有について
・東北地方整備局保有の山形県内の河川の流況・水位、砂防の周辺状況及びヘリコプター画像情報を
活用していただくことで、住民に対する洪水被害、土砂災害の予防、迅速な避難活動に役立てるととも
に、河川愛護等に対する意識の高揚を図ることを目的として、放送局に提供しています。
〈放送局への提供画像情報〉
①河川CCTVカメラ画像
②ヘリコプター画像
③現地災害カメラ画像
通信衛星
ヘリコプタみちのく
ヘリコプタ基地局
マイクロ回線
山形河川国道事務所
Ku-SATⅡ
衛星小型画像伝送装置
自営光ファイバ回線
CCTVカメラ
東北地方整備局
酒田河川国道事務所
新庄河川事務所
最上川ダム統合管理事務所
月山ダム管理所
衛星通信車
災害現場
光ファイバ回線
放送局
現在は、山形県内の4放送局へ光ケーブ
ルにより画像情報を提供しています。
H27.6現在
32
危機管理演習について
・危機管理演習は大規模洪水時に市町村、県、国交省が担う役割を再確認するもので、市町
村が実施する住民避難の検討、避難の発令、被害状況の把握及び関係機関との情報共有に
重点を置いて実施している。
【これまでの実施状況】
平成17年11月24日
平成20年10月30日
平成21年 6月26日
平成23年 9月29日
平成24年11月27日
平成25年10月30日
平成27年 1月29日
【今後の実施予定】
平成27年度
置賜地区8市町、県、国
(米沢市、南陽市、高畠町、川西町がプレイヤーと
なる予定)
東根市、河北町、県、国
村山・置賜地区20市町、県、国
村山・置賜地区20市町、県、国
置賜地区8市町、県、国
村山地区11市町、県、国
置賜地区8市町、県、国
村山地区12市町、県、国
山形市
中山町
大江町
統監部
上山市
山辺町
朝日町
反省会
33
危機管理演習について
演習結果として、検討会での所見、アンケート結果整理、評価班の所見をも
とに項目毎の課題を整理し、事後検討会で改善すべき事項を確認した。
■確認した改善事項
(1) マスコミを利用した洪水対応時の広報
・広報のポイント、作成資料を整理
・マスコミへの広報計画の明確化、広報資料の
テンプレート作成
(4) 水防団の避難判断の考え方整理と共有
・自治体毎に水防団待避の考え方、基準を検討し、実
働時に速やかに判断できるように準備
・河川管理者と情報を共有化
(2) リエゾン(国)、情報連絡調整員(県)の活用
・地域防災計画に、リエゾン制度や具体的な活用方
法を取りまとめ
・リエゾン(国)については、管内全自治体と東北地
方整備局が「災害時の情報交換に関する協定」を
締結済み
(5) 実施可能な事項の平常時からの実施
(3) 行動チェックリストの作成
・洪水対応時の各段階の行動をチェックリスト形式に
まとめた、行動チェックリストの作成
・班毎に作成することで、自班の行動内容のチェック、
他班の行動内容の確認が可能
(6) 上記事項の地域防災計画書への記載、資料追加
・自治体で検討、確認等を行った事項、作成したチェ
ックリスト等は地域防災計画書へ綴じ込み
・洪水対応時に書面で内容を確認できるようにする
ことで、円滑な洪水対応を実現。
■その他、改善事項
〇地域防災計画に、洪水に係る避難勧告等の発
令判断の目安の変更への対応、水防法改正に
伴う河川管理者との連携等、追記が必要
34
【参考】 南陽市における出水時対応及び今後の課題等
【南陽市】 豪雨災害での課題と今後の対応
6 災害ボランティアの受入
南陽市社会福祉協議会に災害ボランティア設置・運営を依頼し、災害ボ
ランティアの受
け入れを行う。なお、資器材については、この度調達したものを備蓄済
み。
1 災害対応の体制づくり
「南陽市地域防災計画」の見直しを進めるとともに、災害情報の共有と
災害対策の一元的管理が出来るように、「職員行動マニュアル」及び
「災害対策本部設置運営マニュアル」の作成を進める。
2 災害時要援護者対策
市内特別養護老人ホーム等5施設と、災害時要援護者の福祉避難所と
して活用できるよう、福祉避難所の指定について協議中であり、他の福
祉施設等についても順次協議していくこととする。
★吉野川被害状況
3 避難準備情報及び避難勧告等の発令基準の数値化
昨年12月に「避難勧告等の判断・伝達マニュアル」を策定し、避難準備
情報及び避難勧告等の発令基準の数値化を行った。
4 避難所の充実
飲料水や備蓄米、毛布などの防災備蓄品の整備を年次計画で進める。
また、一時避難所として地区集会施設などを開設していただくよう、自主
防災会等との協議を進めていく。
南陽市街地冠水状況
吉野橋下流右岸越水状況
★織機川被害状況
5 災害時情報伝達体制の整備
平成27年度において、防災行政無線(同報系)を整備していく。
「避難勧告等の判断・伝達マニュアル」の中で、避難準備情報や避難勧
告等については、緊急速報メールでの通知や車両広報等で周知する体
制を再構築した。
また、指定避難所となる公民館や小中学校への簡易無線配備を進めた
ほか、各地区長や自主防災会長から、それぞれの連絡網を通じて各世
帯への連絡周知できるよう、地区長委嘱状交付式において要請した。
四谷橋落橋状況
35
はん濫状況
【参考】 長井市における出水時対応及び今後の課題等
(1)被害状況の把握・情報の集約
【H25の課題】総務課(災対本部)、建設部門、消防、それぞれで被害の情報は持っ
ているがそれを共有できていなかった。同じ被害箇所に各機関からそれぞれ出動
するような事態も多数あった。
【H26の対応】市の災対本部と消防本部とで職員を派遣し合い、情報がスムーズに
共有できるようにした。災対本部では、電話対応担当、被害取りまとめ担当、現場
担当など、役割を決めることである程度スムーズに対応できた。
【今後の課題】災害対策本部の設置運営マニュアルがない。被害情報の取りまとめ
方法、各班の役割をより明確に決めなくてはならない。2年連続の被災を経て、被
害の発生しやすい場所がわかりつつあるため、今後の対応に生かせるよう情報を
整理していく。
(6)避難勧告
◎最上川流域29地区へ避難勧告
経 過:7月10日2時50分 避難勧告発令、 7月10日6時00分 解除
対象世帯:2,312世帯 6,779人
避 難 所:7か所開設
避難者数:0人(地区独自の避難場所に避難された方、垂直避難をされた方は含まず)
エリアメール:発信
(2)災害対応の体制づくり(市役所職員の参集)
【H25の課題】参集のルールが職員に周知なっていない、管理職含め職員が集まら
なかった。
【H26の対応】管理職を早めに招集し、管理職が各課職員に必要に応じて連絡した。
土嚢積みの作業用員として多数の職員が被害現場に出た。夜中にも関わらず相
当数の職員が集まり、様々な作業に従事してもらった。
【今後の課題】職員が土のうを積むなどの直接的な災害対応を行うことは想定して
いなかったが、今後も同様の対応を行うとなれば、職員の割り当てなどを明確にし
ていく必要がある。
①避難勧告発令の判断・基準の明確化
避難判断水位を超えたこと、市長と河川国道事務所長とのホットライン、によっ
て最終的には避難勧告を判断(発令)した。真夜中の時間帯であり、なおかつ対
象人数が6千人を超える避難勧告であった。
今後も発令に遅れが出ないよう、降雨の状況を考慮しながら河川の水位を基
に発令基準を明確化しなくてはならない。
26年は、防災担当職員も内水被害への電話対応等に追われてしまい、最上川
氾濫への意識が希薄になっていた時間帯も多かった。
河川国道事務所からの細かな情報提供や、今後の予測される状況についてア
ドバイスをお願いしたい。
(3)土嚢の供給
【H25の課題】土嚢袋が不足した。
【H26の対応】相当量を事前に購入。にもかかわらず不足する事態となったが、県
の防災倉庫から借用して対応。
【今後の課題】不足した場合の対応について事前相談(国、県の防災倉庫)、夜間
でもホームセンター等から入手できるよう協定等の整備。
②避難情報の伝達手段
真夜中の避難勧告発令であったが、各地区長に電話連絡により情報を伝達し
た。広報車は出さず、エリアメールは送信した。
土砂災害警戒区域などについては、特に夜の時間帯であれば、早め早めの対
応(避難勧告)をとることにしているが、最上川の浸水区域については、事態を予
期することも難しく、対象世帯も膨大なため早めの避難判断は難しい。今回のよ
うに、市民が寝ている時間帯の避難勧告になった場合に、より迅速に正確に情
報を伝える手段を考えなければならない。その1つの手段として、長井市では自
動起動防災ラジオを購入し、これから全自主防災組織長に配布を予定している。
(4)避難所の機能充実
H25の避難時には、避難所に食糧、水、物資(毛布、生活用品)がなく、避難した
方への対応に苦慮した経過があった。対策として、26年度から5か年計画で各避難
所に食糧・水・物資の備蓄を順次行うこととなった。 2年連続で避難所開設となっ
たため、避難所「開設」のノウハウは学んだが、「運営」の部分では課題が多い。避
難所開設・運営に関するマニュアルを作成する必要がある。
③避難に対する事前の準備
最上川が氾濫した場合の避難対象地区(浸水域にかかる地区)、対象となる
避難所をリストアップしていなかったため、その選定に時間を要した。
「洪水氾濫」というものをイメージしづらいせいか、避難される方が少なかった。市
の担当者もそのあたりがリアルにイメージできていない。今回の水位の見直しの
周知と合わせて、伝えていく必要がある。
(5)消防団の動き
H25、26と集中豪雨発生時には、市街地で内水被害が多数発生し、水防団はそ
れらの対応に追われている状況である。最上川の水位が今年以上に上昇し、本当
に氾濫するような事態を迎えた場合に、どういった対応にあたるか、水防団の人員
配置も含めた検討が必要。また、活動中の水防団に対する市の支援(食料や燃料
の確保等)が不十分だったことも課題として残った。
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