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中東かわら版 - 中東調査会
中東かわら版 2013 年 7 月 10 日 No.138 ―湾岸・ アラビア半島地域ニュース― イラン経済(6月 3日~1 9日) 1. 仏自動車メーカーによる製造(6月 3日付アブラーレ・エグテサーディー紙) 仏自動車メーカーのルノーは、ライバルであるプジョー(昨年、イランからの撤退を表明し ており、部品供給も停止した)のイラン市場シェアを奪いつつある。ルノー・パールス車社長 は、第二フェイズとして、投資を拡大し輸出を開始すると述べた。 2. テヘラン・ローマ間の直行便の再開(6月 9日付ジョムフーリーイェ・エスラーミー紙) テヘラン・ローマ間の直行便が数ヵ月ぶりに再開された。運航はイラン航空によるもので、 毎週水曜日に 1便の運航となる。イラン航空はまた、ミラノへも毎週金曜日に 1便運航する。 3. 自動車禁輸制裁への対応(6月 1 1日付イラン・ニューズ紙) 産業開発・革新庁(I D R O )長官は、西側諸国によるイラン自動車産業への制裁について、禁 輸を潜り抜ける様々な方法を実施しており、今後の影響についても何ら問題ないとの見方を示 した。 4. 自動車生産台数(6月 1 2日付ジョムフーリーイェ・エスラーミー紙) 本年(ヒジュラ太陽暦 1 3 9 2年、2 0 1 3年 3月 2 1日~2 0 1 4年 3月 2 1日)2カ月間(3月 2 1日 ~5月 2 1日)における、イラン国内での自動車生産台数は、6 8 , 2 9 5台(うち、乗用車は 5 8 , 6 3 5 台)であった。車種別では、P R I D E (K I A ) :2 0 , 4 9 4台、S A M A N D (イラン・ホドロのオリジナル モデル) :2 , 1 5 6台、プジョー4 0 5 :5 , 9 7 7台、ルノー・トンダル 9 0 :4 , 5 2 0台、マツダ 2およ び3 :1 0 9台、日産 T E A N A :8 0台。 5. ガソリン製造能力(6月 1 3日付ジョムフーリーイェ・エスラーミー紙) 自動車産業企業協会会長は、 「イランには E u r o 4基準を満たすガソリンを製造する能力がな い。また、現状の E u r o 2基準を満たす自動車の 3 0倍もの汚染を引き起こす自動車が街中には 存在するなど、他の社会インフラにもまた、E u r o 4を受け入れる下地がない」と述べた。 6. 石油製品のコストの上昇(6月 1 7日付シャルグ紙) 石油製品輸出協会のホセイニー氏は、石油製品のコストが 1トン当たり 2倍に上昇している とし、その理由を「中国および韓国の商船会社がイラン産石油製品の輸送を拒否しており、我々 は自国の I R I S Lのみに頼らざるを得ないため」と述べた。 7. 緊急経済会議の開催(6月 1 8日付ケイハーン紙) 大統領選挙に当選したロウハーニー師は、基礎食料品の供給を含めた緊急経済会議の開催が 次期政権での最優先であると述べた。ロウハーニー師はまた、流動性増加を減速させ、製造業 に資金を投入することでインフレ率を抑制したいとした。 8. 補助金の現金給付の修正(6月 1 8日付イーラーン紙) ロウハーニー師の経済担当アドバイザーであるモハンマド・バーゲル・ノウバクト氏は、ロ ウハーニー次期政権時には、補助金の現金給付を修正するとした。「富裕層家庭には、補助金 現金給付は必要ない。彼らが有する投資計画への支援が必要である。よって、見直しが必要だ」 と述べた。 9. 失業対策(6月 1 9日付イーラーン紙) 次期政権における人々の生活水準向上について、トルカーン元国防軍需大臣(ロウハーニー 選挙対策本部次長)が「現在、失業者は約 3 5 0万人にのぼるが、そのほとんどは、高学歴の人 間である。失業率を 1ケタにすることで、多くのイラン人の生活水準は改善する。外国為替市 場の改善もまた、最重要課題の一つである」と述べた。 ◎本「かわら版」の許可なき複製、転送、引用はご遠慮ください。 ご質問・お問合せ先 公益財団法人中東調査会 T E L : 0 3 3 3 71 5 7 9 8 、F A X : 0 3 3 3 71 5 7 9 9