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第7回 こどもエコフォーラム

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第7回 こどもエコフォーラム
第7回
こどもエコフォーラム
作品集
~つなごう! 広げよう! 環境を守る力~
平成24年2月25日(土)
横浜市環境創造局 環境科学研究所
横浜市教育委員会 指導企画課
と
き
平成24年2月25日(土)
9時00分~14時30分 (9時開場)
ところ
西公会堂 講堂(横浜市西区岡野1-6-41)
ステージ発表
10校(作品発表)、こどもエコフォーラムテーマソング合唱
ポスター発表
4校
特別授業
横浜市環境創造局 環境科学研究所
横浜市環境創造局 政策課
講 評
横浜市立三保小学校長 和泉 良司 先生
ワークショップ 市内の環境活動団体等8団体
エコぽると
よこはま環境行動情報サイト
横浜市では、持続可能な社会を実現していくために、市民、学校、市民活動団体、事業者、行政
などすべての主体が自発的に連携・協働して環境教育や環境保全活動を進めていきます。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kkjs/
【開会あいさつ、テーマソング】 9:20~9:30
開会あいさつ
こどもエコフォーラム テーマソング
横浜市環境科学研究所長
参加者一同 ----------------------
1
【ステージ発表】 9:30~11:50
1 田んぼのよさを伝えよう
倉田小 4-3APKC劇場
横浜市立倉田小学校 --------------
3
2 ふるさとのしぜんをまもっていこう
横浜市立大道小学校 --------------
7
3 わたしたちの早渕川 ~早渕川探検活動~
つくろうよ、高田東米!
横浜市立高田東小学校 ------------
9
【環境科学研究所の特別授業①】
4
よ こ はま
く
さかな
横浜で暮らす魚たち
横浜市環境科学研究所 川田 攻 -- 11
5 未来を守るHERO
~有効なリサイクルを広めよう~
横浜市立さちが丘小学校 ---------- 15
6 環境活動部 活動報告 ~森と水の話~
横浜市立芹が谷中学校 ------------ 18
7 緑道 自然研究員になろう
~身近な自然を観察し、自分たちのまちを見つめ直そう~
横浜市立川和東小学校 ------------ 22
8 里山ドリームパークからの発信
~「ありがとう」大切な仲間達の絆~
横浜市立深谷台小学校 ------------ 24
【環境科学研究所の特別授業②】
9 東京オリンピックの時代のSATOYAMA
横浜市環境科学研究所 井上 智 -- 33
10 命をつなぐ社会の実現
横浜市立永田台小学校 ------------ 35
11 自然いっぱい!夢のビオトープ
命のつながり~人も自然も、生き物も、みんなともだち~
横浜市立斎藤分小学校 ------------ 39
12 おしえて南希ビオトープ!
横浜市立南希望が丘中学校 -------- 43
【環境創造局の特別授業③】
13
せいぶつたようせい
生物多様性ってなんだろう?
環境創造局政策課 野本 智英 ---- 47
【全体の講評、表彰、閉会あいさつ】11:50~12:15
表彰、閉会あいさつ
和泉良司氏(三保小学校校長)
横浜市教育委員会事務局指導企画課長
【ワークショップ展示】12:15~14:30
ワークショップ展示
市内の環境活動団体等 8団体 ------ 49
講評
【ポスター作品展示】 12:15~14:30
横浜市立斎藤分小学校、横浜市立矢部小学校、横浜市立下野庭小学校、横浜市立荏子田小学校
こどもエコフォーラムテーマソング
※
作詞
作詞
こどもエコフォーラム参加者一同
こどもエコフォーラム参加者一同 (参加者アンケートをもとに企画委員会が作成)
(参加者アンケートをもとに企画委員会が作成)
作曲
作曲
新倉
新倉 知
知
① か
ぜー
にのっ
てー
あお い
そ ら へ と び た とう
ひ
② か
ぜー
のみち
をー
さが し
て あ る い て み よう
い
ろー
いうみ
とー
すん
だ か わのキ ラ メ キー
ま ぶ し いー
たい
きー
をすっ
てー
みど
り を かんじ な が らー
ゆ っ く りー
たく
せつ なみ ずべ だ か ら
ぼく はまもってい
くー
ずっ
とー
これか らー
さん のいのちが ある か ら
きみ と まもりつづ ける
ずっ
とー
これか らー
※
み ん な
て をつ な ぎ ほほ え
ん で
き ぎ の
ざ わめ き か ぜの ハー モ ニー
で
き る こ とは じ
め
よう
だ
いす き なよこ
は
まを
ひ
と り じゃな い ん
だ
から
ゆう き を も
っ
てー
ま
も る こ こ ろを
そ
だて
ひろ げ て い
こ
うー
て
を つ なぎ ほほ
え
んで
で
ひ
と り じゃ な い ん
だ
から
きる こ と は じ
あ
1
す へ む か っ
め
みんな
よ う
てー
あす
明日へ
みんな手をつなぎ微笑んでできること始めよう
ひとりじゃないんだから勇気をもって
風に乗って青い空へ飛び立とう
広い海と澄んだ川のキラメキまぶしい
大切な水辺だから
ぼくは守っていくずっとこれから
※みんな手をつなぎ微笑んでできること始めよう
ひとりじゃないんだから勇気をもって
みんな手をつなぎ微笑んでできること始めよう
ひとりじゃないんだから明日へ向かって
風の道を探して歩いてみよう
息を吸って緑を感じながらゆっくり
たくさんの命があるから
君と守り続けるずっとこれから
※くりかえし(みんな手をつなぎ微笑んでできること始めよう
ひとりじゃないんだから勇気をもって
みんな手をつなぎ微笑んでできること始めよう
ひとりじゃないんだから明日へ向かって)
イラスト 土屋美沙都
木々のざわめき風のハーモニー大好きな横浜を
守る心を育て広げていこう
みんな手をつなぎ微笑んでできること始めよう
ひとりじゃないんだから明日へ向かって
2
横浜市立倉田小学校
4年3組
学校紹介
倉田小学校は、創立23年を迎えたばかりの新しい学校です。南斜面の山の中腹を切通し
て作られました。そのため、学校は、谷戸を吹き上がる風の通り道になりました。
学校の西側には、小さな森が残され、ときどきクワガタが姿を見せたり、カヤネズミが廊
下を走ったり、ときには、教室にオニヤンマやスズメバチが訪れ、授業をかき乱したりする
こともあります。
地域の歴史は「戸塚宿」以前からの大変古い歴史をもっています。一方では、森が開かれ、
いくつかのマンンションができ、新興住宅地と古い歴史との両方をもった町となっています。
このまちに昔からあった谷戸田の名残りでもある「田」で、3、4年生がお米を育て、1,
2年生が「畑」でさまざまな野菜を育てて収穫するという活動に取り組んできました。
倉田の田んぼの活動
今では開発が進み、水田が埋め立てられ、ここが最後の田んぼになってしまいました。
倉田小学校では、そんな貴重な谷戸田6段210坪で、平成5年より米作りをしています。
みんなが、泥んこになって作業を進める中で、田んぼのよさをたくさん発見しています。
・田んぼは、地下水をたくわえる。
・田んぼは、災害を防ぐ。
・田んぼは、気温を調節する。
・田んぼは、空気をきれいにする。
・田んぼにとって、水は大切。
・田んぼでは、動物も植物も、一緒に生きている。
・田んぼに行くと、癒される。
・田んぼは、エコロジー。
・田んぼの活動で、名人さんや地域の方おうちの方、3年生と仲良くなれた。
・田んぼには、命がたくさんある。 命はつながってる。
命は大切。
田んぼは、わたしたちにとって、かけがえのない宝物です。ここは、いずれ道路用地とな
ると聞いていますが、4年生のみんなには、「できれば、この倉田に残る最後の田んぼをず
っと残したい」という思いが育ってきており、現実との間で思いは葛藤しています。倉田の
田んぼを通して、たくさんのことを学び、生活に生かそうとがんばっています。
3
6月
トラクタ-で土を耕してくれている
矢島名人さん かっこいい
田んぼとの
かかわり
田植え
5月
「名人さんの説明は、
わかりやすいな」
田起こし
人との
かかわわり
6月
代かき
明治学院のお兄さんお姉さんや
お母さん方、校長先生もお手伝い
に来てくれます
田んぼの作業のやり方を
聞きます
~倉田小の取り組み~
倉田小の3・4年生は、年間を通じて田んぼの活動を行っています。
名人さんやおうちの方、地域の方などに協力をいただきながら活動
しています。人やものとのかかわりあいを通して、総合的な学習を
行っています。地域社会の一員としての自覚をもつきっかけにもなっ
ています。
倉田に残る最後の田んぼで作ったもち米で、12月には餅つきをし、
収穫祭のお祝いをしました。こうした活動を通して、田んぼっていい
なという思いや、自然の恵みに感謝する気持ちが育ってきています。
田んぼからの贈り物は、みんなの心を豊かにし、命の大切さに気付
かせてくれます。
8月
草取り
草取りをしました。下を向くと、汗が落ちます。
生きものとの
かかわり
環境学会の
若尾さんの「命
の授業」で、一
人ひとりの命の
重みに気付いた
4
季節によって、
動物や植物の
ようすが変わるね
うれしいな 収穫できたよ
手作りは最高
おいしいな
12月
10月
餅つきの作文
稲刈り
88キロ
12月
収穫祭
穫れました
3年生「初めてのおもち
つき 楽しかったな」
11月
ふれあい2011
5
※「ヘビーローテーション」のメロディで歌います。
倉田の田んぼ ロ-テ-ション
倉田小
(1、2、3,4!)
田んぼの(田んぼの) お米(お米) 大好き(大好き)
どんどん お米が みのります 田んぼ ロ-テ-ション
倉田の田んぼ
5 月の田おこし 土がかたくて 大変だったけど シャベルでほった
6 月の代かき 足がはまって なかなかぬけなく なっちゃったよ
こんなに苦労をしてたのに なんで 雨ふったの
田んぼの(田んぼの) お米(お米) ずっと(ずっと)大好きだよ
どんどん近づく田植えの日 晴れを 祈っている
植える(植える) さがる(さがる)
緑のじゅうたんできました きれいに
ならす(ならす)
植えられたね
バディと声だす
真夏の草とり 汗にまみれて いねが 顔に つきささりそう
10 月のいねかり さか手でいねもち 指をかくして いねをかった
3・4 年で力を 合わせたよ なかよくなりました
どろだらけ(どろだらけ) 汗だく(汗だく)
田んぼの活動 楽しいよ みんなで え顔だよ
大変(大変)だったけれど
田んぼの(田んぼの) お米(お米) ずっと(ずっと)大好きだよ
てんとう虫も かぶと虫も みんな 友だちだよ
みんなで 作ったお米を 残すのは もったいないよね 感謝して食べよう
名人さんも おうちの人も 地域の人も 田んぼを ささえている
田んぼの(田んぼの) お米(お米)
おいしいおもちを食べたいな 手作り
ずっと(ずっと)大好きだよ
うれしいな
ありがとう(ありがとう) 自然(自然) 感謝(感謝)
命のリレ-はまわってる 田んぼロ-テ-ション
命はつながってる
6
日本の農業
4年3組
ふるさとのしぜんをまもっていこう
横浜市立大道小学校
●20周年をむかえる学校のトンボ池
大道小学校のトンボ池は、裏山に面した学校の校庭に「ふるさとの原風景をつくろう」と、平成4年に子ども、
教職員、PTA、地域の人たち総勢約 250 人の手でつくられました。いつ行っても自然や生き物の気配が感じら
れる、大道っ子が大好きな場所です。
年に一度、池の水をぬいて池底にたまったヘドロをかきだしてきれいに手入れをしています。
●地下約40m、
「希望の井戸」
しかしながら、十数年のうちにトンボ池の周りの
環境も変化してきました。池に流れ込むわき水の量
も減り、生き物や植物の種類が減ってきてしまった
のです。子どもたちは水が涸れそうな池をなんとか
しようと、地域の方から知恵と力をかりて学校に井
戸を掘る活動が始まりました。
「よい水が出るところには、よい緑が茂り、よい
人が集まる」そう信じて取り組んだ井戸掘りは、ト
ンボ池をはじめとする学校の自然環境を、地域とと
もに守り育てる「ふるさと大道村づくり」として活
動が始まり、昨年の夏、地下約40m、毎日2トン
の地下水を湧き出す自噴井戸としてめでたく完成し
ました。
●ふるさと大道村の完成
こうして、湧き出た地下水を循環させ、池の水不足問題は解消されました。そればかりでなく、自然を愛でる
橋、丸太ベンチ、憩いの場となる東屋、精米もできる水車小屋までもが地域の方と子どもたちの手で整備されま
した。できあがったのは、子どもも大人も笑顔で憩う、みんなの「ふるさと大道の原風景」でした。たくさんの
人の知恵と力をかりてできたこの風景をずっとずっと守っていきたいと考えています。
7
●井戸水の活用
豊富な井戸水を学年ごとに育てている作物や草花の水やりに利用しています。昨年は、田んぼに引いた井戸水
で作ったお米や、畑のサツマイモやダイコンを給食の食材として全校児童で食べることができました。休耕期に
は田んぼに水を張り、冬水田んぼとして渡り鳥が羽を休める場所にならないかとなっています。
●ふるさとの川をきれいな川に
小学校のすぐそばを川が流れています。金沢区の朝比奈の森を源流として金沢八景で知られる平潟湾にそそぐ
「侍従川」という全長3kmの小さな河川です。両岸はコンクリートで固められてはいるもののアユ、ウナギ、
チチブ、フグ、カニなどの魚介類をはじめ、水鳥が集まり植物も数多く生育する生き物が豊かなふるさとの川で
す。10 年前から年に2回、全校児童で清掃活動を行っています。
「ふるさとの川がいつまでも生き物がすめるき
れいな川であってほしい」という子どもと教職員の願いから 10 年間ずっと続いています。
●葦船をつくって遊ぶ
侍従川清掃の延長線上にあるのが葦船づくりです。葦には
汚い水をきれいな水にかえる働きがあります。侍従川には、
かつての先輩たちが植えた葦が葦原を形作っています。冬に
なると枯れて土とともに海に流れ出てしまうので、冬場に刈
り取って葦舟をつくり川で遊ぶことにしています。ふるさと
の川に親しむことで地域に愛着をもち、自然を大事にしてい
こうという気持ちが育っているようです。
8
わたしたちの早渕川~早渕川探検活動~
横浜市立高田東小学校
つくろうよ、高田東米!
Ⅰ
学校・地域の特色
本校は港北区北部の高台にある緑豊かな学校である。学区は宅
地化が進んでいるが、周囲には農業専業地域も残っている。校庭
は全面芝生化され、地域の協力を仰ぎつつ維持管理し、今年で9
年目を迎えた。体育や休み時間には裸足で走る児童も多い。校庭
の周りには開校当時に地域の方々によって植えられた桜の木が大
きく成長し、毎年3月には高田地区の花見も開かれている。
学区境には早渕川が流れ、以前より清掃活動を中心に活動してきた。活動をもとに平成 18 年度には「まち普
請事業」により早渕川の生態系を再現した学校ビオトープが完成した。昇降口前の立地のよさもあり、登下校時
にビオトープを観察する児童も多い。清掃活動から早渕川の生態系全体へと活動を広げている。
Ⅱ
活動の内容(5年生を中心に)
1,5年生:「つくろうよ、高田東米」
※庄内みどり農協青年部、お米マイスター出前授業
学年園の田んぼには庄内みどり農協の方より送っていただいた苗を、バケツ
には子ども一人ひとりが種籾から発芽させた苗を植えて栽培した。6月には庄
内みどり農協青年部の方が来校し、直接指導していただいた。社会科での学習
をもとに、手作業と機械の労力や時間の違いについて考えたり、使用する肥料
を化学肥料にするか堆肥にするか考えたり、子ども達一人ひとりが関心をもっ
て活動することができた。なかには、収穫したお米の袋を自分なりに工夫して
デザインする子もいた。また、お米マイスター出前授業では米についてのさま
田んぼにカモがきた!
ざまな知識やもみすり・精米方法を学べた。
2,5年生:「わたしたちの早渕川~早渕川探検活動~」
ア)ビオトープの観察
校内のビオトープをじっくり観察してみると、たくさんの生き物の命が
あふれていることがわかった。メダカやヤゴといった目に見える生き物の
他にミジンコやゾウリムシなど顕微鏡を通して見る小さな生き物たちに
児童は歓声を挙げて観察をしていた。
川の生き物観察
イ)結成!早渕川探検隊!!
※港北区「水と緑の学校」事業へ参加、NPO 法人 TR ネットワーキング
川へ行く途中には、亀が数匹川面に顔をのぞかせていたり、鳥が水面を泳
いでいたりと生き物の姿をたくさん発見することができた。河原に降り、諸
注意を聞いた後、各自用意してきた「しかけ」を手に川の中へ。魚がいそう
なところへ「しかけ」を置き、1週間後を楽しみに待つことに。残った時間
は、網を手に生き物観察。全身濡れながらも、魚やモズクガニ、テナガエビ、
ウナギなどの生き物を見つけて子ども達は大興奮だった。行く前は川に対す
るイメージが「汚い」
「くさい」といったものであったが、透き通った水や生
「しかけ」の設置
き物がたくさん住んでいることを知り、川に対するイメージも変化してきた。
9
1週間後、「しかけ」を引き上げに
再び早渕川へ。川の流れで流されてし
まったものもあったが、自分のしかけ
を探しては興味深く中身を確認して
いた。しかけの多くは空でも、とても
よい経験であった。
その後、子ども達から希望で「水質
川の水質調査の様子
天然ウナギ発見!
検査」と「生き物観察」をした。
水質検査では想像以上に川の水質はきれいであることに子ども達は驚いていた。しかし、残念ながら川辺や水
中にはペットボトルやビニール袋などのゴミがあり、壊れた自転車もあった。川での体験を通して、早渕川につ
いてもっと調べていく課題をみつけることができた。
ウ)ビオトープ
バージョンアップ大作戦!※環境創造局「森の恵み研究」参加
①ビオトープについて知ろう
ビオトープ設置から6年が過ぎ、早渕川の生態系移植当時の植生も変化してきた。
子どもたちは現状が当たり前であるため、気づいていない。そこで、設置当初の写真
を見せて現在と比べさせると驚きと改善の声があがった。「よこはま自然観察の森」
の方々のお力を借りて、ビオトープ
バージョンアップ大作戦を実施することにした。
ビオトープ観察
まずはビオトープの生き物調査。調査したことをもとに、「魚」「カニ・カエル」「鳥類」「昆虫」「植物」などに
分類分けしていくと、早渕川生態系になかったものや外来種も含まれていることがわかった。
話し合いの記録
②バージョンアップのために必要なことは・・・
「水・土」
「植物」
「動物」のグループに分かれ、今の状態
を継続していくとどうなっていくのか、それを防ぐために
はどのような方策が必要かについて話し合った。
「水・土」
では、水がにごって泥がくさくなるのを防ぐために、植物
を減らすことが考えられた。「植物」でも増えすぎている
種類については減らしていき、定期的に世話をしていく必
要性があげられた。「動物」ではバッタやトンボ(ヤゴ)
などの昆虫を中心に種類が増えていることや鳥も頻繁に
やってきていることがわかった。川からもっと動物を移し
てくることについては意見が分かれた。どのグループもこれから「管理」をしていかなくてはいけないというこ
とははっきりした。外来種については、意見が分かれ、結論は出なかった。
エ)もっと知りたい、早渕川
→NHK 放送体験クラブ、学習発表会、NPO 法人 TR ネットワーキング「夢
交流会」
子ども一人ひとりがもっと調べたい課題を設定し、
「生き物(魚・鳥)」
「ビオトープ」
「ゴミ問題」「水質検査」「川の歴史と洪水」などのグループに分かれて調べ学習を
すすめた。自分たちで調べきれないことは地域や専
門家の方々に取材を行った。
NHK 放送体験クラブでの番組制作や学習発表会
「東っ子フェス」での発表を通して、相手意識をも
↑
って工夫して伝えることができた。これからの活動
←
にもつなげていきたい。
10
東っ子フェス
NHK 放送体験クラブ
かんきょうかがくけんきゅうじょ
とくべつじゅぎょう
環境科学 研 究 所の特別 授 業 ①
よ
こ
は
ま
く
さ
か
な
横浜で暮らす魚たち
よ こ は ま し か ん き ょ う か が く けんきゅうじょ
か わ た
こう
横浜市環境科学研究所 川田 攻
はじめに
よ こ は ま
か わ
う み
も
みなさんは横浜の川や海にどのようなイメージを持っていますか?
か た
か わ ぎ し
か い が ん
か わ
み ず
あぶらくさ
う み
お も
コンクリートで固められた川岸や海岸と、なんだかにごったような川の水や油臭いヘドロの海を思
う
ひ と
お お
い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
い ま
ね ん い じ ょ う ま え
か て い
せ い か つ は い す い
こうじょう
は い え き
か わ
う み
よ ご
たしかに、
今から40年以上前には、
家庭から出る生活排水や工場から出る廃液により川も海も汚れ
ていました。
か わ
な が
こ
は い す い
川に流れ込む排水
せ い か つ は い す い
げ す い ど う
せ い び
す す
こうじょう
は い え き
き
でも、生活排水をきれいにする下水道の整備が進み、工場からの廃液にもルールが決められたこと
か わ
う み
す こ
により、川も海も少しずつきれいになってきました。
よ こ は ま
げ す い し ょ り じ ょ う
い
そ
ご
く
な ん ぶ み ず さ い せ い
横浜の下水処理場(磯子区にある南部水再生センター)
11
よ こ は ま
か わ
う み
横浜の川と海
よ こ は ま
つ る み が わ
か た び ら が わ
お お お か が わ
み や か わ
じ じ ゅ う が わ
さかい が わ
か わ
横浜には ①鶴見川、②帷子川、③大岡川、④宮川、⑤侍従川、⑥境川の6っの川があります。
よ こ は ま
か わ
つ る が み ね ふ き ん
か た び ら が わ
横浜の川(鶴ヶ峰付近の帷子川)
よ こ は ま
う み
つ る み が わ
か こ う
か な ざ わ く の じ ま か い が ん
横浜の海は、鶴見川の河口から金沢区野島海岸までです。
よ こ は ま
う み
ほ ん も く う み
づ
し せ つ
横浜の海(本牧海釣り施設とベイブリッジ)
よ こ は ま し かんきょうかがくけんきゅうじょ
て い き て き
か わ
う み
い
ち ょ う さ
け っ か
よ こ は ま
か わ
その結果では、
横浜の川で
横浜市環境科学研究所では定期的に川と海の生きものを調査しています。
し ゅ る い
う み
し ゅ る い
さかな
き ろ く
き ょ う
し
み ぢ か
は48種類、海では257種類もの魚が記録されています。今日は、みなさんがよく知っている身近
さかな
しょうかい
な魚について紹介します。
か わ
す
さかな
川に住む魚
よ こ は ま
か わ
や く
し ゅ る い
さかな
く
な か
み ぢ か
さかな
横浜の川には約50種類の魚が暮らしています。この中で身近な魚をあげてみると・・
ウナギ
コイ
12
ドジョウ
オイカワ
フナ
ウグイ
このほか
う み
す
メダカ
ナマズ
マハゼ
アユ
スズキ
ボラ
などがいます。
さかな
海に住む魚
よ こ は ま
う み
や く
し ゅ る い
さかな
か く に ん
な か
み ぢ か
さかな
横浜の海には約250種類もの魚が確認されています。この中で身近な魚といえば・・
マハゼ
カサゴ
スズキ
シロギス
マアジ
イシモチ(シログチ)
マダイ
カワハギ
13
アカエイ
トビエイ
このほか
ホシザメ
マアナゴ
マイワシ
カタクチイワシ
コノシロ
ボラ
サヨリ
サンマ
メバル
マゴチ
アイナメ
クロダイ
イシダイ
メジナ
ギンポ
カマス
タチウオ
サワラ
サバ
ブリ
ヒラメ
カレイ
フグ
などです。
さかな
かんきょう
く
いつまでも魚が暮らせる環境を
わたし
せ い か つ は い す い
み ず
え い よ う ぶ ん
ぶ っ し つ
ち っ そ
ふ く
み ず
な か
私たちの生活排水には、水の栄養分となる物質(窒素とリン)がたくさん含まれています。水の中
え い よ う ぶ っ し つ
え さ
さかな
え い よ う ぶ ん
の栄養物質はプランクトンの餌となり、めぐりめぐって魚の栄養分になります。
ふ
あ か し お
じょうたい
し
か い て い
プランクトンが増えすぎると「赤潮」という状態になります。プランクトンが死んで海底にたまる
し
ぶ ん か い
すいちゅう
さ ん そ
つ か
は
あ お し お
げんしょう
ひ
お
と、死がいを分解するバクテリアのために水中の酸素が使い果たされて「青潮」という現象を引き起こ
あ お し お
み ず
さ ん そ
さかな
し
み ず
します。この青潮の水は酸素がないので魚にとっては「死の水」となります。
う み
い
し ょ く も つ れ ん さ
あ か し お
海の生きもののつながり(食物連鎖)
あ お し お
赤潮と青潮のしくみ
な ご や し じ ょ う げ す い ど う き ょ く
み ず
(名古屋市上下水道局 水のライブラリーより)
よ こ は ま
さかな
す
かんきょう
た も
み ず
え い よ う ぶ ん
い じ ょ う
ふ
横浜の魚たちが住みやすい環境を保つためには、水の栄養分をこれ以上増やしすぎないようにする
ひ つ よ う
わたし
ひ と り
よ
み な
かんが
必要があります。そのためには、私たち一人ひとりがどうすれば良いか、皆さんで考えてみてくださ
い。
14
未来を守る HERO~有効なリサイクルを広めよう〜
横浜市立さちが丘小学校
★考えよう!リサイクルって本当に必要なの?
わたしたち6年3組は、学級総合のテーマを「リサイクル」と決め、取り組んできました。活動を始
めた4月当初は、
「リサイクルをすれば環境のためになる」という考えだったのですが、調べていく中で、
リサイクルをするためにより多くの資源を使ってしまったり、リサイクルしたものが使用されずに残っ
てしまっていたりという問題があったことを知ることができました。その調査結果から、
「本当にリサイ
クルは必要なのか」という疑問が生まれました。話し合いを重ねることで、
「リサイクルには、課題もあ
りそうだけれど、リサイクルを止める訳にはいかないのではないか」という結論に達しました。そして、
6年3組の活動として、
「本当に有効なリサイクルを考えよう」という気持ちに結びつきました。
リサイクルっ
て本当に必要な
有効なリサイ
のかなあ?
クルにするには、
どうしたらいい
環境のために
んだろう?
は、やっぱりリサ
イクルをすること
が必要だよ!
★作ってみよう!本当に必要なリサイクル用品
有効なリサイクルにするために話し合っていくと、
「どのようなリサイクル用品が求められているのか
調べる必要がある」ということに気づきました。そこで、家族や知人へ聞き取り調査をしました。そし
て、結果をまとめると、多くの品物が出されました。その品物の中から、
「自分たちの手でリサイクルを
することができそうなもの」を絞り込みました。その結果、
【石鹸、はがき、髪ゴム・シュシュ、鉛筆立
て】の4種類になり、早速、家庭や学校内から必要な資源を集め、リサイクル用品を作りました。
給食の牛乳パ
ックを使って、は
がきを作ろう!
給食の廃油
で石鹸ができ
るかな?
みんなに使っても
完成したらみ
らえるようなものを
んなに使っても
作らないとだね。
らいたいな。
15
★知ってもらおう!わたしたちの有効なリサイクル
グループに分かれて製作を進め、リサイクル用品を作り上げると、
「自分たちが考えた有効なリサイク
ルを広めたい」という新たな目標が見えてきました。「広める」ための手段について話し合うと、「自分
たちの活動をさちが丘小学校の子どもたちだけでなく、保護者や地域の方に知ってもらうことで、作っ
てみようと思ってもらえたら、広まっていると言ってもいいのではないか」という結論に達しました。
そこで、「リサイクルバザー」を企画し、自分たちが製作したリサイクル用品を配布しました。そして、
使ってもらった感想をアンケートに記入してもらい、集計したものから自分たちの考えた「有効なリサ
イクル」が広がりつつあるのかを検討しました。
気に入って
家でも作っても
もらえるかな。
らえるといいな。
たくさんの人
有効なリサイク
にもらってもら
ルになるといいん
えて良かった!
だけれど・・・。
★ 確かめよう!わたしたちの有効なリサイクル
バザーを終え、回収したアンケートを集計しました。すると、「作ってみたいと思う」という項目に、
丸が付けられたアンケートがたくさんありました。しかし、
「作ってみたいと思わない」という意見もあ
りました。理由をまとめると、「作り方が分からない」「作るための時間がない」という課題が見えてき
ました。
汚れ落ちがと
作り方を書い
てもいいから使
た紙を一緒に配
いやすい。
れば、作っても
らえるかも。
作り方が難しい
かもしれない。
★ アンケートから分かったこと
「作ってみたい」と思う理由
はがき
「作ってみたい」と思わない理由
・手作り感があり、もらった人が喜んでく
・忙しくて作る時間が取れない。
・作るのが難しそう。
れそう。
・自分の好きなようにアレンジできる。
・作るのがおもしろそう。
鉛筆立て
・自分のイメージ通りのものを作ることが
・既にたくさん持っている。
・牛乳パックを他のリサイクルに出している。
できる。
・筆箱で足りている。
・材料費がかからない。
・手軽に作ることができる。
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髪ゴム
シュシュ
・たくさん持っている。
・作るのがおもしろそう。
・簡単にできそうだから挑戦したい。
・オリジナルのものを作ることができる。
・余った布でできそう。
・上手にできればプレゼントになる。
・とても可愛い。
石けん
・どのように作るのか知りたい
・ハンドソープがある。
・自分で作ったものだから安心して使うこ
・材料をそろえるのが難しい。
・作るのに時間がかかり、大変そう。
とができるし、体によさそう。
・自分に合ったものを作ることができる。
・作るのが楽しそう。
・自分の好きな形や色にできる。
・プレゼントになる。
・作り方を知りたい。
それらの意見をもとに話し合いを進めていくと、有効なリサイクルを広めるためには、
「作り方を知っ
てもらう必要がある」ことや「手軽に作ることができるよう作り方を考え直す必要がある」、「既にもっ
ているようなものであれば、よりよいものを作る必要がある」という結論に達しました。
★ 考えよう!わたしが未来のためにできること
4月から続けてきた活動のまとめとして、ふり返りの時間を取りました。リサイクルを見直し、有効
なリサイクルを広めるために活動をしてきたことから気づいたことを出し合うと、
「リサイクルをするこ
との難しさを感じることができた」という意見が出されました。
未来のため
リサイクルだけ
にできること
では、難しいとこ
は何かな?
ろもあるんだね。
一人一人が心が
これからの
けることで、大き
生活に生かし
な成果になるね
ていこう!
話し合いを進めていくと、
「リサイクルをすることに難しさはあるけれど、リサイクルしようとするこ
とを一人一人が心がけることが大切」という意見が出されました。また、リサイクルをすることも大切
だけれど、
「初めからごみを出さないような工夫や、必要がなくなったときのことを考えながら作ったり
買ったりすることも大切」という意見が出されました。
リサイクルについて追究をした結果、リサイクルの大切さや難しさを感じることができました。これ
からも未来のために自分自身ができることを進んで追究していきたいと思います。
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18
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20
21
緑道
自然研究員になろう
~身近な自然を観察し、自分たちのまちを見つめ直そう~
横浜市立川和東小学校
【はじめに】
私たちの学校は、都筑区の港北ニュータウンの中にあります。学区の中には、いくつかの大きな
公園があります。その公園と公園をすべてつなぐ緑道が学校のすぐそばにあります。緑道は、全部
で総延長15キロほどあり、私たちの通学路です。まちの方も散歩やジョギングなどで利用してい
る、みんなにとても親しまれている道です。秋には、緑道愛護会の地域の方と一緒に清掃活動を行
います。
今回、この緑道や近くの川和富士公園にどんな生き物が生息しているのかに興味をもち、みんな
で「緑道自然研究員」になって調べてみました。夏、秋、冬それぞれの季節の生き物の様子を調べ
ました。調べるときには、横浜自然の森レンジャーの方にたくさん教えてもらいました。これから
も自分たちのまちの自然に関心をもって生活していこうと考えています。
【活動内容の紹介】
□
第1回
緑道調査会
~夏の川和富士公園~
じっくりよく見て、観察しました。穴の中には何がいるのかなぁ・・・!?
横浜自然観察の森レンジャーの方に教えてもらいました。
諸感覚を使って自然を観察しよう!「手・耳・鼻・目・口!」
風の音、鳥の鳴き声、葉っぱの手触り、花のにおい、体全体を使って観察するといろいろな
発見がたくさんありました!!
22
□
第2回
緑道調査会
~秋の川和富士公園~
キツツキの空けた穴、てんとうむし、鳥の巣!!よく見てみるとたくさん見つかりました!
手でつかまえて、比べてみたり、じっくり見たり、生き物一つ一つのとくちょうがわかりました。
□
第3回
緑道調査会
~冬の川和富士公園~
横浜自然の森レンジャーの方にカードの書き方を教
えていただきながら、観察した様子を記録しました。
これからもまちの自然の様子に関心をもって生活し
ていきたいです。
23
私たちの緑道と川和富士公園
平成23年度
題名
里山ドリームパークからの発信~「ありがとう」大切な仲間達の絆~
学校名
戸塚区
深谷台小学校
Ⅰ
学校概要
本校は、住宅街に囲まれているため、自然観察をする場合は40分ほど歩かなければならない。
そのため、校地敷地内に自然と関われる草花や野菜、果実などの栽培活動が盛んに行われている。
中庭や正面玄関には、技術員さんが季節の花々を20種類以上栽培し、季節ごとに様々な花を楽し
ませてくれている。また、卒業生が作ったビオトープには、フナやめだか、ドジョウ、カエル、カ
ワニナなど水生動物が生息している。地域のボランティアの人もご協力くださり、少しでも子ども
達に自然の生き物とかかわりをもたせようと、ホタルやカブトムシを飼育小屋で育て、子ども達に
触れさせる活動もしている。
学年ごとにも、年間を通して、以下のように栽培活動をしている。
学年
栽培活動の種類
活動内容
1年
野菜・花
サツマイモ、アサガオ、球根(チューリップ)
2年
野菜・花
トマト、トウモロコシ、キュウリ、サツマイモ、アジサイ
3年
野菜・花
ホウセンカ・オクラ・ヒマワリ・ナス
4年
野菜・花
ヘチマ・花
5年
野菜・花
米、大豆、そば
6年
野菜・花
ジャガイモ、ホウセンカ
個別支援学級
野菜
ジャガイモ、トウモロコシ、サツマイモ
昨年の6年生の活動で、ユニバーサルデザインを探す活動から、地域の清掃活動を行い、更に荒れ
果てた学校の裏山の森に着目し、里山作り計画を立てた。目指すところは、「人や昆虫、植物が共
存できる里山」だった。この子ども達の思いに賛同してくださった、地域の方や土木事務所、教育
委員会にも協力を得て、120万円の助成金もいただき、子ども達とともに裏山の開拓に着工した。
ゴミや日が差さず倒木した木があった裏山は、見晴らしよく整備された。この場所を子ども達は「ド
リームパーク」と銘々し、卒業制作として、壁に願いを込めた絵を飾った。その後の活動を、次学
年の5年が中心となって引き継いだ。
今後の課題は、この活動を学校全体の活動として盛り上げ、全校児童がこのドリームパークに慣
れ親しめる場所にしていくことである。その活動の一歩として、学校全体に協力を呼びかけ、地域
のボランティアや保護者、委員会の協力を得て「ドリームパーク花いっぱい計画」を実践して行き
たい。
Ⅱ緑化推進計画(概要)
<里山花壇作り>
入り口にバラの門・(アルミの U 字門、バラの苗、各種花)
17万円
学年花壇作り(シート、土、ブロック)
10万円
転落防止安全柵作り
10万円
竹枠作りの竹・花壇用木材の切断
5万円
事業実施による期待される効果
校内に里山を作ることにより、全校で緑と花に親しめる場を作る。
地域の方達と共同で作り上げることで、学校と地域とがより密接に活動ができる。またかかわりを深める。
その他、以下のような効果が期待される。
24
※
深谷台小学校の里山作りで期待される効果
1:コンセプト
大人:ゴミのポイ捨て、見えないところに粗大ゴミを捨てる
地域の活動に無関心
子ども:壁に落書き、買い食いしたゴミを捨てる
地域の清掃活動には参加しない子が多い
地域:意識のある人が、ゴミ拾いや交通整理などしている
地域への愛着が薄い。子どもが成長すると、町を出て行く
子ども
町は、過疎化へ
高齢者が支える社会
この流れを断ち切って、子ども達自身が町に関心をもち、変えていく。
町が活性化する
町に愛着がもてる子ども達が増える。活動を、下の学年に引き継ぐ。中学校でも活動に参加。
町に関心をもってくれる地域の人の増加
安全
協力者
様々な問題
をクリア
地域や保護者
予算120万円
緑の基金
横浜市、土木事務所、NPO、
地域のボランティア
子ども
達から
発信
深谷台小学校6年1組の児童が発信
町の清掃活動を通して、自分のたちの町をもっと住みよくしていくことを提案
まず、学校のゴミ山を里山へ変えていこう。
25
2:里山にしたい山の様子
倒木や、空き缶が転がる学校の裏山、すぐ下には、
普段、お化けが出る、幽霊階段と言わ
小魚やサギ、鴨がやってくる谷戸川が流れる。
れるくらい、暗く、寂しい山。子ども
達はあまり近づきたがらない。
3:里山プロジェクト
<地域>
市・県ドリ
ームハイツ
自治会
蛍の会
ミツバチを
育てている
地域の方
<行政>
横浜市教育委員会
戸塚区土木事務所
対象地
① 学校の敷地の山
② 横浜市所有のがけ
人と里山
虫、植物観察
<支援者>
NPO 法人
Dream eggs ゆ
めたま
天王の森事務
局
<学校>
校長、副校長、協力してくれるクラス
23年度 卒業生の思いは5年生へと引き継がれた。緑の予算60万円を得て、
里山のフェンス作り、足場、土留めを作る。今年度は、全学年へ広げていく。
26
Ⅲ
研究の内容
1 研究主題と研究のねらい
○研究主題
里山・栽培活動を通して、豊かなかかわりを大切にした学習活動をめざす
~ドリームパーク作りから見つける自然、広がる豊かな交流~
○研究のねらい
本校は、どの学年も年間を通して様々な栽培活動をしている。しかし、自然観察の場として全校
で共有できる自然が学校の周りにない。今回、里山作りを始めたことをきっかけに、どの学年もこ
のドリームパークに入って自然観察や遊びのできる場にしていきたい。今回、緑の基金から60万
円の助成金をいただき、ドリームパークに足場と土留めを作ってもらった。また、出入り口も裏庭
にある田んぼや畑、果樹園を通って入れるようにして、季節の変化を感じ取れるような環境を作っ
た。
昨年度は、ゴミ拾いをして、日光を遮る木々を伐採した。そして、新たに季節を彩る木々を植樹
し、里山に根付かせた。昨年の活動を引き継いだのが5年生。この5年生を中心に、今年は急斜面
にそばの種をまいて、秋には白い花を咲かせた。また昨年度伐採した木々の丸太を利用して花壇を
作り、各学年に「秋の花」を植えてもらい、全学年にドリームパークのお披露目をした。今後、鳥
の巣箱を作り、収穫したそば粉を使って作るピザを焼くための石窯も作っていく計画を立てている。
裏山の下には、谷戸川が流れ、その水を取水源にしている田んぼもある。この川や田んぼには、
鴨や白鷺、カエルなど鳥や水生動物も生息している。植物だけでなく、このような生き物に触れる
ことができるドリームパークを全学年で共有して豊かな自然にかかわることができる環境を作っ
ていきたい。そして、その活動でかかわる沢山の人たちと交流することで豊かな心を育てていきた
い。
2 本年度における研究の取組概要
(1) 活動の方針
○各学年の年間指導計画を栽培活動の視点から関連する教科・領域を見直し、環境教育のねら
いを明確化していく。
○5年生を中心に、全校で花作りに取り組むようにする。
○花作りを通して、里山に気づき今後の活動に役立てたいと思えるよう取り組む。
(2)取り組みの概要(教育課程上の位置づけ)
児童会活動を中心とした活動
① 「里山の花壇を花でいっぱいにしよう」~環境委員会による花壇の世話~
里山と川の間のフェンス付近に花壇を作り、季節の草花を栽培した。
教科・領域での活動
① 全校での取り組み(個別・1年~6年
生活・総合)
「花を育てて、みんなのドリームパークにしよう」
各学年や学級で、花を育てることによって、
「ドリームパークにまた行きたい」、
「ドリームパー
27
クでこんな生き物を見つけたよ」という思いが芽生え、活動の場を広げるよう取り組んだ。
② 学年での取り組み(生活・理科・総合など)
教科や領域の栽培活動に関わる学習内容や活動を見直し、里山を作る学習を軸に、子どもの思
いをふくらませ、充実した活動へと発展させた。
5年生の「里山をみんなの力で花いっぱいにしよう」という願いから始まった活動が、どの学
年もその学年の実態に合った活動が展開された。
22年度:誰も手をつけなかった錆びた鉄壁に
ペンキで色を塗り明るくしました。
22年度:里山の落ち葉を集めて、収穫した後の田んぼで
焼き芋パーティーをしました。
22年度:天王の森の方から苗木をもら
い、植樹をしました。
28
(3) 指導の実際
高学年 5年
「里山ドリームパークに花壇を作って、全校のみんなに花を植えてもらおう」
5月:地域の方が小屋で育ててくれた、カブトムシの幼虫を里山ドリームパークにある腐葉土に
移しました。里山に、カブトムシが住んでくれるといいな。
6,7月: 足場作りと草刈り工事が入り、しばし里山活動は休止。
8月:足場の階段と土留め、草刈りが完了!卒業生が描いた看板もよく見えるようになりました。
8月:夏休み 5年生が育てているのが、お米と大豆。7月に、里山の傾斜を利用できないかみん
なで思案する。そばなら、蒔き時が夏で、傾斜面でも育ち世話もいらないので、そばを育てること
に決定した。収穫できたら、そば打ちをして、流しそばをやりたいと夢は広がる。夏休み、日にち
を決め、学校に来られる子が集まり、里山の斜面にそばの種を蒔いた。ちなみにそばは、長野の農
協で購入。本場、信州そば作りに挑戦!
これがそばの種か。お米と
斜面を耕して、段々畑のようにそばの種を蒔き、お水をあ
違って三角の形だ!
げて完成!大きく育ってね。秋が楽しみだね。
9月:ガイガーカウンターで計測。基準値以内なので、活動開始。大豆、お米、が実り収穫まであ
と少し。8月に蒔いたそばにも、花が咲いていました。
29
大豆
9月8日
うるち米
里山の傾斜面は、真っ白なそばの花で埋め尽くされていました。
9月:きれいに刈り取られた里山の中にゴミを発見!2組は手分けして、里山のゴミ取りをして、草や木の成長
を助けました。
10月:地域の方や、土木事
務所の山本さんの協力のも
と、日本ミツバチの育て方を
教えてもらい、里山に重箱を
設置しました。
花壇チームは、里山に花を植えられるところを選び、相原造園へ電話をして花壇の下地を作っても
らいました。花壇の枠は、里山の倒木林を利用して作りました。
階段の脇に
は、2年生が
育てたあじさ
この様にな
いの苗を2年
りました。
生に植えても
らいました。
30
学年で力を
合わせ、これ
らの花を植
えました。
木の遊具チームは、この倒木し
3,4組さんには、このフェンスに
た木を使って遊具を作ります。
花を飾ってもらいました。
谷戸川を土木事
里山の下を流れ
る谷戸川を使っ
て水力発電の実
験をする予定で
務所の方と清掃
をしました。土
木ニュースにも
出たよ
す。
11月:収穫の季節。田んぼで育てたもち米(ス米ル)、大豆、そばを収穫しました。大豆は、枝豆として少し
いただき、残りは、お餅つきパーティーのあんこ「ずんだ」を作りました。里山に続く場所にある果樹園には、
ミカンがたわわに実っていました。
「ずんだ」作りと一緒に、ミカンも収穫し、特製ミカンジャムを作りました。
一週間後、脱穀
11月:そばにも実が実り始
めてきました。茎がしおれた
頃が、取り頃です。
学校の果樹園から収穫し
たミカンジャム
1,2組とも、深谷台フェスティバルで、今までの活動を劇とポスターセッションで発表しました。
31
12月11日(日)はちみつチームが、土木事務所の山本さん、日本ミツバチの育て方を教えてくれている
武田さんのご協力を得て、無事里山にミツバチの重箱を設置しました。重箱や、ずんどうの箱形の巣箱の2
種類をいただきました。置き場所は、はちみつチームが決めて、スコップで置き場所を平らにし、足場を作
りました。はちみつチームと相談して、週に1回、水曜日に巣箱にミツバチが入っているか観察することを
決め、1時間30分の活動を終えました。ミツバチが本格的に入るのは、2,3月だそうです。子ども達は
「この重箱に気づいて、巣を作ってくれるといいね」と、口々に話をしながら嬉しそうに帰っていきました。
1月から3月までの活動
1月:27日、収穫したもち米を使って餅つき。地域の方、保護者、先生方、手伝ってくださった
ボランティアの方を招待して、感謝祭を行う。
2月:里山の枯葉を集めて、1年生と焼き芋パーティーをする。1年生のお世話をして、6年生に
なる心の準備をする。
3月:プール脇に誰にも見られず、そっと咲いている「サルトリイバラ」。「サルトリイバラ」は、
本校の校章や校歌にも入っているのに、なぜか誰も実物の実を見たことがない。この「サルト
リイバラ」を技術員さんが、プール脇と塀の間で発見。この「サルトリイバラ」を根から取り、
里山の第2のアーチに植樹して、みんなが見られるようにする。この植樹を5年生が行い、1
年間の里山、緑化活動を集結する。
サルトリイ
第2のアーチ
バ ラ の 実
ここに、サルト
リイバラを植
樹する。
32
かんきょうか がく けんきゅうじょ
とくべつ じゅぎょう
よ こ は ま し かんきょうか がく けんきゅうじょ
環境科学 研 究 所 の特別 授 業 ②
横浜市環境科学 研 究 所
1.東京オリンピックの時代と里山
いのうえ
井上
さとし
智
・里山ってなに?
昨年の夏から今年のお正月明けにかけ
て、東京オリンピックが開かれた 1964(昭
ぶ た い
え い が
こうかい
和 39)年頃を舞台にした映画が、続けて公開
されたよ。今から 50 年前の昭和の時代が注
目されているね。
ほ
当時、みんなが欲しかったものは、カラ
ーテレビ・クーラー・カー(車)の『3C』
だったんだ。今なら、3Dテレビ・スマー
かんきょう
せ か い きょうつう
・SATOYAMA(里山)は世界 共 通 の言葉な
やさ
トフォン・エコカー(環 境 に優しい車)と
いったところかな!
の?
・人は里山をどのように利用していたの?
・今、里山に住んでいる生き物が減っているっ
て本当?
・横浜には今でも里山は残っているの?
【メモ】
にいはる
2.横浜市緑区新治地区
にいはるさとやま こうりゅう
森や田んぼ、川もあるよ。
新治里山 交 流 センターへ
たんけん
里山の探検やおはなし会、
のアクセスは、JR 横浜線
朝市などのイベント、たく
十日市場駅から歩いて 15
さんやっているよ!
分だよ。
と お か いち ば
【メモ】
33
3.東京オリンピックの時代の新治地区(写真提供:新治里山交流センター)
かやぶき
家の屋根は茅葺屋
根だね、
田んぼもたくさん
あったんだ!
山仕事に牛
を使ってい
たんだよ!
【メモ】
げんじょう
4.横浜の緑の 現 状 と、緑を守る取り組み
調査 ( ちょ 緑被率 (り ょく ひり つ)
う さ) 年
横浜市(%) 緑区(%)
人口
横浜市(人)
1975年
45.4
58.2
2,621,771
1982年
40.3
50.9
2,848,155
1992年
33.4
52.2
3,272,180
2001年
31.2
44.6
3,461,545
20 09年
29.8
42.8
3,671,776
横浜みどりアップ計画
かい し
2009 年4月から開始!
じゅ り ん ち
・樹林地を守る
・農地を守る
・緑をつくる
りょくひりつ
2
緑被率とは、300m 以上の森・林&農地&草地のまとま
ちょうさ
りの合計面積を、調査した横浜市や緑区の面積で割っ
す う ち
た数値。数が多いほど、緑が多いということ!
【メモ】
まとめ
感じたこと・考えたこと・やってみたいこと
34
だんたい
いっしょ
の三つに、市民・団体・横浜市が一緒
に、取り組んでいます!
命をつなぐ社会の実現
南区永田台小学校
4年3組の児童は年度当初から、自分達の命・地球誕生の奇跡・人との繋がりなどについて学んでき
ました。きっかけは、本校が今年度から取り入れている「命の授業」です。命の授業は、カシオ計算機
の若尾久さんの協力のもとに行い、自分の命が産まれた奇跡や地球の奇跡・全てが支え合っていること
について伝えました。そこから、子どもが真剣に悩み大人と考えをぶつけ合いながら本気で命について
考えています。
「命の授業」を通して、子ども達は自分達が産まれてきたことや生きていくことには、全ての繋がり
があることに気づきました。自分達が生活をするために、地球上全ての命を大切にしなければないない
ことを理解しました。そこで、
「自然を大切にしよう」「絶滅危惧種を守ろう」など自分達が活動するこ
との必要性について考えました。
○自分達が産まれたことは、奇跡なんだ。両
きっかけは、命の授業
親以外にも多くの人の繋がりで生まれたん
だ。
○自分達が生活していくためには、動物・植
物など多くの命との繋がりが必要なんだ。
自分達にできることを考えよう
○かわいそうだね
○募金をしよう
○助けてあげたい
○植樹したい
自分達にできることを考えて、それを実践していくことが大切だと考えた。一度きりの活動ではなく、
自分の生活で常に実践することが大切だと子ども達は気付きました。
35
自分達にできることを考えよう
グリーンカーテンを作ろう
○グリーンカーテンを作ることで、教室
を涼しくすることができるらしいよ。
○扇風機やクーラーを使わないので、電
気を使わなくなるから地球にやさしい
生活ができるね。
」
☆夏休みまでに芽がでるのか心配だ。
☆夏休みは、水をあげに来るよ。
このアサガオを本気で育て
ようよ。
○教室の中でもグリーンカーテンが大きく育った。
○花も咲いたし、種もいっぱいできた。この種を多
くの人に配りたい。
○グリーンカーテンが太陽に当たると、奇麗だね。
○グリーンカーテンで日影ができて涼しいね。
☆夏休み中にこんなに大きく育ったのは僕達だけの力ではないんじゃ
ないの?他に水をあげてくれる人がいなんじゃない?
☆このアサガオの種を配るのに、自然の大切さや本気の気持ちで育て
ることの大切さを伝えていこう。
子ども達は、クラスでグリーンカーテンを育てることで、夏場にグリーンカーテンを育てることの良
さに気づきました。さらにアサガオを育てることで、植物の成長の神秘についても体験しました。植物
にも命があり自分達の想いが伝わることを実感し、植物を大切にしていこうという態度が身につきまし
た。そこで、グリーンカーテンとして育ったアサガオの種を採取し、種を多くの人に広めたいという思
いをもちました。また、夏休み中に多くの人がクラスのグリーンカーテンの水やりをしてくれていたこ
とを知り、感謝の気持ちを伝えました。自分達だけではできないことでも、多くの人が協力することで
活動ができることも実感しました。
36
自分達にできることを実践しよう
○自然を守ろう
○森が1時間で東京ドーム 178 個分な
くなっている。
○酸素が無くなってしまう。
○植樹をしよう。
☆どうやって植樹をする?
☆木を育てるということは、
時間と場所が必要だ。
植樹すればいいのか?
そこで、木の必要性を考えました。
木は人間の生活にとって、とても必要なものだと気づくことができました。
木が無くなれば人間だけでなく、地球の全ての生き物が生活できなくなることに気づきました。
紙を大切につかうことを心がける。
今まではクラスに紙くずが落ちていたり、ノートを丁寧に使っていなかったりすることがあった。実
際に白系古紙を集めて再生紙を作ってみると、文字が残っていたり白い紙にならなかったり、なかなか
上手く再生紙を作ることができませんでした。そこで、児童は学校ではどうして古紙を色系・白系で分
けているのかについて理解することができました。そこで子ども達は、紙を大切に最後まで使うことの
意味について考えています。
○絶滅危惧種を救おう
○多くの動物が絶滅しそうなんだ。
○日本にも絶滅危惧種がいるんだ。
○横浜にもいるみたいだよ。
○絶滅危惧種を救いたい。
☆どうやって救う?
☆ポスターを作って全校に呼びかけよう。
☆野毛山動物園に協力してもらいたい。
どうして絶滅危惧種を救いたいのか?
地球上には多くの生物が互いに支え合って生きているので、そのうち1種類でも絶滅してしまうと、
地球にとってよくない状態になる。例えば、一種類の虫が絶滅してしまうと、それを食べる小動物も
どうやったら絶滅危惧種を救えるのかを考えました。
○絶滅危惧種の原因を調べよう。
○絶滅危惧種のほとんどが、人間の自分勝手な行動が原因のようだ。
○自分達の自分勝手な行動を減らすことが、絶滅危惧種を助けることになると思う。
37
自分達の自分勝手な行動を減らしていく
自分達が普段している行動で、困っている命があるのではないか考えながら行動しよう。ゴミをポ
イ捨てするとそれだけ環境が悪くなる。自分達の身勝手な行動を減らすことで、地球環境をよりよい
ものにすることができると考えています。ゴミのポイ捨てを止めただけでは、絶滅危惧種という言葉
が無くならないのは知っています。ただ、「自分勝手な行動で誰かが困っている」のだと考えながら、
みんなで協力して生きていくことが大切だと考えます。
以上のように4年3組の児童は、自分の生活を振り返りながら地球をより良くするための方法につい
て考えています。それは単に活動をすることだけではなく、自分の生活と関連付けて考え、生き方とし
て定着させることが大切だと考えます。ただし、児童も感じているように、自分一人ではなく多くの人
と協力していくことが大切です。人間が多くの命に支えられていることを理解し、どのように生活して
いくのかについて、改めて考える必要があると思います。また地球に住む生き物全員で協力して取り組
むことも必要です。
社会を形成する一員として、互いの行動を結び付けることが必要になります。児童も悩んでいるよう
に、一人ひとりでは小さな力でも70億人が力を合わせることで大きな力に変わると思います。本校は
昨年12月16日にエコプロダクツ2011に参加してきました。そこで自分たちが考え悩んでいるこ
とについて、多くの人に伝えてきました。話を聞いてもらった人からも「私も一緒にゴミ拾いをします。」
消
「私は使わない電気は小まめに決しています。
」など、多くのアドバイスや想いを交流し合いました。ま
た生物多様性条約のジョグラフ事務局長にも、自分達の想いを伝えることができました。ジョグラフ事
務局長からは「excellent」と言われ、児童は自分達の取り組みに自信をもちました。自分達の取り組み
を発信し、互いに手を取り合って活動をすることが必要になります。
この地球には、70億人の人間がいます。互いに手を取り合えばできないことはないと思います。ま
た人間以外にも多くの命が地球には存在していることを忘れてはいけません。地球上すべての命が互い
に支えあうことで、地球はあるのです。未来にもこの美しい地球を残したいと児童達は考えています。
国連環境計画 生物多様性条約事務局長
アハメッド・ジョグラフ氏
今地球上で多くの命が失われています。
その多くが、人間の自分勝手な行動が原因で
す。人間の自分勝手な行動を減らすために、
これから僕たちはゴミ拾いをします。そのこ
とをいろんな国に広めてください。
38
命のつながり~人も自然も、生き物も、みんなともだち~
横浜市立斎藤分小学校
第4学年
横浜の港を見渡せる丘の上に、50年前の生き物たちを呼びもどそう!
わたしたちの斎藤分小学校は、東白楽駅から15分、坂を登り切った小高い丘の上にあります。屋上からは、
ランドマークタワーや横浜港、横浜の海も一望できます。横浜港開港から150年、発展した未来都市横浜の様
子をとても間近で見ることができます。学校の周りも住宅街で、公園などもほとんどありません。しかし、昔か
らこの地域に住んでいる方々の話を聞くと、数十年前までは、この地域にもたくさんの生き物がいて、カブトム
シやクワガタ、トンボなどを追いかけて遊んでいたそうです。
4年生の子どもたちは5月に行った上郷宿泊体験学習で、今まであまりふれあったことのなかった生き物や植
物にたくさん出会い、感動し、斎藤分小学校にも自然の生き物を呼び戻したいという思いを強くもちました。ま
た、4年生は国語や理科、総合的な学習の時間でも季節や生き物を扱うことが多く、植物や生き物に興味を持っ
ている子どもがたくさんいました。そこで、校庭の隅に今は使っていない空きスペースがあることに目をつけ、
生き物が自然にやってくるような上郷のような水辺をつくることを思い立ち、斎藤分小学校が自然いっぱいにな
る、夢のビオトープ作りに取り組み始めました。
自然いっぱい夢のビオトープの活動のこれまでの流れ
1 上郷のよさをふり返り、斎藤分にも生かせることを考えよう。
○上郷には、自然の植物がたくさんあって、遊んだよ。とても楽しかったな。
○生き物がたくさんいたよ。この辺りでは見たことのないものもいたよ。
○水辺に植物や生き物がたくさんいたよ。斎藤分にも
生き物がいっぱいいる水辺を作れないかな。
2 斎藤分に生き物いっぱいのビオトープを作ろう。
○どんなビオトープを作りたいのか、みんなで考えよう。
○植物がたくさんほしいな。上郷にいたトンボもきてほしいな。
○どんなビオトープが生き物にとって優しいのか。調べてみよう。
○神奈川県では、黒めだかは絶滅危惧種らしいよ。増やしたいな。
○みんなで協力して理想のビオトープを作ろう。
○自分たちだけでは難しいね。詳しい人に協力してもらおう。
39
3 自分たちで作ったビオトープを観察しながら、工夫・改良していこう。
○自分たちで手を加える部分と自然に任せる部分とを考えていこう。
○自然と人間との共生について考えよう。
○ビオトープにトンボや蝶がきていたよ。何をしていたのかな。
○黒めだかを増やしたいな。校長先生と相談して放流しよう。
○黒めだかが産卵して増えていたよ。すごいな。
○自分たちの手で植物や生き物、自然を少しだけど復活できたよ。
4 自分たちのビオトープのよさや学んだことを保護者、地域の人に伝え、これからのことを考え、
さらによいビオトープにしていこう。
○ふれあいの丘フェスティバルで保護者・地域の人にビオトープのよさを伝え、自然と人の関わり方について話し合いたいね。
○どうすれば自分たちの思いを伝えられるかな。工夫して伝えたいな。
5 保護者、地域の人と話し合ったことをもとに、さらによいビオトープを作り、そのよさを校外にも発信し、また、
次の4年生にも受け継いでもらおう。
○ホームページなどでビオトープのことを伝えたいな。
○朝会で斎藤分のみんなにも自分たちの学習の成果や成長を伝えたいな。
○1/2成人式でも伝えられないかな。
○その他に、やれることはないかな。→「こどもエコフォーラム」にも参加し、伝えよう!!
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活動写真館
上郷で生き物探しをしたり、ネイチャーゲームをしたりして、
自然を楽しみ、よさを実感しました。
上郷のふり返りからビオトープ
上郷のふり返りをもとに“協力・体力・
を作る計画を立てました。
自然力・全力”の学級目標が完成!!
地面をほって、その後、水とベントナイトを入れながら、みんなで
何度も踏み固めて、水がもれないビオトープにしました。
できあがったら、稲や水草、生き物を入れました。
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最初は、少しの水草、メダカ、ハゼ、モノアラガイだけから始まっ
たビオトープに、夏から秋にかけて、ギンヤンマ、シオカラトンボ、
ショウリョウバッタ、クビキリギス、エンマコオロギ、その他・・・
たくさんの生き物たちが、自然に集まってきました。
な、なんと、かまきりが卵を産む瞬間をみんな
で観察することができました!驚きと感動の
体験でした。
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おしえて南希ビオトープ!
横浜市立南希望が丘中学校
ビオトープ特別委員会
1.南希望が丘中学校のビオトープ特別委員会について
南希望が丘中学校には、湧き水を利用して作ったトンボ池と、
トンボ池の生物を放流した観察池という2つの池があります。
トンボ池は平成8年に湧き水を利用して教師たちが作った池を、
平成 10 年夏に、横浜市の環境エコアッププランの一環として、
トンボ池にしたもので、理科の資料集にも載っています。
(東京法令出版『カラーブック理科資料
神奈川県版)
この2つの池の自然環境を守り、生物がたくさん見られる池
として管理するのが、ビオトープ特別委員会です。
委員の任期は 3 年間で、今年度は 46 名が活動しています。
トンボ池(平成 23 年7月6日撮影)
2.ビオトープ特別委員会の活動について
委員は生物や自然環境に興味関心が高い人ばかりなので、何をすべきか自主的に考えて活動を行っています。
今年度の委員会の活動目標は「がんばろう!環境保護」です。
【目標1】池の環境を生物にとってよいものにして、去年よりも多様な生物が見られるようにする。
【目標2】自分たちの活動の場を校外に広げて、環境保護の輪を広げる。
3.今年行った主な活動
①観察会(4月12日)
校庭の排水溝には毎年多くの砂が入り込んでしまいます。そこでどれくらい砂が堆積しているか調べてみま
した。すると、砂の深さは20cmを超えていて、排水溝を完全にふさいでいました。そこで、試しに排水溝
1m分くらい砂を掘り出してみると、こんなに砂が取れました。秋にはもっと多くの排水溝を清掃します。
②希望ヶ丘小学校のメダカ池の整備(6月13日)
昨年依頼があって整備した希望ヶ丘小学校のメダカ池を、定期的に訪れて整備しています。希望ヶ丘小学校
のみなさんの管理が素晴らしく、たくさんのメダカやエビが泳いでいました。帰りには近くの水の森公園によ
って、自然観察を行いました。地域の生物を知ることは、学校の池の環境を考える上でとても参考になります。
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③よこはまのおいしい水検定に挑戦(6月23日)
池の周りにたくさんの生物が見られるように、生物にとって水は欠かせません。それは私たち人間にとって
も同じです。そこで私たちが飲んでいる水について学ぶために、よこはまのおいしい水検定の3級に挑戦しま
した。みんなで調べて学んだ結果、ビオトープ委員全員が3級に合格できました。普段何気なく飲んでいる水
もたくさんの過程を経て届いていることがわかりました。いずれは2級にも挑戦したいと思います。
④観察会(7月6日~7日)
毎年恒例の観察会です。池周辺の生物を調査して写真入りの生物紹介カードを作り、それを参加者に配って
実際に探してもらいました。今までやったガイド形式やクイズ形式よりも、参加者が主体的に動くことができ
て好評でした。委員はサポート役に徹して、必要に応じて質問に答えたり探す手伝いをしたりしました。来年
度もみなさんに喜んでいただける形式を考えて、定期的に開催していきたいです。
毎年行っていたザリガニ釣り大会は今年も要望が多かったのですが、今年度は堆積物の放射線の量が心配な
ので、大事をとって開催しませんでした。その後、秋に正式な調査が入り、基準値を下回る数値が出て安全が
確認されました。来年度は是非開催したいと思っています。
⑤花壇整備(7月8日)コスモスの種まき(7月25日)
今年の2月に作成した花壇には、多くの草が生い茂っていましたが、これといった植物は植えられていませ
んでした。そこで、夏休み前に何かの種を植えて、秋には花が見られるようにすることにしました。
色々考えた結果コスモスの種を植えました。夏休み中もみんなで整備した結果、秋には見事な花を咲かせて
くれました。途中で大きな台風が来て、全部なぎ倒されてしまったのですが、コスモスは倒れたところから再
び太陽に向かってのび始め、見事に立ち上がりました。植物の生命力を感じることができて、感動的でした。
また、コスモスが150cmを超えることを知らなかった人も多く、花壇を見てびっくりしている人もたく
さんいました。コスモスの種は採集しておいて、希望する方々にお譲りしようと思います。
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⑥希望ヶ丘小学校メダカ池と姉妹池に(7月14日)
昨年度より交流がある希望ヶ丘小学校のメダカ池と、正式に姉妹池になることが決定しました。お互いの池
を自由に行き来し、生物や環境に対する意識が高まればよいなと思っています。
この日は南希望が丘中学校から持っていったメダカが希望ヶ丘小学校の児童の手によってメダカ池に放され、
希望ヶ丘小学校のメダカ池からいただいたメダカを南希望が丘中学校の生徒の手で観察池に放しました。
これからもお互いの池が生物にとって、素晴らしい環境であり続けられるように、連携しながら活動してい
きたいと思います。
⑦壁新聞作り(毎月)
池で見られた生物の紹介や、委員の活動をお知らせするために、月に一回
壁新聞を作成しています。校内の一番人が通る場所に掲示され、毎号みなさ
んに楽しんでいただいています。新聞は新聞班のメンバーによって作られ、
イラストや見出しも工夫して作っています。今後、この新聞を小学校にも
掲示できないか計画中です。今後も内容を充実させていこうと思います。
(左と中央の写真は5月9日撮影
右の写真は11月3日撮影)
⑧メダカとザリガニの飼育(毎日)
池に住むクロメダカと、その天敵のアメリカザリガニを水槽で飼育し、生態を観察しています。
クロメダカが卵を産む様子や、アメリカザリガニが脱皮する様子などが見られて、生物を身近に感じること
ができます。様子を見に来る生徒も多く、これからも元気に育っていってほしいと思います。
(写真はいずれも7月12日撮影)
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4.今年度見られた主な生物
オタマジャクシ(4月3日)
アメンボ(4月11日)
カナヘビ(5月2日)
シマヘビ(5月9日)
シジミチョウ(6月6日)
ナツアカネ(6月13日)
シオカラトンボ(7月7日)
ゴマダラカミキリ(7月13日)
オニヤンマ(8月17日)
ショウリョウバッタ(10月4日)
オオカマキリ(10月17日)
イトトンボ(10月31日)
5.まとめ
紹介しきれなかったものや、
写真に撮れなかったものも含めて、生物はかなりの種類が見られるようになり、
目標にしている生物多様性が徐々に達成できていると感じられました。今後もたくさんの生物が訪れる環境で
あるように、委員一同頑張ります。
また、今年度は「全国学校・庭園ビオトープコンクール2011」に応募して、「学校・庭園ビオトープ奨
励賞」を受賞することができ、委員一同大いに励みになりました。これからも生き物との共生を第一に考えて、
日々の活動を発展させつつ、継続していきたいと思います。
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かんきょうそうぞうきょく
とくべつ じゅぎょう
よ こ は ま し かんきょうそうぞうきょく せ い さ く か
環 境 創 造 局 の特別 授 業 ③
横浜市 環 境 創 造 局 政策課
のも と
とも ひで
野本 智英
せ
せい
たよ
いぶ
よう
ぶつ
うせ
つた
せい
い
生物 多様性 ってなんだろう?
EA
EA
~いろんな自然にいろんな生きものがつながり合い生きている~
にいはる
▲新治市民の森(緑区)
AE
EA
せいぶつ た よ う せ い
『生物多様性』とは・・・
AE
AE
AE
た い き
そう
さまざま
わたしたちの住んでいる地球は大気の層におおわれ、海や陸には様々な生きものたちが
AE
EA
AE
AE
AE
EA
た んじょ う
生活しています。その地球が生まれたのは今から約46億年前。最初の生命が誕生したの
AE
EA
せ ん ぞ
は約38億年前。それは、とても小さな生命体で、地球上のすべての生き物の先祖です。
AE
EA
こ んちゅ う
そのたったひとつの生き物から長い長い時間をかけて、魚になったり、または昆虫にな
AE
EA
ったり、鳥になったりしました。わたしたちが住む地球には、いろんな自然にいろんな生
きものがつながり合い生きていることを生物多様性(せいぶつたようせい)といいます。
せいぶつ た よ う せ い
めぐ
『生きもののつながり(=生物多様性)による恵み』
AE
AE
AE
AE
AE
こうごうせい
飲料水、食べ物、衣服。さらに、わたしたちが生きるために必要な酸素は植物の光合成に
AE
よご
EA
び せ い ぶ つ
よって作られ、汚れた水も微生物などによってきれいになっています。
AE
AE
AE
EA
せ んりょ う
おりもの
し
お
ひ
が
そうぞう
さらには、木の実を 染料 とした 織物 や 潮干狩 り等のレクレーションなど文化の 創造 や
AE
EA
AE
EA
AE
EA
AE
せいしんめん
お
E A
A
精神面において、わたしたちの生活をうるおしてくれます。私たちの生活は朝起きてから
E
EA
AE
ね
え
めぐ
夜寝るまで、生きもののつながりにより得られる恵みに支えられています。
AE
AE
AE
AE
AE
47
AE
EA
き
き
『今ある危機』
ちきゅう
き
ぼ
ぜつめつ
ぜつめつ
しかし、現在、地球規模でいまだかつてないスピードで生きものが絶滅、または絶滅の
き
き
と
し
かいはつ
危機にあります。こうした生きものたちの減少の原因のほとんどが、都市開発、森林や里
がいらいしゅ
ちきゅう お ん だ ん か
山などの手入れ不足、外来種の持ちこみ、地球温暖化など、まさに、人間の活動によるも
のが原因と言えます。
『私たちにできること』
ちょうわ
わたしたちの生活を、生きものたちが住む自然と調和したものにしなければいけません。
めぐ
し ょうら い
生きもののつながりある豊かな自然の恵みを、将来にわたって受け続けられるように、み
んなで考え取り組んでいくことが必要となります。
しゅん
旬 な食材や
身近な自然の中の生きもの
横浜でとれたものを食べよう!
を探してみよう!
か
ペットは最後まで飼おう!
他にもどんなことができる
だろう??
せいぶつ た よ う せ い よこはまこうどうけいかく
横浜市では、「ヨコハマbプラン(生物多様性横浜行動計画)」を策定し、生きもののつ
にな
ながりの大切さ、自然の大切さについて、次世代を担う子どもたちに伝え、考え、行動す
さまざま
こうどう
じっせん
る様々な取組みを進めていきます。みなさんも一緒にbな行動を実践しましょう!
(「ヨコハマbプラン」のbは生物多様性=biodiversity(バイオダイバーシティ)の
「b」)
▲カワセミ
▲シジュウカラ
○ 横浜で見られる生きものたち ○
48
▲キセキレイ
ワークショップ展示の部 (12:15~14:30)参加団体
★ 東京ガス㈱環境エネルギー館
★ こどもエコクラブ野島自然観察探見隊
★ 横浜市資源リサイクル事業協同組合(リサイクルデザイン)
★ 二ツ池プロジェクト
★ 横浜自然観察の森
★ アート・ポイント
★ 横浜市環境創造局 大気・音環境課
★ 横浜市環境創造局 環境科学研究所
49
メ モ
Fly UP