...

平成22年度事業報告書

by user

on
Category: Documents
25

views

Report

Comments

Transcript

平成22年度事業報告書
学校法人
工学院大学
平成22年度事業報告書
CONTENTS
04
事業の概要
16
Data File(財務の概要)
18
Data File(法人の概要)
はじめに
∼平成22年度事業の総括とその継承∼
「ダッシュ21」の成果を学園創立125周年へ
平成22年度は、期末の3月11日に東北地方太平洋沖地震に見舞
われ、歴史に残る東日本大震災と直面した年度として、長く記
憶に残ることでしょう。本学園の建物施設は損傷が軽微で、こ
ず、教職員はじめ関係各位のご協力によりほぼ計画に沿って事
業を進めることができました。
今年度は、平成23年度から発足する建築学部と大学院システ
れまで重ねてきた防災訓練の成果もあって、出校していた生徒、
ムデザイン専攻のために万全の準備を整えることと、学園の魅
学生、教職員は全員無事に身を守ることができました。緊急事
力を発信する広報活動を強化することに注力してきました。そ
態に対応するため、卒業式の簡素化、生徒・学生の安否確認、
の成果が、平成23年度入試の受験生が大幅に増加する結果とし
被災者に対する援助などを進めるとともに、万障を排して平成
て現れたことは、これまでの地道な努力が報われたものと思わ
23年度事業計画・予算の承認、第21期理事・評議員の選出など
れます。
に必要な会議を開催し、新年度発足に必要な手続きを全て完了
附属中学校、高等学校は、その教育の質を着実に高めてきた
することができました。これからは学園の知恵とエネルギーを
結果が、学校の評価として現れ始めました。公立高校の授業料
総動員して、復興に大きく貢献していきましょう。
無償化の影響は、まだまだ予断を許さないものがあります。こ
平成19年夏のサブプライムローン問題に端を発した金融危機
は、実体経済をどん底まで悪化させましたが、昨年度以来、少
しずつ景気の回復が進み始めました。しかし、雇用環境の悪化
れからは、中学、高校、大学の関係が相互密着から、それぞれ
が魅力を競い合う新しい連携の時代に入らなければなりません。
学園はこれまで防災・減災活動に積極的に取り組んできまし
は依然として続いており、今春卒業の学生諸君は、昨年に引き
た。工学院大学は、英文愛称として TOKYO URBAN TECH
続き厳しい状況の下で就職活動を続けざるを得ませんでした。
を使っています。災害に強い都市、災害に強いまちづくりは、
また平成21年夏の政権交代以来、公立高校の授業料無償化や私
本学が全力を挙げて取り組むに値する課題です。東日本大震災
学助成削減の危機など、教育機関は予期しなかった新しい事態
を契機として、
「強いニッポン」のために、本学の貢献を一層高
への対応を迫られることになりました。
めていきましょう。
このような環境の中で、学園の平成22年度事業が進められま
平成23年度から、新しく就任した髙田貢理事長のもとで第21
した。この年度は、学園中期5カ年計画「ダッシュ21」の仕上げ
期理事会が経営責任を担います。これまで積み重ねてきた事業
の年に当たります。また平成24(2012)年に迎える学園創立125
を継続的に発展させ、来年に迫った学園創立125周年の節目を、
周年からみると、残すはあと2年、教職員から校友まで、力を合
生徒・学生、教職員、校友がこぞって晴れやかに迎えることを
わせて記念事業を推進する年に当たります。
切望しています。
平成22年度の事業は、以下大学、中高、生涯学習、法人の部
門ごとに詳しくご報告するように、厳しい外部環境にかかわら
(前理事長 大橋 秀雄)
建 学 の 精 神
「社会・産業と最先端の学問をしなやかにつなぐ『工』の精神」
工学院大学は、工業化が急ピッチで進む明治20(1887)年の開学以来、
「工業の発展に伴う社会・産業界のニーズ」
と「最先端の技術研究という学問分野の発展」をつなぐ専門技術者育成の場として、10万人を超えるものづくりの
プロフェッショナルを世の中に送り出してきました。今後も工学の技術・知識をベースとして、社会人として生きる
力を身に付け、自己実現に向けて前向きに取り組む、意識の高い人間を育成する拠点として成長し続けます。
2
建学の精神を継承し、 Visionary University を目指します
本年3月、理事会が改選期を迎え、大橋前理事長が任期満了を
一環として、学園創立125周年記念事業に「大震災に関わる学生
機に退任され、その後任として、私が理事長を拝命することと
ボランティア活動と復興活動の支援」を加え、人的、物的、学
なり就任いたしました。微力ながら専心職務に精励いたす所存
術的復興支援活動を進めております。被災地の一日も早い復興
でございますので、前任者同様ご支援賜りますよう、よろしく
を願い、今後もできる限りの復興支援に取り組んでまいります。
お願い申し上げます。
学校法人工学院大学は、これからも常に新しい挑戦を続け、教
近年、私学の経営環境はますます厳しい競争時代を迎え、経
営に対する自己責任努力が一層強く求められるようになってお
育・研究の充実に努めてまいる所存です。今後とも本学園の活動
に対するご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ります。本学園の建学の理念に基づき、今後も価値ある持続的
発展を続けていくためには、学園を取り巻く環境変化に即応し、
(新理事長 髙田 貢)
社会的に評価される教育機関としての存続をかけた学園の構造
改革が求められます。この改革のため前任者をはじめ先人によ
り、学園将来計画要綱や第一次、第二次、第三次中期計画が策
定され、実行されてきました。その第三次5カ年計画「ダッシュ
21」も所期の目的を達成し、平成22年の事業年度で終了しまし
た。第21期理事会も従来の積み重ねられてきた事業を継続的に
発展させるとともに、将来の社会・産業・学問の多様化の時代
を担える学園の理念・目標を明確にし、引き続き第四次中期計
画を策定し学園構成員が一丸となって目標に向かって邁進する
Visionary University の実現を図らねばなりません。
いよいよ来年は学園創立125周年を迎えます。記念すべき学園
の節目の年を迎えるにあたり、周年事業計画が策定され、現在
(右)前理事長 大橋 秀雄
鋭意推進しております。これらの事業を完遂させ、来る記念日
(左)新理事長 髙田 貢
には生徒・学生、教職員、後援会、校友会他の皆様方と盛大に
お祝いができることを願っています。
また、このたび、未曾有の東日本大震災が発生し、国を挙げ
た復興が待たれます。本学園におきましても、災害復興支援の
平成22年度学校法人工学院大学 理事・監事
理
事
理
事
高橋 政雄
監
事
青木 浩一
大学学長
理
事
髙田 貢
監
事
来住 康弘
附属中学・高等学校校長
理
事
長嶋 秀世
監
事
西尾 治一
吉田 倬郎
理
事
橘 昇
木村 雄二
理
事
冨浦 梓
杉崎 貴義
理
事
中澤 宣也
理
事
高橋 政雄
監
事
青木 浩一
長
大橋 秀雄
理
事
水野 明哲
理
事
宮下 正昭
常 務 理 事
常 務 理 事
常 務 理 事
平成23年度学校法人工学院大学 理事・監事
理
事
長
髙田 貢
理
事
水野 明哲
大学学長
理
事
管村 昇
監
事
来住 康弘
理
事
宮下 正昭
附属中学・高等学校校長
理
事
長嶋 秀世
監
事
西尾 治一
常 務 理 事
後藤 治
理
事
島崎 勉
常 務 理 事
木村 雄二
理
事
橘 昇
常 務 理 事
杉崎 貴義
理
事
中澤 宣也
3
事業の概要
学生の創造活動プロジェクトでは、企画募集に応募した、
大学・大学院
もの作りを主とする9つのプロジェクトが活動しました。特
に、
「工学院大学ロボットプロジェクト(KRP)
」や「Birdman
Project Wendy(鳥人間)」、
「ソーラーカープロジェクト
総括
(KGU)
」などが全国レベルの大会で活躍し、「学生フォー
ミュラ」も大躍進しました。
平成22年度は、学部新入生1,454名、大学院新入生340名、
また、平成22年度から4年間の文部科学省補助事業「大学
教職特別課程生として全国の大学から58名の、合計1,852名
生の就業力育成支援事業」に採択された本学の取組 学生と
を受け入れ、学部卒業生1,238名、大学院修了生258名、教職
社会をつなぐ就業力育成プログラム がスタートしたほか、
特別課程終了生58名の、合計1,554名が本学から巣立ちました。
11月には、141社の企業に過去最高の237名の学生が参加した
本学は、社会の高まるニーズを受け、平成23年度における
インターンシップの成果発表会が行われ、就業体験を通して
日本初の「建築学部」と、鋭い経営感覚を持つ技術者人材の
成長した学生の姿を確認しました。
育成を目的とする大学院「システムデザイン専攻」の開設に
学生の経済的支援として、経済不況に伴う緊急支援奨学金
向けて、着実な準備をしてきました。また、9月には、東京
の制度を立ち上げ、32名の申請者のうち10名の学生に授業料
医科大学、東京薬科大学、本学の3大学間で「医薬工3大学包
年額を給付しました。この制度は平成23年度も継続されます。
括連携協定」を締結し、3大学がそれぞれの大学の特徴と学
また、災害等に伴う緊急支援奨学金制度を規程化し、平成23
術資産を活用し、医学、薬学、工学の連携による教育と研究
年3月11日に発生した東日本大震災の被災学生に対して、緊
の共同推進を開始しました。このように社会・他の教育機関
急支援奨学金を給付して支援することを決定しました。
と学園をつなぐ「工をつなぐ精神」が、現在でも脈々と受け
継がれています。
教育改革の推進・研究活動の促進
大学のビジョン作り
■ ビジョンの構築・共有
グローバル社会の中で、本学がさらなる発展を続けるために
は、長期的なビジョンに基づいて中・長期計画を策定し、各年
度の事業を計画し実行することが大変重要だと考えます。
今後も学生の無限なる才能・能力が花開く大学を実現するた
めに学生への支援をさらに強化していきたいと考えています。
の成熟化に伴って、建築および都市に対する社会的なニーズも
量的な拡大から質的な多様化へ、とりわけ人々の生活の質の向
上へと急激に変化しています。こうした急激な環境の変化を踏
まえ、新しく造ることに主眼を置いた20世紀型の建築教育体系
を見直し、将来の社会が求める建築および都市・環境関連分野
の市場・人材ニーズに対応させ、大きく幅を広げた「建築学部」
設置の必要性を認識するに至りました。平成23年度から始まる
「建築学部」は、従来の分野に加えて、資源や環境の保全、持続
大学部門では、平成22年11月に「工学院大学未来像検討委員
可能なまちづくりや都市再生、防災、高齢社会に対応した生活
会」およびWGを設置し、計14回の会合を経て平成23年3月に
環境づくりなど、将来に向けての課題を適切に判断し、指導的
「工学院大学のビジョン」案をとりまとめました。ビジョン案は、
な役割を果たせる人材を育てることを目指したものです。
(1)
「卒業生が社会から引く手あまた」の人材を育成・輩出でき
「建築学部」の研究領域は、教育の多様化に呼応する形で多岐
る学問領域を扱い、(2)
「入学者全てが満足し、全ての卒業生が
にわたります。これまでの工学的な建築学には含まれてこなかっ
社会で活躍」する教育を行うなかで、
(3)「国籍・性別・年齢
た分野の研究にも取り組める体制を整えるとともに、多様な研
様々な学生が在学する世界の教育研究拠点」をめざすことを柱
究分野が同じ学部の
としており、工学を中心に発展してきた伝統を大切にしながら、
中に一緒に存在する
新しい時代に向けてさらなる発展・展開をめざす意欲的な内容
ことのメリットを最
となっています。
大限に活かして、複
ビジョンを構築し、それを全教職員が共有することにより、
合的な新しい発想に
今後の工学院大学の活動は、より一貫性のある、より強い芯を
基づく研究領域の創
持つものとなります。さらに今後は、このビジョンを具体的な
造を積極的に進めて
行動計画に反映させ、PDCAサイクルを回していく中で、その
いきます。
建築学部誕生
実効性を高めていきたいと考えています。
■ 大学院システムデザイン専攻設置
魅力ある学部・学科・大学院への改編
■ 日本初の建築学部設置
わが国では、大学における建築教育の主流は工学教育の一環
として位置づけられてきましたが、社会構造の変化および経済
4
情報化社会の到来、流通手段・交通手段の革新等によって、
経済活動は急速に国際化、グローバル化しております。このよ
うな社会の変化の中では、技術立国の推進に貢献するため、技
術力に加えてマネジメント力、コミュニケーション力、創造力、
国際理解力等の人間力を兼ね備えたグローバルエンジニアの人
材育成が急務となっています。つまり、大学が送り出す人材と、
企業・社会が期待する人材のミスマッチが生じる中、
「国際的行
動感覚、幅広い視野と倫理観、強い目標達成意識」を備えた、
技術者、起業家、実践者を養成する必要性が指摘されています。
教育の質の保証
■ 「学位授与の方針」「教育課程編成・実施の方針」の再確認
新学部(建築学部)設置に合わせて、教育の質保証の基準と
そこで、本学では、大学院修士課程修了レベルの能力と適切
なる「学位授与の方針」(ディプロマポリシー)および「教育課
なリーダーシップを身につけ、課題発見ならびに解決能力のあ
程編成・実施の方針」(カリキュラムポリシー)について、全学
る高度な技術者・研究者の育成を意図して工学研究科に「シス
的に再検討を行いました。その結果、
「学位授与の方針」につい
テムデザイン専攻」を設置することとし、平成23年度の開設を
ては全学部共通の基準に若干の修正を加えるとともに、学科毎
目指してその準備に取り組みました。
の基準を明確にしました。また、各種方針を全教職員で共有し、
方針に沿った教育を実践していくことを再確認しました。
学士課程教育の充実
■ 初年次教育の強化
現在、大学生の学力低下を補うために、スタディ・スキル(レ
■ FDの充実
「学位授与の方針」や「教育課程編成・実施の方針」の浸透、
方針に沿ったカリキュラムとシラバス作成の推進、授業改善や
ポートの書き方、図書館の利用法、プレゼンテーション能力)
、
教育能力の向上などを目的として「FDハンドブック」を作成し、
スチューデント・スキル(学生生活における時間管理や学習習
全教員に配布しました。この冊子をもとに、本学の教育に携わ
慣、健康、社会生活)等の獲得を目的とした「初年次教育」が
る者が知っておくべき知識、身につけるべき能力を明確にし、
重要視されています。本学においても、初年次教育を全学的に
自己研鑽を促すとともに、新任教員研修などで活用していきます。
展開する方針を決定し、各学部学科の状況に合わせて効果的に
実施しています。平成22年度の主な成果は以下のとおりです。
工学部・グローバルエンジニアリング学部においては、機械
そのほか、新任教員の研修会、大学セミナーハウスと共催の
FD研修会「大学の教育情報公開はいかにあるべきか」(平成22
年6月)、FDシンポジウムなども実施しました。
系学科の「基礎演習」
、電気系学科の「電気システム序論」
「情
報通信工学序論」、化学系の実験科目など、初年次教育に相当す
る授業科目の実施、改善に加え、入学時のオリエンテーション
キャンプなどについても内容の充実を図りました。
建築学部(平成23年度新設)においては、平成23年より開講
■ 自己点検・評価
本学の教育改善が絶えず実効性を持って行われるように、自
己評価運営委員会(学部)
、大学院自己評価運営委員会、さらに
学部、大学院の垣根を越えて、教育研究白書編集員会を設置し、
する「建築入門」および「人文・社会科学の基礎A・B」を初年
継続的に自己点検、自己評価活動を行っています。平成22年度
次教育科目と位置づけ、内容の検討と準備を行いました。
は、自己評価運営委員会で「全学的な自己点検評価推進体制の
情報学部においては、平成22年度新入生より必履修科目とし
現状と課題」を発行し、また教育研究白書編集員会で「工学院
てグループ学習や図書館情報検索など多様な学習内容で構成さ
大学の現状と課題」
(平成18㽎平成20年度)を発行しました。こ
れる「情報学基礎セミナー」を新規に開講し、新入生全員が履
れらの冊子は、本学が大学基準協会による相互評価ならびに認
修しました。
証評価で「適合」とされた平成18年度以降も、大学全体で自己
点検、自己評価を継続的に実施している事実と、その評価・点
■ キャリア教育の推進
検結果を学内外に示すものとなっています。
本学では、平成13年度からインターンシップを正課の授業と
して採り入れるなど、以前から積極的にキャリア教育を推進し、
また正課外でも、理工学に関する創造活動の「学生プロジェク
ト」や、小中高生徒向けの「理科教室」などを通じて、従来の
授業科目では身につけることが難しい実践的な問題解決能力を
獲得させてきました。
平成22年度、さらにこの特色を活かして発展させる取組「学
研究体制の整備・研究成果の発信
■ 研究活動の促進
総合研究所では、文部科学省の「戦略的研究基盤形成支援事
業」の助成を受け、生体医工学研究センター(BERC)と都市
減災研究センター(UDM)が研究活動を活発に展開しています。
生と社会をつなぐ就業力育成プログラム」が、文部科学省の「大
研究活動は大学が社会に貢献していく重要な営みであり、教育
学生の就業力育成支援事業」に採択されました。本取組は、正
の基盤となる研究が行われなければ教育の充実は図れません。
課内外を含めた体系的な就業力育成プログラムの中で、「就業力
平成21年度に終了したナノ表面・界面研究センター(NASIC)
ポイント制度」「就業力ポートフォリオ」などを活用して、卒業
の次期プロジェクトの検討を行い、研究課題の新規申請を行い
生全員に一定の就業力を身につけさせるという教員、職員、学
ました。また、本学の研究の基礎を支えるプロジェクト研究費
生が一体となって実施するものです。通常の就職講座や面談な
を課題研究20件に対し2,000万円を交付し研究の進展を図りまし
どのサポートに加え、1年次から自らの「就業力育成」を意識す
た。今後は、研究成果を広く社会に示していきたいと考えてい
るための「キャリアデザインノート」、保護者向けの「就職サ
ます。9月には東京医科大学・東京薬科大学と本学との3大学包
ポートガイド」などを作成するとともに、「学生プロジェクト」
括連携協定の調印式が行われ、第1回の連携推進シンポジウム開
で利用する機器なども充実させ、学生の職業観の醸成や明確な
催が決定しました。
キャリアビジョンの確立のために、支援体制を一層強化しました。
5
■ 外部研究資金の獲得
科学研究費補助金の採択に向けた体制を強化するため、制度
設立し、平成23年度末には社会貢献活動支援士の認定が行われ
る予定です。
の仕組み検討会を発足させ、新しい研究奨励制度の検討を始め
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、3月28∼30日
ました。さらに応募から採択増への取組として、採択につなが
には本学と神戸学院大学のメンバーが東北福祉大学を訪問し、
る申請書作成の留意点などの説明会を実施しました。
支援物資の提供を行ったうえ、現地状況の報告を受け、今後の
近年応募が増加している厚生労働省科学研究費の申請要件を
支援・ボランティア活動の推進を確認しました。また、津波被
具備するため「利益相反ポリシー」と「公的研究費利益相反規
害を被った地域での調査活動を実施しました。平成23年度には
程」を制定しました。さらに一般事業会社からの受託研究、共
建築学部が開設され、安全・安心分野のTKK3大学連携による
同研究、奨学寄附金などの外部資金の導入強化をするための支
様々な被災地の支援活動を強化していく予定です。
援をしています。
今年度の科研費申請は新規80件、継続35件が行われ、科研費
■ 医学・薬学・工学の連携による教育研究を推進
および外部資金導入状況は、外部資金導入目標の2億円を達成で
平成22年9月17日に、東京医科大学・東京薬科大学・工学院大
きました(科研費:平成22年度45件9,600万円、外部資金:平成
学の3大学包括連携協定の調印式・記者発表が行われ3大学の包
22年度98件25,000万円)。しかしながら、科研費申請率は平衡状
括連携のプロジェクトがスタートしました。単科系の私立大学
態にあり、早期の奨励制度導入を実現したいと考えます。
として長い歴史と高い実績を持つ3大学が医薬工連携を積極的に
推進するもので、国内でも例の少ない先進的な大学間連携です。
■ 産学連携活動の強化
3大学の特長を活かした医学、薬学および工学の連携による広範
すでに権利化された特許、出願済の発明案件などを技術移転
な教育・研究を共同で進めていくことに、大きな期待が寄せら
するため、提携TLO主催および理工系4大学(本学・東京理科大
れています。本学では総合研究所に生体医工学研究センターが
学・東京電機大学・芝浦工業大学)共催の新技術説明会に3回参
設置されており、工学的アプローチによる医学分野へ最新技術
加出展し、技術相談を行うなど本学の研究シーズの社会への発
の適用を研究しています。化学系学科では、医薬食品コースが
信を行いました。本学研究成果の社会還元と本学教員が設立し
設置され、医薬品合成、生命科学、細胞工学、生体材料関連の
た大学発ベンチャーの事業促進のため、技術フェアへの出展協
研究が多く行われています。さらに情報系・電気系学科では、
力も行いました。
認知情報学・手話情報学研究などがあり、災害医療における建
築学系の研究も連携可能な分野です。今後、3大学による共同シ
■ 公的研究費管理の適正化
ンポジウムの開催を予定しています。
昨今の研究費不正使用問題を契機に文部科学省から、
「公的研
究費の管理・監査のガイドライン」に基づく体制整備の充実化
が求められ、大学の取組状況を自己評価し、そのレベルを文部
科学省に報告することになりました。本学では自己評価をする
ことだけにとどまらず、自己評価をもとにした自己改革を継続
し実効性のある高度な体制整備に不断の取組を実施していきた
いと考えます。
学生・生徒の支援
学生の総合的支援
■ SSSの支援
スチューデントサポートスタッフ(SSS)と上級生が支援して、
新入生オリエンテーションキャンプを実施。さらに「上級生・
大学間連携の推進
■ 都市減災研究センターを中心としたTKK3大学の取組
院生の皆様から意見を聴く会」を新宿、八王子の両キャンパス
で開催しました。今年度は、SSSが新宿、八王子両キャンパスに、
メッセージボードを毎月2回設置、更新し、また、メールによる
本学は、東北福祉大学・神戸学院大学と平成20年3月11日に
学生相談を実施するなど、学生とのコミュニケーションをさら
「防災・減災およびボランティア活動に関する相互支援協定」を
に活性化しました。今年度、新宿キャンパスに設置された学生
締結し、文部科学省「大学教育充実のための戦略的大学連携支
用ロッカーは、これらの働きかけの大きな成果の1つです。
援プログラム」の支援のもと、平成21年度からTKK3大学連携
プロジェクト「防災・減災・ボランティアを中心とした社会貢
■ 出席管理システムの活用
献教育の展開」を推進しています。このプロジェクトでは、3大
今年度、ICカード化した学生証を利用する新たな出席管理シ
学の特長を活かした遠隔授業を実施しており、講義(座学)に
ステムが稼働しました。新宿、八王子両キャンパスの全教室に
加えて地域における様々な社会貢献活動(実技)を含む所定の
配備された非接触型カードリーダーによって、出席が短時間で
単位を満たし、最終試験に合格した学生には社会貢献活動支援
登録。そのデータは、学園ポータルサイト「キューポート」の
士を認定する制度を設けています。特に本学は教育センターと
出席情報に速やかに反映され、出席管理が格段に容易になりま
してTKK助け合い連携センターを、研究センターとして総合研
した。取得データは、学生指導に直接役立つだけでなく、大学
究所・都市減災研究センターを設立しており、新宿区や八王子
後援会の父母懇談会においても活用されました。なお、このIC
市地域での防災活動とも連携した様々な教育・研究活動を行っ
カード学生証は移動式カードリーダーにも対応しており、災害
ています。このプロジェクトを社会人にも広げ、また全国に展
時などの所在確認のためにも活用できます。
開するため、3大学が中心となり平成23年3月に社会貢献学会を
6
■ 生活意識調査アンケートの活用
キューポートを活用した「生活意識調査アンケート」を、学部
1、3年生を対象に実施し、学生が個々に回答した結果を各学科に
配布し、総合的な学生支援のための資料として活用されています。
創造活動・クラブ活動等のさらなる活性化
■ 学生プロジェクト
学 生 の 創 造 活 動 プ ロ ジ ェ ク ト で は、「NHK 大 学 ロ ボ コ ン
2010」の本戦に本学のKRPが、琵琶湖で開催された「第33回鳥
人間コンテスト選手権
■ 学生との交流の場の設定
学生部と学生団体との連絡会を学期中の隔月(各キャンパス)
大 会 2010」 に 本 学
を目処に設定し、今年度は学生部だけでなくSSSも出席しました。
「Birdman Project
このような交流によって、数多くの学生と職員が一緒に参加し
Wendy」が出場しまし
た八王子キャンパスおよび周辺のクリーンアップキャンペーン
た。 第8回 学 生 フ ォ ー
が実現し、周辺住民からの高い評価をいただきました。また、
ミュラ選手権大会に出
学園創立125周年記念事業の中心である「総合教育棟」のプロ
場した本学のチームも
ポーザルに関する説明会の開催や、図面の展示も実現しました。
参加85チーム中総合17
これを受けた学生総会では、学園創立125周年記念事業に協力す
位と健闘しました。
第8回学生フォーミュラ選手権
るための準備委員会が設置され、学園と学生とが一体となった
活動も始まっています。
■ 学園創立125周年記念事業「学園夢企画」
■ 就職支援と学生相談
企画」は、「学生・生徒の自主的活動支援」を促す活動で、平成
平成23年度にスタートする学園創立125周年記念事業「学園夢
新宿と八王子の両キャンパスに学生相談室を継続的に開設し、
22年度は、学園に学ぶ学生・生徒を対象にキャンパスに活力を
入学時から卒業時までいつでも、何でも相談できる体制をとっ
与える活動や地域・社会に貢献する活動など、学園創立125周年
ています。今年度は、学生相談室会議が本格的に稼働し、健康
を盛り上げる夢いっぱいの企画を募集しました。応募チームの
相談室や学生生活委員会とのさらなる連携が始動しました。さ
プレゼンテーションと審査の結果、附属中学生徒チーム3チーム、
らに、就職支援センターでは、厳しい経済状況を反映して就職
附属高校生徒7チーム、大学・大学院学生6チームの企画が『学
活動での自己変容を余儀なくされている学生に対し、学生相談
園夢企画プロジェクト』として採択されました。
附属中高の「自動車部」は、自作エコカーで競技会上位入賞
室との連携を強化して対応してきました。
筆記試験対策、学内合同企業セミナーなど、通常の就職支援
を目指し、「チームHB」は、地震災害時を想定して行うゼッケ
プログラムのほか、職員とOBによる就職支援アドバイザーの連
ンナビ帰宅実験を企画。ほかにも高校初の電波望遠鏡を自作す
携で、より充実した就職支援体制が構築されています。
るチームなど、チャレンジ精神溢れる企画としてその成果が期
待されます。また、大学・大学院生チームは、まちづくり学科
開設に関連した地域活性化コンバージョンモデル企画、遥か上
就職関連データ
空の成層圏にバルーンを飛ばして地球の画像を撮る企画を推進
■ 工学部第1部・GE学部・情報学部卒業者数 → 内定率:91.9%
■ 修士課程修了者数 → 内定率:94.8%
するなど理工系大学ならではのプロジェクトがスタートします。
現在活動中の「学生プロジェクト」の活動と合わせ学生・生徒
[業種別就職状況]
の創造活動の拡がりとその成果が期待されます。
●
建設業 17.9% ● 情報処理業 13.6% ● サービス業 8.7% ● 電気・電子製品 8.4%
●
機械 7.4% ● 商業 5.9% ● 官公庁 4.7% ● 輸送用機器 4.3% ● 化学 3.7% ●
運輸・通信業 2.8% ● 金属製品 2.2% ● 精密機器 1.9% ● その他の製造業 1.4%
●
食料品 1.3% ● 非営利団体 1.2% ● ゴム製品 1.1% ● 出版・印刷 0.7% ●
不動産業 0.7% ● 広告・放送業 0.7% ● 教育 0.7% ● 鉄鋼 0.6% ●
非鉄金属 0.6% ● ガラス・土石製品 0.5% ● 繊維 0.4% ● パルプ・紙 0.2% ●
電力・ガス業 0.2% 石油・石炭製品 0.1% 金融・保険業 0.1% ぐ・ちから―学生連携型地域防災拠点の構築―」の活動を継続
●
農林・水産・鉱業 0.1% ● その他 3.7%
しました。新宿区と八王子市での地域防災対策の現状把握や防
●
■ 学生支援GP
平成20年度に文部科学省に選定された、新たな社会的ニーズ
●
[平成23年3月卒業・修了生の主な就職先(第1部・第2部・大学院修士)
]
に対応した学生支援プログラム(学生支援GP)
「いのち・つな
災マップなどの作成に学生が積極的に参加し、社会貢献しまし
た。学内では防災点検マップも整備されました。
内定企業
東日本旅客鉄道株式会社
8人
東京都市区町村役場
7人
株式会社東芝
5人
三菱電機ビルテクノサービス株式会社
5人
株式会社関電工
4人
株式会社鷺宮製作所
4人
株式会社住宅性能評価センター
4人
大成建設株式会社
4人
練などで運用しました。学内外での防災関連講習会に学生が参
株式会社東急コミュニティー
4人
株式会社日立製作所
4人
加したほか、今年度新たに開講した「減災学入門」と「減災学」
ヤフー株式会社
4人
株式会社フコク
4人
で上級救命士や防災士の資格取得を支援しました。また、今年
株式会社三ツ矢
4人
株式会社クレスコ
3人
山九株式会社
3人
警視庁
3人
東芝プラントシステム株式会社
3人
大和ハウス工業株式会社
3人
プなどによっても、防災学生リーダーが多数育成されました。
日野自動車株式会社
3人
ポラスグループ
3人
さらに、国際シンポジウム「ISAT9」を主催し、防災に関する
今年度の発災型訓練は後援会会員にも公開し、前年度までに
導入した新宿−八王子間非常用無線LAN設備などを地震防災訓
度新設した学生赤十字奉仕団による講習会やリーダーズキャン
ポスターセッションや特別講演に学生が多数参加しました。東
日本大震災時はキャンパスに混乱が生じなかっただけでなく、
7
新宿駅周辺の帰宅困難者受け入れに学生が協力し、被災者支援
就職」など大学のトピックスを中心に大学の魅力を伝えるよう
ボランティアに多数の学生が活躍したことも、これらのプロジェ
にしました。また、地方相談会にもできる限り参加し、本学の
クトの大きな成果でした。今後、学園夢企画との連携も含め、
知名度を上げる努力をしました。
プログラムの発展が期待されます。
特に、ホームページ上での情報発信は、高校生が本学を知る
上で最も容易な手段であるとともに、非常に詳細な情報を与え
意欲的学生・生徒の確保
ることができます。つまり本学の魅力を最大限伝えることがで
意欲的学生の募集
平成24年10月の学園創立125周年までに本学園のホームページを
きるツールでもあります。その効果を確実なものとするため、
全面リニューアルするプロジェクトを開始しました。
■ 入試制度の改革
経済不況と厳しい就職環境の中で理系大学への志願者は引き
続き堅調であり、全国的に増加しました。本学としては「平成
23年度日本初の建築学部開設」というトピックスのもとに次の
ような入試施策を行いました。
第一に、地方から優秀な学生を受け入れるために、一昨年度
A日程入試の地方試験会場15会場(札幌、仙台、水戸、宇都宮、
国際化の推進
国際交流の推進
平成22年度は、ダナン工科大学(ベトナム)、ミラノ工科大学
(イタリア)
、広西工学院(中国)
、蘇州大学(中国)と新規の大
高崎、大宮、千葉、八王子、横浜、新潟、甲府、長野、静岡、
学間交流協定を締結しました。これにより、海外協定校数は18
名古屋、福岡)のうち、8会場(水戸、宇都宮、大宮、千葉、八
校となりました。また、蘇州第三中学校(中国、中高一貫校)
王子、横浜、静岡、名古屋)で2日間試験を実施しました。さら
と協定を締結し、初めての海外指定校が生まれました。
に昨年度は札幌と福岡を除く13会場で2 日間試験を実施し、ほ
今年度の主な受入事業は、8月下旬に実施した「国際交流サ
ぼ全ての会場で志願者が倍増しました。第二としては、学生支
マーイベントwith北京航空航天大学(中国)
」と、11月初旬に第
援として、S日程入試の上位合格者に対する1年次授業料免除の
9回目を迎えた ISAT9: International Symposium on Advanced
奨学金制度に加え、A日程入試にも上位合格者に対する4年間授
Technology です。今年度が2回目となる国際交流サマーイベン
業料50%減免の奨学金制度を導入しました。
トでは、8月25日から北航大の学生15名と、本学学生13名が富士
吉田セミナー校舎で学生生活などに関して活発に交流し、茶道
志願者数および入学者数の推移
[大学]
(平成23年5月現在)
14,000
入学者
12,542
12,000
7,666
志願者
(人)
500
400
9,523
10,000
8,000
ました。その後、第17回理科教室に合流して、本学学生の協力
[大学院]
志願者
(人)
436
のもとに北京航空航天大学生が提供した6つのテーマ演示や相互
444
の文化交流を行い、本学水野学長も参加して大いに盛り上がり
ました。ISAT9は、北京化工大学(中国)からは副学長を含め
340
282
6,000
入学者
340
300
304
2,000
1,452
1,378
21年度
22年度
23年度
0
教職員7名、南台科技大學(台湾)から教員5名と学生3名を迎え、
200
本学側も学生支援GPと連携した結果、過去最大規模の参加者数
100
となり、協定校間での活発な学術交流の場になりました。
4,000
1,489
や盆踊りの日本文化を体験し、火祭りや富士山五合目を見学し
0
21年度
22年度
23年度
ほかにも、6月のテキサスA&M大学(アメリカ)学生との交
流会、また、3月に剣道部主将と部員の2名(いずれも女子学生)
■ 高校生目線での広報活動
平成22年度は建築学部を中心とした様々な広報展開を行った
が、Oulu大学(フィンランド)で剣道交流を行うなど、交流活
動が活発に行われました。
結果、本学の志願者は昨年比1.32倍となりました。広報活動は本
今年度は、大学院特別研究生3名とグローバルエンジニアリン
学の魅力を最大限伝えるために、キャンパス見学など直接高校
グ学部のECP交換留学生11名を新規に受け入れ、宿舎斡旋・宿
生と対話機会を増やしたほか、その必須ツールである大学案内
泊費の補助等を行いました。大学院特別研究生は、3月に研究成
に関して、マーケティングを充分に行った上で企画・制作を行
果を報告した後、1名が国費留学生として本学大学院博士課程に
い、昨年に引き続き高校生の目線に合わせた内容としました。
進学しました。年度内に在籍した留学生は、学部生6名、大学院
キャンパス見学時の学生サポートスタッフによる説明は、大学
生7名、学部研究生1名、大学院特別研究生5名の計19名に上りま
の魅力や学生生活の内容を直接伝えられるため高校生からも大
す。ほかにも12月には、在籍する正規留学生が一堂に会する意
変好評でした。オープンキャンパスにおいても、来場した高校
見交換会を初めて開催し、支援策について貴重な意見が得られ
生が本学スタッフと一体感を感じられるような演出を試み、各
ただけでなく、留学生間の交流も活性化しました。
学科では実機を用いた展示を行うことで学問に対する興味付け
学園内の各学校間が連携した国際交流の推進を目的に、中高
を行いました。夏休みの理科教室では初めてオープンキャンパ
大連携国際交流プログラムワーキンググループが2月に発足する
スを同時開催し高校生を受け入れ、活気のある八王子キャンパ
など、学園が一体となり、さらに活発な国際交流を進めていき
スを紹介することができました。
たいと考えています。
学外活動である高校内ガイダンスや出張授業も昨年以上に強
化し、「建築学部の開設」、「新宿八王子間シャトルバス」、「強い
8
・各コースの収容定員:中高一貫コースおよび文理普通コー
中学・高等学校
スは1学級36名、文理特進コースは1学級38名
Ⅱ.附属中学・高等学校の学校歴(学校行事)の見直し
新たに学校行事改定委員会を立ち上げ、授業時数の確保な
総括
らびに生徒の一層の学力向上を目指し、学校歴の見直しと
学校行事のスリム化について検討し、学校行事の格段の効
平成22年度の取組として以下の5項目を実施しました。
Ⅰ.工学院大学附属中学校・高等学校の収容定員および附
属高等学校コース名の変更
附属高等学校における志願者の減少対策および附属中学
率化と大幅な改定を実現しました。
Ⅲ.主要教科の見直し
少子化と公立高校の授業料無償化の影響を受け、本校の
定員の確保が非常に難しくなっており、志願者数を恒常
校の充実と活性化を図るため、平成23年4月からの附属中
的に確保するためには出口戦略(大学実績を上げること)
学校・高等学校の収容定員および附属高等学校コース名の
が最重要課題です。そのため主要教科改定委員会を設置
変更を東京都私学部に申請し、平成22年7月に認可されま
し、夏期セミナーや習熟度別授業の増設を決定しました。
した。変更点は次の通りです。
【附属中学校】
・収容定員:現行の240名(1学年:80名×3クラス)
Ⅳ.附属中学・高等学校のホームページの充実
新たにホームページ改定委員会を立ち上げ、附属中高の
→ 315名(1学年:105名×3クラス)
ホームページの大幅なリニュ̶アルを行い、生徒からの
・各学級の収容定員:現行の40名(1学年:40名×2クラス=80名)
反応も含め好評を得ています。
→ 35名(1学年:35名×3クラス=105名)
【附属高等学校】
・収容定員:現行の945名(1学年:315名×3クラス)
Ⅴ.附属中学・高等学校の将来ビジョンの策定
附属中高の将来ビジョンの策定について、中高ビジョン
→ 870名(1学年:290名×3クラス)
150WGで検討を重ね、策定案が固まりました。今後は、
・コース名変更:一貫コース→中高一貫コース、普通コース→文理
実 効 性 を 高 め る た め に 具 体 的 中 長 期 計 画 に つ な げ、
普通コース、文理特進コース→文理特進コース(変更なし)を置く
教育改革の推進・研究活動の促進
中高の将来ビジョンの策定と取組の継続
「挑戦・創造・貢献」という教育スローガンを持つ本校は、生徒
PDCAサイクルを回していきたいと考えます。
足し、この3月に新カリキュラムが完成しました。生徒の学力向
上のために、「放課後講習」の効率アップに向けての見直し、
「教務システム」導入後のデータ利用、平成23年度入学生に向け
たオリエンテーションの強化等、授業以外での自学自習(積極
的な学習への取組)の習慣づけを図っています。
を活かすいろいろな実践を通して、保護者の共感・支持を得て発
展してきました。このスローガンに沿った指導を引き続き行う
とともに、長期的な学校経営の観点から、以下の項目に焦点を
当て、資料の収集およびビジョン策定に取り組みました。
Ⅰ.近隣の公立高等学校、同中高一貫校、私立中学高等学校
の資料収集と分析
Ⅱ.通学圏内の児童・生徒数の把握と今後の推移予測、それに
伴う適切な学校規模の模索
学生・生徒の支援
生徒に安易な志望校選択ではなく、1つ上の
目標に向けて努力させる指導
本校入学生が希望する進路が多様化し、大学受験に対する生
徒と保護者の方の意識が向上しています。そのため、模擬試験
Ⅲ.学園内の資源の再確認と有効利用
を大切にする指導や職業観を育成する指導を強化し、進学ガイ
今後の重要課題は、学園内、特に大学の施設・設備の再確
ダンスや入試説明会などを充実させました。
認と附属中高生による有効利用であり、それらを通して
工学院大学への入学者の増加に確実につなげることです。
平成22年度の高校3年生の他大学への進学者の増加は目覚まし
く、国公立大学には例年の倍以上の11名(既卒生を含めると12
名)が合格し、特に医学科や看護学専攻にも合格というこれま
生徒の学力向上に向けた改革
「中高一貫コース・文理特進コース」が正式に0限始動のカリ
キュラムになり、新しい7時間授業が進められました。平成25年
度(数学・理科は平成24年度)からの高等学校の「学習指導要領」
改訂に対応するために、9月に「カリキュラム改訂委員会」を発
でにない成果が得られました。大学入試センター試験には、180
名(学年の55%)が出願し、多くの生徒が大学一般入試を受験
しました。その結果、他大学合格延べ数は264校となり、平成21
年度の約1.4倍となりました。
また、工学院大学推薦入試での123名の合格者も、多くの生徒
が他大学入試にも挑戦し、そのうち47名が他大学に合格して進
9
学しました。
進学分野は、工学院大学を含めた理工系が半数を占めますが、
看護や理学療法などの医療系が増加し、また、全体からみれば
少数ながら保育や栄養、芸術、体育の分野にも進学する生徒も
国際化の推進
オーストラリアにおける相互交流
生徒たちが国際社会で活躍できる力を育むため、国際教育に
増加しています。
力を入れています。その一つの方法として中学3年生や高校生
の海外異文化研修を実施しています。特に中学3年生は異文化
意欲的学生・生徒の確保
理解・国際感覚取得を目的としてオーストラリアのアデレード
中学校における一定学力以上の入学生確保の
ための戦略
で3週間のホームステイを原則、全員参加で行っています。
また、短期留学を希望する生徒に対しても積極的なサポート
を行うとともに、外国人講師よる英会話の授業を中学全学年、
経済不況、公立高校授業料無償化と多摩地区の都立中高一貫
高校1学年で週2時間行っています。今後は帰国子女や海外から
校増設等に伴い、一挙に中学入試が大激戦になりました。その
の留学生の受け入れなど、校内で普通に外国人に触れる機会を
結果、中・高・大入試の中でも最もシビアな入試になりました。
増やし、生徒たちが国際感覚を身につけるチャンスを広げたい
志願者を集め、入学者の学力レベルを上げるためには、学校の
と考えています。
実力、つまり教育力が問われます。
本校は平成23年度入試より25名1クラス分定員を増加させまし
た。定員数を増やすとそのレベルを維持することが難しくなり
Ⅰ.中学3年生の海外異文化研修
全員が夏休みを利用してアデレードで3週間のホームステ
ますが、その対処策として「選抜クラス」を「中1」から導入し
イを体験します。生徒は現地校に通い、ESLの授業や実
ました。成績上位の生徒にも対応し、入学直後から競争がある
際の授業にも参加します。わずか3週間の短い期間ですが、
ということを前面に押し出した結果、上位得点者の入学率が上
中学生にとっては言葉も文化も違う世界に触れることが
昇し、一定の成果を得ることができました。
できる貴重な体験になっています。
高等学校における安定した入学生の確保の戦略
Ⅱ.オーストラリアの学校との相互交流
アデレードでホームステイを実施して今年で14年目を迎
不況と公立高校授業料無償化が公立高校人気に拍車をかけて
え、生徒が通う現地校(6校程度)は、ある程度固定化し
います。私立大学への第一志望の単願が年々減少し、公立高併
ているので、今後は姉妹校として相互交流を図っていき
願の数が伸びています。しかしながら、公立高校不合格になっ
たいと考えています。なお、将来的には現地校の生徒が
た場合を考え、滑り止めとして公立高校志望者の大部分が全日
「工学院大学への留学」(本校生徒宅等にホームステイ)
制私立高を併願しています。つまり偏差値が低い私立学校でも、
等の道を構築できればと考えます。
それなりに定員が充足してしまいます。本校においては、定員
の充足だけを考えている訳ではなく、少しでも学力が高い生徒
Ⅲ.短期留学
を入学させ、また、単願者を少しでも増やし学園に対する帰属
本校では高校1、2年次に1年間留学した生徒に対して、帰
意識の高い生徒を少しでも世の中に送り出したいと考えていま
国後30単位を認定し、3年間で高校を卒業できるように配
す。また、女子は理工系大学の進学率が高くないため、共学を
慮しています。この制度を利用すれば一緒に入学した同
維持するためにも安定した女子生徒確保が最重要課題です。そ
級生と同時に進級・卒業することができます。
こで、入り口のところでは附属校のイメージを薄め「間口を広
く」し、入学した後に工学院大学の良さや実力が理解できれば
Ⅳ.帰国子女や留学生の受け入れ
よいという広報戦略にしています。4月からコース名を「普通
海外経験の長い帰国生については、学業だけでなく生活
コース」から「文理普通コース」に改め、女子が受験しやすい
面においての指導も重要な鍵となり、保護者との連携が
ように、推薦内申基準を男子より1ポイント下げました。また、
大切です。また、学校生活や教科の問題点についてアド
少しでも学力をつけて入学させるように、単願に1ポイント足り
バイスができる専門の教員が必要となります。留学生に
ない専願推薦者を作文・面接試験だけではなく学力試験を課すよ
対してはどのような指導や対応が必要であるかは全くの
うな工夫をしています。
未知数であり他校の実践例などを参考に検討していきた
志願者数および入学者数の推移
[中学校]
(人)
1,200
(平成23年5月現在)
志願者
1,041
1,000
入学者
947
入学者
1,058
1,000
800
600
600
656
400
400
77
78
96
21年度
22年度
23年度
0
10
志願者
(人)
1,200
800
200
いと考えています。
[高等学校]
942
887
281
262
21年度
22年度
319
200
0
23年度
オーストラリアでのホームステイ
生
涯
学
習
総括
その存在が広く認知されています。
本年度は、学園広報活動の拠点である工学院大学インフォ
創立以来の社会人教育の伝統を活かし、生涯学習事業の柱
メーションサテライト(Kogakuin University Information
であるエクステンションセンターの本格稼働から3年目とな
Satellite : 略称 KIS)をエステック情報ビルに開設。エクス
ります。
「工学院大学・朝日カレッジ」
、「工学院大学孔子学
テンションセンターの主要機能も平成23年2月に移転しまし
院」、
「工学院大学技術者能力開発センター(CPDセンター)
」
た。今後、幅広い講座を提供し、学園の社会的な存在価値の
を主として、延べ約11,000名の社会人が講座に参加。徐々に
向上と人材育成の重要な拠点として機能していきます。
生涯学習機会の提供
エクステンションセンターの基盤強化
■ 「工学院大学・朝日カレッジ」の活動
「本学創立125周年企画∼大学ゆかりの人物シリーズ∼」が昨
年度開始され、ホンダの電気自動車責任者藤本幸人氏(機械工
サマーイベント」を富士吉田セミナー校舎で開催しました。
学院の活動を活発化させるために、土曜日の「孔子学院サロ
ン」の開催、「孔子学院ニュース」の発行、「孔子学院友の会」
の組織化(会員数175名以上)
、4月には「工学院大学孔子学院中
国・アジア研究センター」を立ち上げ、58名の客員研究員が、中
国の各分野の動向の分析により日中関係構築の方向性をさぐる
活動をしています。
学科卒 81年)の講演、および瀧井一博氏の初代管理長渡邊洪基
に関する講演を開催しました。
■ 工学院大学技術者能力開発センター(CPDセンター)の活動
「サイエンス カフェ」は2年目となり定着しました。特に、宇
文部科学省新興分野人材養成に関する科学技術振興調整費を
宙や脳は、人気講座となっています。「最先端実験施設見学シ
受けて開講した「セキュアシステム設計技術者育成プログラム」
リーズ」では、臼田のパラボラアンテナや野辺山の電波望遠鏡
は、今年度で3年目となりました。本年度は、
「クラウドコン
見学会、ロボットやソーラーカー作製の親子講座等を実施しま
ピューティング時代の内部統制」をテーマにリフレッシュコー
した。
ス、専門コース全25回開講し、23名のセキュリティ技術者を養
また、二級建築士受験講座、プロ用住宅リフォーム関連講座、
成しました。
建築マイスター等の建築関連講座等を継続し、知的財産管理検
定3級対策講座等も開設。本学の専門領域の特色を発信していま
す。
そのほか、「自然科学」「建築・デザイン」
「ビジネス」「デジタ
ルライフ」等の分野に分かれ145種の講座を開講。参加者は延べ
6,200名を数えます。
今後は学士力強化のための在学生向けプログラムを整備し、
特色ある展開と学園の社会的価値の向上を図っていきます。
■ 工学院大学孔子学院の活動
21世紀の中国との経済・技術・文化交流に寄与できる人材育成
を目的として平成20年10月に開設され、6月に郭莉萍先生が新副
二胡教室
学院長として着任しました。
当学院では、
「まるごとの中国を理解する」をキーワードにし
て、大きく分けて中国語講座と中国を理解する講座の2テーマで
開講。中国語講座では「入門」
「初級」
「中級」「早朝」の4講座
で、145名が修了しています。現在、希望者増加への対応策を検
討しています。
ほかにも東京都日中友好協会との共同講座や中国政府孔子学
院本部の協力により、「癌制圧漢方最前線」をテーマにその分野
の第一人者である李萍萍北京大学教授をお招きするなど各組織
との連携を図っています。さらにパートナー校である北京航空
航天大学とは、8月に「工学院大学&北京航空航天大学国際交流
工学院大学インフォメーションサテライト
11
し、学生・生徒活動支援事業実行部会の「学園夢企画」など8
法
人
検討部会を設置し、活動を強力に展開しました。
キャンパス等ハード面の新たな展開として、八王子マス
タープランの策定・シャトルバスの導入のほか、エコキャン
総括
パスの推進のために、ISO学生委員会の活動、キャンパスの
廃棄物のリサイクル率の向上などを進めています。
学園の未来に向けての継続的発展には、学園が「理念に基
また、様々な危機事象に、迅速かつ的確に対処し、学生・
づき行動する学園 Visionary University 」になり、学園構
生徒、教職員および近隣住民等の安全確保を図るとともに、
成員が一体となり、その方針に基づき前進することが必要で
本学が社会的な責任を果たすことを目的として、平成21年5
す。平成22年1月に立ち上がった「ビジョン150プロジェク
月に学校法人工学院大学危機管理規程を制定し、危機管理室
ト」では、総合企画室がイニシアチブをとり、「PDCAサイ
を設置しました。この危機管理体制はこのたびの東日本大震
クルの明確化」
「各部署実施報告書の書式の改善」「学園マネ
災への対応時に大いに機能しました。この地域防災活動のほ
ジメント部門と部門毎での合意・報告の場」を確立しました。
か、理科教育面における社会貢献事業として、現在10事業を
一方、学園創立125周年記念事業では、125周年学園像を策定
展開しています。
社会への貢献
地域社会との連携強化
■ 地震防災システムの確立による地域貢献の充実
本学園では、所在地である新宿区・八王子市および地域社会と
設立されました。その取組成果が、子供たちに理科に興味を持っ
てもらうという実質的効果となって表れているほか、支援参加
した本学の学生にとっても大きな教育効果が見られています。
■ 高大院連携事業
SPPまたはSSH等の受審・採択の支援を柱とする連携事業です。
連携し、防災活動を軸とした活動を行っています。新宿地域に
大学生・大学院生の新教育システムとして、中・高等学校対象の
おいては区と新宿駅周辺防災対策協議会との連携により、情報
理数科系の教育教科を目指します。すでに、文京学院女子高等
共有体制を構築しています。さらに本学園においては自治体お
学校ほか1校と連携協定を交わし、栃木県立の高等学校5校と理
よび事業者を対象とした「新都心の地域減災セミナー」
(文部科
科教育推進団体を介した一括型SPP(大学院・学部研究参加イン
学省新規学習ニーズ対応プログラム支援事業)を主催。シンポ
ターンシップ)支援が正式決定。埼玉県立の高等学校1校とは
ジウム・講習会などを開催し、震災に関する最新の情報を共有す
SPP支援に関わる連携協定締結を予定。東京、神奈川、埼玉の
る様々な活動を行ってきました。
複数の高等学校との連携協議も開始しました。
平成22年10月に行われた防災訓練では、新宿駅周辺地域にて
震災時を想定。本学1階を地域の応急救護所として、地域の拠点
■ SST講座
病院(東京医科大学など)・地元医療機関の医師や区・事業者と
『SST講座』開講事業では小・中学教諭の理科授業および実験
連携した災害医療訓練を行うとともに情報の共有を確認するな
能力向上を目的とします。社会的ニーズが極めて高く、両講座
ど、多くの機関の参加により実りある訓練となりました。一方、
の延べ受講者数は1,000名を数え、八王子キャンパス開講のSST
地域住民を対象に防災セミナーの実施、防災マップ作成、防災
多摩に加え9月からは新宿キャンパスにてSST東京の開講が決定
訓練の実施などの活動も行っています。
しました。なお、後期から教職を目指す大学生および大学院生
なお平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、新宿駅周
をTAとして導入し、教育効果を上げています。
辺にて多数の帰宅
困難者が発生しま
■ 理科教室
したが、本学は700
第17回『理科教室』開催事業は理科好きの子供の育成を目的
名近い学外帰宅困
とし、演示80テーマ、参加者総数8,300名、支援参加学生800名の
難 者 を 受 け 入 れ、
参加を得ました。課題だった高大院連携高校生の参加、テーマ
備 蓄 品( 水・食 料・
内容の高度化、高校
毛布)の配布や公
生参加数の増加も実
共交通情報の提供
現。出張理科教室も
など積極的な支援
開催され、長野県諏
活動を行いました。 防災訓練の様子
訪市では本学学生と
高大院連携高校生を
理科教育の推進
理科教育センターは、理科教育面における社会貢献を目指し、
12
支 援 に 動 員。16テ ー
マに対し来場者1,300
名と好評を得ました。 第17回理科教室
情報化による業務の効率化推進
本学園は「理念に基づき行動する学園 Visionary University 」
情報化による効率的な学園運営の促進と、情報
公開の推進
その方針に基づき前進することが求められます。そこで、平成
「学園ブランドの強化」および「学園構成員の帰属意識の向上」
のため、学園構成員一人ひとりの情報発信力を強め、新たな工
になり、学園構成員が学園の核となる理念やビジョンを共有し、
22年1月より「ビジョン150プロジェクト」を組織化し、本学園
の歴史を踏まえ、法人・大学・附属中学高等学校を含めた学園構
成員全員で学園創立150周年に向けた学園の理念・ミッションを
再構築し、新たなビジョンを創りあげる活動を開始しました。
学院大学を作り上げていく体制を再構築していくことが、今後
7月下旬までに、本学園の理念・ミッション・ビジョンを包含し
の本学園の発展につながります。そこで、学科間や部署間にお
た Kogakuin Way 1st をまとめ、意見交換会と「共創の場(会
ける情報交換という内部コミュニケーションや、学園活動(教
議室公開の場)」を開催しました。11月以降は、大学および附属
育・研究・社会貢献)の情報発信という外部コミュニケーション
中学高等学校のビジョンを具体的に検討するため、学長を中心
を活発にするため、情報発信推進プロジェクトを立ち上げまし
とする大学未来像検討委員会、校長を中心とする中高将来WGを
た。本プロジェクトは、①Webを中心とした情報発信のための
組織化し、若手教職員によりビジョンと長期目標を創り出しま
システム整備、②学内の情報発信に対する意識向上と体制の整
した。
備に取り組みました。
3月には、これらの会議体主要メンバーにより「合同の場」を
さらに、学園創立125周年記念事業の一環として、学園ホーム
開催し、法人・大学・中高をトータルに取りまとめた Kogakuin
ページをリニューアルするにあたり、学内の様々な情報を集約す
Way の確認と、これに基づく次期中期計画の策定方法について
るため、情報発信強化プロジェクト事務局と各部署・学科の橋渡
合意しました。
し役となる組織として、情報発信推進委員会を創設しました。こ
の委員会では、本学園のWeb広報戦略における課題を洗い出すだ
けでなく、2012年に迎える学園創立125周年に向けて、メディア
事業計画の点検評価体制の実質化
ミックス広報戦略の中での情報の集約および現場からの情報発信
事業計画とは目標を達成するために取るべき手段・戦術を示し
力の強化に関する起点としての役割を期待しています。情報発信
たものです。この事業計画を学園構成員が一丸となって実現す
力の強化に関する具体的な取り組みとしては、3つ挙げられます。
るため、総合企画室がイニシアチブを持ち、①PDCAサイクル
1つ目として、
「Web戦略の再構築」と「学園ホームページの大幅
の明確化、②各部署実施報告書の書式の改善、③学園マネジメ
リニューアル」のために現状把握の一環として、学園ホームペー
ント部門と部門・部署毎での合意・報告の場を確立しました。
ジのアクセスログ解析や経営陣および各学科・部署などの現場に
すなわち、「平成23年度事業計画」は、学園マネジメント部門
対して、情報発信に関するヒアリング調査を行い、現場の声を聞
と各部署が一つ一つ検討を積み重ねコンセンサスを得て策定し
きました。この声を新しい学園ホームページの戦略設計・構造設
ました。この「平成23年度事業計画」の策定にあたり、各部署
計につなげていくだけでなく、情報発信力の強化の推進に役立て
における確実な実施のため、若手スタッフが各部署のヒアリン
ていきたいと考えています。2つ目として、平成23年度4月に学校
グを実施したうえで、マネジメント部門と各部署とが必要な手
教育法施行規則の改正により義務化される「教育研究情報の情報
段・資源を互いに検討する場として「キックオフ・ミーティング」
公表」に関しても素早く対応し、年内12月には、学園ホームペー
を実施しました。同時に、「役割分担シート」を作成し、事業計
ジのトップページに特設リンクを貼り、規定で求められている最
画の施策毎に主担当部署を明確にしました。
低限の情報公表を開始しました。この情報公表に関しては、
「見
こうして策定された平成23年度の各部署実施計画とともに、
える化」に「分かり易さ」を加え、それを追求するために、専門
「平成22年度事業計画」に基づいた各部署の上期進捗状況につい
Webページの立ち上げに取り組んでいます。3つ目として、
「事業
ても、学園マネジメント部門と部署毎に報告会を実施し、①平
報告書の改訂」です。昨年度まで、中期計画項目に則った年次事
成22年度上期の進捗状況の確認、②平成23年度部署実施計画の
業報告書を公表していたものを改め、年次事業計画書に基づいた
確認を行いました。
年次事業報告書としての公表ができるように主管部署を総務部か
ら総合企画室に移し、計画と整合性の取れた報告を行っていきま
す。今後は、学園ホームページ上の教育研究情報の情報公表に、
事業報告書の要素を交え、学園全体の情報公表のプラットホーム
を構築していきたいと考えております。
学園創立125周年記念事業の推進
学園創立125周年記念事業達成を目的として、事業委員会の開
催と125周年学園像の策定に着手しました。具体的には8検討部
会を設置し、活動を展開しました。8検討部会とは、①施設検討
教育基盤の強化と構造改革
時代に即した学園のビジョンの確立とブランド
の構築
少子化を迎え厳しい時代になるこれからは、時代の変化を先
取りし、絶えず進化を続けることが必要です。そのためにも、
部会、②学生・生徒活動支援事業実行部会、③国際交流検討部会、
④理科教室実行部会、⑤記念講演会実行部会、⑥記念式典実行
部会、⑦広報部会、⑧学生団体連携部会です。
特に学生・生徒活動支援事業実行部会の「学園夢企画」は、学
生・生徒の自主的活動の支援事業であり、中高・大学・大学院生と
の熱気あふれるプレゼンテーションが行われ、全16チームの企
画提案を採択しました。
13
また施設検討部会では、八王子キャンパスに「総合教育棟」の
建設が決まりました。現在の1号館・2号館を建て替えし、免震構
造を採用した防災拠点にもなる建物です。教室(大小)や事務室、
学生への厚生面(健康相談・学生相談)がメインとなります。
学園創立125周年記念事業の募金額は2億5千万円に達し、募金
危機管理体制の評価
本学園において発生し得る様々な危機事象に迅速かつ的確に
対処し、学生・生徒、教職員および近隣住民などの安全確保を図
るとともに、本学園が社会的な責任を果たすことを目的として、
活動に拍車をかけました。また、今回の東日本大震災に関わる学
平成21年5月に学校法人工学院大学危機管理規程を制定、危機管
生ボランティア活動の支援を追記いたしました。校友会などから
理室を設置しました。危機管理室では、危機管理対策の基本的
多額のご寄付を受け、学生ボランティア活動支援に大いに役立っ
指針・枠組みなどについて検討するとともに、体制整備の構築を
ています。
図っております。
3月11日に発生した東日本大震災の際にも、危機管理室長を中
心として、学長および防災センター長などと連絡を密に取り、
災害対策本部を設置。帰宅困難者(学生、教職員、一般の学外
者等)の校舎内への受入、水・非常食の備蓄品を配布しました。
特に、帰宅困難者の受入は、新宿校舎だけでも千名以上を受け
入れるとともに、翌日午前中まで待機場所として開放し、様々
な情報提供(鉄道運行状況等)を行いました。後日、多くの方
から、謝意を伝えるハガキやメールなどをいただきました。
学園夢企画
ほかにも、危機管理ニュース「リスクマネジメントリポート」
を毎月発行し、教職員の危機管理に対する意識の向上を図り、
また事務系部課長を対象に外部有識者による講演会を行い、業
務上での危機管理などについて啓蒙活動を行っています。
総合教育棟
エコキャンパスの推進
平成22年に発足したISO学生委員会では、産業環境管理協会・
キャンパス整備計画
日本経済新聞社が主催するエコプロダクト展に参加し活動を公
■ 八王子キャンパスマスタープラン
ペットボトルキャップの回収、キャンパス近隣の清掃活動、学
八王子キャンパスマスタープランは建築学部の倉田直道教授を
中心に作成され、平成22年度末の理事会において報告されました。
表しています。キャンパス内では、エネルギー・廃棄物の調査、
園の環境報告書の作成など、環境をテーマとした活動を展開し
ています。
キャンパスマスタープランの目的はキャンパスの空間の質を明確
キャンパスの廃棄物のリサイクル率の向上を目指しペットボ
にする目標・方針を大学全体で共有し、施設整備、管理運用の拠
トル、缶のほか紙類も100%リサイクルしています。過去には、
り所となる全学的な指針とすることです。その内容は、教育・研
廃棄物の減量、リサイクル推進に貢献したことにより新宿区長
究のニーズを満たすこと、大学のイメージを体現すること、時代
より表彰されました。
の変化に対応すること、地域と連携し、サスティブルで安全なこ
既存校舎においてはエネルギー消費に関わる大きな設備の改
とを主眼とし、八王子キャンパスの改善の方策と整備手順を示す
善を急いでいます。年次計画を作成し、省エネルギー型の照明
ものとなっています。今後、学内に公表する予定です。
および空調機の導入を進めています。一部の空調機には、冷媒
の圧縮機を間欠運転する機能を付加し、運用面では部屋の使用
状況に基づいた空調の運転を行いエネルギーの削減に努めてい
■ シャトルバス
新宿キャンパスと八王子キャンパスを結び、八王子キャンパ
ます。
スでのクラブ活動支援を目的に一日二往復の運行をしてきまし
平成24年に竣工予定の学園創立125周年記念事業総合教育棟に
た。平成23年4月以降は、目的を通学支援にも拡大。運行本数を
おいては、基礎底盤免震層の空間を利用して外気を導入し空調
全13便と大幅に増便し、準備を進めています。新宿キャンパス8
負荷を低減するシステムを採用するほか、居住域を効率よく空
時15分発の便は、八王子キャンパスの1時限授業に合わせた運行
調できる空調の床吹出し方式、LEDなど省エネルギー型の照明
となり、約230名の学
を採用しています。
生が乗車します。今後、
新宿・八王子両キャン
パス間のアクセスを改
善するとともに、相互
の成果を推進するもの
として大きな期待を
担っています。
14
シャトルバス
震災への対応
学校法人工学院大学は学園一丸となって支援活動を続けてまいります
■ 平成22年度支援活動実績
● 3月11日震災当日、新宿駅西口地域における帰宅困難者の受入を行いました。
● 大学後援会被災会員リフレッシュプロジェクトを発足しました(被災された後援会の皆さまに保養施設を開放しました)
。
● 被災された方に向けて学費や休学などの特例措置を適用しました。
● 入学手続期間の延長を行いました。
● 震災の義援金(赤十字)への呼びかけ、ボランティア活動支援金の取りまとめを行いました。
● 学生ボランティアの募集を行いました。
● 社会貢献学会・建築学部の教員が被災地入りをし、調査を開始しました。
■ 学園創立125周年記念事業の1つとして、震災支援に関する義援金・活動支援金の受け付
けを開始しました。
3月11日帰宅困難者支援
平成23年度事業計画骨子
は最重要施策
1. 学園創立 125 周年
記念事業の展開
2. 中期人事計画体系
の確立
3. 戦略的経営体制
の基盤強化
Ⅰ. 学園全体
3.1 理念・ミッションの
再構築と学園創立
150 周年のビジョン構築
3.2 学園の
ガバナンス改革
5.1 八王子マスター
プランの確立と
実施
5.2 新宿マスター
プランの確立と
リニューアルプランの実施
3.3 中期財務
計画の立案
3.4 エンロールメント
マネジメントの推進
4. 恒常的学園の
インフラの整備
5. 教育・研究を支える
施設設備の充実
6. 全学運動とした
省エネルギー対策の実施
7. 危機管理対策及び
セキュリティー対策の強化
7.1 危機管理室の
機能強化
1. 大学の将来像の検討
1.1 大学の
ガバナンス強化
1.2 各学部学科の将来像
(中期計画)の検討
1.3 国際交流の方針・
ビジョンの確定
2. 学士課程教育の
継続的改革の実施
2.1 教育プログラム
の改革
2.2 就業力育成
プログラムの実施
2.3 共通課程(新組織)
のミッションの再構築
2.4 教育力の向上
3. 大学院教育の
継続的改革の実施
3.1 大学院教育体系の
再構築
4. 志願者の
質と量の確保
4.1 ターゲットを
明確にした戦術の実施
4.2 アドミッション
戦略の構築
4.3 女子比率を高める
施策の実行
4.4 理科教育センター
による高大連携の推進
5. 研究活動の
活性化と社会への発信
5.1 外部資金獲得
の強化
5.2 研究活動の活性化
と研究成果の発信
6. 学生生活の
充実と学生の支援
6.1 就職支援体制の
一層の強化・充実
6.2 リテンション率の
向上
2.1 新教務システムによる
生徒データの一元化、
分析、教育指導
2.2 学力向上に
向けた新しい授業
の取り組み
2.3 各コースの
主要教科の見直し
2.4 見直した学校暦
の実行と検証
Ⅱ. 大学
1. 附属中高のミッションの
再確認と将来像の策定
2. 大学進学実績
向上への取り組み
2.5 教育の質保証
Ⅲ. 附属中高
3. 附属中高と大学との
連携強化
4. 学校教育環境の
整備
1. 学園における生涯教育
事業の強化と発展
Ⅳ. 生涯教育事業
2. 理科教育事業による
社会貢献
15
Data File(財務の概要)
学校法人工学院大学の平成22年度は、教育改革推進・研究活動の促進による学園競争力強化、
「独自の教育方法」の充実、積極的な
学生生徒支援、情報環境・施設設備の充実など全学園を挙げて取り組み、
「特色ある魅力的な学園」作りに努めました。以下に、決算・
財務の状況について報告いたします。
主な収入源である学生生徒等納付金を含む帰属収入合計は124億8千万円となりました。人件費、教育研究経費を含む消費支出合計と
の差・帰属収支差額は11億1千万円となりました。そこから、基本金組入額を差引くと15億8千万円が支出超過となりました。平成22年
度には学園創立125周年記念事業の最大事業となる総合教育棟の建設に着手いたしました。今後とも財務の健全性を維持しつつ、教育
研究、施設・設備などの環境改善などに重点配分を行い、教育の質と魅力を一層高めるよう努力します。
■ 消費収支の概要
12,484百万円
収入
(帰属収入)
事業収入
348百万円
資産運用収入
241百万円
寄付金
150百万円
学 生 生 徒 等 授業料、入学金、教育充実費、
納
付
金 実験実習料など
手
補助金
1,470百万円
寄
12,484
百万円
補
学生生徒等納付金
9,291百万円
手数料
329百万円
助
金
学園振興資金寄付金、
指定
寄付金、奨学寄付金など
収
件
教員人件費、
職員人件費
費 など
教育研究活動に直接支出さ
教育研究経費 れる経費、勉学環境の維持
費用等
教育研究経費
4,092百万円
経常費補助金、研究設備整
金 備費補助など
事 業 収 入
人
管理経費
1,019百万円
学生募集経費、その他管理
管 理 経 費 部門の経費
11,377
百万円
資産処分差額 機器備品等の除却損など
人件費
6,213百万円
受取利息、施設設備利用料
雑収入
655百万円
入
付
料
その他
3百万円
資産処分差額
50百万円
資産運用収入 など
雑
収
数
入学検定料、証明手数料
など
11,377百万円
支出(消費支出)
帰 属 収 支 差 額 1,107百万円
(帰属収入ー消費支出)
受託事業収入、収益事業
からの繰入収入など
入 その他の雑収入
2,690百万円
基本金組入額
帰属収入のうち74%の92億9千万円が、授業料、入学金などの学生生徒等納付金です。学生生徒等納付金に次いで比率の高いの
が補助金の12%で14億7千万円です。寄付金は現物寄付も含めて1億5千万円です。学園創立125周年記念事業募金は6千万円のご
寄付をいただきました。
支
出
消費支出は、113億8千万円です。内訳は、教員、職員の人件費62億1千万円、教育研究活動に直接支出される費用、学生生徒の
キャンパスライフを応援する費用などの教育研究経費が40億9千万円です。
基本金組入額
学校法人が教育研究活動を行っていくためには校地、校舎、機器備品、図書などの資産をもち、これを永続的に維持する必要が
あります。これらの資産の取得に充てた金額、もしくは充てる予定金額を基本金に組入れる仕組みになっています。
基本金組入額は帰属収入の21%にあたる26億9千万円です。
■ 貸借対照表の状況(平成23年3月31日現在)
資 産
本学園の教育研究への資金
教育研究経費比率
負債・基本金・
消費収支超過額
(%)
本学園
40 37.0
(百万円)
80,000
■ 主要財務比率
36.7
私大平均
理工系大平均
率を紹介します。
34.0
33.6
32.8
30
流動資産
7,459百万円
配分、資金の安定度を示す比
学園の教育研究への資金配
分を示す教育研究経費比率は、
翌年度繰越消費収入超過額
105百万円
20
32.8%です。
10
資金の安定度を示す自己資
金構成比率は、89.5%です。
0
60,000
40,000
18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
特定資産・その他
固定資産
35,160百万円
人(理工系他複数学部)の平
自己資金構成比率
基本金
65,053百万円
(%)
90
本学園
88.9
89.3
私大平均
理工系大平均
89.8
89.6
89.5
88
86
20,000
有形固定資産
30,174百万円
0
16
これらの比率は私立大学法
流動負債
3,065百万円
固定負債
4,570百万円
84
82
80
78
18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
均より高い水準にあります。
注① 私大平均は医歯系を除く私
立大学法人の平均、理工系
大学平均は私立大学法人(理
工系他複数学部)の平均
② 自己資金構成比率とは、基
本金と消費収支差額を合計
した自己資金の総資金にし
める割合
■ 平成22年度決算の概要
資金収支計算書
収入の部
(単位:百万円)
金 額
学生生徒等納付金収入
9,291
支出の部
金 額
人件費支出
6,438
手数料収入
329
教育研究経費支出
2,518
平成22年度の資金取引がすべて網羅されている資金
寄付金収入
124
管理経費支出
926
収支計算書において、当年度収入合計の決算額は150
補助金収入
1,470
施設関係支出
1,108
資産運用収入
240
設備関係支出
1,178
資産売却収入
1,003
資産運用支出
3,614
事業収入
348
その他の支出
1,022
雑収入
654
億3千万円で、これに前年度繰越支払資金の68億7千万
円を加えると、収入の部合計は219億円となりました。
一方、当年度支出合計の決算額は152億4千万円で、
これを収入の部から差引くと、次年度繰越支払資金は
66億6千万円となりました。
また、特定資産は14億9千万円を目的使用しましたが、
前受金収入
1,608
36億1千万円の繰入を行いましたので、21億2千万円が
その他の収入
2,354
純増となりました。
資金収入調整勘定
△2,394
前年度繰越支払資金
6,872
収入の部合計
21,899
資金支出調整勘定
21,899
(単位:百万円)
金 額
学生生徒等納付金
6,654
支出の部合計
消費収支計算書
消費収入の部
△1,559
次年度繰越支払資金
9,291
消費支出の部
金 額
人件費
6,213
平成22年度財政の運営・経営状況を示す消費収支計
手数料
329
教育研究経費
4,092
算において、当年度消費収支差額は法人全体で15億8
寄付金
150
管理経費
1,019
千万円の消費支出超過となりました。これは、主に当
補助金
1,470
50
該年度に生じた、総合教育棟等の建設に対する第2号
資産処分差額
資産運用収入
241
その他
事業収入
348
消費支出の部合計
雑収入
655
当年度消費収支差額
帰属収入合計
12,484
基本金組入額合計
△2,690
消費収入の部合計
9,794
金 額
11,377
△1,583
前年度繰越消費収支差額
1,558
基本金取崩額
130
翌年度繰越消費収支差額
105
貸借対照表(平成23年3月31日現在)
資産の部
3
(単位:百万円)
負債の部・基本金の部及び消費収支差額の部
金 額
固定資産
65,334
固定負債
4,570
有形固定資産
30,174
退職給与引当金
4,308
土地
4,646
建物・構築物
262
これにより、前年度繰越消費収入超過額に当年度消
費支出超過額を加減すると、翌年度に繰り越される消
費収入超過額は1億5百万円となりました。
平成23年3月31日現在における資産および負債・基
本金・消費収支差額の財政状態を見ると、資産総額は
727億9千万円となり、負債総額は76億3千万円となり
ました。これにより、純資産(資産総額から負債総額
を控除した金額)は651億6千万円となり、前年度末
(640億5千万円)に比して11億1千万円の増加となりま
流動負債
3,065
した。
教育研究用機器備品
3,549
前受金
1,608
基本金は総額で650億5千万円となり、内訳は次のと
図書
2,042
その他
1,457
おりとなりました。
建設仮勘定等
1,272
負債の部合計
7,635
① 第1号基本金
569億2千万円 65,053
② 第2号基本金
68億4千万円 ③ 第3号基本金
5億8千万円 ④ 第4号基本金
7億1千万円 その他の固定資産
特定資産
18,665
長期未払金
基本金組入26億9千万円に基因します。
35,160
33,150
その他
2,010
流動資産
7,459
現金預金
6,654
その他
資産の部合計
基本金の部合計
消費収支差額の部合計
105
(翌年度繰越消費収支差額)
なお、当該年度に、総合教育棟の建設着手に伴う資
金支払として第2号基本金を取崩し、9億9千万円を建
設仮勘定として計上することになりました。
805
72,793
消費収支差額は累計で1億5百万円の消費収入超過額
負債の部・基本金の部及び消費収支差額の部合計
72,793
となりました。
用語解説
資金収支計算書
当該年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入・支出の内容を明らかにし、支払資金の収支の顛末を明らかにするも
の。消費収支計算書にない施設設備投資額が含まれる。
消費収支計算書
当該年度の消費収入と消費支出の内容及び収支の均衡を明らかにし、学校法人の経営状況が健全であるかを示すもの。
貸 借 対 照 表
一定時点(決算日)における資産及び負債、基本金、消費収支差額の内容・有り高を明示し、学校法人の財務状況を明らか
にするもの。
17
Data File(法人の概要)
■ 設置する学校の内容
(平成23年5月1日現在)
学校名
学部・学科名等
工学研究科博士後期課程
機械工学専攻
化学応用学専攻
電気・電子工学専攻
情報学専攻
建築学専攻
工学研究科修士課程
大学院
工学研究科
機械工学専攻
化学応用学専攻
電気・電子工学専攻
情報学専攻
建築学専攻
システムデザイン専攻
工学研究科合計
機械工学科
機械システム工学科
国際基礎工学科
応用化学科
環境化学工学科
マテリアル科学科
電気工学科
電子工学科
工学部第1部
情報工学科
工学院大学
建築学科
建築都市デザイン学科
電気システム工学科
情報通信工学科
応用化学科
環境エネルギー化学科
工学部第1部合計
大学
コンピュータ科学科
情報学部
情報デザイン学科
情報学部合計
機械創造工学科
グローバルエンジニアリング学部
グローバルエンジニアリング学部合計
まちづくり学科
建築学科
建築学部
建築デザイン学科
建築学部合計
機械システムデザイン学科
化学応用デザイン学科
情報通信メディア工学科
工学部第2部
建築学科
工学部第2部合計
大学合計
大学合計(大学院を含む)
教職特別課程
工学院大学附属高等学校
全日制課程
普通科
工学院大学附属中学校
入学定員
3
3
3
3
3
40
40
40
30
40
20
225
140
95
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
100
100
130
105
670
110
110
220
70
70
80
120
100
300
ー
ー
50
50
100
1,360
1,585
50
290
105
総合計
■ 学生生徒数推移
(人)
大学院学生数
■ 教職員数推移
大学学生数
高校生徒数
中学生徒数
(人)
8,000
231
233
228
230
248
400
919
941
905
865
7,000
847
350
6,000
300
5,000
250
4,000
5,925
6,037
6,061
6,104
専任職員数
121
122
117
112
115
281
275
276
275
281
平成19年5月
平成20年5月
平成21年5月
平成22年5月
平成23年5月
200
6,001
3,000
150
2,000
100
50
1,000
18
専任教員数
450
9,000
0
2,030
548
541
556
641
668
平成19年5月
平成20年5月
平成21年5月
平成22年5月
平成23年5月
0
■ 沿革
明治20年
10月31日
帝国大学総長渡辺洪基を中心として工手学校設立協議会を開き、
設立趣意書を発表
明治21年
2月
工手学校開校式挙行
昭和 3年
4月
東京市淀橋町に新校舎が竣工
昭和 3年
7月
校名を工学院と改名
昭和19年
4月
工学院工業学校を設置
昭和22年
4月
工学院中学校を設置
昭和23年
4月
学制改革により工学院工業学校を廃し、工学院高等学校を設置
昭和24年
4月
工学院大学を開設
昭和33年
3月
工学院大学中学校を廃止
1847(弘化4)年福井県生まれ。24歳
昭和33年
4月
工学院大学に工学専攻科を設置
で岩倉具視遣外使節団に随員として加
昭和38年
4月
工学院大学八王子校舎で授業を開始
昭和39年
4月
工学院大学に大学院工学研究科修士課程を設置
昭和41年
4月
工学院大学大学院工学研究科に博士課程を設置
平成元年
7月
新宿校舎の新大学棟(高層棟)が竣工
平成 8年
4月
工学院大学附属中学校を設置(再開)
平成21年
4月
工学院大学専門学校を廃止
平成23年
4月
工学院大学建築学部を設置、大学院工学研究科に
システムデザイン専攻修士課程を設置
創立者 渡邊 洪基
プロフィール
わって以来、外交官、東京府知事、衆
議院議員等を歴任。1886(明治19)年
に39歳で初代帝国大学(現在の東京大
学)総長となり、産業発展のためには
実践的技術者育成が急務と痛感し、翌
1887(明治20)年、東京築地に工学院
大学の前身である工手学校を設立。明
治以降の我が国の工業化の礎を築いた。
■ キャンパス紹介
新宿キャンパス
6,414㎡
八王子キャンパス
235,991㎡
工学院大学附属中学・高等学校
23,209㎡
〒163-8677
東京都新宿区西新宿1丁目24番地2号
〒192-0015
東京都八王子市中野町2665番地1号
〒192-8622
東京都八王子市中野町2647番地2号
大学院
工学部第1部 3・4年次
情報学部 1・2・3・4年次
グローバルエンジニアリング学部 3・4年次
建築学部 3・4年次
工学部第2部 1・2・3・4年次
(犬目キャンパス)
〒193-0802
東京都八王子市犬目町139番地
工学部第1部 1・2年次
グローバルエンジニアリング学部 1・2年次
建築学部 1・2年次
19
平成22年度事業報告書
学校法人
工学院大学
〒163-8677 東京都新宿区西新宿1丁目24番2号
電話 03(3342)1211(代表)
URL http://www.kogakuin.ac.jp/
Fly UP