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商品と流通 資料 No.5
商品と流通 資料 第4章 No.5 自分の得意とするものを、交換することを目的にそれぞれ手分けして 技術的分業:生産工程上の分業 1-自給自足から交換経済へ ↓ 流通:生産と消費の橋渡しをする働き 消費(者) 2-商人の登場と流通部門の成立 生産と消費を橋渡しする「流通」という経 分業によって生産が活発になり生産量が増える 済活動は必要としなかった。 生産者が自ら消費者に売っていたのでは生産の仕事がおろそかになる。 ↓ 生産方法・生産用具の発達→自分たちの消費量以上に生産ができる 生産者と消費者の間に立ち、 余剰生産物 物々交換 生産と消費の分離 生産物が商品の性格を持つようになった。 身近な集団の中で、生活に必要なものを自ら生産し、自ら消費すること。 生産(者) = 業 社会的分業:職業上の分業 <1>流通の仕組みと市場 自給自足 分 作るようになった。⇒ <流通の仕組みとその担い手>P-58~ 商品を買い取り消費者に販売することを専門に行う商人の誕生 流通の誕生 他の集団と余剰生産物同士を交換するようになった。 自分がほしいものを持っている人が、自分の持っているものをほしいとは限らない。 者 者 物々交換が成立しない場合がある。 費 産 「市」の誕生・・・祭礼など人々が集まるときを利用し、一定の場所で交換が行われるようになる 消 生 その都度、相手を探して行われた。 商人 ↓ 誰にとっても等しい価値があるものを交換の道具として用いるようになった。 商人は、はじめ行商に出かけたり、市に店を出していた。 貨幣の誕生 ↓ 毎月、決まった日に市を開く定期市になる。 物品貨幣:米・布・毛皮などそれ自体に価値があり、保存が ↓ でき誰もが喜んで受け取るもの 鎌倉時代 京都や鎌倉などに、常設の店舗が設けられる。 江戸時代 商品の生産量は増加。 金属貨幣:保存・持ち運びに便利な金・銀・銅などの金属 ↓ 流通は全国規模で広がる。→商人の役割がさらに重要になる。 物々交換は売買へと変わっていった。 余剰生産物を「市」で貨幣に交換をしておき、必要なときに貨幣を使って 必要なものを買うことができるようになった。 ↓ ( 1 廻 船 ) 陸 上 : 交通網が整備され、宿場がおかれる。 海 上 : 航路が開かれ、廻船が運航されるようになる。 大坂(大阪)-商品が全国各地から集められ、各消費地に分散 さらに、外国との貿易もさかんになる。→経済は国際的な広がりももつ。 される集散地として栄える。 天下の台所 江戸 - 市場の拡大・経済のひろがり 輸送業・金融業・保険業 各地の商品が送り込まれる。 昭和時代 問 流通の働きはますます重要・複雑になる。 ↓ 世界で最高の人口をかかえる大消費地として この取引を担当した商人→ → が誕生する。 アメリカで生まれた大量生産の方法が本格的に導入される 米国フォード 屋 ベルト・コンベアによる流れ作業 ↓ 今までと比較にならないほどの大量生産が可能になった。 ↓ 各地の生産者に頼まれた 生産者 商品をその生産者のため 大量生産された商品は、大量販売に結び付けなければならない。 ↓ に売る(委託販売)という 積極的に流通の活動に参画していく必要がある。 仕事をしていた。 ↓ ↓ その後、次第に自分で買い取って、小売商などに販売する卸売商としての性格を強める。 消費者の欲求を把握し、商品調整・販売促進によって需要を喚起 (商品流通に大きな影響を与える) マーケティング 両替商:両替や預金 蔵 元:米などの保管 飛 脚:書類や金銀、小荷物等を郵送 流通の役割の担い手 これらが整備される 農 業 社 会:卸売商が中心 工業化社会:売買業者 & 生産者 <2>流通の役割 商人が専門的に流通の役割を担う流通部門を形成→商品流通の円滑化と活性化を主導 ↓ 1-生産と消費の間の隔たり 商人が卸売商と小売商に役割分担をする方向で分化 類似した商品を取り揃え、専門的に販売するという方向でも分化 ①人的隔たり 3-工業化社会と流通 明治時代 欧米諸国から新しい技術を積極的に導入 → 生産者と消費者が分離 消費者 商品を手に入れるためには所有権を取得しなければならない。 生産者 貨幣を手に入れるためには所有権を移転しなければならない。 急速に近代化が図られる。 ②場所的隔たり ↓ 商品の生産量が飛躍的に増加 生産地と消費地が異なる 消費者 分散して立地している。 生産者 自然的条件・社会的条件によって立地場所に制約を受ける。 輸送・通信機器の発達→商品の取引される地理的範囲(市場)も国全体に広がる。 ③時間的隔たり (経済は国民経済としてまとまりをもつようになる。) 2 生産時期と消費時期の違い ④情報の隔たり <3>流通の仕組みとその変化 消費者 生産部門の知識をほとんどもっていない。 流通の役割を遂行するための全体的な仕組み→流通機構 生産者 消費者がいつ・どこで・何を・どのくらい必要かよくわからない。 商品が流通機構の中を通る道筋 2-流通の社会的役割 →流通経路 1-直接流通と間接流通 3-流通機能 直接流通:売買業者が流通経路に存在せず、消費者と生産者が流通機能を分担する 流通の仕組み。 <流通の社会的役割> 生産者1 ①人的隔たり ②場所的隔たり 生産者2 生産者3 生産者4 生産者5 消費者3 消費者4 消費者5 これらの生産と消費の間の隔たりを橋渡しすること。 ③時間的隔たり ④情報の隔たり 消費者1 流通機能 流通機能の内容 どのように橋渡しされ 取引回数 るのか。 所有権移転機能 商的流通 25回 間接流通:生産者と消費者の間に、売買業者が介在する流通の仕組み 生産者から消費者までの所有 人 的 隔 た り 消費者2 取引(売買) 権利の移転 異なる地点間の商品の移動を 場所的隔たり 輸 送 機 能 生産者1 輸送活動 生産者2 生産者3 生産者4 生産者5 行う 物的流通 時間的隔たり 保 管 機 生産から消費まで商品の価値 主に倉庫での を保つ 保管活動 能 商品の需要と供給に関する情 情報の隔たり 情報伝達機能 情報流通 POS システム等 報の伝達 危険負担機能 小売商 所有権の移転などに伴う危険負担を行う 保険等を利用 所有権の移転などを円滑にするため、資金を 企業間信用 融通する。 (買掛金・手形) 取引回数 10回 [支援機能] 金 融 機 能 消費者1 4-流通機関 流通機能の担い手 → 輸送業者・倉庫業者・ 保険業者・情報通信業者 消費者2 消費者3 消費者4 流通機関 2-多様な売買業者の出現 中心は売買業者(卸売商・小売商) 業種―何を売るか(鮮魚店・化粧品店・家電店) ↓ 業態―どう売るか(百貨店・スーパー・コンビニ) 手助けする機関→助成機関 3 消費者5 3-小売商のチェーン化 工業製品 ・機能・デザイン・ブランド等により生産者が区別できる。 流通機構を大きく変化させる要因 仕 入 ・消費者に販売する価格の目安を決めたり、積極的な販売促進を行ったり、 流通経路を決定したりすることができる。 本部 ↓ 分離 販 売 生産者の流通活動に影響を受けながら流通していく。 店 舗 店 舗 店 舗 店 舗 店 舗 店 舗 3-消費財と生産財の流通 ①本部で大量仕入れを行うことで、仕入れ価格の引き下げが期待できる。 消費部門の特性によって決まる。 ②店舗では仕入れを行わないので、短期間に多くの店舗を開設することが可能。 消費財(生活用品):消費者の生活のために家計によって購入される商品 ③1店舗の規模は小さくても、全体としては大規模な販売ができる。 ①消費者が膨大な人数に及ぶ 流通経路は長くなる。 ②1 回あたりの購入量・金額は少ない 4-流通の系列化 生産財(産業用品):生産活動のための機械設備や原材料、企業や政府の様々な活 独立した小売商を組織化し、自らの方針をそれぞれの店の経営に反映させようとする、 動のために購入される商品。 大規模な生産者(メーカー)が存在する。 ①購入する生産者の数は限られている。 ↓ ②専門の担当者が購入にあたる。 生産者のこの活動を流通系列化とよぶ 流通経路は短くなる。 ③1 回あたりの購入量・金額が大きい。 <4>商品別の流通経路 4-最寄品・買回品・専門品の流通 1-流通経路の決定要因 流通の役割→生産と消費の間の隔たりを橋渡しすること。 ↓ 隔たりが大きいほど、より多くの流通活動を必要とする。 ①商品の特性 商品の形、重量、品質のばらつき等により流通活動の程度が 小売店数 欲求の多様性 商品の説明 流通経路 最寄品 最も多い 小 ほとんどいらない 長くなる 買回品 多い 中 必要 短くなる 専門品 最も少ない 大 接客が重要 短くなる 決まってくる。 ②生産部門の特性 生産者の数や規模、生産者がどれだけの種類の商品を生産して 5-同種の商品で異なる流通経路 いるかにより流通活動は異なる。 ③消費部門の特性 消費者の数や地理的分布、欲求の多様性の程度が重要な要因 例)化粧品・・・品目・品質・価格などが多様な商品である。 消費者の欲求も多様である。 2-農産物と工業製品の流通 ↓ 商品と生産部門の違いによって決まる 農産物 このような場合にはさまざまな流通経路が見られる。 ・どの生産者が生産したものか区別が難しい。 ・生産者の数が多く、規模が小さい。 →需要量と供給量で決まる価格(競争価格)に導かれ流通していく。 4