Comments
Description
Transcript
レジュメ
消費税法ーー問題・解答 消 費 − 189 − <TAC>無断複写・複製を禁じます(税16) 〔第一問〕 -50点- 問1 次の各問に答えなさい。 (1) 消費税法第5条第1項では、次のとおり規定している。 (納税義務者) 事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除 く。第三十条第二項及び第三十二条を除き、以下同じ。)及び特定課税仕入れ(課税仕入れの うち特定仕入れに該当するものをいう。以下同じ。 )につき、この法律により、消費税を納め る義務がある。 この場合の「事業者」、 「特定資産の譲渡等」及び「特定仕入れ」に関して、それぞれの意 義及びその範囲について述べなさい。 また、資産の譲渡等及び特定仕入れが国内で行われたかどうかの判定について簡潔に述べ なさい。 (注)消費税法施行令に定める事項については触れる必要はない。 (2) 特定課税仕入れが、次に掲げる金額等の計算上、影響を与えるものを番号ですべて選び、答 案用紙の所定の解答欄に記載しなさい。 ① 消費税法第9条第2項に規定する「基準期間における課税売上高」 ② 消費税法第28条に規定する「課税標準」 ③ 消費税法第30条第2項に規定する「課税仕入れ等の税額」 ④ 消費税法第30条第6項に規定する「課税期間における課税売上高」 ⑤ 消費税法第30条第6項に規定する「課税売上割合」 (3) 事業者が、仕入れに係る消費税額の計算において特定課税仕入れを行ったとしても、特定課 税仕入れがなかったものとされる場合があるが、そのなかったものとされる場合について簡潔 に述べなさい。 問2 甲株式会社(以下「甲社」という。 )は、課税資産である洋服の製造販売業及び不動産業を営 む内国法人であるが、課税事業者となる平成28年4月1日から平成29年3月31日までの当課税 期間(事業年度)において次の取引を行っている。 これらの取引に関する当課税期間の甲社における消費税法令の適用関係について、その理由 を示して簡潔に述べなさい。 なお、国内における課税仕入れに該当する場合には、個別対応方式により仕入れに係る消費 税額を計算する場合の課税資産の譲渡等にのみ要するもの、課税資産の譲渡等以外の資産の譲 渡等(以下、この問において「その他の資産の譲渡等」という。 )にのみ要するもの及び課税資 産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもののいずれに区分されるかについても 述べること。 (注)1 特に断りがない限り、いずれも国内において行われた取引である。 2 甲社は、消費税法第37条第1項に規定する簡易課税制度の適用を受けていない。 3 消費税額の計算をする必要はない。 4 当課税期間における納付税額が最も少なくなる方法を採用するものとする。 17(理論マスタ)消費-05/テーマ1.doc (出力日時)2016/10/14 14:53 (頁)1/2 1-4 輸出免税等 〔ランクB〕 1.輸出免税等(法7①) 重要度◎ 事業者 (免税事業者を除く。) が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、輸 出取引等に該当するものについては、消費税を免除する。 2.輸出取引等の範囲(法7①、令17) 重要度◎ (1) 本邦からの輸出として行われる資産の譲渡、貸付け (2) 外国貨物の譲渡、貸付け((1)を除く。) (3) 国内及び国外にわたって行われる旅客、貨物の輸送、通信 (4) 専ら(3)の輸送の用に供される船舶又は航空機の譲渡、貸付け、修理で船舶 運航事業者等に対するもの (5) (1)~(4)の資産の譲渡等に類するもの ① 外航船舶等の譲渡、貸付け、修理等で船舶運航事業者等に対するもの ② 外国貨物の荷役、運送、保管、検数、鑑定その他これらに類する役務の 提供 (指定保税地域等における内国貨物に係るものを含み、特例輸出貨物に係る ものは、一定のものに限る。) ③ 国内及び国外にわたって行われる郵便、信書便 ④ 無形固定資産等の譲渡、貸付けで非居住者に対するもの ⑤ 非居住者に対する役務の提供で次のもの以外のもの イ 国内に所在する資産に係る運送、保管 ロ 国内における飲食、宿泊 ハ イ、ロに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの 3.輸出証明 (1) 内 重要度◎ 容(法7②) この規定は、輸出取引等であることにつき、証明がされたものでない場合 には、適用しない。 (2) 証明方法 (規5①) 輸出の事実を記載した書類又は帳簿を整理し、その課税資産の譲渡等を行 った日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納 税地又は事務所等の所在地に保存することにより証明する。 -1- 17(理論マスタ)消費-09/テーマ5.doc (出力日時)16/10/14 15時7分 (枚数)3 9.特定資産の譲渡等(法2①八の二) 重要度○ 事業者向け電気通信利用役務の提供及び特定役務の提供をいう。 10.電気通信利用役務の提供(法2①八の三) 重要度○ 資産の譲渡等のうち、電気通信回線を介して行われる著作物の提供その他の電 気通信回線を介して行われる役務の提供 (電話、電信その他の通信設備を用いて他人 の通信を媒介するものを除く。) であって、他の資産の譲渡等の結果の通知その他の 他の資産の譲渡等に付随して行われるもの以外のものをいう。 11.事業者向け電気通信利用役務の提供(法2①八の四) 重要度○ 国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、その役務の性質又は取引条 件等からその役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいう。 12.特定役務の提供(法2①八の五、令2の2) 重要度○ 資産の譲渡等のうち、国外事業者が行う演劇その他の一定の役務の提供 (注1、 2)をいう。 (注1) 映画等の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供のうち、国外 事業者が他の事業者に対して行うもの(不特定多数の者に対して行うものを除 く。)とする。 (注2) 電気通信利用役務の提供を除く。 13.課税資産の譲渡等(法2①九) 重要度◎ 資産の譲渡等のうち、国内取引の非課税の規定により消費税を課さないことと されるもの以外のものをいう。 14.外国貨物(法2①十) 重要度△ 輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物で輸入が許可される 前のものをいう。 15.課税貨物(法2①十一) 重要度△ 保税地域から引き取られる外国貨物のうち、輸入取引の非課税の規定により消 費税を課さないこととされるもの以外のものをいう。 -108- − 190 − ⑥ ドクター(国境を越えた役務の提供等) 見開き右.doc (出力日時)16/10/14 17時15分 (枚数)1 実力養成 内外判定① 平成27年10月1日以後に、国外に住所又は居所を有する者にインターネットにより電 子書籍等を配信した場合の課税関係はどのようになるか、理由とともに述べなさい。 解 答 本取引は、電気通信利用役務の提供に該当する。 この場合、国内取引の判定はその役務の提供を受ける者の住所等が国内にある かどうかにより行うこととされているが、本問では、役務の提供を受ける者の住 所等が国外にあるため、国外取引に該当し、消費税の課税関係は生じない。 解 説 平成27年10月1日前に行われたものについては、国内取引に該当し、法令に定め られた要件を満たす場合には、輸出免税の規定が適用されることとなる。 実力養成 内外判定② 平成27年10月1日以後に、国内に旅行に来ている外国人旅行者(国内に住所又は居 所がない者)に対して、インターネットにより電子書籍等を提供した場合の課税関 係はどのようになるか、理由とともに述べなさい。 解 答 本取引は、電気通信利用役務の提供に該当する。 この場合、国内取引の判定はその役務の提供を受ける者の住所等が国内にある かどうかにより行うこととされているが、本問では、役務の提供を受ける者の住 所等が国外にあるため、国外取引に該当し、消費税の課税関係は生じない。 解 説 本問とは逆に、国内に住所又は居所を有する者が海外旅行先で同様の役務の 提供を受けた場合には、 その役務の提供を行った者が、国内事業者又は国外事 業者のいずれであっても、国内取引として消費税が課税(6.3%課税)される。 -156- − 198 − <TAC>無断複写・複製を禁じます(税16) 5 甲社の固定資産の取得状況は次のとおりであるが、すべて課税業務用から非課税業務用又は 非課税業務用から課税業務用への転用は行っていない。 なお、特に断りのある場合を除き、当課税期間の末日において所有している。 種 数量 取得年月 建物附属設備 店舗内装工事一式(a) 1 H26.3 3,670,000 広 告 用 看 板(b) 1 H26.10 1,072,500 車 両 運 搬 具 普 通 乗 用 車(c) 1 H26.12 2,940,000 普 通 乗 用 車(d) 1 H27.2 2,050,000 器 具 備 品 コ ン ピ ュ ー タ(e) 3 H28.4 1,500,000 会 1 H28.10 3,620,000 員 類 構造・細目 権(f) 取得価額(単位:円) (1) 広告用看板(b)は、甲社の社名を記載しているものである。 (2) 普通乗用車(c)は、本社営業用に使用しているものである。上記金額には納車を受けた後 において、 会社名を塗装するため塗装会社に対して支払った塗装費用54,000円が含まれている。 (3) 普通乗用車(d)は、役員が使用しているものである。上記金額以外に取得時にリサイクル 預託金相当額16,720円及び資金管理料380円を支払っている。なお、当課税期間においてこの車 両を廃車処分とした(資料3(26)参照)。 (4) コンピュータ(e)は、本社営業用に取得したものであり、1台あたり500,000円のものを3 台取得したものである。 また、別途45,000円(取得価額の3%)を支払い、購入後5年間に無償で修理を受けられる 修理保証サービスに加入している。 (5) 会員権(f)は、当課税期間において新設ゴルフ倶楽部の会員権(入会金(返還されないも の)1,620,000円、預託金(20年据置き後返還されるもの)2,000,000円)を同ゴルフ倶楽部の 募集に応じて取得したものである。このゴルフ会員権は、商品及び製品の販売先の接待に供す るためのものである。