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搾乳牛,肉用牛の飼料として の加工副産物の利用

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搾乳牛,肉用牛の飼料として の加工副産物の利用
搾乳牛,肉用牛の飼料として
の加工副産物の利用
ー ポテトパルプを中心として −
帯広畜産大学畜産科学科
食料生産科学講座
助教授
日
高
智
飼料自給率の減少
輸入
飼料
はじめに
2002年度
自給率
酪農
34.0%
肉牛 繁殖 59.2%
肥育 和牛 3.1%
乳雄 1.3%
疾病の発生
口蹄疫
牛海綿状脳症
はじめに
バイオマス・ニッポン総合戦略
(2002年12月
策定)
農畜産業関連未利用バイオマス(農水省
2004)
バイオマス
年間発生量
農作物非食用部
食品廃棄物
家畜排泄物
日本
1,300万t
2,200万t
9,100万t
0.9
ドイツ
70
90
20
各国のバイオマスエネルギー利用率
(Energy Balance of OECD Countries,
MRI, 1999)
2.2
米国
未利用%
3.0
スウェーデン
16.0
0
5
10
15
20
はじめに
十勝地域における未利用バイオマスの飼料利用
未利用バイオマス
加工副産物
食品残渣
農業残渣
×
ごみ
サイレージ or 乾燥調製
家畜用飼料
農畜産物
肥料
飼養試験
飼料利用性
肉量・肉質
乳量・乳成分
1.加工副産物の飼料特性
飼料特性
• 水分含量が多い。
→ サイレージ化 or 乾燥調製
• 成分で3区分
TDNを補う ポテトパルプ,屑ナガイモ
CPを補う
オカラ(トウフ粕),米ヌカ
繊維を補う スイートコーン残渣(皮,芯)
飼料特性
トウフ粕
ポテトパルプ
屑ニンジン
乾燥調製機
表1.加工副産物の飼料成分
副産物
乾物
TDN
トウフ粕
屑ニンジン
屑バレイショ
青米ぬか
あん粕
ポテトパルプ
乾燥ポテトパルプ
ビートパルプ
乾燥ビートパルプ
24.8
8.9
18.1
89.2
22.6
21.6
84.6
10.9
85.9
80.1
68.4
70.2
84.2
68.8
67.0
65.3
76.5
75.9
CP
粗脂肪
25.9 8.5
11.1 0.3
0.2 0.2
16.2 22.2
14.1 0.5
4.8 0.7
5.3 0.6
11.0 0.6
10.7 1.2
乾物以外は乾物中割合(%),TDNは推定値
OCC:細胞内容物,OCW:総繊維
飼料特性
OCC
42.1
70.8
85.2
56.8
25.8
78.3
75.9
32.3
34.3
OCW
53.9
18.4
10.7
31.3
71.9
20.3
22.2
61.7
59.0
飼料特性
1.
加工副産物の飼料特性
まとめ
副産物は水分が多く変敗しやすい。
副産物の飼料成分は一定ではない。
成分で3区分できる。
加工副産物の飼料利用では
1.飼料成分を事前に確認する。
2.他の飼料と組み合わせて利用する。
3.飼料の価格を常に考慮する。
乾燥調製
2.乾燥調製飼料給与が搾乳牛の
生産性に及ぼす影響
目 的
加工副産物を乾燥・調製して 搾
乳牛に給与したとき,生産性に及
ぼす影響を検討した。
トウフ粕調製飼料
屑ニンジン調製飼料
材料と方法
乾燥調製
• 供 試 牛:ホルスタイン種搾乳牛9頭
• 給与飼料:グラス及びコーンサイレージ、
調製飼料(トウフ粕、屑ニンジン、アン粕)
乾燥ポテトパルプ、配合飼料
• 期 間:2001年7月27日∼9月13日
馴致期間7日、試験期間3日(3期間)
休止期間7∼10日間
• 試験区分:調製飼料100%区、50%区、
対照区(配合飼料区)
3x3のラテン方格法
乾燥調製
飼養管理方法
4:30
採 搾乳
血 給餌
12:00
給餌
16:00
採 搾乳
血 給餌
サンプリング
① 乳 :試験期間の搾乳時に採取
② 血液:試験期間の1,3日目の搾乳前に採取
分析項目
① 乳 :一般成分、MUN(十勝農協連に依頼)
② 血液:血漿蛋白質濃度、遊離脂肪酸濃度
血糖値、血中尿素態窒素濃度(BUN)
統計解析:SASのGLM(分散分析)
乾燥調製
表2-1.給与飼料の成分
飼 料
乾物
TDN
調製飼料 1
)
トウフ粕
88.9 67.4
屑ニンジン 2 86.7 63.4
)
あん粕
81.6 61.0
燥ポテトパルプ 3)
81.3 58.0
合飼料
86.6 80.0
ラスサイレージ
29.8 17.2
ンサイレージ
30.8 20.0
20.8
13.9
13.1
3.6
21.5
3.8
2.8
CP
DIP
59.6
51.5
29.9
57.9
69.1
48.8
63.1
UIP
40.4
48.5
70.1乾
42.1配
30.9グ
51.2コー
36.9
1)フスマと副産物を現物重量比1:3で混合,75℃4hr乾燥
2)一部屑バレイショを含む。
3)市販の乾燥ポテトパルプ(上川北部合理化でんぷん工
場)
乾燥調製
表2-2.2142号牛への給与例(kg)
飼 料
100%区
50%区
対照区
調製飼料
トウフ粕
屑ニンジン
あん粕
燥ポテトパルプ
合飼料
ラスサイレージ
コーンサイレージ
乾物給与量
TDN給与量
CP給与量
4.5
2.1
1.2
4.2
0
21.0
21.0
22.09
14.83
2.78
2.25
0
1.05
0
0.60
0 乾
2.10
0 配
4.65
9.3 グ
21.0
21.0
21.0
21.0
20.46
19.89
14.33
14.74
3.24
3.41
乾燥調製
表2-3. 調製飼料給与時の摂取量と充足率
100%区
50%区
対照区
摂取量(kg)
乾 物
16.8±1.7 18.3±1.2 18.3±1.1
TDN
11.3±1.1 12.8±0.8 13.5±0.8
CP
2.14±0.2 a 2.76±0.3 b 3.26±0.2 c
充足率(%)
乾 物
90.9±8.5 a 98.9±7.8 b 99.0±6.1 b
a
TDN
80.6±8.3 91.8±6.5 b 96.5±3.6 c
a
b
c
CP
78.6±10.5 100.9±8.6
119.1±5.2
c
a
b
CP/TDN(%)19.0±1.1 21.5±0.9 24.1±0.9
a,b,c:異なる文字間で有意差あり(P<0.05)
乾燥調製
表2-4. 調製飼料給与時の乳量と乳成分
100%区
乳量(kg/日) 23.4±3.3
乳脂率(%)
3.97±0.3
3.5%補正乳量 26.5±3.8
乳蛋白率(%) 3.08±0.2
SNF(%)
8.81±0.3
乳 糖(%)
4.73±0.2
体細胞数(x103) 61.2±36.4
MUN(mg/dl) 6.40±1.6 a
50%区
対照区
25.3±4.7
3.88±0.3
28.0±5.4
3.18±0.2
8.85±0.3
4.68±0.2
74.0±67.0
7.37±1.4 b
26.8±4.1
3.80±0.5
28.8±5.6
3.18±0.2
8.85±0.3
4.67±0.2
58.9±49.3
10.6±2.3 c
a,b,c:異なる文字間で有意差あり(P<0.05)
MUN:乳中尿素態窒素濃度
乾燥調製
表2-5. 調製飼料給与時の血液成分
100%区
血糖値(mg/dl) 63.7±5.8
50%区
対照区
65.3±6.8 65.1±6.0
NEFA(μEq/L) 57.3±15.3 55.3±15.8 52.3±18.4
BUN(mg/dl) 5.47±0.9 a
c
b
8.76±1.6 12.2±1.6
a,b,c:異なる文字間で有意差あり(P<0.05)
NEFA:血漿遊離脂肪酸濃度
BUN:血中尿素態窒素濃度
2.乾燥調製副飼料給与が搾乳牛の
ま
生産性に及ぼす影響
乾燥調製
とめ
調製飼料給与により、MUN、BUNおよ
び乳量が減少する傾向にあった。それ
は市販のポテトパルプの嗜好性が悪く、
採食量が減少したためと給与飼料のC
P含量の差による。
• 他の乳成分、血液成分に差がないこ
とから、加工副産物からの調製飼料は
飼料構成を考慮すれば搾乳牛の飼料と
して利用できる。思われた。
•
PPS
3.乳酸生成糸状菌添加ポテトパルプサイ
レージ給与が搾乳牛の生産性に及ぼす影響
乳酸生成糸状菌
アミロマイセス麹
ポテトパルプ
トランスバックに
よるサイレージの
調製(雪印種苗)
バッグサイレージ調製試験(雪印種苗)
ポテトパルプの脱水
PPS
バッグサイレージ調製試験(雪印種苗)
スタータ添加・発酵
PPS
表3-1.バッグサイレージの発酵品質(雪印種
苗)
処理区
無添加区(CPS)
酢酸***
8
54.9
3.36
1.06
0.21
エタノール***
0.03
検体数(袋)
貯蔵日数(日)
pH
乳酸***
PPS
麹添加区(APS)
±
10.8
0.07
0.17
0.03
8
56.4
3.35
1.23
0.28
±
0.01
0.09 ± 0.03**
±
±
±
*、**:P<0.05、P<0.01、***:鮮物中%
±
±
±
±
9.9
0.12
0.12*
0.05**
バッグサイレージの乳酸含量
乳酸(新鮮物中%)
1.5
(雪印種苗)
1.0
○ 麹添加区
− 無添加区
0.5
20
40
60
貯蔵日数(日)
80
PPS
フレーバ分析(ヘッドスペース法)
PPS
(曽田香料)
N2
<ヘッドスペースガスの捕集条件>
流量計 サンプル量:50g
N2総流量 :3L
捕集剤 室温・品温:25℃
捕集剤 :Tanax TA 0.01g
サンプル
<GC-MS分析条件>
装置名
:Agilent社GC6890-5973MSD
注入方法 :スプリットレスモード
昇温条件 :65℃ ⇒ 3℃/min ⇒ 120℃
⇒ 3℃/min ⇒ 250℃
使用カラム:GL-Science社 TC-WAX
30m×0.25μm×0.25mm i.d.
フレーバ成分のイオンクロマトグラム
PPS
(曽田香料)
麹添加区(APS)
無添加区(CPS)
PPS
バッグサイレージの変敗による廃棄量
(雪印種苗,帯畜大)
2.5
無処理区(C)
麹添加区(A)
2003年度
廃棄率(%)
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
雑菌の汚染状況
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
2004年度
フリーストール牛群
3-1.フリーストール牛群の生産性に及ぼす影響
材料と方法
1)供試家畜
帯広市 K牧場(ホルスタイン種,ジャージー種)
9月∼12月の乳検記録がある41頭(70頭牛群)
2)試験期間
2003年9月1日∼12月10日
3)測定項目
乳量,乳成分
4)統計解析
SAS, GLM
給与方法
フリーストール牛群
対照期:TMR
APS期:配合飼料25%をAPSに置換
CPS期:配合飼料25%をCPSに置換
APS:糸状菌添加ポテトパルプサイレージ
CPS:無添加ポテトパルプサイレージ
9月
10月 11月 12月
対照期 APS期 CPS期 対照期
表3-2.TMRの構成(現物kg/日)
給与飼料
月)
フリーストール牛群
対照期(9,12月) PS期(10月,11
グラスサイレージ
コーンサイレージ
ヘイレージ
ルーサン乾草
ビール粕
大豆粕
屑大豆
配合飼料1
配合飼料2
ポテトパルプサイレージ
750
850
70
120
100
23
120
160
160
0
750
850
70
120
100
23
120
160
80
500
表3-3.給与飼料の成分(%)
乾物(DM)
TDN 1
)
粗蛋白質
(CP)
CP/TDN(%)
デンプン
粗脂肪
OCW(総繊維)
フリーストール牛群
対照期
APS期
CPS期
44.2
66.0
17.3
26.2
15.2
4.2
44.9
38.9
65.7
15.8
24.0
17.8
3.9
44.3
38.8
65.6
15.8
24.1
17.6
3.9
44.5
乾物以外はDM中の割合。 1)TDNは推定値
フリーストール牛群
表3-4.乳量および乳成分への影響
9月
対照期
APS期
CPS期
10月
11月
12月
対照期
実測乳量(kg) 25.9±6.3 25.2±6.5 21.7±5.8 22.5±6.7
推定量(kg)
−
24.7±6.2 23.6±6.3
−
乳
脂肪率(%) 4.7±0.9 a 4.3±0.8 b4.8±0.7 a 4.6±0.7補a
1
正乳量(kg) 29.9±6.3
26.5±5.7 25.8±5.8 25.1±6.3
)
推定量(kg)
−
28.3±5.3 26.7±5.3
−
乳
蛋白率(%) 3.4±0.4 a 3.6±0.5 a 3.8±0.4 b 3.6±0.5乳a
糖率(%)
4.5±0.2 a 4.4±0.2 b 4.4±0.2 b 4.3±0.2Sc
NF(%)
8.9±0.4 a 8.9±0.5 ab9.1±0.5 b 8.9±0.5Mab
a
d
b
c
UN(mg/dl)16.8±2.7
9.7±1.7 15.5±2.4 12.1±2.4
平均値±標準偏差, 1)乳脂率4%補正乳量
a,b,c,d:異なる肩文字間で有意差あり(P<0.05)
スタンチョン牛群
3-2.スタンチョン牛群の生産性に及ぼす影響
材料と方法
1)供試家畜
更別村 Y牧場 (ホルスタイン種)
10月∼12月の乳検記録がある24頭
2)試験期間
2003年10月20日∼12月22日
3)測定項目
乳量,乳成分
血液成分(乳検の翌日に頸静脈から採血)
4)統計解析
SAS, GLM
給与方法
スタンチョン牛群
対照期:配合飼料,粗飼料,圧片コーン
APS区:圧片コーンをAPSに置換 13頭
CPS区:圧片コーンをCPSに置換 11頭
APS:糸状菌添加ポテトパルプサイレージ
CPS:無添加ポテトパルプサイレージ
10月
対照期
11月
給与期
12月
対照期
圧片コーン給与 APS or CPS給与 圧片コーン給与
スタンチョン牛群
表3-5.給与飼料の構成(kg/日・頭)
給与飼料
対照期(10,12月)
APS区 CPS区
APS区 CPS区
グラスサイレージ
コーンサイレージ
ヘイレージ
イネ科乾草
配合飼料1
配合飼料2
圧片コーン
APS
CPS
8.8
14.8
8.8
3.0
9.3
1.9
2.0
0
0
8.9
14.9
8.9
3.0
9.4
1.9
2.0
0
0
PS期(11月)
8.0
15.0
8.0
3.0
9.5
2.0
0
5.9
0
7.8
14.9
7.8
3.0
9.4
2.0
0
0
5.6
スタンチョン牛群
表3-6.給与飼料の成分(%)
対照期(10,12月)
APS区 CPS区
APS区 CPS区
乾 物
56.1 56.1
給与量(kg/日) 27.3 27.6
DN 1
65.7 65.6
)
P
15.2 15.2
ADF
22.8 23.0
NDF
35.3 35.6
でんぷん
15.0 14.7
NSC
33.6 34.3
OCC
46.4 46.3
OCW
47.0 47.2
PS期(11月)
51.0 51.0
26.2 25.8T
64.7 64.7C
15.3 15.3
22.3 22.3
34.7 34.8
14.4 14.2
38.4 38.2
46.1 46.0
47.3 47.4
乾物,給与量以外は乾物中%,1):TDNは推定値
スタンチョン牛群
表3-7.乳量および乳成分への影響
APS区
CPS区
実測乳量(kg)
推定量(kg)
脂肪率(%)
正乳量(kg) 1)
推定量(kg)
蛋白率(%)
糖率(%)
NF(%)
UN(mg/dl)
対照期10月
APS区 CPS区
給与期11月
APS区 CPS区
対照期12月
32.7
34.4
30.8
29.5
28.1
28.4
−
−
30.4
31.4
−
−乳
4.2
3.8
4.1
4.1
4.2
4.0補
34.7
32.3
30.5
29.7
29.2
28.5
−
−
31.9
30.4
−
−乳
3.5
3.3
3.4
3.3
3.6
3.4乳
4.4
4.5
4.5
4.5
4.5
4.5S
8.9
8.7
9.0
8.8
9.0
8.8M
a
AB
b
B
a
A
14.0
14.3
11.8
13.3
14.4
16.2
平均値, 1)乳脂率4%補正乳量
a,b,A,B:同じ試験区内で異なる肩文字間で有意差あり
(P<0.05)
20
5
b
a
4
a
B
A
3
A
APS区
CPS区
BUN濃度(mg/dl)
血漿アルブミン濃度(g/dl)
スタンチョン牛群
a
a
18
16
14
APS区
CPS区
12
b
10
2
10
10
11
11
血漿アルブミン濃度
12
12
10
10
11
11
12
12
BUN濃度
図3-1. 搾乳牛の血液成分に及ぼす影響
3.搾乳牛の生産性に及ぼす影響
まとめ
乳酸生成糸状菌添加ポテトパル
プサイレージは、搾乳牛のエネル
ギーを補う飼料として有効に利用
できる。CPと繊維の給与量を適
切すれば、乳量・乳質に悪影響は
ない。
4.乳酸生成糸状菌添加ポテトパルプサイ
レージ給与が肉牛の生産性に及ぼす影響
目 的
肉用牛に乳酸生成糸状菌添加ポテトパ
ルプサイレージを給与したとき
4-1:肥育前期牛の増体成績と血液成分
4-2:肥育後期牛の増体成績と枝肉格付
4-3:仕上げ期牛の枝肉格付と肉質
に及ぼす影響を検討した。
肥育前期牛
4-1.肥育前期牛の増体成績と血液成分
に及ぼす影響
材料と方法
1)供試家畜
大樹町 Y牧場 ホルスタイン種去勢牛19頭
RPS区 7頭,CPS区 6頭,対照区 6頭
2)試験期間
2003年5月31日∼6月28日(28日間)
3)測定項目
体重(1週間ごと)
血液成分(1週間ごと頸静脈から採血)
4)統計解析
SAS, GLM
肥育前期牛
表4-1.肥育前期牛への給与飼料成分(%)
飼料名
乾物 TDN
配合飼料
グラスサイレージ
RPS
CPS
86.0
32.5
18.6
18.5
CP 澱粉 粗脂肪
77.1 19.6 32.5
52.0 10.2
−
54.1 4.9 28.4
52.8 4.8 32.4
乾物以外は乾物中割合
RPS:リゾプス添加ポテトパルプサイレージ
CPS:無添加ポテトパルプサイレージ
4.2
3.3
0.3
0.4
肥育前期牛
給与方法
対照区:配合飼料 7kg,グラスサイレージ3kg
RPS区 :配合飼料 2kgをRPS 10kgに置換
CPS区 :配合飼料 2kgをCPS 10kgに置換
表4-2.肥育前期牛の養分摂取量(kg/日・頭)
RPS区
乾 物
TDN
CP
NSC
粗脂肪
CP/TDN
a
7.72
5.22
1.07 a
3.77 a
0.22
a
20.5
CPS区
対照区
a
7.68
5.20
1.06 a
3.63 a
0.22
a
20.4
b
6.99
5.18
1.29 b
3.16 b
0.29
b
24.9
肥育前期牛
表4-3.RPS給与が肥育前期牛の増体量
に及ぼす影響(kg,kg/日)
RPS区
開始時体重
終了時体重
増体量
日増体量
CPS区
対照区
315.3±15.6 337.0±17.9 314.3±25.9
356.4±16.1 374.6±18.4 347.7±24.4
41.1±3.8
37.6±4.2
33.3±7.8
1.469±0.13 1.343±0.15 1.190±0.28
肥育前期牛
400
体 重 (kg)
375
350
325
対照区
RPS区
CPS区
300
275
250
44
-7
0
7
14
試験開始後日数
21
28
図4-1.肥育前期牛の体重の変化
総コレステロール濃度
BUN濃度
対照区
RPS区
CPS区
120
20
100
a
a
80
a
BUN濃 度 (mg/dl)
総 コレステロール濃 度 (mg/dl)
140
a
60
b
b
40
肥育前期牛
20
対照区
RPS区
CPS区
15
a
a
10
b
b
5
a
a
b
b
b
b
b
b
0
-7
0
7
14
試験開始後日数
21
28
-7
0
7
14
21
試験開始後日数
図4-2.肥育前期牛の血液成分の変化
28
肥育後期牛
4-2.肥育後期牛の増体成績と格付成績
に及ぼす影響
材料と方法
1)供試家畜
大樹町 Y牧場 ホルスタイン種去勢牛34頭
APS区 11頭,CPS区 12頭,対照区 11頭
2)試験期間
2003年10月18日∼12月3日(47日間)
3)測定項目
体重(2週間ごと)
出荷牛の格付成績
4)統計解析
SAS, GLM
肥育後期牛
表4-4.肥育後期牛の給与飼料成分
飼料名
乾物 TDN
配合飼料
圧片大麦
圧片コーン
イネ科乾草
APS 1
)
CPS 2)
86.5
86.7
87.1
79.7
21.5
20.7
CP 澱粉 粗脂肪
78.0 14.5 52.3
84.1 12.6 54.1
92.3 13.1 44.3
51.9 7.8
−
68.4 5.3 56.8
67.7 5.3 56.6
2.3
2.8
4.3
0.3
0.3
0.1
乾物以外は乾物中割合(%)
1)APS:アミロマイセス添加ポテトパルプサイレージ
2)CPS:無添加ポテトパルプサイレージ
肥育後期牛
表4-5.肥育後期牛への飼料給与量(kg/頭・
日)
飼 料
配合飼料
圧片大麦
圧片コーン
イネ科乾草
APS
CPS
APS区
CPS区
対照区
5.0
1.0
0.5
1.2
10.0
0
5.0
1.0
0.5
1.2
0
10.0
7.3
1.0
0.5
1.2
0
0
肥育後期牛
表4-6.肥育後期牛への給与飼料成分量
(kg/日・頭)
乾 物
TDN
CP
デンプン
NSC
粗脂肪
CP/TDN(%)
APS区
CPS区
対照区
9.00
6.63
1.02
4.24
5.27
0.24
15.4
8.92
6.56
1.01
4.19
5.20
0.23
15.4
8.58
6.51
1.16
3.92
4.80
0.29
17.8
肥育後期牛
表4-7.肥育後期牛の増体量に及ぼす影響
開始時体重(kg)
増体量(kg)
飼養期間(日)
日増体量(kg/日)
APS区
CPS区
対照区
625.9
37.8
28.0
1.361a
554.8
40.4
40.4
1.005b
551.5
30.5
38.5
0.821c
平均値で示した。
a,b,c:異符号間で有意差あり(P<0.05)。
仕上げ期牛
4-3.仕上げ期牛の格付成績と胸最長筋
の肉質に及ぼす影響
材料と方法
1)供試家畜
帯広市 S牧場 ホルスタイン種去勢牛26頭
APS区 9頭,CPS区 8頭,対照区 9頭
2)試験期間
2004年7月6日∼9月24日(81日間)
3)測定項目
出荷牛の格付成績
胸最長筋の肉質
皮下,筋間脂肪脂肪酸組成
4)統計解析
SAS, GLM
仕上げ期牛
表4-8.仕上げ期牛の給与飼料成分
飼料名
乾物 TDN
配合飼料
ビール粕
イネ科乾草
モミガラ
APS
CPS
86.4
34.0
86.0
87.7
21.4
21.6
TDNは推定値。
CP 澱粉 粗脂肪
78.0 13.9 40.3 4.4
70.1 22.4 4.2 11.4
50.9 3.9 3.4 1.2
13.3 2.7 0.1 0.3
70.9 5.9 53.9 0.7
71.1 5.4 54.3 0.5
仕上げ期牛
表4-9.仕上げ期牛への飼料給与量(kg/頭・
日)
飼 料
配合飼料
ビール粕
イネ科乾草
モミガラ
APS
CPS
APS区
9.0
1.7
0.7
0.17
10.0
0
CPS区
9.0
1.7
0.7
0.17
0
10.0
対照区
10.6
2.0
0.8
0.2
0
0
仕上げ期牛
表4-10.仕上げ期牛への給与飼料成分量
(kg/日・頭)
給与量
乾 物
TDN
CP
デンプン
CP/TDN(%)
APS区
CPS区
対照区
21.6
11.3
8.8
1.4
4.3
15.9
21.6
11.3
8.8
1.4
4.4
15.9
13.6
10.7
8.5
1.5
3.7
17.6
表4-11.仕上げ期牛の格付成績
仕上げ期牛
APS区(8頭)
CPS区(7頭)
対照区(9頭)
出荷体重(kg) 768.5±35.3
枝肉重量(kg) 422.0±24.0
歩留等級 1)
1.88±0.35
肉質等級 2)
2.13±0.35
ロース芯面積(cm2) 39.3±3.7
バラ厚(cm)
5.9±0.5
皮下脂肪厚(cm) 1.7±0.4
歩留基準値
69.6±0.6
BMSNo.
2.1±0.4
BCSNo.
3.8±0.5
BFSNo.
2.0±0.0
752.3±36.7
421.6±24.4
2.00±0.00
2.14±0.38
41.3±4.3
5.8±0.5
1.7±0.4
69.8±0.6
2.3±0.8
4.1±0.5
2.0±0.0
748.0±42.0
404.7±26.1
1.89±0.60
1.89±0.60
41.8±7.9
5.4±0.7
1.8±0.2
69.7±1.4
2.3±0.5
3.8±0.4
2.1±0.3
1):A=3,B=2,C=1として算出,2):等級値(3,2,1)で算出。
仕上げ期牛
表4-12.仕上げ期牛の胸最長筋の肉質
APS区(6頭)
CPS区(6頭)
対照区(6頭)
水分含量(%)
64.3±3.1
63.3±3.4
63.5±3.5
粗脂肪含量(%) 14.4±3.7
15.7±4.5
15.2±4.7
切断抵抗値(kg) 6.5±1.4
8.2±1.6
8.1±0.9
加熱損失率(%) 26.4±2.2a 25.5±2.2ab 23.2±1.4 b
肉色 L*値
42.2±1.9
42.9±2.6
45.4±1.7
a*値
18.4±0.6
19.8±1.6
19.4±2.0
b*値
11.8±1.2
13.0±1.4
13.6±1.7
表4-13.仕上げ期牛の皮下脂肪の
脂肪酸組成
C14:0
C16:0
C18:0
C14:1
C16:1
C18:1
C18:2
1)
TUFA
仕上げ期牛
APS区(6頭)
CPS区(6頭)
対照区(6頭)
3.7±0.4
25.4±1.0
10.3±1.5
1.6±0.4
5.6±1.5
50.7±1.5
2.6±0.6
60.5±1.7
3.6±0.6
25.5±1.4
10.9±1.8
1.8±0.5
4.8±1.5
50.3±2.4
2.9±0.5
59.8±2.4
3.3±0.6
24.8±1.7
11.1±1.5
1.4±0.4
4.8±0.5
51.6±2.5
3.0±0.6
60.8±2.4
TUFA:総不飽和脂肪酸割合
表4-14.仕上げ期牛の筋間脂肪の
脂肪酸酸組成
C14:0
C16:0
C18:0
C14:1
C16:1
C18:1
C18:2
1)
TUFA
仕上げ期牛
APS区(6頭)
CPS区(6頭)
対照区(6頭)
3.2±0.6
24.4±1.8
21.0±1.9
0.6±0.1
2.1±0.4
45.5±2.5
3.3±0.7
51.5±2.6
2.7±0.3
24.3±1.9
19.4±1.7
0.7±0.1
2.3±0.4
47.3±2.8
3.2±0.5
53.5±3.7
3.0±0.7
23.9±2.0
19.0±3.6
0.9±0.3
2.7±0.9
47.4±3.0
3.1±0.4
54.1±4.8
TUFA:総不飽和脂肪酸割合
4.肉用牛の生産性に及ぼす影響
まとめ
乳酸生成糸状菌添加ポテトパル
プサイレージは、肥育牛のエネル
ギーを補う飼料として有効に利用
できる。CPとTDNの給与量を適
切すれば、増体量,肉量・肉質に
悪影響はない。
北海道十勝地域における畑作物多段階利用システムの構築
規格外小麦
分離
分 離 前処理
タンパク質
糖
酵母
食品物性
改良剤
農水省エコ
てんさい
液
ビートパルプ
発酵
分離
分離
蒸留
脂
質
蒸留残渣
加水分解
燃料
分離
アミノ酸
機能性
食物繊維
飼料
エタノール
繊維質
分
調味料
乳酸生成糸状菌
サイレージ化
帯畜大担当
ポテトパルプ
酵素処理
サプリメント
水溶性多糖
離
ほぐれ剤
Fly UP