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No54. 草からの牛乳生産
2003年 5「 I No54 北海道立天北農業試験場 〒0 9 85‐ 7 3 8 枝十郡浜頂別町紙 ケ丘8 丁目2 番地 T E1 01634-2-2111 「A X 01634-2-4686 h t t p :w〃 ww agrt prcf hOkkaido jp/tcnpoku/ 草 か らの 牛 乳 生 産 一 草 地 酪 農 に お け る飼 料 自結 率 7 0 % の 放牧技術 一 近年 のB S E の 発生 に伴 い食の安全性 の確保、 さらに畜産環境問題へ の関心 の高 まりか ら飼料 が益 々高 まってい ます。高い飼十1 自給率 を実現す るためには、草地酪農地帯では採 自給 の重要1 ■ キ利用 よりも栄養的に有利な放牧草 を積極的 に利用す ることが重要です。 今い1 は、平成 1 5 年 度北海道普及奨励事項 の奨励技術 となった 「 草地酪農における飼料 自給率 7 0 0 c の 枚牧技術」 ( 根コ‖大 北農試) を 紹介 します。 放牧草 の飼料成分 を知 ろう ! 2 ) マ メ科 の混播割合が乾物 で 1 5 0 0 、 利 用草丈が チモ シー ( T Y ) 、 メ ドウフェス 天化 及 び恨釧地域 の代表的な草種 の季節別 車文別 の飼十1 成分 を明 らかに し、 よ り効率 的な飼料設計 に役立 つ飼料成分表 を作成 しま ク ( M F ) 、 オーチ ャー ドグラス ( 0 0 ) で 3 0 c m 、ペ レエ アル ライグラス ( P R ) が 2 0 c m の場 合、年 間平均 C P 令 量 は約 2 した。 1 ) イ ネ↑1 単播卓お よびマ メ科単播草 の飼 本1 成分か ら、 イネ‖ 卓 主 体マ メ科 ( シロ クロー バ) 淀 播中 の飼十1 成分表 を作成 し 0 % 以 上 、同推定 T D N 含 以上 を維持 で きました。 量 は約 7 1 % ま した ( 表1 ) . 表 1 マ メ科割合 (乾物)15%の 主 体 となる イネ科草種 チ モ シ ィ 草 ー (TY) メ ドウ フ ェ ス ク ネ科 成 文 (cm) 30 30 (MF) ペ レニアルライグラス 20 (PR) オーチ ャー ドグラ ス 30 (OG) 混播草 の飼料成分 分 5月 CP 22 0 TDN 78 0 CP CP CP 春 6月 夏 7月 8月 秋 9月 166 201 172 241 738 年 間 10月 平 均 194 199 676 656 696 738 713 21 6 TDN 76 5 164 206 180 239 187 199 728 709 642 669 21 1 TDN 83 8 797 21 1 TDN 75 7 162 224 193 271 242 217 742 740 658 731 751 730 149 197 770 716 705 182 235 204 196 715 773 784 780 ( 根釧農試、天北程討 2 0 0 3 ) 2 . 放 牧 期乳 牛 の 栄養 管理 は M U N モ ニ タ リングで …… 1 乳中眠素空素 ( M U N ) は 、給与飼料 のエ ネ ルギー と蚕白質のバ ランスの拍標 として利用 で きます, そ こで、M U N 濃 度 を放牧期 の栄 養 モニ タリング指標 として利用するため、併 給飼十1 の成分や給与方法による影響、適正値 について校言 寸を行い ました. 1 ) 併 給飼料 の蛋白質含量 ( C P 1 4 % 、 9 % ) の 違 いは、M U N 濃 度 に大 き く影響 し、 L 区 9 % で 有営 に低か った ( 図 1 ) 。 2 ) 併 給飼料 のN D F 合 量 ( 3 3 0 % 、 2 4 4 % ) の 違 いは、 N D F 含 量 の増加 による 放牧草摂取量 の低下 でT D N / C P 比 が 変 わ らず 、M U N 濃 度 に差が 認 め られ ま せ んゃ 3.自 給 率 70%を 目指 した 放 牧 期 の 飼 料 給 与 メ ニ ュ ー は これ だ ! 240 M U N 一理/ ″ ≡ 八 少ない濃厚飼料で乳 牛 の繁殖性 、健康及び /L 、 ン _ 光 √ イ 乳生産 を維持す るため には、波牧草 の栄養特 性 を活か し、無駄のない併給飼│卜の結与が必 ` │ / 1 王i1 ■lli へl l │ … I Ⅱ 田 Ⅳ │ V ⅥⅦ 放牧期 図 1 各 放牧期 にお けるMUN濃 度 の推移 ( 根釧農試、2 0 0 3 ) W I における■、 ‖1 にイ 4牧 4々 f は' t あり I P < o o s 止小 1 オ十均付! 3 ) 併 給飼料 の指肪含宣 ( 2 9 ∼6 5 % ) の 違 い は、放牧期や給乾物摂 取量へ の影響が 無 く、M U N 濃 度 に も影響 しませ ん。 4 ) 放 牧期 では、併給飼料 の給与 回数 ( 1 ∼ 3 回 / 日 ) に よ り朝 ・夕方 のM U N 濃 度が大 きく異 なる場 合があ り、夕方搾手し 前 に 1 回 給与す る 1 同 区のM U N 濃 有意 に高 くな った。 度が 5 ) 併 給飼料 の C P 含 量 を変 更 ( 増減) し l 日か らM U N 濃 度 た場 合、給 ケ変更 の/ 」 に反映 します。 に高 い相 度 とT D N / C P 比 られ 関が見 ま した。 また、推奨養分含量 6)MUN濃 ( 日本飼養標準) の T D N / C P 比 から 放牧期 における適正 なM U N 濃 度 は 、1 0 ヽ1 2 1 r s T ″ /であ 泌 り、上限は1 7 1 1 g / ″ ど が目 安 とな ります ( 図2 ) 。 H︼ M U N 一曜/ 控 ︶ ぱ ロ 1 宮 日B 宮 義 要 です 。そ こで 、飼料 自給率 70%を 目指 し た飼料給与 メニ ュー を作成 しま した。 1)併 給す る股 粉質飼料 は、圧片 トウモロ コ シが適当です。大 麦 で は 第一 胃級pH の低下 と放牧草採 食量 の低下傾向が、 ま た粉砕 トウモロコ シでは消化率が低 い と 考え られ ます (表2)。 表 2 デ ンプ ン質飼料 の違 いが放牧泌乳牛 に 及ぼす影響 │ 1 片トウモロ ヨシ : 大安 換Lll loo:o 66:34 34:66 100:0 50:50 0:100 1 DMlkg/日 210Ⅲ 189b 180b 200 186 192 放牧草 104カ J 抑 1)DMl:乾 \ 550 適当 と考え られ ま した。 3)昼 夜披牧 の条件下 でTDN自 給率 70 %を 目指 した飼料給与 メニ ュー を作成 し ま した (表3)。 これ により、一乳期 に 給率70%の ための飼料給与メニュー 1乳 期 % 乳脂防率 、 導 600 650 TDN/CP〕 し 図 2 TDN/CP比 とMUN濃 釧農試、2003) に 14%が 37 0 315 放牧草摂取畳DMkg 500 86 受胎成績等 の繁殖性 を低下 させ ない ため kg 乳量 す "` 80 2)泌 乳前期 の濃厚飼1lC P水 準 は、一般 的な放牧草 の昼夜枚牧で、繁殖機能回復、 前期 中 日 450 74b 94 物損取量 、 ab:p<005 (根 表 3 TDN自 強、 口 400 83Ⅲ 濃厚飼相 106 106 106 106 107 106 量 kg/日 287 275 手し 287 287 286 281 乳脂肪卒 佑 3 2 5 3 1 9 3 1 4 3 3 5 3 5 1 3 4 8 b - 592い 一 第 1 胃紋P H 5 8 6 れ 5 8 0 b 5 8 1 Ⅲ 換算 して、約 14ト ンの濃厚飼料で8200tg の子L量を得 る こ とがで きます 。 \ 350 '1コ │ トウ モ ロ ヨ シ : 獅 い ウモ ロ コ シ 度との関係 ( 根割‖ 農試、2 0 0 3 ) 24 0 395 12 0 期 後 期 換 算 20 0 8,200 400 15 0 360 14 5 26 17 濃厚飼料給与畳DMkg 10 o ロ コ 内訳 E片 トウモ シ 54 26 17 大豆柏 13 一 ビー トパルプ 3 3 一 4,223 1,439 ( 根倒‖ は試、2 0 0 3 ) [ 問い合わせ先 : 技 術普及部 石 田 亨 ]