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グローバルな視点 を持った教員養成 ・学校教育 と連動 した留学生教育

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グローバルな視点 を持った教員養成 ・学校教育 と連動 した留学生教育
グ ロ ーバ ル な視 点 を持 っ た 教 員 養 成 ・学 校 教 育
と連 動 した 留 学 生 教 育 の試 案
一 奈良教育大学留学生教育におけることば と文化の教育実践 一
和 泉 元
1.は
千 春
じめ に
近 年 、 大 学 教 育 に お い て そ の 育 成 が 重 要 な 課 題 とな っ て い る 「グ ロ ー バ ル 人 材 」 と い う
用 語 は様 々 な文 脈 や 立 場 で 様 々 に 定 義 づ け さ れ て い る と言 え るが 、 現 在 の と こ ろ、 英 語 運
用 力 の 向 上 や 世 界 で 活 躍 で き る 人 材 の 育 成 とい っ た 産 業 界 か ら の 要 請 に基 づ く 「グ ロ ー バ
ル 人 材 像 」 以 外 の 具 体 的 な モ デ ル に基 づ く研 究 と実 践 は緒 に っ い た ば か りだ と言 え る。 こ
の よ うな状 況 の 中 、 国 内学 生 の 海 外 派 遣 や 協 定 校 との 研 究 者 交 流 ・学 生 交 流 を は じ め とす
る様 々 な 取 り組 み が な さ れ る の に伴 い、 留 学 生 教 育 に つ い て も大 学 の 「グ ロ ー バ ル化 」 あ
る い は 「国 際 化 」 に どの よ う に位 置 づ け る か に 関 す る検 討 や 実 践 が 多 く報 告 さ れ て い る。
教 員 養 成 大 学 で あ る本 学 に お い て も、 小 規 模 の 単 科 大 学 で あ る に も 関 わ らず 、 こ れ まで の
充 実 した 留 学 生 教 育 の 実 績 を 踏 ま え、2014年
本 稿 で は 、2013年
度 に は 国 際 交 流 留 学 セ ン タ ー が 設 立 され た 。
度 よ り本 学 で 試 行 して い る教 員 養 成 の グu一 バ ル 化 に 連 動 した 留 学 生
教 育 の 実 践 を報 告 し、 国 内 の 学 校 教 育 に お い て 留 学 生 と共 に 言 語 と文 化 を 学 ぶ 意 義 にっ い
て述べ る。
2.留 学 生教育 と連動 した 大学 にお けるグ ローバ ル人 材育成
2-1t大
学 の留学生 教育 とグ ローバ ル人材 育成
日本 の大学 で は 「グローバル人 材」 育成 の 方略 の一つ として、協 定校 へ の学 生派 遣 に力
が 入れ られてお り、 その結果 、交換 留 学生(非 正規 留学 生、 以下 、 留学 生)の 受 け入 れ も
増加 して い る。 しか し、 本学 同様、 多 くの場 合、 留学 生 に対 す る 日本 語 ・日本 文化 教育 は
大学 の教 育課程 とは別 の組 織 的枠組 み の中で 行 われてい るのが一・
般 的 で あ り、実 際 には両
者 が対 等な立場 で交流 を行 う場 が 自然発 生的 に生 まれ に くいの が現状 で あ る。 この よ うな
状況 下 にお いて 、留学 生教 育へ の国 内学生 の参 加、 留学 生 向 け科 目 と国 内学 生 向け科 目の
合 同実施 にお け る異文 化体験 を通 じて得 られ る学 び を教 育課 程 の中 で と らえ、多文 化 の授
業環 境 を創設 し協働学 習 す るこ とで両者 の学 び を深 め る実 践 も報告 されてい る。例 えば、
永 井他(2014)は
部(全15回
留学 生セ ンター の 日本 語 授業 と教 育 学部 の社会 科 教 員養 成 の授業 の一
中2回)を 合 同で行 った結 果、 国 内学 生 と留学 生が 積極 的 に意 見交 換 で き るよ
(1)
-138一
う に な り、 「文 化 」 を 「国 」 で は な く 「
個 人 」 とい う枠 組 み で 考 え られ る よ うに な っ た と
報 告 して い る 。 しか し、 これ らの 多 くは 、 担 当 教 員 個 人 が 授 業 の 一 部 を 利 用 して 行 っ て お
り、 大 学 と して の 組 織 的 、 制 度 的 な シ ス テ ム 化 が 課 題 とな っ て い る。 こ の よ うな 問 題 意 識
を受 け、 大 学 が 組 織 的 に 留 学 生 教 育 を大 学 の 教 育 課 程 に連 動 さ せ よ う とす る試 み も報 告 さ
れ る よ うに な っ た(1)。 しか し現 在 ま で に事 例 は 限 られ て お り、 大 学 の 教 育 課 程 の 枠 組 み に
留 学 生 教 育 や 共 修 を ど の よ う に 位 置 づ け るか に 関 す る研 究 は 緒 に 付 い た ば か りだ と言 え
る。
2-2,言
語文 化教 育 にお けるグ ローバル 人材 育成
昨今 、 社 会 の グ ロ ーバ ル 化 に 対 応 し う る人 材 の 育 成 は大 学 教 育 に お い て も 重 要 な 問 題 と
さ れ て お り、 英 語 能 力 の 向 上 以 外 の グ ロ ー バ ル 人 材 育 成 の モ デ ル が 提 案 さ れ て い る。 例 え
ば 、OECD(経
済 協 力 開 発 機 構)に
Competencies)」(2)で
よ っ て ま と め られ た
「キ ー ・コ ン ピ テ ン シ ー(Key
は 、21世 紀 を 生 き抜 くた め の 能 力 を次 の カ テ ゴ リ ー に ま とめ て 整i理
して い る。
獲質な集 団
で交流する
A{修 癖 ζ幾蕪 な驚 係 を作 る
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選講 を用い る
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図1.キ
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乍離 曲;ご灘 い導
B銀 燃 や鵜 慧 を綿 葦作 簿 鰺に絹 い る
c銭 籍 を撫 蓋蘇欝 的 にj簾い蚤
ー ・コ ン ピ テ ン シ ー の 構 造
(松 尾2015,15pよ
り 転 載)
図1が 示 す よ うに、 グU一 バ ル化 や近 代化 に よって複 雑 化 した変化 の激 しい世 界 を行 き
ぬ くため には、知 識や 限定 的 な技能 の獲得 だ けな く、 その知 識や技 能 を用 い て異 な る他者
と協 働 す る態度 を含 む全 人 間的 な資質 ・能 力が必 要 だ とされてい る。
(2)
-137一
一 方 、 言 語 文 化 教 育 とい う文 脈 に お い て も、 この キ ー ・コ ン ピ テ ンシ ー の 影 響 を強 く受
け た新 し い 能 力 観 に 基 づ い た実 践 が 多 く報 告 さ れ る よ う に な って い る。
例 え ぼ 、 国 際 文 化 フ ォー ラム が 中 心 と な っ て 開 発 さ れ た 「
外 国 語 学 習 の め や す(以 下 、
「め や す 」)」(3)は 「外 国 語 教 育 を 人 間 教 育 の 一 環 と捉 え 」 「外 国 語 を 学 ぶ こ と を通 して
、2
1世 紀 の グ ロ ー バ ル社 会 の 一
能力
量
匡コロ
葦五
ロ
員 と して の 自 覚 を も ち 、 そ
わかる
で きる
つ ながる
A
B,
C,
の 社 会 作 りに 貢 献 で き る 人
を 育 て る こ と を め ざ し(3
自他 の言 語 がわ 学習 対 象言 語 を 学 習対 象 言語 を
かる
運用 できる
使 って他 者 とつ
領域
文化
E.
D.
な がる
あ る。 日本 の 学 校 教育 にお
F,
い て 韓 国 語 や 中 国 語 な どの
自他 の文 化 がわ 多様 な 文化 を 運 多様な文化背景
複 数 言 語 を 学 ぶ機 会 を創 出
かる
す る重 要 性 の 認 識 に端 を発
用で きる
を も っ人 と っな
がる
グ ローバ
G,
H,
1,
ル社 会
グ ローバ ル社 会 21世 紀型 スキル グ ローバ ル社 会
の特徴 や課題 が を運用 で きる
とつなが る
し、 どの 外 国 語 教 育 に も 適
応 可 能 な 教 育 理 念 、 教育 目
標 、 学 習 目 標 を 提 案 して い
るのが 特 徴 で あ る。 そ の教
わかる
十
連 繋:関
p)」 て 開 発 さ れ た モ デ ル で
育 理 念 、 教 育 目標 、学 習 目
心 ・意欲 ・態 度/学 習 ス タイル とつ なが る
標 は 、OECDの
「キ ー ・コ
既 習 内 容 ・経験/他 教科 の 内容 とつ な が る
ン ピ テ ン シ ー(KeyCompete
教 室 の 外 の人 ・モ ノ ・情 報 とつ なが る
・ncies)」 を 始 め と す る
図2.「 外 国 語 学 習 の め や す 」 概 念 図
世 紀 型 ス キ ル 」(4))を
「21
基盤 と
し た 「3領 域 ×3能 力 ×3連 繋 」
の 概 念 図 に ま とめ られ て い る(図2)。
概 念 図 に 示 さ れ る よ う に 「め や す 」 で は言 語 と文
化 の 知 識 理 解 や 運 用 に と ど ま らず 、 他 者 とっ な が る こ とが 能 力 の1つ
と捉 え られ て い る。
ま た そ こで は 国 や 民 族 とい っ た 静 的 な 「
文 化 」 概 念 で は な く、 動 的 な グ ロ ー バ ル 社 会 が 想
定 さ れ て い る点 も特 筆 す べ きで あ ろ う。 これ は 、 言 語 教 育 が 単 な る言 語 知 識 や ス キ ル の 獲
得 で な く、 グ ロ ーバ ル な社 会 に お い て 重 視 さ れ る 、 他 者 との 相 互 理 解 や つ な が り に 関 わ る
能 力 の 育 成 を学 習 目標 に 加 え る よ う に な っ た こ とを 意 味 して い る と言 え る 。
つ ま り、 従 来 の 言 語 知 識 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス キル の 習 得 の範 疇 に と ど ま らず 、 他 者
との 相 互 交 渉 を通 して 理 解 し あ う こ とを 言 語 文 化 教 育 の 目 的 と と ら えて い る と言 え よ う。
次 章 で は 、 これ ら新 しい 能 力 観 、 学 力 観 に 基 づ い た 、 小 学 校 教 育 及 び 大 学 教 育 と連 動 さ
せ た 本 学 の 留 学 生 教 育 に お け る言 語 文 化 教 育 の 実 践 例 とそ の 意 義 を紹 介 して い く。
(3)
-136一
3,留
学 生 教 育 に連 動 した グ ロ ーバ ル 人 材 育 成 の た め の 本 学 の 取 り組 み
3-1.本
3-1-1.附
2013年
学 附属小 学校 で の 「
言 語 ・文 化 」 に お ける 実 践
属小 学校 に お ける 「
言 語 ・文 化 」 活 動 に お け る 協 働 モ デル の 背 景
度 よ り実 践 して い る本 活 動 は 、 附 属 小 学 校 、 国 内 学 生 、 留 学 生 が 児 童 の 「
言語 ・
文 化 」 で の 学 び を 支 え る 「教 員 養 成 大 学 に お け る統 合 的 協 働 モ デ ル(和
泉 元 他2014)」
の
枠組 み の中で 行わ れてい る。
本 実 践 の 参 加 者 で あ る 留 学 生 は 、 主 に 交 換 留 学 生 や 日本 語 ・日本 文 化 研 修 留 学 生 ⑤ を
対 象 と した 留 学 生 科 目 「日本 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン」 の 受 講 生 で 、 実 際 の 場 面 で の 日本 語
使 用 を 通 して 日本 語 運 用 力 を 伸 ば す こ とを 目的 と して 本 活 動 に 参 加 して い る 。 さ ら に 日本
の 学 校 現 場 を 体 験 す る こ とに よ り、 日 本 語 ・日本 文 化 理 解 を 深 め 、 自 文 化 を 日本 文 化 と対
照 させ な が ら 日本 語 で 紹 介 す る こ と に よ り、 異 文 化 間 コ ミ ュニ ケ ー シ ョン 能 力 を 養 成 す る
こ と を 目 指 して い る(活 動 の 詳 細 は 和 泉 元 他(2014)を
参 照 の こ と)。
参 加 者 で あ る 国 内 学 生 は、 初 等 教 育 履 修 分 野 の 学 生 を対 象 と した 「小 学 校 外 国 語 活 動 」
の 受 講 生 で 、 将 来 、 小 学 校 で 必 修 化 さ れ た 「外 国 語 活 動 」 を 行 う に あ た り、 学 級 担 任 と し
て 中 心 的 役 割 を担 え る知 識 と能 力 を 身 に つ け る こ と を 目 指 して い る。
一方
、 本 実 践 の 場 と な る小 学 校 に お け る教 育 も グ ロ ー バ ル 化 の 流 れ を 受 け て 変 化 して い
る と言 え る。言 語 文 化 教 育 との 関 わ りで 注 目 さ れ るの は 、教 科 横 断 的 な 「
言 語 活動 の充 実」
へ の 言 及 で あ る 。 日 本 の学 校 教 育 で は 、 学 習 指 導 要 領 に よっ て 、 目標 とす べ き学 力 とそ の
内 容 が 規 定 さ れ て い るが 、 中 央 審 議 会 「幼 稚 園 、 小 学 校 、 中 学 校 、 高 等 学 校 及 び 特 別 支 援
学 校 の 学 習 指 導 要 領 等 の 改 善 に つ い て(答
申)」(平 成20年1月17日)に
は、 学習 指導要 領
の 改 訂 の 重 要 点 の 第 一 項 目 と して 「
各 教 科 に お け る 言 語 活 動 の 充 実 」 が 挙 げ られ て い る。
特 に母 語 教 育 で あ る 国 語 科 に っ い て は、『言 語 力 の 育 成 方 策 にっ い て(報 告 書 案)【修 正 案 ・
反 映 版 】』⑥ に お い て 、 「言 語 力 育 成 の 中心 的 な 役 割 を果 た す べ く、 メ タ 言 語 活 動 の 指 導 の
充 実 」 が 国 語 科 の 改 善 方 策 と して 挙 げ られ て い る。 さ らに 『小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 国 語
編 』(7)では 国 語 科 の 目標 と して 、 言 語 に よ って
「
伝 え合 う力 を高 め る」 こ とが 挙 げ られ て
お り、 「
人 間 と人 間 との 間 の 関 係 の 中 で 、 お互 い の 立 場 や 考 え を尊 重 し、 言 語 を 通 して 表
現 した り正 確 に 理 解 し た りす る力(12p)」
も、 特 に小 学 校 段 階 で の 外 国 語(主
が 明 記 され て い る。 ま た 外 国 語 教 育 に お い て
と して 英 語)の
教 科 化 を め ぐ る多 くの 議 論 の 中 で 母 語
教 育 との 連 携 が 強 く主 張 さ れ る よ う に な って き た 。
こ の よ うな 流 れ の 中 で 、 本 学 附 属 小 学 校 で は 、 中学 校 か らの 英 語(外
国 語)教
育、 異文
化 理 解 の 素 地 とな る① メ タ 言 語 能 力 の 育 成 、 ② 文 化 と言 語 の 多 様 性 に 対 す る寛 容 な 態 度 の
酒 養 を 目 的 と した 「言 語 ・文 化 」 とい う独 自 の 活 動 が 実 践 さ れ て い る。2010年
員 に よ って 独 自 に 開 発 さ れ た この 活 動 は 、 大 津 他(2008)を
て い る。 大 津 他(前
掲)は
英 語(外
国 語)教
に附小 教
参 考 に した 活 動 を 主 軸 と し
育 の 立 場 か ら、 外 国 語 学 習 の 素 地 とな る 「こ
と ばへ の 気 づ き」 を 促 す 活 動 を母 語 で 行 う こ とは 、 一 般 的 に 外 国 語 学 習 、 外 国 語 との 接 触
(4)
-135一
経 験 に 乏 し い 小 学 校 児 童 に とって 重 要 な 言 語 教 育 の 方 向 性 で あ る と し、 こ と ばの 力 の 基 盤
と して 「こ と ぼへ の 気 づ き 」 の 重 要 性 と、 そ れ が 母 語 教 育 と外 国 語 教 育 の 連 携 に お い て 扱
わ れ る こ と の 必 要 性 を 主 張 して い る 。 そ して 、 言 語 の し くみ を 客 体 化 して 発 見 す る た め の
メ タ 言 語 能 力 は、 大 半 の 小 学 校 児 童 に と って 母 語 で あ る 日本 語 を対 象 とす る こ とで 効 果 的
に育 成 さ れ る と して い る。 それ に加 え 、 多 様 な文 化 的 、 言 語 的 背 景 を 持 つ 留 学 生 か ら言 語
と文 化 の 多 様 性 を学 ぶ こ とに よ り、 個 別 文 化 、 個 別 言 語 間 に優 劣 の 関 係 は な い こ と を体 験
的 に 理 解 す る こ とが 可 能 に な る と期 待 で き る。 こ の よ うな 背 景 に よ っ て デ ザ イ ン さ れ た 本
実 践 の 内 容 を次 節 に 示 す 。
3-1-2.実
践 の概要
附 小 で の 教 育 実 践 に先 立 って 、 「
小 学 校 外 国 語 活 動 」 及 び 「日本 語 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 」
で は 計3回 合 同授 業 を 実 施 し準 備 に あ た っ た 。
第1回 で は 、 留 学 生 と 日本 人 学 生 が 自 国 を紹 介 し あ う活 動 を 行 っ た 。 同 じ キ ャ ンパ ス 内
に い る留 学 生 と 日本 人 学 生 で あ るが 、 これ ま で 交 流 の 機 会 が な か っ た とい う者 が 大 半 で
あ っ た た め 、 続 く附 属 小 学 校 で の 国 紹 介 内 容 の 検 討 と い う協 働 に 先 立 って ブ レイ ン ス トご
ミ ング の 意 味 を 持 つ 。 ま た 、 留 学 生 に と って は 、 同 じ初 対 面 の 場 面 で も 、 相 手 が 大 学 生 で
あ る場 合 と小 学 生 で あ る場 合 とで は 、 ス ピー チ ス タイ ル を 変 え る こ とが 期 待 さ れ る点 を 意
識 化 す る た め の 活 動 と も位 置 づ け られ た 。 一 方 、 日本 人 学 生 に と って 、 自文 化 に っ い てH
本 語 で 他 者 に 伝 え る(発 表 す る)の
は初 め て の 経 験 で あ る こ とが 多 く、 自文 化 や 母 語 の 使
用 を 振 り返 る機 会 と も な って い る。 第2回 、 第3回 で は 日本 人 学 生 か ら 言 語 的 な サ ポ ー ト、
日本 の 小 学 校 文 化 に 関 す る情 報 提 供 を受 け な が ら、 小 学 校 で の 国 紹 介 の 準 備 を 行 っ た 。
小 学 校 で の 活 動 の 流 れ は、 図3に 示 し た とお りで あ る。
図3.附
属 小 学 校 に お ける
「
言 語 ・文 化 」 の 授 業 の 流 れ
外 国 の あ い さ つ や 文 化 を 知 ろ う一 留 学 生 と の交 流 一
〈附小 児童 〉奈 良 教育 大学 に来 て い る留学 生 との交 流 を通 じて、文 化 や
言語 の多様 性 に触 れ る。
〈留学 生 〉相 手 に合 った 内容 と日本 語 表現 にっ いて配慮 し、効 果 的な 自
国紹 介 を行 うこ とを通 して、 日本 語 運用 力 を伸 ばす 。 日本 の学校 文 化 に
触 れ る。
〈日本人 学 生 〉多様 な文化 背景 を持 っ 留学 生 との協 働 を体 験 す る。 小学
校外 国語 活動 の教 育現場 を観 察す る。
参加 者5年
次児 童(33名/1学
学生(4-6名/1学
級)
(5)
-134一
級)、 留学生(5-6名/各
学級)、
活動 の流 れ
① 留 学 生 の 紹 介(全
(1)留
体 活 動)と
留 学 生 に よ る国 紹 介(グ
ル ー プ活 動)
学 生 の 日 本 語 で の 名 前 紹 介 の後 、 黒 板 に 掲 示 され た 各 国 の あ い
さ つ(「 こ ん に ち は 」)と 留 学 生 の マ ッチ ン グ を 行 う。
(2)児
童6-7名 、 留 学 生1名
、 日本 人 学 生1-2名 の グ ル ー プ に 分 か れ 、
留 学 生 の 国 の 言 語 や 文 化 を紹 介 し た 。 紹 介 の 内 容 は 留 学 生 と 日本
人 学 生 との 協 働 で 準 備 し、 活 動 中 は 日本 人 学 生 が 進 行 の サ ポ ー ト
を 行 う。
② メ タ言 語 能 力 育 成 の た め の 活 動(参
(1)参
(2)グ
加 者 全 員 に よ る 活 動)
加 者全 員が 「
温 泉 ま ん じ ゅ う」、 「まん じ ゅ う温 泉 」 の 絵 を 描 く。
ル ー プ で 絵 を 見 せ 合 い な が ら、 ど う して この よ う な 絵 を 描 い た
か 解 説 し あ う。
(3)別
の 事 例(「 カ レ ー コ ロ ッ ケ 」 「コ ロ ッ ケ カ レ ー 」 等)を
提 示 し、
日本 語 の 名 詞 複 合 語 の 規 則 を 言 語 化 す る。
(4)日
本 語 以 外 の 言 語 にっ い て 、 留 学 生 が 自国 語 の 名 詞 複 合 語 の 規 則
性 を紹 介 す る。
活 動 ① は 主 に留 学 生 か ら附 小 児 童 に 情 報 を提 供 す る活 動 を基 盤 と して い る 。 児 童 に と っ
て は多 様 な 言 語 、 文 化 に触 れ る機 会 で あ り、 留 学 生 に とっ て は 相 手 に合 わ せ て 効 果 的 に説
明 す る こ とを 実 践 す る 日本 語 運 用 の 場 とい う意 味 を持 つ 。 さ らに 日本 人 学 生 に と っ て は 、
実際の 「
外 国 語 活 動 」の 教 育 現 場 を観 察 す るだ け で な く、ALTと
と も に行 う こ と も多 い 「
外
国 語 活 動 」 で の 学 級 担 任 の 役 割 を 体 験 的 に学 ぶ こ とが 可 能 で あ る 。 さ ら に① 一(2)の
活
動 は 少 人 数 グ ル ー プで 行 わ れ る た め 、 参 加 者 間 の 自 由 な 相 互 交 渉 が 期 待 で き る。
活動② は 「
温 泉 ま ん じ ゅ う」 と 「ま ん じ ゅ う温 泉 」 とい う語 順 が 逆 の 名 詞 複 合 語 を 素 材
と して 、 日本 語 の し くみ を メ タ 的 に外 言 化 す る活 動 を 通 して メ タ言 語 能 力 を 育 成 す る こ と
を 目 的 と して い る(大 津 、 前 掲)。 ま ず 絵 を 描 か せ て か ら(活
化 し(活 動 ② 一(2))、
動 ② 一(1))、
それ を外言
さ ら に 別 の 事 例(「 み つ ぼ ち」 と 「は ち み っ 」、 「カ レ ー コ ロ ッ ケ 」
と 「コ ロ ッ ケ カ レ ー 」 な ど)を
踏 ま えて こ とば の 規 則 を 発 見 して い く(活 動 ② 一(3))
こ とで 、 参 加 者 は 段 階 的 に 、 日本 語 を 母 語 、 あ るい は 外 国 語 の 視 点 で 捉 え 、 そ こで の気 づ
き を 共 有 す る こ とが 可 能 で あ る 。 ま た 、 日本 語 を 対 象 とす る こ とで 、 活 動 ① で は 情 報 受 け
る側 だ っ た 児 童 が 、 活 動 ② で は情 報 を 提 供 す る 立 場 に も な り得 、 相 互 交 渉 に お け る ホ ス ト
とゲ ス トの 関 係(フ
3-1-3,実
ァ ン2006)が
流 動 的 な場 を創 設 す る こ とが で き る。
践を通 した学 び
活 動 ① 、 活 動 ② と も に児 童 と留 学 生 間 で積 極 的 な や り と りの 場 面 が 観 察 さ れ た 。 ま た そ
の 際 、 留 学 生 と児 童 間 に起 こ っ た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン の 破 綻 に お い て は 、 国 内 学 生 も積 極
(6)
-133一
的 に介 入 し、 サ ポ ー トす る様 子 が 観 察 さ れ た。 以 下 に 学 級 担 任 、 留 学 生 、 日本 人 学 生 、 そ
れ ぞ れ の 気 づ き を紹 介 す る。
〈学 級 担 任 の 気 づ き〉
(1)そ
れ ぞれ の 国 の 言 葉 で 「こ ん に ち は 」 を ど う言 うの か を留 学 生 か ら教 え て も ら っ て
い る 時(活
動 ① 一(1))に
、 一 人 の 児 童 が 「こ ん ば ん は は?」
とつ ぶ や い た 。 ル ー マ
ニ ア の 留 学 生 が ル ー マ ニ ア語 の あ い さ つ 、「ブ ナズ ィ ワ」(こ ん に ち は)、 「ブ ナ セ ァ ー ラ」
(こ ん ぼ ん は)に つ い て 、 接 頭 語 「ブ ナ 」+昼
「ズ ィ ワ 」、 ま た は 夜 「セ ァー ラ」 と い
う語 構 成 の 規 則 を 説 明 し た こ とか ら、 そ れ が 日 本 語 の 「今 日 は」 「
今 晩 は 」 と し くみ が
よ く似 て い る こ とに 気 づ い て い っ た 。 さ ら に ほ か の 国 の あ い さ つ は ど うな っ て い るの か
とい う疑 問 が ク ラス の 児 童 に 広 が って い っ た 。 ハ ン ガ リー 語 も、 初 め の 部 分 は 同 じ で 、
後 ろの部分 をか える と 「
お は よ う」 や
「こ ん ば ん は 」 に な る、 ベ トナ ム語 と中 国 語 は、
時 間 に よ る使 い 分 けが な い とい う話 を 留 学 生 が 話 して くれて 、 こ とぼ の 規 則 性 に興 味 が
わ い た よ う だ。
(2)コ
ミ ュニ ケ ー シ ョン につ い て 考 え させ られ た の は、 「ゆ ず 」 を 伝 え よ う とす る 子 ど
もの 姿 か らで す 。 「日 本 に あ って 、 イ ン ドネ シ ア に な い 果 物 は?」
ず は?」
の 問 い に(中 略)「 ゆ
と聞 い た 子 が い ま した 。留 学 生 は 「ゆ ず 」 を 知 らな か っ た よ うで す 。(中 略)「 こ
ん な 丸 い や っ で ∼ 、 黄 色 っ ぽ い?」
「み か ん み た い な 、 レ モ ンみ た い な 」 「そ の 中 間 ぐ ら
い 」 と一 生 懸 命 説 明 して い ま した 。 「あ 、 知 って る!」
と留 学 生 が 言 っ た 時 の 子 ど も た
ち の 嬉 し そ うな 顔 。
上 記(1)の
学 級 担 任 の 気 づ きか ら は 、 各 国 の あ い さつ 語 へ の 関 心 が 児 童 自 身 か ら発 せ
ら れ た こ とが ク ラス 全 体 を 巻 き込 ん で の 語 構 成 を意 識 化 す るや り と りへ と繋 が って お り、
本活 動が
「
言 語 力 育 成 の 中 心 的 な 役 割 を 果 た す べ く、 メ タ言 語 活 動 」 とな って い た こ とが
わ か る。
さ ら に 、(2)の
学 級 担 任 の 気 づ きか ら は、 文 化 的 、 言 語 的 背 景 が 明 らか に異 な る 他 者
と して の 留 学 生 に対 して 、 言 語 に よ っ て 「人 間 と人 間 との 間 の 関 係 の 中 で 、 お 互 い の 立 場
や 考 え を 尊 重 し、 言 語 を通 して 表 現 し た り正 確 に 理 解 し」 た り し よ う とす る能 動 的 、 積 極
的 な 態 度 、 そ こ で の 達 成 感 が 見 て 取 れ る。
〈留 学 生 の 気 づ き 〉
(3)ベ
トナ ム の 小 学 校 と60-70パ
ー セ ン ト違 い ま す 。 学 校 に 入 る に は ス リ ッパ を か え る
こ と、 そ して、 寒 い天 気 で もシ ョー トパ ン ツ だ け を は く こ とで す 。
(4)子
ど も達 の 話 に どん な反 応 を す れ ば い い の か 分 か りませ ん で した 。 け っ き ょ く笑 顔
(7)
-132一
だ け で 反 応 して し ま い ま し た 。自然 に 子 ど も達 の 話 につ っ こ む こ とが で き ま せ ん で した 。
(5)前
向 きな 姿 勢 が も っ と要 り ま す 。 声 をか け る 勇 気 が 要 り ま す 。
(6)自
信 の あ る子 と ぼ か り話 して シ ャ イ な 子 を う ま く話 し に い れ ませ ん で した 。 今 度 は
子 ど もの 名 前 を 聞 い た ほ うが い い か な と思 い ま す 。
(7)多
少 退 屈 な こ と も あ っ た 時 間 に集 中 して 聞 き入 れ た 子 供 た ち と、 困 っ た とき に 助 け
て くれ た 日本 人 学 生 た ち が 本 当 に あ りが と う ご ざ い ま した(原
文 マ マ)。
留 学 生 の 気 づ き か ら も多 くの 学 び が 看 取 し う る。
(3)か
ら分 か る よ う に 日本 の 学 校 文 化 に 関 す る学 び を得 た だ け で な く、(4)か
ら は本
活 動 が 自身 の 日本 語 使 用 に 関 す る問 題 点 を 自 己 評 価 す る機 会 と な っ た こ とが 見 て 取 れ る。
ま た(5)(6)は
、 児 童 との 関 係 を 構 築 す る場 合 の 自身 の 態 度 や 具 体 的 な 方 略 に 関 す る
言 及 で あ り、 教 室 とい う社 会 の 中 で 他 者 との 関 係 構 築 の 問 題 点 を客 観 的 に分 析 し、 自身 の
態 度 や 行 動 の あ り方 に つ い て 思 考 して い る様 子 が 伺 え た 。 こ れ ら の 気 づ き は 、 異 な る他 者
と理 解 しあ うた め に必 要 な 態 度 に 関 す る 学 び だ と言 え よ う。 さ ら に、(7)か
ら は 日本 人
学 生 との 協 働 に よ り、 他 者 に 助 け を 求 め な が ら 、 異 文 化 間 の 問 題 を 乗 り越 え て い こ う とす
る態 度 が 見 て 取 れ る。
〈日 本 人 学 生 の気 づ き 〉
(8)子
ど も た ち は意 外 と外 国 語 へ の 抵 抗 が な い 。
(9)子
ど も た ち は一 所 懸 命 留 学 生 に初 め て 教 え る こ と ば を 説 明 し よ う と して い た 。
(10)留
学 生 は名 詞 や 動 詞 な ど、 日本 の 言 葉 を文 法 的 に 考 え た が 、 児 童 は 感 覚 で 日 本 語
を 使 って い る とい う違 い を 感 じ た 。
(11)意
思 疎 通 を す る た め に は た くさ ん の こ とぼ が 必 要 。
(12)絵
は何 か を伝 え る と き は とて も効 果 的 だ 。
日本 人 学 生 の気 づ きか ら は 、 活 動 を観 察 し 、 サ ポ ー トす る こ とで 、 小 学 校 の 「
外 国語活
動 」 で の 児 童 の 態 度 や 学 び 、 教 室 活 動 を具 体 的 に イ メ ー ジ して お り、 本 活 動 が 、 将 来 教 職
に つ い た 際 の 学 級 担 任 と して の 役 割 を よ り現 実 的 に 認 識 す る機 会 と な っ て い た こ とが わ か
る。
この よ う に 、 本 活 動 を 通 して 、 参 加 者 で あ る 児 童 、 留 学 生 、 日本 人 学 生 の3者 が そ れ ぞ
れ の 目 的 に 沿 っ た 学 び を得 て い る と言 え る。また 、日本 語 を 使 用 し た 活 動 で あ っ た も の の 、
そ こで の や り と りの 中 で は ホ ス ト とゲ ス トの 立 場 が 流 動 的 に入 れ 替 わ る、 対 等 な 立 場 で の
交 流 も実 現 して い た と言 え る 。
(8)
-13!一
3-2,本
学で の留学 生 と国内学 生 との共修 の 実践
3-2-1.教
員 養 成 課 程 に お け る 異 文 化 理 解(教
育)と
留 学生教 育
次 に大 学 の 教 育 課 程 に お け る実 践 例 と して 、 教 育 学 部 英 語 教 育 専 修 専 門 科 目 「
異文 化 理
解 研 究 」 と留 学 生 科 目 「
現 代 日本 論 」 で の 実 践 を 紹 介 す る。
英 語 教 育 専 修 の 専 門科 目 で あ る 「
異 文 化 理 解 研 究 」 は 「自分 と異 な る文 化 の 世 界 観 に 照
ら して 自 己 の 文 化 を 相 対 化 し 、 異 文 化 接 触 に よ っ て 起 こ る 心 の 葛 藤 と受 容 の プ ロ セ ス を 理
解 す る こ とを 通 して 、 異 文 化 理 解 の 必 要 性 と方 法 を認 識 す る 」 こ とを 授 業 の 目 的 と した 授
業 で あ る(岩 坂 他2013)。
しか し実 施 に は 、 受 講 生 で あ る英 語 教 育 専 修 の2回
生 自身の 異
文 化 体 験 が 非 常 に 限 られ た も の で あ る た め に 、 異 文 化 理 解 の 必 要 性 に つ い て の リ ア リテ ィ
の な さ が 否 め ず 、 概 念 的 な 理 解 に と ど ま っ て し ま う こ とが 課 題 とな っ て い た 。 一 方 、 留 学
生 用 科 目 「現 代 日本 論 」 は 前 述 の 短 期 留 学 生 が 主 な 受 講 生 で あ り、 「日本 の 現 代 と伝 統 と
の 関 連 を 体 験 的 に 学 習 し、 日本 に 関 す る理 解 を 深 め る」 こ とを 目 的 と し た 、 日本 国 内 で の
日 本 を 話 題 と し た 科 目 に も関 わ らず 、 身 近 な 国 内 学 生 と と も に学 び を 深 め て い く機 会 で は
な い こ とが 留 学 生 の 不 満 で もあ っ た(和
認 し、2015年
泉 元2013)。
こ の よ うな 両 者 の ニ ーズ の 合 致 を確
前期 に両科 目を合 同開講 す る こ ととな った。 そ こで参考 に した のが 、前 述
の キ ー ・コ ン ピ テ ン シ ー 、 そ して 欧 州 の 言 語 文 化 教 育 に お け る能 力 観 で あ る。
欧 州 で は そ の 政 治 的 背 景 か ら 、 言 語 文 化 教 育 の 目標 は 対 象 言 語 の ス キ ル獲 得 だ け で は な
く、 異 な る 文 化 背 景 を もつ 相 手 と の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン を 通 した 他 者 理 解 の 過 程 で 自 己 を
再 認 識 す る こ と(=異
文 化 間 能 力(1(ramschl993))だ
とい う認 識 が もた れ て い る。20
01年 に は 欧 州 評 議 会 に よ っ て 、 複 数 の 言 語 や 文 化 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 を使 う こ
と に 関 して 肯 定 的 な価 値 観 を 持 っ とい う複 言 語 ・複 文 化 主 義 の 考 え を 基 盤 とす る 「ヨ ー
ロ ッパ 言 語 共 通 参 照 枠(CEFR)(8)」
さ ら に 、Byram(2008)は
が 発 表 さ れ 、 欧 州 の 言 語 政 策 の 骨 格 とな って い る 。
、 言 語 文 化 教 育 は 国 語 教 育 と外 国 語 教 育 、 市 民 性 教 育 の 調 整
の 中 で 捉 え るべ きで あ り、InterculturalCitizenship(相
互 文 化 的 市 民 性(細
川2012))
を 育 て る こ と こ そ が 言 語 文 化 教 育 で あ る と した 。 こ れ は 、 これ か ら の 言 語 文 化 教 育 が 対 象
言 語 の 言 語 的 知 識 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス キル の 習 得 を 最 終 的 な 目標 とす る の で は な く、
前 述 の キ ー ・コ ン ピ テ ン シ ー 同様 、 そ の 知 識 や ス キ ル を用 い て 異 な る他 者 と協 働 す る態 度
を含 む 全 人 間 的 な 資 質 ・能 力 の 育 成 を 目指 す べ き で あ る こ とを示 して い る と言 え よ う。
3-2-2.実
践 の概要
実 践 は 、 受 講 生 の 異 文 化 体 験 や 異 文 化 間 教 育 体 験 の 不 足 に 配 慮 し、 日本 人 学 生 と留 学 生
が 段 階 的 、 体 験 的 に協 働 に よ る学 び が 得 られ る よ う配 慮 して デ ザ イ ン し た(コ
ン の 詳 細 につ い て は和 泉 元 他(印
刷 中)を
ース デ ザ イ
参 照 の こ と)。
本 稿 で は、 紙 幅 の 関 係 上 、 言 語 に 焦 点 を 当 て た 第3回 、 第4回 の 実 践 の 内 容 を示 す 。 第3
回 で は、映 画 「ア ナ と雪 の 女 王 」の 挿 入 歌 で あ る 「
生 まれ て は じ め て 」 を方 言 で 歌 っ たVTR
(9)
-130一
を 視 聴 し、 日本 語 の 方 言 の バ リエ ー シ ョン に触 れ 、 言 語 内 の 多 様 性 を 体 験 的 に理 解 す る こ
とを 目 的 と した 。 さ ら に そ れ ら 方 言 に対 す る 、 留 学 生 、 日本 人 学 生 そ れ ぞ れ の 視 点 か ら の
イ メ ー ジ を共 有 す る こ とで 、 特 定 の 文 化 に 対 す る イ メ ー ジ が 個 人 や 集 団 の 現 実 解 釈 の 仕 方
や 価 値 体 系 に よっ て 規 定 さ れ た も の で あ る とい う こ とへ の 気 づ き に 繋 が る よ う デ ィ ス カ ッ
シ ョン を行 っ た 。
続 く第4回 で は 、 異 な る 言 語 的 、 文 化 的 背 景 を 持 つ 他 者 と こ と ば を 用 い て 交 流 す る体 験
を 通 して 、 自文 化 の 外 言 化 へ の 積 極 的 な 態 度 とそ の 困 難 さ を 体 験 す る こ と を 目 的 と した 。
ワー クシ ー トで は 「
① あ な た の 言 語(方
ぼ(別
言 や 若 者 こ とば を含 む)で
しか表 現 で きない こ と
の 言 語 に訳 す と違 和 感 の あ る こ とば)、 あ る い は 、 ② 同 じ 文 化 の 人 で な け れ ば わ か
ら な い だ ろ う と思 う こ と ば を 挙 げ て 、 そ れ に っ い て ク ラ ス メ イ トに 説 明 して くだ さ い 」 と
指 示 し、 授 業 担 当 教 員 が い くつ か の 例 を 示 した 。 留 学 生 と国 内 学 生 の 混 合 グ ル ー プ に よ る
ワー ク の あ と、 こ の 活 動 を通 して 感 じた 驚 き や 違 和 感 、 共 感 な どの 感 想 を振 り返 りシ ー ト
に記 述 す る こ とで 、 相 互 作 用 的 に こ と ば を 用 い て 異 な る他 者 と相 互 理 解 を して い く こ と の
複 雑 さ と困 難 さ 、 あ る い は 相 互 理 解 に伴 う満 足 感 を 意 識 化 す る こ と を 目 的 と した 。
3-2-3.実
践 を 通 した 学 び
活 動 の 中 で は 、受 講 生 間 で 積 極 的 にや り と りを 行 う様 子 が 観 察 さ れ た 。以 下 に、留 学 生 、
日本 人 学 生 の 気 づ き を 紹 介 す る。
〈留 学 生 の 気 づ き〉
(13)今
日 、 日 本 に あ る ほ か の 方 言 を き い て と て もお も し ろか っ た で す 。 日本 に あ る方
言 が そ ん な に違 う な ん て 思 い も し な か っ た の で す 。 そ して 、 大 阪 の 人 だ っ た の に他 の
方 言 が 好 きだ とい う人 も い て お ど ろ き ま した 。
(14)あ
る種 の 人 に は 自分 が な じ み の あ る 方 言 が 一 番 か っ こ よ く聞 こ え る が 、 逆 に他 の
人 が 始 め て 聞 く方 言 を 一 番 よ く思 う と い う こ と に気 づ き ま した 。 そ れ は 日本 人 学 生 も
留 学 生 も 同 じだ と い え ま し ょ う。
(15)日
本 の 方 言 を 聞 くの に た く さ ん イ メ ー ジ や 意 見 や 感 じ な ど が 出 て き ま し た 。 そ の
イ メージ な どは同 じです けどそれ ぞれ の視点 が違 い ます。ぜ んぜ ん私 が 思わ な かっ た
け ど、 他 の 人 が 思 って い る こ と を 聞 い た ら な る ほ ど な っ て 感 が し ま し た 。
(16)さ
ま ざ ま な 人 の 母 語 は 日本 語 に で き な い こ と ば が す ご くた く さ ん あ る と気 づ き ま
し た 。 自 分 の母 語 を 説 明 して い る時 で も 、 な か なか 通 じ な か っ た ら ち ょ っ とい らい ら
感 じ が し ま し た 。 ほ か の 言 語 で 説 明 し た ら、 そ の 説 明 が ち ょっ と足 りな い 感 じが し ま
した。
上 記(13)は
、 そ れ ま で 単 一・
文 化 と い う認 識 の 中 で 捉 え て い た 日本 語 の 多 様 性 へ の 気
(10)
-129一
づ き に っ い て 言 及 さ れ て い る。 ま た(14)(15)で
は、 それ らの多様 性 に対 す るイメ ージ
の 多 様 性 に も言 及 さ れ て お り、 そ れ が 日本 人 、 留 学 生 と い う二 項 対 立 で は と ら え られ な い
と い う気 づ き に繋 が って い る 。 さ ら に 、(16)で
は 、 母 語 と 日本 語 の 比 較 に よ って そ れ ら
の 言 語 に 関 す る 理 解 を外 言 化 し よ う とす る試 み の 中 で 、 そ の 困 難 さ を 体 験 す る 姿 が 見 て取
れ る。
〈日本 人 学 生 の 気 づ き〉
(17)自
分 の 国 の 言 語 で し か 表 せ な い 言 語 を 探 して い た が 、 自分 は そ う思 って い た が 、
相 手 の 言 語 に も 同 じ ニ ュ ア ン ス の 言 葉 が あ っ た と き は 、 嬉 し く思 っ た 。
(18)京
都 も 私 の 出 身 地 兵 庫 と 同 じ 関 西 圏 な の に 「ね き=近
い 」 と い う私 の 認 知 外 の 言
葉 が あ る こ と に は じ め て 気 づ き ま した 。
(19)沖
縄 弁 の イ メ ー ジ と して 私 は 異 国 の 言 葉 の よ う に 感 じ て い た け ど、 か わ い ぶ っ て い
る と い う意 見 を 聞 い て 驚 い た 。 バ ッ ク グ ラ ウ ン ドの 違 い で イ メ ー ジ も違 う と い う こ と
が よ く分 か っ た 。
(20)私
は 結 果 的 に大 阪 弁 が 一 番 好 き だ っ た が 、 それ は 、 な じ み が あ っ て よ く知 っ て い て 、
歌 の 状 況 と合 っ て い な い こ と の ギ ャ ッ プ が 好 きだ っ た か ら だ と思 う。 逆 に 沖 縄 弁 の よ
うに 違 い す ぎ る と よ く分 か ら な くて 気 持 ち 悪 い 感 じが し た 。
上 記(17)は
母 語 と異 な る言 語 の 比 較 か ら類 似 点 を 発 見 し、 こ れ ま で 意 識 し な か っ た
親 近 感 に 言 及 して い る。 さ ら に、(18)で
は 、 母 語 で あ る 日 本 語 内 の 多 様 性 に気 づ き、 国
や 民 族 とい う概 念 に よ っ て 静 的 に と ら えて い た 「
言 語」 「
文 化 」 の 規 定 の仕 方 に ゆ さ ぶ り
が 掛 け られ た 様 子 が 伺 え る。
(19)(20)で
は 、 な じ み の あ る 日本 語 方 言 に 対 して 留 学 生 が 持 っ た イ メ ー ジ に触 れ た
こ とを き っか け に 、 母 語 や 母 文 化 を 別 の 視 点 で 捉 え 、 そ の 印 象 の 背 景 に あ る 自 己 の価 値 判
断 を客 観 的 に 認 識 し た り、 批 判 的 に 分 析 して い る こ とが わ か る。
こ の よ うに 、 留 学 生 、 日本 人 学 生 と も に本 活 動 で の協 働 を通 して 、 多 様 な 文 化 的 背 景 を
もっ 他 者 と良 好 な 関 係 で 繋 が り、 こ と ぼ を用 い て 理 解 し 合 お う とす る態 度 や 、 「異 な る言
語 」 「異 な る文 化 」 は 「日本 人 対 留 学 生 」 とい う安 易 な 二 項 対 立 で は と ら え られ な い とい
う事 実 を 体 験 的 に 学 ん だ と言 え る。
4.グ
ロ ー バ ル な 視 点 を 持 っ た 教 員 養 成 ・学 校 教 育 と連 動 した 留 学 生 教 育 の 可 能 性
以 上 、 教 員 養 成 の グ ロ ーバ ル 化 に連 動 した 留 学 生 教 育 の 実 践 を報 告 し た 。 本 実 践 で は、
これ ま で 別 の 枠 組 み の 中 で と ら え られ て きた 学 校 教 育 、 教 員 養 成 、 留 学 生 教 育 に お け る言
語 文 化 教 育 にお け る学 び を キ ー ・コ ン ピ テ ン シ ー 等 の 新 し い 学 習 観 、 能 力 観 に 基 づ い て と
ら え な お し た 。 そ の 結 果 、 こ とぼ を 用 い て 異 な る他 者 とつ な が ろ う とす る 態 度 、 母 語 や 自
(11)
-128一
文 化 を 客 体 化 す る姿 が 観 察 さ れ た 。 さ ら に 異 な る他 者 と して 認 識 しや す い 留 学 生 と、 同 一
文 化 の 構 成 員 だ と考 えて い た ク ラス メ イ ト との 協 働 に よ っ て 、 「
文 化 」 を 国 とい う静 的 な
概 念 で は な く、 も っ と複 雑 で 動 的 な 概 念 で と ら え るべ きで あ る こ と を認 識 す る き っか け を
得 た と思 わ れ る 。
グ ロ ー バ ル 志 向 の 流 れ を 受 け て 、 異 文 化 理 解 教 育 の 一 環 と して 留 学 生 が 国 紹 介 を す る と
い う試 み は 、 日本 の 多 くの 教 育 現 場 で 実 践 さ れ て い る も の で あ るが 、 異 な る文 化 に触 れ た
こ とに よ る も の 珍 し さ や 興 奮 の 中 で 一 過 性 の学 び しか 生 ま な い も の も 散 見 さ れ る。ま た 「グ
ロー バ ル 人 材 育 成=英
語 運 用 力 の 育 成 」 とい う発 想 か ら留 学 生 を英 語 指 導 補 助 の た め に の
み 活 用 す る とい う期 待 も未 だ 大 き い 。 本 実 践 は、 外 国 語 教 育 を支 え る母 語 教 育 との 連 携 に
よ り、 キ ー ・コ ン ピテ ン シ ー 等 に 示 さ れ る 資 質 ・能 力 の 育 成 を 目指 して 、 留 学 生 教 育 と学
校 教 育 に お い て 双 方 に と って の 学 び の 場 を 創 設 した とい う点 で 意 義 が あ る と 思 わ れ る。
ま た 、 大 学 教 育 課 程 と は別 の 枠 組 み で 行 わ れ て い るた め に 自然 発 生 的 に は 対 等 な立 場 で
の 交 流 が 生 ま れ に くい 留 学 生 と 日本 人 学 生 が 、 授 業 とい う制 度 的 な 枠 組 み を 保 障 され る こ
とで 安 心 して 他 者 及 び 自 己 と向 か い あ い 、 相 互 理 解 を深 め て い くこ と は 、 キ ー ・コ ン ピ テ
ン シ ー に 示 さ れ る 資 質 ・能 力 を 体 験 的 に 育 成 して い く こ とを 可 能 に して い る と思 わ れ る。
教 員 養 成 大 学 に お け る 「グ ロ ー バ ル 人 材 」 育 成 の 方 略 と して の 留 学 生 教 育 の あ り方 を 検
討 す る た め に は 、 引 き続 き実 践 を 積 み 重 ね て い く必 要 が あ る が 、 日本 の 教 育 課 程 の 中 で の
位 置 づ け を 示 した 上 で 、 そ こ で 学 ぶ 者 た ち の 対 等 な 学 び が 保 障 さ れ る場 の 創 設 が そ の 前 提
で あ る こ と は 言 う ま で もな い 。
参 考文 献
和 泉元 千春(2013)「
言 語 と文 化 の統 合 教 育 実践 に お け る文化 的気 づ き に関 す る 考察 一 「
現代 日
本論 」 の授 業 実 践 か ら一 」 『
奈 良 教 育大 学 国 文一 研 究 と教 育 』第36号 、pp,101-112
和 泉元 千 春 ・岩坂 泰 子 ・吉 村雅 仁 ・大 谷 陽子(2014)「
「
小 学 校 外 国語 活 動 」 を 中心 と した大 学 と
附属 小 学 校 の協 働 実践 」 『
実践 開発 研 究践 セ ンター紀 要 』23号 、pp.239-244
和 泉元 千 春 ・岩坂 泰 子(印 刷 中)「 教員 養 成 大学 にお け るグ ローバ ル化 に連 動 した屋 内学 生 と留 学
生 共修 に よ る言 語 文化 教 育 」 『
奈 良 教 育大 学 次世 代 教 員養 成 セ ンター研 究 紀要 』第2号
岩 坂泰 子 ・大 山万 容 ・吉村 雅 仁(2013)「
グm一 バ ル 教 育 にお け る多 言 語活 動 」『グ ローバ ル 教育 』
日本 グ ローバ ル教 育 学 会第15号
大 津 由紀 雄 ・窪 園晴 夫(2008)『
こ とばの 力 を育 む 』慶 磨 義 塾大 学 出版 会
サ ウ クエ ン ・フ ァ ン(2006)「 接 触 場 面 の 対 ポuジ ー と接 触場 面 研 究 の課題 」 国 立 国語 研 究 所 編
『日本 語 教 育 の新 た な 文脈 一 学 習環 境 、接 触 場 面 、コ ミュニ ケー シ ョンの 多様 性 一 』ア ル ク、
pp.120-141
永 井 涼 子 ・南浦 涼 介(2014)「
大 学授 業 にお い て留 学 生 と 日本 人 学 生 は共 に何 を 学 べ る か 一留 学
生 教 育 と社 会 科教 員 養成 をっ な ぐ試 み 一 」『大 学 教育 』 第11号 、pp.50-67
(12)
-127一
北 海 道 大 学 留 学 生 セ ン タ ー(2014)「[特
集]留
学 生 と 日本 人 学 生 が と も に 日本 語 で 学 ぶ
交 流 科 目 」 の 創 設 」 『北 海 道 大 学 留 学 生 セ ン タ ー 紀 要 』 第18号
細 川 英 雄(2003)「
の
「多 文 化
、pp.1-17
個 の 文 化 」 再 論 一 日 本 語 教 育 に お け る 言 語 文 化 教 育 の 意 味 と課 題 」 『21世
「日本 事 情 」5』
紀
く ろ しお 出 版 、pp.36-51
松 尾 知 明(2015)『21世
紀 型 ス キ ル と は 何 か 一 コ ン ピ テ ン シ ー に基 づ く教 育 改 革 の 国 際 比 較 』 明
石書 店
Byram,M.(2008)FromForeignLanguageEducationtoEducationforIntercultural
Citizenship:EssaysandRefiections,MultilingualMatters,(細
吉 村 由 美 子 訳(2015)『
川 英雄 監 修 、 山 田悦 子 ・
相 互 文化 的能 力 を 育 む外 国 語 教 育 一 グ ローバ ル 時代 の市 民 性 形成 を
め ざ して 一 』 大 修 館 書 店)
Kramsch,C.(1993)ContextandCultureinLanguageTeaching.OxfordUniversityPress.
注
(1)例
え ば 、 北 海 道 大 学 留 学 生 セ ン タ ー で は 、 既 存 の 英 語 に よ る学 部 プ ロ グ ラ ム や グ ロ ー バ ル 人
材 育 成 推 進 事 業 プ ロ グ ラ ム の 中 に 日本 語 に よ る
「多 文 化 交 流 科 目 」 を 必 修 科 目 と位 置 づ け 、 留
学 生 と国 内 学 生 が と も に 日 本 語 で 学 ぶ 、 問 題 解 決 型 ・プ ロ ジ ェ ク ト型 の 授 業 を 創 設 し、(1)留
学 生 と 日本 人 学 生 が と も に 学 ぶ 環 境 の 「制 度 的 」 保 障 、(2)汎
の 育 成 、(3)日
本 人 学 生 の 海 外 留 学 奨 励 ・促 進 の3点
定 し た 支 援 ・教 育(7p)」
用 的 能 力(ジ
ェ ネ リ ッ ク ス キ ル)
を 挙 げ 、 「異 な る 他 者 と交 流 ・摩 擦 を 想
を教 育 課 程 の 中 に組 織 的 に位 置づ け る こ とが
「無 理 な く(大
学 の)
国 際 化 を 進 め る 」こ と に っ な が る 点 を 意 義 と して あ げ て い る(北 海 道 大 学 留 学 生 セ ン タ ー2014)。
(2)D.S.Rychen&L.H.Salganik(eds.)(2003)KeyCompetenciesf()rSuccessfulLifeanda
Well・FunctioningSocienty.Hogrefe&HuberPublishers.(立
田慶 裕 監修
『キ ー ・コ ン ピ テ
ン シ ー 一 国 際 標 準 の 学 力 を め ざ して 一 』 明 石 書 店
(3)国
際 文 化 フ ォ ー ラ ム(2013)『
外 国 語 学 習 の め や す 一 高 等 学 校 の 中 国 語 と韓 国 語 教 育 か ら の
提 言 一』 コ コ出版
(4)「
キ ー コ ン ピテ ン シ ー 」 以 外 に も 、 米 国 連 邦 教 育 省 を 中 心 と した 教 育 機 構 が 提 案 し た
「Partnershipfor21stcen七urySkills」
UNESCOな
(5)日
、 マ イ ク ロ ソ フ ト等 と世 界 の 教 育 科 学 研 究 者 がOECD・
ど の 国 際 機 関 と連 携 して 検 討 した
「21stCenturySkills」
を 参 考 に して い る 。
本 語 ・日本 文 化 研 修 留 学 生 プ ロ グ ラム は 、 海 外 の 大 学 学 部 で 日本 語 ・日本 文 化 に 関 す る分
野 を 主 専 攻 とす る者 を 対 象 と し た1年 間 の 文 部 科 学 省 奨 学 金 日 本 留 学 プ ロ グ ラ ム で あ る。
(6)平
成19年8月16日
文部 科 学省
「言 語 力 育 成 協 力 者 会 議(第8回)配
布 資料 」
(7)『 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 国 語 編 』 文 部 科 学 省 平 成20年6月
(8)CouncilofEurope(2001)CommonEuropθanFramθworkofReferenceforLanguages:
Learning,tθaching,assθssmθnt.CambridgeUniversityPress
(本 学 准 教 授)
(13)
-126一
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