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青色申告制度のあらまし
第1章 青色申告制度のあらまし 第1章 青色申告制度のあらまし ① 農業所得申告納税の現状 ⑴ 青色申告と白色申告 わが国の所得税は、自分の所得と税額を自分で のいずれかの年分の事業(農業)所得等の合計額 が300万円を超える人は、所得税法により記帳・ 記録保存義務が課せられています。 計算し納税するという「申告納税制度」を採って います。 ①記帳義務 農業所得の計算は、実際の収入金額から必要経 事業(農業)所得等についての取引のうち、 費を差し引いて所得計算する「収支計算」が原則 総収入金額及び必要経費に関し簡易な記帳を行 です。 うとともに、その帳簿や取引に関する書類等を 白色申告者は、これまで農業者の記帳の習慣が 一定期間保存しなければなりません。 十分でないこともあり、平成17年分までは農業収 入が200万円未満の農業者に対しては、税務署が 開示する「経費目安割合方式」による申告が認め ②帳簿書類の保存義務 事業(農業)所得等で前年分または前々年分 られていました。しかし、 平成18年分の申告から、 の確定申告書または総収入金額報告書を提出し 農業所得のあるすべての農業者が「収支計算」に ている人は事業(農業)所得に関して作成した よる申告となりました。 帳簿及び書類を5年間(現金預金取引等の書類 一方、青色申告制度は、昭和24年のシャウプ勧 は7年間)保存しなければなりません。 告に基づいて、昭和25年から設けられ、一定の帳 簿を備え付け、日々の記帳に基づいて所得と税額 また事業(農業)所得等を有する白色申告者 が確定申告書を提出する場合には、 を計算し、申告します。白色申告に比べると合理 事業(農業)所得等に係る総収入金額及び必 的な税務申告ができるとともに、いろいろな特典 要経費の内容を記載した収支内訳書を添付し があります。 なければなりません。 白色申告を行うにしても、農業簿記を記帳し、 事業(農業)所得等に係る総収入金額の合計 収支計算する必要がありますので、どうせなら有 額が3,000万円を超える者は、その年分の確 利な特典がある青色申告に取り組みましょう。 定申告書を提出している場合を除き、その合 ⑵ 白色申告者の記帳・記録保存義務 青色申告者には記帳・記録保存義務があります 計額や所得の種類ごとの内訳などを記載した 総収入金額報告書を、その年の翌年3月15日 までに提出しなければなりません。 が、白色申告者であっても前年分または前々年分 1