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12月
第378号
《第400回(2012.12.13)子どもの本の読書会記録》参加者5名・文書参加9名
『ポインセチアはまほうの花』
ジョアンヌ・オッペンハイム/文 ファビアン・ネグリン/絵 光村教育図書
クリスマスにポインセチアを飾るのはなぜ?
今月は、メキシコのクリスマスにまつわる奇蹟
のおはなしです。
父親が失業し、ポサダのお祝いもご馳走もな
いクリスマス。イエス様への贈り物が何もない
ファニータは、つらくて教会に入ることができ
ません。そんなファニータの気持ちを天使像が
受けとめてくれ、像の周りの雑草を持っていく
ように勧めてくれます。ファニータが教会に入
ると、雑草は星の形をしたまっ赤な花に変わっ
ているのです。ファニータの子どもらしい真っ
直ぐな思いが心に響きます。
クリスマスと言えばやはり北欧のイメージが
強いのですが、メキシコのクリスマスってどん
なのかしら?と思いながらページを開きまし
た。ページをめくってめくって、表紙の青から
黄色、赤へ。グラデーション効果もあり、ラス
トで花の赤が強調される・・上手い!!そして
ポインセチア。えっ、メキシコ原産!!雑草の
ようにそのあたりにはえている?驚きです。こ
の時期街にあふれているポインセチアが希望と
喜びの花って素敵ですね。
社会の状況や親の経済力が、子どもの心に及
ぼす影響の大きさも、文章や絵から伝わってき
ます。類似の話はいろいろありますが、クリス
マスの奇蹟の物語は、素直に胸にしみこんでき
ます。
「これこそ本当の意味でのクリスマスだと
感じ入りました。プレゼントやご馳走よりも、
家族や親しい人が健康で平和で、共に生きてい
るということ、一緒にいられるということを
喜び分かち合う日だということを教えてくれて
いるようです」という感想のように、優しいフ
ァニータと家族の幸せを祈らずにはいられませ
ん。
メキシコのクリスマスを描いた絵本に「クリ
スマスまであと9日 セシのポサダの日」エッツ
作、少し古いのですが「クリスマスのつぼ」と
いう絵本が清水真砂子・訳で出ています。ポサ
ダやピニャータのことがよく分かり、メキシコ
の人々の暮らしの様子も伝わってきます。
参加者全員が「これからはポインセチアを見
かけるたびに、この絵本を思い出しそう」と語
っていました。
今年も素敵な本にたくさん出会えた読書会で
した。来年はどんな本に出会えるのかな、楽し
みです。
では皆さん、楽しいクリスマスを!
そして良い新年をお迎えくださいね!!
(C.O)
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