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十二指腸原発 Zollinger‐ Ellison症候群の 1例
日消外会誌 24 ( 8 ) : 2 2 1 6 ∼ 2 2 2 0 , 1 9 9 1 年 十二指腸原 発 Zollinger‐ Ellison症候群 の 1例 旭川医科大学第 2外 科,・同 第 3内 科 近藤 啓 史 棟方 隆 水戸 勉 郎 草 野 満 夫 葛 西 員 一 黒 川 洋 出 下 晃 史 江 端 英 隆 ・ 原 田 一 道Ⅲ Zollinger‐ Ellison症候群 (ZES)は 本邦 で は比較的 まれ な疾 患 で あ り,ま た膵外性 の報告例 も少 な く, 十 二 指腸原発例 の報告pllは 1989年末 までで18例に認め られ るに過 ぎな い。われわれ は選択的血管造影 お よび経皮経肝的問脈 内 カテ ーテル法 (PTPC)に よる門脈採 血 が局在診断 に有用であ り,か つ 治癒切 除 と考 え られ る十二 指腸原発 ZESの 1例 を経 験 したので報 告 した。症例 は57歳,男 性 で 胃潰瘍 で 胃切 除 を受 けて い る。主訴 は心笛部痛 と下血 で入 院 とな った。諸検査 に よ り吻合部 漬瘍 と高 ガス トリン血 症 を認め,ZESを 疑診 した。選択 的血 管造影 お よび PTPCに よる門脈血 中 ガス トリン値 に よ り,十 二 指腸 あ るいは膵頭部 の ガス トリノーマ と診断 し,原 発巣 の切 除 とともに12,13番 の リンパ節郭清 を施 行 した。病理 の結果,十 二 指腸原発 ZESで リンパ節転移 を伴 っていた,本 症例 は治癒切 除 と考 え られ, 術後 5年 の現在,再 発 の兆候 もな く,健 在 で あ る。 Key worda : Zollinger'Ellison syndrome, duodenal gastrinoma, lymph node metastasis of gastrinoma は じめ に Zollinger‐ EllisOn症候群 (ZES)は 比較 的 まれ な疾患 で あ り,本 邦 では220余例 が報告 されてい る11こ れ ら た。 入院 時血 清 ガス トリン値 が600pg/mlと 高値 を示 したので,ZESを 疑診 し,computed tomography(CT 検査),超 音波検査,血 管造影 な どの画像診断 を行 った が,腫 瘍 の局在 は不 明 で あ った。そ の後 H2受 容体措抗 の 中 で膵外性 の報 告例 は少 な く,十 二 指腸原発例 は18 例 (10.8%)と され る11わ れわれ は選択 的血 管造影 お よび経皮経肝的 門脈 内 カテ ー テル法 (PTPC)に よる門 脈採 血 が局在診断 に有用 で あ り,切 除後 5年 間再発 な 第 2外 科入院 とな った。 く経過 した 治癒 切 除 と考 え られ る十二 指 腸原 発 ZES の 1例 を経験 したので,若 子 の文献的考察 を加 え報告 入院時現症 :貧 血 ,黄 痘 な く,心 寓部 に軽度圧痛 を 認 めた 。 す る。 入院時検査成績 :一 般血液 ,生 化学検 査 で は Hbが 11.4g/dlと 軽度減少 してい るほか,特 に異常 は認め な か った。 内分泌学的検査 では早朝空腹 時血 中 ガス トリ ン値 は1,595pg/mlと 高値 を示 した。 また血 中 ソマ ト 症 例 患者 :57歳,男 性. 主訴 :心 寓部痛,下 血 . 家族歴 :特 記す べ き事項 な し. 剤投与 の もとにて通院治療 を行 ったが,治 癒傾 向を認 め な いため,術 後 1年 8か 月 日に残 胃全摘術 を 目的 に 診 し,入 院 とな り,内 視鏡検査 な どに よ り,十 二 指腸 ス タ チ ン値 も26pg/mlと 軽 度 高 値 を 示 した (Table l)。 腫瘍 マ ー カ ーはいずれ も正常範 囲内であ った。 負荷試験 :セ ク レチ ンお よびグル カ ゴン負荷試験 で 下 行脚 の 出血 性 漬瘍 の 診 断 を受 け,胃 幽 門側 切 除 術 (BillrOth II)を 施行 された。 しか し,術 後 1か 月頃 よ 応 を認 めた 。 り再 度心寓部痛 が 出現,内 視鏡検査,上 部消化管造影 の結果,輸 入脚前壁 に吻合部漬瘍 が発見 された 。潰瘍 画 像 診 断 :上 部 消 化 管 造 影,内 視 鏡 検 査 で は Bll‐ lroth II法 の 吻合部輸 入脚前壁 に漬瘍 を認めた (Fig. が難 治性 のため 当院第 3内 科 を紹介 され,入 院 とな っ 1).腹 部 CT検 査,超 音波検査 では肝胆膵 に腫瘤 な ど の異常陰影 は認 め なか った。 固有肝動脈 よ りの選択的 現病歴 i昭 和58年12月心寓部 痛,下 血 を訴 え某 医受 <1991年 4月 17日受理>別 刷請求先 :近藤 啓 史 〒078 旭 川市西神楽 4線 5号 旭 川医科大学第 2外 科 は血 中 ガス トリン値 は両者 とも前値 に比 べ 上 昇す る反 動脈造影 (第 2斜 位 )を 行 うと,静 脈 相 で十二 指腸断 端 の下方,上十 二 指腸動脈 の末精側 に長径8mm大 の卵 119(2217) 1991年8月 Table l Fig。l Laboratory data on adnlission EndOcrin01ogy Hematology RBC 408× 104/mm3 Gattrin 1595 pg/ml Hb Glucagon 103 pg/ml l14g/dl Ht 35 0% Somatostatin 26 pg/mi WBC 5300/mm3 lnsulin 175〃U/ml Pit 12 x 104/mm3 Secretin く50 pg/ml Serum chemistry TP 67g/dl Serotonin 181 TSH 15″IU/ml ng/ml Alb 37g/di ACTH 20 pg/ml T Bl1 03 mg/dl 07 ng/mi く40 pg/ml T cho 202 nlg/dl CH MSH α一 GOT 9KU PTH― C 0 23 ng/ml CPT 7KU T3 07711g/ml ChE 065 zPH AI P 63K― AU Endoscopic picture Shows a ulcer lesion (arrow)on anterior wa1l of the jeiunurn. 7 8 ″g / d l Cortisol ll-OHCS 9 9 ″g / d l TumOr Marker CEA AFP CA19 9 22 ng/ml <5 ng/ml 17 U/ml abnomalities) (underlinesv shO、 ZESと 診 断 し,昭 和 60年12月20日手術 を施行 した. 手術所 見 :膵 お よび十二 指腸 を中心 に検索 したが, 円形 の辺縁 明瞭 な腫瘍膿染像 を認 めた (Fig。2)。 しか し動脈相 では腫瘍 血 管 は 明 らかで なか った。 PTPCに よる門脈 系 よ りの血 液 採 取 :血 中 ガ ス ト リン値 は上 腸間膜 静脈 ,陣 静脈 に比 較 して これ らの合 流部 の右側 が1,530pg/mlと 高値 を示 した (ng.3)。 以 上 の 検 査 結 果 よ り十 二 指 腸 あ る い は 膵 頭 部 の 術 中超音波検査 にて十二 指腸後面 に リンパ節 2個 を発 見 したのみで腫瘤 を同定す るに至 らなか った。手術 は 残 胃全摘術,腫 瘍 が存在す る と考 え られた十 二 指腸断 端切除術 (約3cm),肝 十 二 指腸靭帯 お よび膵頭部周囲 リンパ節郭清術 を施行 した 。 切除標本 :摘 出標本 を詳 しく検索 した ところ,切 除 Fig. 2 Proper hepatic arteriography. a. SD: supraduodenalartery GD: gastroduodenalartery, b. A tumor stain (8X6 mm) is visualized in the duodenum or the head of the pancreas. 120(2218) Ellison症候群の 1例 十二指腸原発 Z01linger・ 日 消外会誌 24巻 8号 Fig. 3 Gastrin values (pglml) in blood samples withdrawn from the superior mesenteric, splenic and portal veins. Fig. 5 Microscopic section shows typical neuroendocrine tumor cells (Hematoxvlin-Eosine stain: magnification X400). Fig. 4 a. Cross-section view of a submucosal gastrinoma (7X6mm). b. Lupe view of the sub. mucosal gastrinoma. 内分泌系細胞 の腫瘍 と診断 した (Fig.5).ま た 郭清 し た際頭部周囲 リンパ節 3個 中 2個 に転移 がみ とめ られ た.ま た 免疫組織化学 的検査 では酵素抗体法 (PAP法 ) に よ り腫瘍細胞 に一 致 して ガス トリン, ソ マ トスタチ ン陽性細胞 を認めた。 手術後経過 :術 後 は特 に合併症 もな く順調 に経過 し た。 血 中 ガス トリン値 お よび ソマ トスタチ ン値 は術直 後 よ り正常値域 に低下 し,そ の後 現在 まで 5年 経過 し たが,正 常範 囲内であ る,セ ク レチ ン,グ ル カ ゴン両 負荷試験 に も無反応 で あ る。 さらに臨床所見 お よび画 像診 断上 も特 に転 移 の所見 は認め な い。 以 上 の 所 見 よ り悪 性 の 十 二 指 腸 原 発 Zollinger‐ Ellison症候群 (gastrinOma)と診 断 し,再 発兆候 が な い こ とに よ り,治癒切 除 の可能性 が 高 い と考 え られた。 考 察 ZESは ,杉 原 に よる と本 邦 で は1983年末 まで に143 例 の報 告 が あ り,そ の うち十 二 指 腸 原 発 ZESは 11例 (8%)で あ る と報告 してい るの,ま た1981年以降1989 年 10月 まで で ZESの 症 例 数 は110例 とされ I),近 年 増 加傾 向 にあ る。十 二 指腸原発例 の うちその詳細 を公表 ・ ■■│ │ │ │ │ │ │ │ l i した十二 指腸断端 内 に腫瘤 を触知 した。 その割面で十 二 指 腸 粘 膜 下 に 長 径7 m m 大 の 灰 白色 腫 瘤 を 認 め た してい ものは,1989年 末 までで 著者 が検索 した ところ では 自験例 を入 れ11例で あ り。 め,自 験例 は 9例 目の もので あ る。 一 方欧米 では ZESは 2,000例以上 の報 告 b がみ られ ,そ の局在 は Hofmann,Foxの いいつ。 そ の 中で十 二 指腸原発 ZESは 比 報告 に詳 し 較 的 まれ で, (Fig.4). 800例中103例 (13%)で あ り,そ の うち十 二 指腸腫瘍 と リンパ 飾 転 移 71Jは25%で あ った と報 告 して い る。 病理組織学的検査 : 十 二 指腸部 の腫瘤 は ヘ マ トキシ リンー エ オジン染色 で粘膜深層 か ら固有筋層 にわた る ZESの 診断 は難 治性漬瘍 ,再 発性漬瘍 を もつ患者 で, 基礎 胃酸分泌 の元進,空 腹時 の高 ガス トリン血 症 を認 121(2219) 1991年8月 め る こ とが依 りど ころ とな るが,腫 瘍 の局在 が不 明な ことも多 い.す なわ ち ZES本 邦例 の集計分では原発巣 を ど こまで 郭 清 す るか につ いて は 今後 の 問題 とな ろ う が , こ の 領 域 の ガ ス トリノ ー マ に 関 して は 明 らか な転 を術前 に発見 しえたのは244/1(16%)と 少 な く,ま た 移 が 認 め られ な い場 合 で も最 低 12番 ,13香 ,可 能 で あ れ ば膵 癌 取 り扱 い 規 約 で の 1, 2群 リンパ 節 の 郭 清 が 手術 して も局在診断 がつ かない もの も多 く,欧 米 での そ の率 は20∼30%と され る819).最 近 は強力 に 胃酸 分泌 必要 と考 え られ る。 を抑制 す る H2受 容体 浩抗 剤 が 開発 され,胃 切 除 よ り ZESの 予後 は 肝 転 移 例 で は不 良 (10年生存 率 30%前 も これ らの結抗剤 を第 1選 択 として使用 し, この間 に 各種 画像 診 断法 に よ り,局 在 診 断 を行 な え る よ うに 後 )と され るが ,肝 転 移 の な い もの で は比 較 的 よ く, そ の うち リンパ 節 転 移 陰 性例 は 10年生 存 率 90%,陽 性 な った。しか し超 音波検査,CT検 査 お よび通常 の血 管 1。 例 60%前 後 とされ る 。 この 症 例 は 根 治 手 術 と考 え ら 造影 では ZESの 小 さな腫瘍 ,際外性 の ものを 同定す る れ るが ,リ ンパ 節 転 移 陽 性 例 で あ り,今 後 も厳 重 な fol‐ のは難 し く,現 在選択 的,超 選択的 血管造影 ,PTPSに low upが 必要 と考 えて い る. よる門脈採 血 な どの検査 が積極的 に施 行 され始 めてい ー る1の ,Ingemanssonら は ガ ス ト リ ノ マ に 対 す る 青森)に おいて発表 した。 PTPSを 応 用 した 門脈 血 採 血 法 の有 用 性 を報 告 して 11)と して近 以来, この検査法 は局在診 断 の決定的方法 年行 わ れて お り,わ れわれ の症例 も この方法 は選択 的 血 管造影 と同様 に局在診 断 に非常 に有用 であ る と考 え られた。 しか し一 方 で,小 腫瘍 お よび多発性 で悪性例 の多 い本症例群 での有用性 を疑 問視す る報告 もあ る。 そ こで 加藤 121はPTPC下 に セ ク レチ ン負荷試験 を行 い,上 昇 した 門脈 血 中 ガス トリン値 を測定す る こ とに よ り腫 瘍 の 局 在 を 検 索 す る方 法 を,ま た Imamura は選 択 的 に動脈 内 に セ ク レチ ンを投 与 して肝 静 ら1ゆ 脈 血 中 ガス トリン値 を測定す る ことに よ り局在 を同定 す る方法 を報告 してお り,今 後試 みて よい方法 と考 え られ る. ZESの 治 療 は 本 症 候 群 が 機 能 性 腫 瘍 お よ び slow の 観 点 か ら腫瘍 の 完 全 growing malignant tuIIlorと が しか し Foxら の統 計ので は とな る。 摘除術 根本手術 60%が 悪性 で多発例 が半数 を占め ,そ の うち80%は す で に転 移 を伴 ってお り, これ らの多 くは根治手術 には な っていない.本邦 で も1164/1の 手術施行例 中根治手術 と考 え られ るものは31例 (27%)と 少 ないの。 そ こで最 近 まで原発巣 の切除 の有無 にかかわ らず, ガ ス トリン の標的臓器 であ る胃へ の付加手術 が行われ ていた 。現 在 は前 述 した よ うに H2受 容体措抗剤 の使 用 に よ り, 十 分 に局在,転 移 の有無 が検索 され,原 発巣 お よび転 移巣 の手術 のみを施 行す る時代 に きた とい える.ま た 1ゆ 同時 に リンパ節郭清 も重要 と考 え られ る。Stabileら “ は Gastrinoma triangle"と 命名 した胆襲管基部 ,十 二 ・ 指腸下行 水平部境 界,際 の頭 ・体部境 界 の 3点 を結 んだ三 角 内 に,36例 中32例 (89%)に ガス トリノー マ を発見 し,ま た 多数 の リンパ節転移 を認 めた としてい る。 リンパ 節転移 の詳細 な検討 のない現在, リ ンパ 節 本論文 の要 旨は第28回日本消化器外科学会総会 (1986年 文 献 1)曽 我 淳 :消 化管 ホル モン産生腫瘍.井 上一知,戸 ー 部隆吉 編.消 化器病 セ ミナ 37,消化管 ホル モン. へ るす出版,東 京,1989,p137-148 2)杉 原 国 扶 :膵 島 細 胞 腫 瘍 :ィ ス ト リ ノーマ, Ellison症 Zollinger・ 候群 の診 断 と治療,日 外会誌 85: 1044--1047, 1984 3 ) 鳴 田 裕 , 片 山哲 夫, 門 田一 宣 ほ か : 十二 指 腸 G a s t r i n o m 1a 例 の. 日 臨 外 医 会 誌 4 3 : 1229--1234, 1982 4 ) 高 木 均, 植 原 政 弘, 小 島 亨 ほ か t T A E と O m e p r a z o l e の併 用 が 効 を 奏 し た Z o l l i n g e r ‐ Ellison症 候 群 の 1例 .Gastroenterol Endosc 30' 2306--2313, 1988 5)大 井成子,金子栄蔵,渡 辺文利 ほか :十二指腸壁在 ガス トリノーマを伴 った多発性内分泌腺 腫症 I型 の 1例 , Gastroenterol Endosc 31:734-739, 1989 6)Hofinann Jヽ V, Fox PS, Wilson SD et al: Duodenal wall tumors and the Zollinger‐Ellison syndromet Arch Surg 107: 334--339, 1973 Vilson SD et ali Sur‐ Ellison syn‐ gical lnanagement of the Zollinger‐ 7)Fox PS,Hofinann JW,ヽ drome.Surg Clin North Am 54 i 395-407, 1974 8)Zollinger RM: Gastrinoma i factors inauencing prognosis Surgery 97:49-54, 1984 9)Vogel SB,ヽ Volfe MM,McGaigan JE et 41: Localization and resection of gastrinomas in Ellison syndrome Ann Surg 205: Zollinger・ 550--555, 1987 1 0 ) 杉原国扶, 羽 生 盃 ! ガ ス トリノーマ, Z o l l i n g e r ‐ Ellison症 候 群 の 診 断 と治 療. 内 分 泌 外 科 2 i 439--447, 1985 V, Vinik AI, Eckhauser FE: 11)Thompson Nヽ Microgastrinomas of the Zollinger‐Ellison syn‐ drome` a cause of failed operation for the Ellison症 候群 の 1例 十二指腸原発 Z。1linger‐ 122(2220) Zollinger‐ Ellison syndrome Ann Surg 209: 8号 syndrome. Ann Surg 205:230-239, 1987 14) Stabile BE, Morrow DJ, Passaro EP: The gastrinoma triangle. Am J Surg L47 '.25-31, 1984 15) Stabile BE, Passaro EP: Benign and malignant gastrinoma. Am J Surg 149 : 144-150, 396--404, 1989 12)加 藤紘之 :際 島細胞腫瘍 の局在診断,特 に PTPC 法 の有用性 と問題点.笹 野伸昭,黒 田 慧 編,際 島細胞腫瘍,医 学 図書出版,東 京,1983,p64-75 13)Imamura l旺 ,Adachi H,Takahashi K et alt Usefuiness of selective atterial secretin injec・ tion test in patients with the Zollinger‐ Ellison A Case Report of Zollinger-Ellison 日消外会誌 24巻 r985 Syndrome Arising from the Duodenurn KeishiKondo,MitsuoKusano,Akihumi Yamashita,TakashiMunakata,Shin-ichiKasai,HidetakaEbata, MichioMito, HiroshiKurokawa*andKazumichiHarada* The SecondDepartmentof Surgery,*The Third Departmentof InternalMedicine,AsahikawaMedicalCollege A caseof malignantgastrinomaarisingin the duodenumis reported.The patientwas a s7-year-old manwho underwentsubtotalgastrectomyandBillroth II anastomosis followinga diagnosisof duodenalulcer.A monthlater epigastricpain and hematemesis gastrinoma,he was referredto our hospitalfor developed. Because of suspected evaluationand treatment. His fasting serum gastrin concentrationwas 600 pg per ml, and the results of intravenoussecretionand glucagoninjectiontests were consistentwith gastrinoma.Ultrasonography and CT scanningfailed to revealthe presenceof any tumor in the pancreaticrqion. Selectiveangiographyof the common hepaticartery andpercutaneous transhepaticvenoussamplingof gastrinsuggested the presence of an &mm mass in the duodenumor the headof the pancreas.At surgeryno tumor was foundin the duodenumor pancreas,and total gastrectomy,excisionof the duodenalremnantand dissectionof the lymph nodesbehindthe headof the pancreaswereperformed.A tumor wasfoundin the duodenalremnant.Microscopically, the tumor andthe lymph nodelesionswere diagnosedas gastrinomaand metastases.Tv/o daysafter excisionof the tumor and the lymph nodesthe serumgastrin levelhad droppedto 45 pg per ml. The patient is alive without recurrencefive yearsafter the secondoperation. Reprint requests: Keishi Kondo The SecondDepartmentof Surgery,AsahikawaMedicalCollege 4-5,Nishikagura,Asahikawa,078JAPAN