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第1回伊丹市交通・災害等共済審議会資料(PDF:1.7MB)
資料① 伊丹市交通災害等共済・災害共済事業の 現状と課題について 平成27年6月4日(木) 第1回伊丹市交通・災害等共済審議会 資料 目 次 1.交通災害等共済事業の経緯と現状 ・・・・・・・・・・ 1 2.交通災害等共済事業をとりまく状況 ・・・・・・・・・・ 2 3.交通災害等共済事業の課題 ・・・・・・・・・・ 3 4.災害共済事業の経緯と現状 ・・・・・・・・・・ 4 5.災害共済事業をとりまく状況 ・・・・・・・・・・ 5 6.災害共済事業の課題 ・・・・・・・・・・ 6 7.交通災害等共済・災害共済の今後の方策 ・・・・・・・・・・ 7 1.交通災害等共済事業の経緯と現状 ○昭和42年:発足 ○昭和49年:学童災害共済(昭和45年発足)との合併 ○概 要:500円の年会費(平成2年度まで365円)で交通 事故被害者や学校管理下以外で被害を受けた 児童等に見舞金を支給する共済制度として、 市が運営している。 加入率及び共済会費収入の推移 加入率 60% 共済会費収入(円) 44,262千円 54.3% (加入率最大) 加入率(%) 共済会費収入 (会費収入最大) 50% 40% <発足時>・車の増加に伴う交通事故の増加 ・民間保険が充実していない ⇒市民相互の共助・連帯の仕組みとして受け入れら れてきた。 <現 在>民間保険商品の充実による市民のニーズの変化 ⇒加入率の減少が続いている。 見舞金支給額と支払件数 見舞金支給額 50,000千円 50,000千円 794件 44,981千円 (最大時) 支払件数 1,000件 40,000千円 800件 30,000千円 315件 600件 17,634千円 20,000千円 20,000千円 400件 17.2% 5,568千円 10,000千円 千円 0 100件 3,837千円 10,000千円 200件 0 千円 S42 S49 S59 H7 H10 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 実質的な単年度収支 支払件数 40,000千円 20% 0 0% 見舞金 25.3% 23,910千円30,000千円 30% 10% (資料編P1~8) 0件 S42 S49 S60 H5 H10 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 基金残高 ※会費収入と人件費・物件費・見舞金の差額 94,238千円 (基金最大時) 100,000千円 6,000千円 1,162千円 2,000千円 0 △2,000千円 80,000千円 60,000千円 43,583千円 見舞金見直し 40,000千円 △6,000千円 △10,000千円 △14,000千円 赤字常態化 △14,220千円 S42 S49 S51 S59 S60 H5 H11 H15 H21 H22 H23 H24 H25 H26 31,250千円 20,000千円 0 千円 H5 H10 H12 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 1 2.交通災害等共済事業をとりまく状況 (資料編P9~11) (1)自転車事故による損害賠償額の高額化 東京地方裁判所、2008年6月5日判決 神戸地方裁判所、2013年7月4日判決 賠償額9,266万円 兵庫県が自転車損害賠償保 険加入義務づけ条例を制定 賠償額9,521万円 男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手 前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を 自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝 突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失 等)が残った。 男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車 で走行中、歩道と車道の区別のない道路において 歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨 骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となっ た。 (平成27年4月1日施行、保険加入義務 化は10月1日より) ほか多数 (2)民間保険商品の充実 ●主な自転車賠償補償保険 保険名 ひょうごのけんみん自転車保険制度 (兵庫県交通安全協会) こども総合保険 (自転車安全対策補償プラン) (兵庫県PTA協議会) TSマーク付帯保険 (日本交通管理技術協会) 三井住友海上保険㈱ 掛金 (ヤフー株式会社) おとなの自動車保険(補償特約) セゾン自動車火災保険株式会社 賠償補償(限度額) 1人年額1,000円~3,000円 1人年額1,200円~3,600円 死亡・後遺障害 最大3,000万円 5,000万円~1億円 入院2,000円/日 自転車の点検整備料 1,000円~2,000円程度 1人(個人型)年額4,490円 ちょこっと保険(ご家族まるごと損害賠償プラン) 傷害補償 死亡・後遺障害 最大1,000万円 5,000万円~1億円 入院2,000円/日 死亡・後遺障害 最大100万円 入院最大10万円 死亡・後遺障害 最大500万円 入院6,000円/日 1,000万円~5,000万円 1億円 家族年額1,440円~2,760円 入院500円/日 5,000万円 自転車傷害特約2,000円程度 個人賠償責任特約1,500円程度 ※契約条件により変動あり 死亡・後遺障害 最大500万円 入院最大10万円 無制限 (個人賠償責任特約) 自治体が運営する必要性は 薄れている その他、多種多様な保険が充実 (3)県下他市町の動向 廃止市町 相生市、明石市、赤穂市、芦屋市、小野市、加古川市、加 西市、川西市、篠山市、三田市、洲本市、高砂市、宝塚市、 丹波市、西脇市、三木市 一部事務組合市町 朝来市、淡路市、加東市、宍粟市、たつの市、豊岡市、南 あわじ市、養父市、県下12町 ※尼崎市、神戸市、西宮市、姫路市は、非営利組合の市民共済生活協同組合が運営 直営継続市町 伊丹市 県下では本市のみ 2 3.交通災害等共済事業の課題 課題1 ○個人賠償責任補償が付加されていない。 本共済の対象は、会員本人の死傷に対する 見舞金のみ。 ・高額化する損害賠償に対応できない。 ・県条例による損害賠償保険加入義務化 に対応できない。 (資料編P9~13) 課題2 ○補償内容の多様な民間保険等の商品の充 実と加入者の減少 最大加入率54.3% (昭和59年度) ⇒ 25.3% (平成26年度) 市民ニーズと乖離している 平成26年度より見舞金を引き下げたが、歳出に占める経 常経費(人件費・物件費)のウエートが大きく、加入率 が22%を下回ると実質的な単年度収支が赤字となる。 課題3 ○見舞金支給に関する専門性の不足と管理シス テムの未導入 ・見舞金の支給においては、医学的な知識等が必要とな る場面もあるが、現状では一般行政職員のみで判断せ ざるを得ない。 ・一連の情報処理が電子化されていないことから、効率 性に課題を抱えている。 ・事務にかかる人件費を両共済で1人/年として算出して いるが、受付・請求等の事務に担当職員以外の職員が 対応する場合も多く、実質3人/年程度が必要となって いる。よって、実態として共済事業特別会計に計上さ れない一般会計からの繰入(税の投入)がなされている。 平成26年度伊丹市自転車等対策審議会答申書より 「 「一般の方は傷害保険と賠償責任保険の違いを理 解されている方が少ないのではないかと思う。」 と議論がありましたが、 ( 中 略 ) この共済制度が市民の損害賠償保険への加入を阻 害していることも考えられ、共済制度のあり方そ のものを検討すべきと考えます。 」 3 4.災害共済事業の経緯と現状 ○昭和47年度:発足 ○概 要:建物500円、動産300円の年会費(平成3年度ま で建物600円、動産400円)で火災・風水害等に より被害を受けた加入者に見舞金を支給する市 民の共済制度として、市が運営している。 ①加入率と共済会費収入の推移 35.5% 14,577千円 (最大時) 加入率 40% (資料編P14~19) <発足時>相互救済の観点や安価な掛け金から、 市民生活の安全・安心への担保的役割を果たしてきた。 <現 在>民間保険商品の充実等から加入者の減少が続いている。 加入率 見舞金支給額と支払件数 共済会費収入 見舞金支給額(千円) 共済会費収入 見舞金 支払件数 支払件数(件) 982件 79,865千円 (最大時) 900 80 16,000千円 12,000 80,000 35% 14,000千円 10,000 30% 19.7% 12,000千円 10,542千円 25% 8,000 10,000千円 20% 8,000千円 6,000 40 6,000千円 4,000 30 31件 2,129千円 20 15% 19.2% 6,075千円 10% 60 50 4,000千円 5% 2,000千円 千円 0% S47 H6 70 10 0 0 S47 H7 H10 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 実質的な単年度収支の推移 8件 690千円 2,000 H6 H7 H10 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 ④基金残高 ※会費収入と人件費・物件費・見舞金の差額 5,000千円 200百万円 0 千円 160百万円 181百万円 (最大時) 146百万円 2,972,633円 △5,000千円 120百万円 △10,000千円 80百万円 △15,000千円 △74,136,510円 (最大時) △70,000千円 △20,000千円 S47 H6 H7 H10 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 40百万円 百万円 0 S47 S50 S55 S60 H1 H5 H10 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 4 5.災害共済事業をとりまく状況 (資料編P20~21) (1)民間保険商品の充実 ●主な住まいの保険 保険名 フェニックス共済 (兵庫県住宅再建共済制度) じぶんでえらべる火災保険 セゾン自動車火災保険(株) GKすまいの保険 三井住友海上(株) ホームライフ総合保険 AIU損害保険(株) 対象 自然災害 (地震、風水害、落雷) 火災、落雷、爆発 オプション(地震、風水害等) 火災、落雷、爆発、風水害 オプション(地震等) 火災、落雷、爆発、風水害 オプション(地震等) トータルアシストすまいの保険 東京海上日動火災保険㈱ 火災、落雷、爆発、風水害 オプション(地震等) その他、損保会社よる多種多様な民間の火災保険が充実 ※保険金額については、面積、築年数等で異なる 民間保険の普及による選択肢の増加などから、自治 体が直営で運営する必要性は薄れている。 ※県下他市町では現在、災害共済を実施していな い。 ※地震保険 <特徴> ・火災保険に付帯する方式での契約のみ ・火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で地震保険の金額を決めること が可能。但し、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度。 ・保険料は、建物の構造、所在地により算出。 (2)今後30年以内の地震発生の可能性 南海トラフ地震(海溝型地震) 地震の規模 : 地震発生確率: 本市最大震度: 平均発生間隔: M8~9クラス 30年以内に、70%程度 震度6弱~強 88.2年 上町断層帯(内陸の活断層で発生する地震) 地震の規模 : M7.5程度 地震発生確率: 30年以内に、2%~3% (兵庫県南部地震発生時0.02~8%) 本市最大震度: 震度6強~7 平均活動間隔: 8,000年程度 大規模地震の発生確率が高まる 中、地震による被害に対する備え が必要。 出典:文部科学省地震調査研究推進本部「地震発生可能性の長期評価」 5 6.災害共済事業の課題 (資料編P20~22) 課題1 課題2 ○大規模地震に対する補償が付加されていな い。 ○補償内容の多様な民間保険等の商品の充実 と加入者の減少 ⇒被災者の生活の安定に寄与できず、制度 創設の目的を達成できない。 ⇒民間の地震保険は、火災保険のオプショ ンでしか加入できない(フェニックス共 済除く)ことから、本市災害共済事業の 加入が地震保険の加入を阻害していると 想定される。 最大加入率35.5% (平成7年度) ⇒ 19.7% (平成26年度) 市民ニーズと乖離している 見舞金の最高額が建物50万円、動産35万円となっており、 住宅・家財再建の原資とはなりえない。 平成26年度より見舞金を引き下げたが、歳出に占める経 常経費(人件費・物件費)のウエートが大きく、加入率 が15%を下回ると実質的な単年度収支が赤字となる。 課題3 ○見舞金支給に関する専門性の不足と管理 システムの未導入 ・見舞金の支給においては、家屋診断をはじめ、専門 的な知識が必要となる場面が多く、現状では一般行 政職員のみで判断せざるを得ない。 ・一連の情報処理が電子化されておらず、効率性に課 題を抱えている。 ・事務にかかる人件費を両共済で1人/年として算出し ているが、受付・請求等の事務に担当職員以外の職 員が対応する場合も多く、実質3人/年程度が必要と なっている。よって、実態として共済事業特別会計 に計上されない一般会計からの繰入(税の投入)がな されている。 6 7.交通災害等共済・災害共済事業の今後の方策 (1)第1案「現状維持」 留意点 会費・見舞金を現行通り据え置き、共済 制度を維持。 (2)第2案「共済事業の内容の充実」 交通災害等共済には損害賠償補償を、災 害共済には地震被害に対する補償を付加。 ・共済事業が抱える課題の放置になる。 留意点 ・高額な損害賠償補償や大規模地震発生時の多数 の見舞金請求に対応するため、莫大な基金の積 み立てが必要。 ・損害賠償にかかる保険事務は高度な専門知識が 必要であり、自治体での運営は困難。地震保険 は1度の見舞金支給額が莫大になることから基礎 自治体単位での運営はリスクが大きすぎる。 (3)第3案「廃止」 本市共済会員の他制度への移行を促し、 両共済制度を廃止。 留意点 ・加入者への十分な説明と周知。 ・保険業法等の関係法令に基づいた移行 スキームの検討。 ・廃止後の基金の使途の検討。 7