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セフタジジムの肺炎および気管支組織内移行に関する検討

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セフタジジムの肺炎および気管支組織内移行に関する検討
CHEMOTHERAPY
492
APR. 1993
セ フ タ ジ ジム の肺 炎 お よび気 管 支組 織 内移 行 に関 す る検 討
中 井
勲1)・ 徳
武
弘1)・ 溝 辺
雅 一2)・ 高
1)国立療 養 所松 江 病 院*
田
島
武1)・ 永 松
昌 子1)
井
力2)
2)田辺 製 薬株 式 会 社製 品 研 究所
(平成4年9月28日
肺 癌 手 術 患 者(43歳
∼79歳)37人
受 付 ・平成4年12月10日
を対 象 に セ フ タ ジ ジ ム(CAZ)の
移 行 に つ い て検 討 した 。 術 前CAZ19を1時
率)と
1,肺
お よ び 気 管 支 組 織 内 のCAZ濃
度 推 移 は類 似 し,最
の 平 均 濃 度 は30∼35μ9/9と
血 清 中 濃 度AUCの
2.70歳
以 上,70歳
未 満)・ 肺 機 能(%VC,1秒
移行 性 の関係 につ いて検討 した。
分 前 後 に得 られ,そ
AUCは
肺 お よび気管 支組織 内
間 点 滴 静 注 し,肺 組 織 ・気 管 支組 織 を 採 取,CAZ
濃 度 を測 定 し,薬 物 速 度 論 的 解 析 お よ び 年 齢(70歳
量,1秒
受 理)
肺48.0%,気
以 上 と70歳
高 濃 度 は そ れ ぞ れ 点 滴 終 了 後15
推 算 さ れ た。 ま た,両 組 織 内CAZ濃
管 支37.2%と
度の
計 算 さ れ た。
未 満 とで は肺 お よ び 気 管 支 組 織 内 へ の移 行 性 に は 差 の な い こ とが 示 唆
され た 。
3.肺
お よび 気 管 支 組 織 内 濃 度 と肺 機 能 パ ラ メー タ に関 し相 関 解析 を行 っ た 結 果,気
織 内濃 度 と1秒 量 ま た は1秒 率 の 間 に若 干 の 対 応 傾 向(0.10>P>0.05)が
支 組 織 内 濃 度,気
0.05)は
管 支 組 織 内 濃 度/肺
組 織 内 濃 度 と%VC,1秒
年 齢,肺
機 能 に 関 係 な く肺 お よ び 気 管 支 組 織 内 に 良 好 な 移 行 を示 し,
そ の 広 い 抗 菌 ス ペ ク トル か ら もCompromised
Empiric
therapyな
words:セ
フ タ ジ ジ ム,肺
セ フ タ ジ ジ ム(CAZ)は
を 有 し,2位
diniummethyl基
maseに
示 す構 造 式 を有 す
とcarboxypro-
のcarboxyl基
と3位
のpyri-
に よ る ベ タ イ ン 構 造 に よ り,β-1acta-
対 す る 安 定 性 が 向 上 し,緑
nassp.に
・気 管 支 組 織 内移 行,薬
英 国 グ ラ ク ソ社 で 合 成 さ れ た セ
側 鎖 にaminothiazole基
pyloxyimino基
hostの 感 染 症 を含 め た 各 種 呼 吸 器 感 染 症 の
ど に も効 果 が 期 待 で き る と考 え られ る 。
フ ァ ロ ス ポ リ ン 系 抗 生 物 質 で,Fig.1に
る。CAZは7位
管
率 と の 相 関 性(P<
認 め られ な か っ た 。
以 上 の よ う に,CAZは
Key
量,1秒
管 支組
あ る も の の,気
も抗 菌 力 が 増 強 さ れ,グ
膿 菌 な ど のPseudomoラ ム陽性 菌 か らグ ラム
陰 性 菌 ま で 広 い 抗 菌 ス ペ ク トル を 有 し て い る 点 を 特 徴 と
物 速 度 論 的 解 析,AUC,点
滴静 注
し,呼 吸 器感 染 症 を含 む各 種感 染症 に効 果 が期待 され る。
術後 の肺 合併 症 は治療 に難渋 す るが,特 に呼吸 器 の術後
の肺 合併 症 は しば しば致 命 的 とな る。 そ の ため に術 前 よ り
禁 煙,腹 式 呼吸 の練 習,術 後 も早期 の体 位変 換,ネ フライ
ザー な どが 励行 され る。 その 中で も抗 生 剤 の投与 はきわ め
て重 要 な要 素 で,よ り効 果 的 な,よ り副 作用 の少 な い薬剤
が必 要 とな って くる。
我 々 は この 目 的 の た め に,今 回 肺 癌 手 術 患 者 を対 象 に
CAZの
肺 お よび気 管 支 組 織 内 移 行 に 関 す る検 討 を行 った
の で報 告 す る。
1.対
肺 癌 手 術 患 者(43歳
象
∼79歳)37人
を 対 象 にCAZ
の 肺 お よ び 気 管 支 組 織 内 移 行 に つ い て 検 討 し た。術 前
Fig. 1.
Chemical
*松 江 市 上 乃 木5丁
structure
目8 -31
of ceftazidime.
CAZ19を1時
間 点 滴 静 注 し,肺 組 織 ・気 管 支組 織 を
採 取,CAZ濃
度 を 測 定 し,薬 物 速 度 論 的 解 析 お よび
年 齢(70歳
以 上,70歳
未 満)・ 肺 機 能(%VC,1秒
VOL.41
量,1秒
CAZの
NO.4
肺 ・気管 支組 織内移 行
493
率)と 移 行 性 の 関 係 に つ い て 検 討 し た。
II.方
法
(1)対
象
肺癌 手術 患 者 で 年 齢43∼79歳,男30症
例の計37症
(2)投
例,女7症
例 を対 象 と した 。
与方法
CAZ19を100m1の
生 理 食 塩 水 に 溶 か し,1時
間
点滴静 注 した 。
(3)検
1)肺
1)
体 の採 取
組織 および気管 支組織
約2∼59を
点滴終了後
採 取 し,生 理 食 塩 液 で 洗 浄 後-10℃
に
て凍 結 した。
2)CAZ濃
度 の測定
組 織 を秤 量 後 そ の3倍
(pH7.0)を
量 の0.1Mリ
加 えhomogenateを
ン酸 緩 衝 液
作 成 し て3,000rpm
2)
15分 間遠 心 沈 澱 後 そ の上 清 を 測 定 に 供 した 。
濃 度測 定 は測 定 用 培 地 にdiagnostic
agar(OxoidpH7.4)を
ATCC
sensitivity test
使 用 し,Proteus
mimbilis
21100を 検 定 菌 とす る 薄 層 デ ィス ク法 に よ り施
行 した。標 準 液 は0.1Mリ
メ ー タ(K13,K31)を
物速度論 的解析
お よび気管 支
推 定 し た。 カ ー ブ フ ィ ッ テ ィ ン
グ に は非 線 形 最 小 自乗 法 プ ロ グ ラ ム 「NONLIN」
今 回 の 解 析 に 用 い た モ デ ル をFig.2に
示 す。 この
モ デ ル は 肺 お よ び 気 管 支 を 微 小 コ ン パ ー トメ ン ト
(Compartment3)と
を あ て は め 式 に用 い,肺
組 織 内 濃 度 デ ー タ を非 線 形 最 小 自 乗 法 に よ りカ ー ブ フ
ィ ッ テ ィ ン グ し,組 織 内 濃 度 推 移 の 計 算 に必 要 な パ ラ
ン酸 緩 衝 液(pH7.0)で
作成 した標 準 液 系 列 を 用 い た 。
3)薬
今 回 の デ ー タ は点 滴 終 了 後 に測 定 さ れ た もの の み で
あ る の で,2つ
お き,そ れ ぞ れ の 組 織 に お け る
を使
用 し た。 ま た,血 清 中 濃 度 の 動 態 を表 す パ ラ メ ー タ に
つ い て は健 康 成 人6名
にCAZ19をoneshotし,そ
の 際 の 血 清 中 濃 度 か ら求 め ら れ て い る 値(α=2.684
薬物量 は全 身 に分 布 す る薬 物 量 に比 べ て 無 視 で き る程
h-1,β=0,438h-1,K21=1.224h-1,V1=5.141)を
度 に小 さ く,両 組 織 内 の 薬 物 量 変 化 はCompartment
用 い た1)。す な わ ち,こ
1お よびCompartment2内
ブ フ ィ ッテ ィ ン グ に お け る 定 数 値 と お い た。 ま た,本
の 薬 物 量 に 影 響 を与 え な
い と仮 定 す る もの で あ る。
試 験 条 件 に お け る点 滴 静 注 時 の血 清 中 濃 度 推 移 も本 パ
Fig.2の モ デ ル に お け る 点 滴 静 注 時 の 肺 お よ び 気 管
支組 織 内 濃 度(C3(t))は
以 下 の1),2)式
ラ メ ー タ よ り計 算 した 。
III.結
で表す こ
とが で きる。
(1)肺
果
お よ び 気 管 支 組 織 内CAZ濃
度 の薬物 速 度
論 的解析
点滴 中
T:点 滴時 間(h)
V1:Compartment1の
れ らのパ ラメー タの値 を カー
CAZlgを1時
分 布 容 積(1)
ら240分
間 点 滴 静 注 し,投 与 開 始80分
後 に採 取 さ れ た 肺(35症
Compartment 1: blood
Compartment 2: tissue
Compartment 3: lung and bronchi
K0: infusionrate of CAZ
K10:rate constant for eliminationof CAZfrom compartment1
K12: rate constant for transfer of CAZfrom compartment1 to compartment2
K21: rate constant for transfer of CAZfrom compartment2 to compartment1
K13: rate constant for transfer of CAZfrom compartment1 to compartment3
K13: rate constant for transfer of CAZfrom compartment3 to compartment1
CAZ, ceftazidime.
Fig. 2.
Pharmacokinetic
analysis
model.
例)お
後 か
よび気 管 支
CHEMOTHERAPY
494
Table
*Time
1. Lung and bronchia levels of ceftazidime
drip infusion of 1g for 1 hour
after initiation of drip infusion .
APR.
after intravenous
1993
VOL.41
CAZの
NO.4
Fig. 3.
Lung
time
Table
2.
and
curves
Transfer
rate
and lung
or bronchi
bronchial
after
between
肺 ・気管 支組 織 内移 行
levels
intravenous
495
of ceftazidime
drip
infusion
and
simulated
of 1g for 1 hour.
serum
(37症 例)組 織 内 濃 度 を 解 析 の 対 象 と し た 。 こ れ らの
データ をTable1に
ま とめ て 示 す 。
推 算 され たCAZの
肺 お よび 気管 支組 織 内へ の移 行
に関 す る速 度 定 数 をTable2に
示 し,こ れ よ り計 算 さ
れる両 組織 内濃 度 の 推 移 曲 線 をFig.3に
肺 お よび気 管 支 組 織 内 濃 度 デ ー タ は か な りの 個 体 間
バ ラツキ が あ っ た が,点
Simulated
in serum,
venous
drip
time
courses
lung
and
infusion
of
bronchi
of 1 g for
ceftazidime
after
intra-
1 hour.
滴 中漸 次 増 加 し,点 滴 終 了 後
約15分 で 最 高 組 織 内 濃 度(肺;約35μg/g,気
30μg/g)に
Fig. 4.
level
示 した。
管 支;約
Table
3. AUC
of serum,
lung
and bronchi
到 達 す る と推 定 さ れ た 。
参考 まで に,血 清 中 濃 度 推 移 と対 比 さ せ る と(Fig.
4),肺 お よび 気 管 支 組 織 内CAZ濃
度 は最 高濃 度 に到
達後,血 清 中 濃 度 と ほ ぼ 平 行 して 減 少 す る と計 算 され
た。
(2)肺
お よ び 気 管 支 組 織 内CAZ濃
度 のAUC
(濃度 ∼時 間 曲線 下 面 積)
肺 お よ び気 管 支 組 織 内 へ の移 行 性 を み る た め,両
織 にお け るAUCを
した(Table3)。
と計 算 され,そ
計 算 し血 清 中 濃 度 のAUCと
そ の 結 果,肺48.0%,気
組
対比
の 移 行 が 良 好 で あ る こ とが 示 唆 さ れ
た。
(3)肺
お よび 気 管 支 組 織 へ の 移 行 性 と年 齢 と の 関
4に 示 した。
に差 異 は認 め ら
れ ず,肺 お よび気管 支組 織 内へ のCAZの
移行 性 には
差 はな い と考 えられた。
(4)肺
お よび気 管支組 織 内濃度 と肺機 能 パ ラメー
タ との相 関性
係
肺 お よ び 気 管 支 組 織 内CAZ濃
上(肺 お よ び 気 管 支 共 に13症
22症 例,気 管 支24症
を計 算 した。 結果 をFig.5お よびTable
両群 にお ける濃度推 移 お よびAUC値
管 支37.2%
例)と
度 デ ー タ を70歳
例)と70歳
に分 け,こ
以
未 満(肺
れ らの そ れ ぞ
れ につ きカ ー ブ フ ィ ッ テ ィ ン グ し,濃 度 推 移 とAUC
肺 お よび気管 支組 織 内濃 度 と肺機能 パ ラ メー タに関
す る相 関 図 と回 帰 直 線 式 をFig 6に 示 し た。 ま た,
相 関係数 と有意 差検 定結 果 をTable
5に 示 した。
気 管支組織 内濃度 と1秒 量 また は1秒 率の 間 に若 干
CHEMOTHERAPY
496
Fig. 5.
Lung
aged
and bronchial
>70
and those
in patients
aged
aged
levels
APR.
of ceftazidime
in patients
570.
の対 応傾 向(0.10>P>0.05)が
Table
4. Comparison
and those
of AUC
>70
aged>70
1993
あ る ものの,気 管支
組織 内濃 度,気 管 支組 織 内濃 度/肺 組 織 内 濃度 と%
VC,1秒
量,1秒 率 との相 関性(P<0.05)は
認め ら
れ なか った。
IV.考
察
免疫 機能 の低下 した患者 で は緑膿 菌 などの弱毒菌が
菌交代 症 や 日和 見感染 を起 こしや す く難治性感染症 と
な る場 合 が多 い。 呼吸 器感染 症 において も,特 に院内
感染 で は この よ うな免 疫機能 の低下 した患者が多 く緑
膿 菌 な どの弱毒菌 は高頻 度 で検 出 されそ の治療 に難渋
す る こと も多 い。
緑 膿 菌 に抗 菌 力 を もつ セ フ ェム系 抗生 物 質 として
Table
5.
Correlation
between
respiratory
function
bronchial
level
of ceftazidime
%VC: percentage vital capacity.
FEV1,0: forced expiratory volume in 1.0 sec.
FEV1,0%: percentage
forced expiratory
volume in 1.0 sec.
and
VOL.41
CAZの
NO.4
a) %VC
肺 ・気管 支粗織 内移 行
vs bronchial level
497
d) FEV1,0% vs bronchial level
e)FEV1,0%
vs levol ratio of
bronchi to lung
b) %VC vs level ratio of
bronchi to lung
c) FEV1.0 vs bronchial level
Fig. 6.
Correlation
ratory
は,セ フ ス ロ ジ ン(CFS),セ
(CRMN)な
bronchial
フ ォ ペ ラ ゾ ン(CPZ),
セ フ ピ ミ ゾ ー ル(CPIZ),セ
あ り,ま た,ア
between
フ ピ ラ ミ ド(CPM)が
ズ ト レ オ ナ ム(AZT),カ
ルモナ ム
どの モ ノバ ク タ ム 系 抗 生 物 質 も抗 緑 膿 菌
of ceftazidime
and
respi-
い る と考 え られ る。
今 回,こ
のCAZの
肺 お よび気管 支組 織 内 への 移行
を 検 討 す る機 会 を得,次
の よ う な成 績 が 得 ら れ た 。 肺
お よ び 気 管 支 組 織 内 のCAZ濃
度 推 移 は 類 似 し,最
濃 度 は そ れ ぞ れ 点 滴 終 了 後15分
作 用 を持 つ 。
しか し,そ の 中 で もCAZは
イ ミペ ネ ム(IPM/CS)
と ともに も っ と も強 い 抗 緑 膿 菌 作 用 を 示 し,さ
膿菌 以 外 のPseudomonas
levels
function.
sp.に
ら に緑
も抗 菌 力 が あ り,そ
均 濃 度 は30∼35μg/gと
お け るAUCは
支37,2%と
後 に 得 られ,そ
推 算 さ れ,ま
血 清 中 濃 度 のAUCの
計 算 さ れ,肺
た,両
組織 に
肺48.0%,気
の 移 行 は 良 好 で あ る と考 え ら れ た。 年 齢(70歳
まで 広 い抗 菌 スペ ク トル を有 し て い る 。
と70歳
特 に,院 内 感 染 に お い て は免 疫 機 能 の 低 下 し た 患 者
率)に
よ び 肺 機 能(%VC,1秒
よ る肺 お よ び 気 管 支 組 織 内 の 移 行 性 へ の 影 響 の
検 討 で は,気 管 支 組 織 内 濃 度 と1秒 量 また は1秒
染 を考慮 す る とCAZの
間 に 若 干 の 対 応 傾 向(0.10>P>0.05)が
持 ち強 い抗 緑 膿 菌 作 用 を 持 つ よ う な 抗 生 物 質 が 適 し て
の,他
以上
量,1秒
が多 く緑 膿 菌 な どの 弱 毒 菌 に よ る 菌 交 代 症 や 日和 見 感
よ う な 広 い 抗 菌 ス ペ ク トル を
管
お よ び 気 管 支 組 織 へ のCAZ
の抗 菌 ス ペ ク トラ ム は グ ラ ム 陽 性 菌 か ら グ ラム 陰 性 菌
未 満)お
高
の平
率の
あ る もの
の肺 機 能 パ ラ メ ー タ との 相 関 性(P<0.05)は
CHEMOTHERAPY
498
認 め ら れ ず,CAZは
年 齢,肺
唆 さ れ た 。 以 上 よ り,CAZは
機 能 に 関 係 な く肺 お よ
び気 管 支 組 織 内 に 良 好 な 移 行 を示 し た。
現 在,MRSAが
が,院
の 感 染 症 な ど に効 果 が 期 待 で き る と考 え られ る。
院 内感 染 と して問題 とな って い る
文
1)
単 剤 で はMRSAに
2)
の 併 用 に よ り相 乗 効 果 が 期 待 で き る と の 報 告 も あ
の 強 い 抗 緑 膿 菌 作 用 と広 い 抗 菌 ス ペ ク トル
前 当施 設 で お こ な った セ フチ ゾキ シ ム
(CZX)の
肺 組 織 内 移 行 の 成 績4)(1時
6時 間 後;2.32μg/g)と
献
他: Ceftazidimeの
31
(S-3):
林
果 とFosfomycinと
泉,
基 礎 的臨 床的検 討。
199∼210,
1983
他: CeftazidimeのMRSAに
対 す るin
の 併 用 に よ るin vitro効
果 。 化 学 療 法 の 領 域5:
3)
136∼142,
他: 肺 癌 末 期 にMRSA,
感 染 を来 た し た 症 例 にFOM・CAZ時
回の検
討 は,以
田 中 恭 子,
vivo効
を 有 す る と い う特 徴 を持 つ本 剤 は 院 内感 染 に お け る重
要 な薬 剤 の 一 つ で あ る と考 え ら れ る。 ま た,今
富 沢 磨 須 蔓,
Chemotherapy
対 し抗 菌 力 を 有 し な い が ボ ス ホ マ イ シ ン(FOM)と
り綱,そ
起 炎 菌不 明 の各種呼吸
器 感 染 症 のEmpirictherapyやCompromisedho8t
内感 染 に お け る 緑 膿 菌 な どの 弱 毒 菌 の 重 要 性 は
少 し も 変 わ っ て い な い 。CAZは
CAZの
APR,1993
1989
緑 膿 菌 の複数菌
間 差攻 撃治療
を 行 い 奏 効 し た 例 。 化 学 療 法 の 領 域6:
169∼174,
1990
間;9.31μg/g。
4)
比 較 し て も良 好 な 成 績 で あ り
中井
勲,
他: Ceftizoxime
(CZX)
行 に 関 す る 研 究 。Chemotherapy
の肺組 織内移
32: 316,
1984
肺 お よび気 管支組 織 内 へ の良好 な移 行性 が示
A study of ceftazidime
Kaoru
Nakai,
uptake
Takeshi
by lung and bronchial
Tokushima,
Masako
tissues
Nagamatsu
and Koh Takeda
National Sanatorium
Matsue Hospiral,
Masakazu
Pharmaceutics
Mizobe
5-8-31, Agenogi, Matsue-shi,
and Tsutomu
Research Laboratory,
Japan
Takai
Tanabe Seiyaku
The uptake of ceftazidime
(CAZ) by lung and bronchial tissues was studied in 37 patients who
underwent operation for lung cancer (43-79 years old). CAZ (1g) was administered
by intravenous drip infusion for 1 hour before the operation, and the CAZ concentration
was determined in
lung and bronchial tissues sampled during the operation. Pharmacokinetic
analysis was carried out,
and the relationships between tissue uptake of the drug and age (70 years or above vs. less than 70
years) and pulmonary function (% VC, FFV1.0, FFV1.0%) were evaluated.
1. Changes in CAZ concentration
were similar in lung and bronchial tissues. At both sites, the
peak concentration
was observed about 15 minutes after the end of drip infusion, and the mean
concentration was estimated to be 30-35 pg/g. The AUC of the CAZ concentration in the lung tissue
was 48.0%, and that in the bronchial tissue was 37.2%, the AUC of the serum CAZ concentration.
2. There was no difference in lung and bronchial tissue uptake of the drug between those aged 70
years of above and those aged less than 70 years.
3. Correlations between tissue concentrations
of the drug and parameters of pulmonary function
were analyzed. A slight association was observed between bronchial tissue concentration
and both
FFV1,0 and FFV1.0% (0.10> P> 0.05), but no correlations
were noted between the bronchial tissue
concentration
or bronchial-lung
tissue concentration
ratio and % VC, FFV1 .0, or FFV1.0%.
From these findings, CAZ in considered to be efficiently taken up by ling and bronchial tissues
regardless of the age or the pulmonary function of the patient, and it should there fore be effective
for various respiratory
infections,
including those in compromised
hosts, because of its wide
antibacterial
spectrum.
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