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微小角入射X線散乱および高エネルギーXPSによる
太陽電池用アモルファスシリコン薄膜の評価
(富士電機のフィルム太陽電池)
富士電機ホールディングス(株)
デ
グ
富士電機システムズ(株)
高野章弘
1
経営方針
富士電機グループは、創業以来「最小の資源とエネルギー消費で、最高の
効率を提供する製品・技術を追求してきたメーカー」としてノウハウと実績を
蓄積し おり
蓄積しており、この新市場における大きな可能性を有しています。
新市場における大きな可能性を有し
ます
この「エネルギー・環境」を成長の軸に位置付け、事業ポートフォリオの変
革を目指していきます。
2
富士電機グループの概要
2010年3月期
売上高
: 6,912億円 (連結)
従業員数 : 23,524人
富士電機ホ ルデ ングス(株)
富士電機ホールディングス(株)
2009年10月に吸収合併
富士電機システムズ(株)
富士電機機器制御(株)
(電機システム部門)
富士電機アドバンスト
テクノロジー(株)
( 究開発部 )
(研究開発部門)
富士電機デバイス
テクノロジー(株)
(電子デバイス部門)
富士電機リテイル
システムズ(株)
(リテイルシステム部門)
3
富士電機のフィルム太陽電池
・世界一の軽量太陽電池を実現(1kg/m2)
・フレキシブル(割れない)でデザイン性に富む
フレキシブル(割れない)でデザイン性に富む
・優れた生産性と将来の低コスト化の高いポテンシャル
4
太陽光発電事業拡大
富士電機は、セル/モジュールのコンポーネント販売事業に加え、パワーコンディ
富
電機
ジ
ポ ネ
販売事業 加
パ
デ
ショナや系統制御などの関連技術を融合させた太陽光発電システム事業に着手、
当社固有の優れた製品・技術力とエンジニアリングを活かした高効率な太陽光発
電システムを提供する予定です。
【参考】スマートグリッド
http://www.fujielectric.co.jp/about/news/09031201/index.html
5
富士電機製フレキシブル太陽電池
太陽光
↓↓↓
透明電極
ITO
p
短波長光を吸収する
トップi
1μm
n
p
ホ
トムi
ボトムi
n
フィルム基板を用いた
フレキシブル太陽電池
50
μm
トップセル層
基板
長波長光を吸収する
ボトムセル層
裏面金属電極
フィルム基板
背面金属電極
a
Si/a SiGe 2層太陽電池
a-Si/a-SiGe
軽量 大面積 フレキシブル
軽量・大面積・フレキシブル
6
富士電機製フレキシブル太陽電池
軽量・大面積・フレキシブル
①ガラス基板を使用しない⇒軽量化
②直列接続構造を外部配線無しに形成可能(絶縁性基板)
③基板の熱容量が小さく、昇温・降温時間が秒オーダーで良い
④基板を
④基板をロール単位で一括処理
単位
括処理
⑤モジュールを曲げ加工できる(フレキシブル)
高スループット製造プロセスによる低コスト化
7
富士電機のフィルム太陽電池
LC-CO2 (CO2ライフサイクルアセスメント)
モジュール製造[調達+製造]時(1kW製造時)のCO
[
]
2放出量
・単結晶Si太陽電池
・多結晶Si太陽電池
多結晶Si太陽電池
・a-Si/微結晶Si
・CIS
・F-Wave
1,350kg/kW
980kg/kW
790kg/kW
680kg/kW
g
609kg/kW
※F-Waveについては、熊本工場の直近4ヶ月のエネルギー使用量とモジュール
生産量より算出。他太陽電池は、みずほ総研報告書データ。
・結晶系に比べてシリコン使用量が少なく、製造時エネルギー消費量も小さい。
結 系
使 量が なく 製造時
゙ 消費量も さ
・ガラスやアルミフレームを使用していない。
8
富士電機システムズ(株)
太陽電池熊本工場
現在の生産能力:24MW/年
フィルム(1m幅・2200m長さ)を取り扱う生産ラインを導入した
ィ
( 幅
長 )を取り扱う 産ラ
を導入
9
富士電機システムズ(株)
太陽電池熊本工場
10
導入事例(鋼板一体型)
11
導入事例
12
フィルム太陽電池デバイス構造(SCAF構造)
直列接続孔
Series -connection holes
集電孔
Current -collection holes
透明電極
明電
Transparent electrode
a-Si層
a-Si layers
金属電極
Metal electrode
プラスチック フィルム基板
パタ ニング溝
パターニング溝
Scribed lines for unit cell separation
背面電極
Pl ti fil
Plastic
film substrate
bt t
Back -side electrode
SCAF : Series-Connection through Apertures Formed on Film Substrate
フィルムの特徴を最大限に活かすことができるデバイス構造
13
フィルム型太陽電池の製造プロセス
直列ホール形成
直列ホ
ル形成
金属電極形成
パンチ装置
ロールツーロール(電極)製膜装置
集電ホール形成
発電層形成
ステ ピングロ ル製膜装置
ステッピングロール製膜装置
レーザパターニング
レーザパターニング装置
14
Roll-to-Roll(ステッピングロール)製膜装置
(1) 軽量フィルム基板
2000mフィルム
(160kW / プロセス)
⇒ 200 kg 以下/ ロール
(2) 大量生産
((3)) 品質
品質コントロール
(大気開放無しに、全ての
層構成を形成する。)
CVD & Sputtering Chambers
フィルム基材
製膜室
共通真空槽内に、CVD室とスパッタ
リング室が設置されている
リング室が設置されている。
巻きだしロール
巻き取りロール 15
これまでに開発してきた技術
①スルーホールコンタクト(SCAF構造)太陽電池設計技術
Jpn. J. Appl. Phys.,43,(2004) 7976.
②ステッピングロール製膜装置技術
Sol. Energy Mater. & Solar Cells, 66,(2001) 107.
③放電周波数制御(Vpp制御)によるアモルファスシリコン高速製膜技術
Jpn. J. Appl. Phys.,41,(2002) L323.
Jpn JJ. Appl
Jpn.
Appl. Phys
Phys.,42,(2003)
42 (2003) L1312.
L1312
④選択的反応性スパッタリングによる低温・高速テクスチャー電極形成技術
p
J. Appl.
pp
Phys.,43,(2004)
y , ,(
) L277.
Jpn.
⑤大面積均一透明電極形成技術
Jpn. J. Appl. Phys.,43,(2004) 7976.
⑥大面積金属屋根一体型太陽電池モジュール・製造技術
Jpn. J. Appl. Phys.,43,(2004) 7976.
⑦超高速レーザパターニング装置・プロセス
16
Vpp制御によるアモルファスシリコン高速製膜技術
製膜速度とa-Si:Hシングルセル特性
(放電周波数依存性)
Sttabilized
d Efficie
ency (%
%)
8
7.5
27 12M Hz
27.12M
7
65
6.5
13.56M Hz
6
5.5
5
4.5
4
シングルセル
0
5
10 15 20 25 30 35
Deposition Rate (nm /m in)
40
17
気相中の高次シランの発生【高速製膜時】
電子エネルギー
が大きいと、Hが
少ない
気相反応
e-
Si
H
H
H
Si
H
H
H
Si
H
Si
Si
H
前駆体
製膜面へ
H
欠陥、劣化の原因
H
高いエネルギーを持つ電子により、
過度 分解された前駆体が生成
過度に分解された前駆体が生成。
気相中で高分子に成長する。
⇒表面拡散不足により膜質が劣化
する。
H
H
H
Si
H
H
Si
Si
H
H
Si
H
高次シランに成長
H
H
18
Vpp制御によるアモルファスシリコン高速製膜技術
高周波プラズマのピークツーピーク電圧(Vpp)はプラズマポテンシャルと相関を持つ。
100
100
50
50
0
0
Vpp
VDC
Vpp
Vpp
Vpp
-50
-100
VDC
H2
Frequency 13 MHz
Gas Pressure 67 Pa
Power
30 W
Vpp = 240V
-150
Vs_ave
-100
Vs_max
H2
Frequency 92.3 MHz
Gas Pressure 67 Pa
Power
30 W
Vpp = 90V
-150
Vs_min
Vs_ave
ax
Vs maax
Vs_maax
Vs_min
-200
-200
0
GND
electrode
-50
5
10
15
20
Position (Z) [mm]
25
30
Powered
electrode
0
GND
electrode
5
10
15
20
Position (Z) [mm]
25
30
Powered
electrode
19
Vpp制御によるアモルファスシリコン高速製膜技術
Grand Electrode
RF Electrode
Sheath
Sheath
Relationship among time mean average of plasma
potential(Vs), self-bias(Vdc), and Vpp
1 Vpp
Vpp Vdc Vpp
Vs  (
Vdc) 


2 2
4
2
4
Plasma
Plasma
Vs is proportional to Vpp
Substrate
0
Vdc
(Vpp>>Vdc)
Vs
Vpp
Vs relates...
Electron
El
t
temperature
t
t
(Te)
(T )
Energy difference between Vs and grand potential
ion(+)
Vs
0
L T
Low
Te
L hi
Less
higher
h silane
il
formation
f
i
Low energy
difference
Low ion bombardment
Low Vs
20
Vpp制御によるアモルファスシリコン高速製膜技術
Vppはプラズマポテンシャルとは異なり
9
27.12M Hz
安定
定化効率 (%)
8
計測が容易なパラメータであるため
計測が容易なパラメ
タであるため、
量産装置の製膜条件を決める指標とし
7
て非常に有効。
6
13.56M Hz
Vpp低下
5
4
プラズマポテンシャルの低下
3
2
シングルセル
0
100 200 300 400 500 600 700 800
Vpp / V
膜厚300nmのアモルファスシリコンをi層とする
電子温度の低下
気相中高次シラン生成の防止
シングルセルを形成
シングルセルを形成。
Vppと安定化効率の関係を求めた。
膜質の向上
21
Vpp制御によるアモルファスシリコン高速製膜技術
低Vpp製膜条件の適用による高速製造したa-Si:H/a-SiGe:HタンデムSCAFセルの特性
製膜速度を 倍以上にしても 従来と同等のセ 特性が得られる
製膜速度を5倍以上にしても、従来と同等のセル特性が得られる
0.4
安定化後
0.35
Curr ent (A)
0.3
0.25
0.2
Voc=110.1V
Isc=0.362A
FF=0
FF
0.614
614
Efficiency=8.2%
0.15
0.1
0.05
0
0
20
40
60
80
Voltage (V)
100
120
22
Vppと変換効率の関係
23
微小角入射X線散乱
実験レイアウト(写真:JASRI 佐藤提供)
24
微小角入射X線散乱
25
微小角入射X線散乱
原子動径分布関数に関しては、Vppおよび光照射有無による
有意な違いは見られなかった
有意な違いは見られなかった。
26
高エネルギーXPS
Si周辺の結合状態についても、Vppあるいは光照射有無による
有意な違いは見られなかった
有意な違いは見られなかった。
27
ラマン散乱スペクトル
TOモードの半値幅に、Vpp依存性が見られる。
(中距離秩序の違いを反映か?)
28
まとめ
①プラズマCVD製膜プロセスで、高周波印加電極の電圧振幅
( pp)を
(Vpp)をモニターすることで、間接的にプラズマの状態を観測
す
、間接
ラ
状態を観測
することが可能。
②Vppを低減させると、良質なアモルファスシリコン薄膜を形成
②V
を低減させると 良質な
シリ
薄膜を形成
することができる。(高速でも高効率な太陽電池が得られる。)
③アモルファスシリコンは、光照射により初期劣化を起こし、そ
の後安定化する。
④異なるVpp、光照射の有無のサンプルについて、微小角入
射X線散乱と高 ネルギ XPSの測定を行 たが 有意な差
射X線散乱と高エネルギーXPSの測定を行ったが、有意な差
は見られなかった。
⑤ラマン散乱スペクトルは、Vpp依存性を示した。
29
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