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フェアトレード商品をもっと買ってもらおう!

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フェアトレード商品をもっと買ってもらおう!
フェアトレード商品をもっと買ってもらおう!
国際経済班
導入
問題意識
現状分析
政策提言
•フェアトレードって
•フェアトレードの市場規模が小さい
•フェアトレードの認知度が低い
•商品のに触れる機会、幅が少ない
•フェアトレード調達プログラム
1
犬飼・薛・吉岡・野中
導入
【フェアトレードとは…?】
→ 公平な貿易
開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い
開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指ざす「貿易のしくみ」
。
【仲買人の寡占状態】
仲介人
生産者
市場
生産者
生産者
生産者…遠隔地、輸送手段がない ≪市場アクセスの欠如≫
↓
中間業者に頼らざるを得ない(+仲買人同士の買い手間の競争をなくす動き)
↓
買い手を選べない、立場の弱い生産者
≪仲買人による買いたたきの発生≫
フェアトレードによる改善
通常の貿易
フェアトレード
生産者
生産者協同組合
↓
・輸出業務を兼ねる
仲買人
・加工製造業を兼ねる
↓
輸出業者
↓
2
輸入業者
フェアトレード団体
↓
・輸出入業務を兼ねる
棚卸問屋
・加工製造業務を兼ねる
↓
・小売店を兼ねる
小売店
↓
消費者
【フェアトレードの効果例】
マヤビニック生産者協同組合
→コーヒー生産者によって構成される協同組合。組合の利益は生産者への分
配、学校の設立・教育支援、技術向上のために使用される。2004 年からフェア
トレードに参加。
【定量的成果】
2004 年
2012 年
約 1063 万ペソ
組合総売上
約 1417 万ペソ
×
222.0 ペソ
(ペソ/㎏)
(高級品)
80.0 ペソ
190.0 ペソ
(普及品)
55.0 ペソ
160.0 ペソ
小売り単価(最高級品)
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問題意識
フェアトレードの市場規模が小さい。
立場:フェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)団体
フェアトレードとは、その名の通り、公正な取引である。フェアトレードは先にも述べ
たような先進国の消費者から見えない場所で起こる問題を透明にすることができ、直接に
生産者と取引する仕組みで、消費者もより安心に商品を購入することが期待される。また、
生産者が公正な取引を受けられることによって、生産者の収入の上昇、生産技術の向上につ
ながり、貧困の改善と自立への道が切り開かれることができるとされている。
ただし、未だフェアトレードの市場は日本ではまだまだといっていいほどに小さくと
どまっている。今の状況でフェアトレードを行うのは、難しい状態だ
フェアトレードの市場規模
図1 「フェアトレード市場規模」2010 フェアトレードラベルジャパン
日本のフェアトレード市場は 20 億円もなく、欧州や北米などの先進国に比べ、あまり
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にも小さいシェア。まさにフェアトレードの途上国といえるだろう。
現状分析
1,なぜ市場規模がそこまで小さいのか
二つの理由が考えられる。
フェアトレ
ードの認知
度が低い
商品の幅が
狭い
フェアト
レード市
場が小さ
い
認知度と購買額の相関関係
図2より、
認知度と購買額には相関関係があることが読み取れる。
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図2
「認知度と一人当たり購入額」
※ここでの「認知度」はフェアトレードラベル商品の認知度。
図2から読み取れることとして、日本でのフェアトレードラベル商品の認知度は、世界
各国でも、非常に低いレベルにある。実は、広辞苑にも第 5 版の時点では、まだ「フェア
トレード」という言葉は載せられておらず、一般用語化していないといえる。また、図2か
ら、認知度と一人当たり購入額の正の相関関係があることもわかる。
・ 消費者からの反応:
6
図3
「フェアトレード製品の購入に関する意識」
1.内閣府「国見人生活選好度調査」(2008 年)により作成。
2.
「あなたはフェアトレード製品の購入についてどのような考えをお持ちですか。
(○は1
つ)
」との問いに対する回答
3.回答者は、全国の 15 歳以上 80 歳未満の男女 4,148 人(無回答を除く)
。
図3から、フェアトレード製品の不購入の理由で、過半数はフェアトレードを知らない
や、わからないためであるという特徴がみられる。つまり、フェアトレード市場を拡大する
ために、ほかのことより、現時点の待ったなしのことは認知度をあげることである。
結
論
日本の市場規模が小さいのは認知度が低いためである。
認知度を上げることが必要である。
2,なぜ日本での認知度が低いのか
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日本の非認証製品割合の高さ。
認証製品(FLO)市場 vs 非認証製品(輸入団体経由)
日本2008
18%
82%
日本2007
14%
86%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
欧州2006
87%
13%
欧州2007
90%
10%
( 長坂寿久「日本におけるフェアトレード市場から見る論理的消費力の問題点」『論理的購
入・CSR調達ガイドライン』研究会より作成)
この数値から読み取れる特徴として、フェアトレードの認知度が高い欧州各国では、ほと
んどフェアトレードの認証製品が流通しているのに対して、日本では流通しているフェアトレ
ード製品は 90%に近いほどが非認証製品なのだ。それは日本でフェアトレードの認知度が低い
という問題の一因でもあるとされている。
→非認証商品のデメリット
① 活動内容の透明性が低い(実際どのような活動をしているかわからない)
→品質基準が低い、監査がきちんと行われていない
→仮に消費者が質の悪い非認証商品を手に取り、フェアトレード自体に否定的なイメ
ージを持つ可能性がある。
② 承認ライセンス料の少なさで、宣伝費、普及活動費に使用できる金額が少ない。→認
知度が上がらない一因でもある。
イギリスと日本のラベル組織の会計報告を比較すると、
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普及宣伝のための資金の割合が日本の方が上なのに、桁が大違い。
よって、
認証商品の市場拡大
フェアトレー
ド・ラベル宣
伝費増加
ライセンス収
入量の増加
フェアトレー
ド・ラベル認
知度増加
という流れができる。
3,フェアトレードを知っている人
また、フェアトレードを認知している人を対象に行ったアンケートの結果、実際に購入した
ことのある人の割合は 48.8%にとどまった。
(NTT コムリサーチポータル実施 377 人回答)
その理由としては、
・フェアトレード商品を取り扱う店が近くにないこと
・自分のほしい商品でフェアトレード商品がないこと
が大きな原因になっていることがわかる。
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フェアトレード商品を購入しない理由
フェアトレード商品を取り扱う店が近くに
ないから
自分のほしい商品でフェアトレード商品が
ないから
どれがフェアトレード商品なのかわからな
いから
54.5
46.1
31.1
30.6
フェアトレードに興味がないから
22.3
価格が高いから
0
10
20
30
40
図42010 年『フェアトレードを購入しない理由』NTT コム リサーチ・ポータル
そのため、
・商品幅を拡大
・各商品の流通量を増やす
ことが必要だと考えられる。
4,まとめ
現状分析の結果、分かったことを整理してみると、
購入しない
認知
n=184
未認知
販売場所を
知らない
接触機会
商品幅の
狭さ
10
50
60
複数回答可
これを踏まえて私たちが考えた、市場規模拡大のサイクルは
ラインナッ
プ・流通量
増加
市場規模
拡大
接触機会
の増加
購買力向上
認知度向上
である。
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政策提言
流通量とフェアトレード商品のライナップを増加させる方法を考
察する。
そこで、今年開始された「フェアトレード調達プログラム」の促進を挙げる。
【開始日時】2014 年 1 月 28 日
【概要】新しいフェアトレード商品認定制度
【特徴】
企業が特定の原材料に焦点を当て、事業全体・製品ラインナップ全体
に幅広くフェアトレード認証製品を取り入れる。焦点を当てた原材料の
フェアトレード化 100%達成したものには製品にはフェアトレードマ
ークの使用で証明する。
参加企業は複数年にわたってフェアトレード原材料の調達量を増やし
ていく目標を定める。カカオ、砂糖、コットンからスタート。
・コットン…今後 2 年間で合計約 2 万トン購入する。
・ココアと砂糖…類似の公約を作成中。
〈参考〉
現行では、最終製品に含まれる全原材料をすべてフェアトレード認証製品に切り替えるこ
とで初めて最終製品が認証される。
【目標】調達量を計画的、中長期的に伸ばす。
【実例】
イオン
このプログラムに日本企業として唯一参加している。(プログラム開始当初から参加してい
るのは世界で 9 社)
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認証カカオの取引量を 2020 年までに現在の 10 倍、カカオ豆 50 トン相当にまで拡大し、
新商品や既存商品の原料として使用する。
【メリット】
1,フェアトレード条件下での取引量が増える
企業と生産者をつなぎ、取引量増やすための新たな機会を提供する。また、消費者にとって
も商品数の増加が見込まれるため、手に取りやすくなる。
2,企業にとって
参加意欲のある企業にとって、認証原材料の調達目標を設置することで、名ばかりのフェ
アトレード商品と化してしまうのを防ぐ。
3,商品の幅が広がる。
消費者にとって選択肢が増えることで、消費量の拡大につながる。
【デメリット】
1,社会への影響力
まだ始まったばかりであり、現在日本の参加企業はイオンだけである。そのため他の参加企
業を募る必要性がある。
2,ラインナップの限界
現在の対象原材料は 3 品目だけである。対象とする原材料、それ自体を増やす必要がある。
3,目標の未達成
中長期的な目標値は存在するが、それを達成させるための段階的な販売計画や戦略が発表
されていない。それらを公表し、そのうえで計画通り進んでいるか監査する機関が必要。
4,意義の未達成
最終製品における特定の原材料の割合を決めておかないと、ほとんどフェアトレード条件
外で取引された原材料を使用した製品がフェアトレード商品として売られてしまう可能性
がある。
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参考文献
・
「フェアトレードに関する調査」(NTT コム リサーチ・ポータル 2010 年)
http://research.nttcoms.com/database/data/001237/
・
「フェアトレード調達プログラム」(Fairtrade Label Japan)
http://www.fairtrade-jp.org/news/news.html?id=1262
・
「フェアトレード調達プログラム プレスリリース」(イオン)
http://www.aeon.info/news/2013_2/pdf/140128R_1.pdf
・
「Fairtrade Sourcing Programs-An Overview」(Fairtrade International)
http://www.fairtrade.net/fsp-overview.html
・
「20120-2013 Annual Report Fairtrade International」(Fairtrade International)
http://www.fairtrade.net/fileadmin/user_upload/content/2009/resources/201213_AnnualReport_FairtradeIntl_web.pdf
・
「フェアトレード拡大の可能性」香川大学大学院経済学研究科(2014)
fourier.ec.kagawa-u.ac.jp/~kier/kankou/pdf/wp191.pdf
・
「草の根技術協力事業 業務完了報告書(最終年次)」慶應義塾大学山本純一研究室フェ
アトレード・プロジェクト
http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/assets/files/jica_report.pdf
・
「フェアトレードの定義」フェアトレード・ラベル・ジャパン
http://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/000012.html
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