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完成への 道のり
すというのが大まかな流れで 性を高めるコーティングを施 レピア織機で織り上げ、耐久 松文産業株式会社 太陽光発電機能を持った 布地開発の打診は 年、 いました。 柔軟性に富んだ ﹁発電できる布地﹂の実用化にメド 県からの打診きっかけに ﹁機屋魂﹂に火がつく 資材も手広く手掛けている同 は﹁糸さえあれば何でも織れ 吉岡氏によると、同社の製 造ラインを支えるレピア織機 から持ち掛けられました。 しまう。普通に糸を通して織 た状態で織るとショートして 電糸でつないであり、ねじれ という印象でした。しかも導 は、糸の概念をひっくり返す す。 社。しかし、リーマンショッ る ﹂ と い う 機 械。﹁ 東 日 本 大 るのではねじれが生じるの 県工業技術センターの﹁e ク に よ る 市 場 の 落 ち 込 み で、 震災翌年で、次世代の電気エ ﹁サンプルを受け取ったとき 産業資材部門の主軸だった自 ネルギー確保について世の中 で、布地の上に糸を〝載せて〟 テキスタイル研究グループ﹂ 動車用エアバッグから撤退す の 関 心 が 高 ま っ て い ま し た。 織る構造にしないと、モノに ︵通称 サポイン︶ ﹄の資金を 状発電体を共同開発。太陽電 フェラーパワーの 者で、糸 鍵となるのは、スフェラー パワー株式会社︵京都市︶が ミリの球状太 す。装着率 %を目標に、ハ からポロポロと外れるので よる糸状発電体を、改造した で挟んだスフェラーパワーに 研究の余地はあると考えま 性向上を目指して、まだまだ ましい。歩留まり改善と生産 電池が外れる現象︶ゼロが望 的基盤技術高度化支援事業 研究は 年がかりで行うこ とにし、経済産業省の﹃戦略 ン充電機能を持つバッグなど が確保できればスマートフォ ボルトで、必要十分な面積 ます。電池 個の定格電圧は 見た目の良さ目指し 装着率向上に意欲 ンダが落ちないようハンダ剤 す﹂ 開発した直径 の工夫や改良を加えていきま 陽電池。それを一対の伝導糸 し た ﹂。 ゼ ロ か ら 開 発 す る 布 地で、織り組織や密度といっ た規格を考える必要もありま した。 一定の成果を受けた 年目 は、発電性能を高めたサンプ 3 の商品化も可能と見ていま す。 月中旬に東京ビッグサイ トで行われた﹃ウェアラブル 率の向上ですね。装着率 % ま し た。﹁ 今 後 の 課 題 は 装 着 ネート加工に研究の軸が移り ラセを中心とする布地のラミ ル用の布地づくりに加え、ウ で、夕方・夜間の歩行・ジョ じてLED を点灯すること の太陽光で充電し、必要に応 ポーツシューズを試作。日中 織り上げた布を組み込んだス 研究グループでは先ごろ ﹁ 商 品 化 の 足 掛 か り に ﹂ と、 こぼしました。 つきませんでした﹂と笑みを なるとは、入社時には想像も 線をいじる仕事をすることに ほどになりますが、会社で電 要 と 吉 岡 氏。﹁ 入 社 し て 年 出す回路の改良もまだまだ必 得たそうですが、電力を取り で発電性能はクリアできるの ギング時の交通事故防止に役 EXPO﹄にも出展し好評を ですが、見た目の面でいえば 立つのではと吉岡氏は期待し バッグやシューズなど 応用範囲の広がりに期待 1 年創業で、ファッ ションや生活関連以外に産業 ることになり、﹁新たな柱を﹂ 太陽電池が糸状になるなら織 ならないだろうなと思いまし 活用することに。同社、スフ 池の極性をそろえてハンダ付 物 で﹃ こ れ が 本 当 に 糸 か?﹄ と他分野への展開を模索して 物にしたいという﹃機屋︵は ェラーパワー、ウラセ株式会 けされた糸を受け取り、手織 りで何枚もサンプルを作って 評価を重ねたものの、いざ織 す﹂ た﹂ − たや︶魂﹄が涌いてきたので 社 と、 江市︶の民間 福井大学、県工業技術センタ 性能評価をしていきました。 社︵ 者を研究実施機関と ーの計 年 月 する提案書が 年目は、同社が以前より 手掛けていた技術をベース 機にかけると、太陽電池が糸 年 目 の 研 究。﹁ 前 年 に 性 能 けて織りあげる﹂というのが ﹁糸のねじれやテンション の偏りがないように織機にか に採択され、本格的な研究開 発が始まりました。 に、県工業技術センターとス 手作業で作られた初期段階のサンプル 13 vol.17 vol.17 14 35 2 吉岡 隆一 氏 松文産業株式会社 http://www.matsubun.co.jp/ 所 在 地:勝山市旭町1−1−56 電話番号:0779−88−1131 代 表 者:小泉 信太郎 氏 資 本 金: 2 億5,000万円 従業員数:206名 事業内容:各種ファッション・生活関連織物・産 業資材関連の企画・開発・製造・販売 昼間の充電により夜間の防犯灯を点灯させます。 0.5 1 1 8 9 0 2 1.2 玉落ち︵伝導糸から球状太陽 カーポートの天井模材として利用された例。黒いラインに見える 部分が発電体になっています。 翼を担った、松文産業株式会社(勝山市)機能資材部の吉岡隆一氏に開発までのエ 7 糸状発電体 3 柔軟性を強みに、アパレルや雑貨などへの展開も期待される同素材。研究開発の一 商品はどのようなプロセスで完成 されていくのか。 企業によるアイデアの創出から新 商品誕生までの開発ストーリーを 紹介します。 ピソードを伺いました。 3 導電糸 球状太陽電池 95 池と導電性糸を組み合わせ、織機で織り上げた「発電できる布地」です。軽量性・ 2 0 1 2 2 0 1 2 シューズの側面の発電体による充電で、つま先のLEDを点灯 させます。 のイメージに一石を投じる素材がこのほど、福井から誕生しました。球状の太陽電 完成への 道のり 一般に「真っ平らで、重くて、硬い」というイメージのある太陽光発電パネル。そ 5 95 Vol.17 1