...

空蝉の人物像に関する一考察

by user

on
Category: Documents
122

views

Report

Comments

Transcript

空蝉の人物像に関する一考察
紫式部の
学思想――空蝉の人物像に関
る一考察
The Taoism Thinking of The Murasakisikibu
Study of The Character of Utusemi~
~A
文学研究科人文学専攻博士後期課程在学
張網 網 網 網 網 楠
Zhang Nan
に
網
代文学の代表的作品と
その主題
構想
を文学者
あることと内部構成
中
的
示
てい
て 日本文学の世界に誇る文芸作品と
構成
複雑
み
無理
場合
作家論と
ある紫式部
過程を
に
一千年
ること
たちの内面の精
ること
ある。そ
て
諸問題
た
の
解
あ
立性
長
創
態
増
繁
を踏み出
の
氏
の
に
次の
物語
短
た筋の展開を
内面の精
ある
い。網
を照
作品創
と
代の知識人
代の文学作品を
伺える。この点について
い長
自体一
作者の心の
不可能に近いけ
る 源氏物語
他に類をみ
創作意
への一
代の作家
在
源氏物語
て紫式部の思想
前に生
の共通点
困難
ている。各巻々の
い一面
源氏物語 の作品論的
作者
て考察
あることに基因
るの
い。この様
確化出来
全体と
て
その
うに指摘
の
ている。網
網
世紀
十
世紀
四
次の中世と
る新
に生
日常の物質的
た人々
を深化さ
体的に
てゆ
わ
た
く示
国の
い
年
の
いた
に
入
豊
てい
た。
細に
生活
中略
代
て行く
に
わ
国の
代と
その過渡期にあた
てくると共に
集
る
代
ている。
の
いにその内面の精
期
源氏物語とい
た文学作品
生活
その様子を
網
ると
早く
倒的に高
中国の儒教思想に基
成さ
いた
た中国思想
国家を組織
営
て
うと
ていた。網
た
多くあ
く変わ
知識人に
既に七世紀に
る
代へと大
ある。
代の支配
いた
の
そ
の中国の
あ
当
進思想の移入
の人々に
た。後進地域の文化の
つ宿
い
当然
十分に理解
主と
と
て
人々
-網…枡枯網-網
実感
る
て
成
に
日常生活を行う過程
成熟
た結果を取
てい
いとこ
内発的に問題を意
識
思索
高
て行く中
徐々に思想と
中国文化を次々と
の思想の形成さ
に
け容
る側の人々
成熟
必要
あ
国において
う。わ
進思想を追体験
内面化
てゆくという過程を経ること
たの
るために
の
成熟さ
け容
に深く定着
間
て形成
てい
て
ある。そ
た過程をある程
け
い
と
始めた
期に入
の
そう
代に入
たと考え
進思想
に追体験
た条件
に
人々の心の中
実感
る
うに
たこ
長い
人々
そ
外来
る 。網
網
日本 文化 、大き 影響を与えた中国 伝統文化 、主流
補足しあう文化 あ
儒 道 仏 三家 互い 対立し互い
そ 中 仏学 インド 生ま 、漢 時代 中国へ伝わ た 東晋以後、中国 文
化 儒学、道学、仏学 三家 鼎立した 仏学 外来文化 あ 、中国 入
有 神仙方術
道教
属し、そ 教理も老荘 老子、荘子
中国 受け入
た 、唐代
道家哲学
統治
柱 あ た こ
制社会 いう中国 特殊 国情
側
置 あ
中国文化を持
格的に追跡
儒学とと
ること
視
に
的に
あるい
代日本を彩
広
つ取捨
るの
て
学の定義以
た
い
択
も
あ
容
中国固
実際
道家
、中国的仏教
あ
精神的
道家 道教文化
中国
網
て
に難
学的要素を考察
時
、中国 家長制 皇権政治を維持
伝統文化 源泉 あ 、中国 伝統的 哲学 要素 一
そのため
解釈した そ
完全 中国 伝統文化 一体
た 儒家文化 、漢代
建宗法
きた
た日本文化の中
い作業
学的要素を本
ること
ある
い。
そ
に
要
作者の思想意識の形成に対
大
仏学
意味
あ
いぶ
影響を
えること
と思う。網
網
. 学 底流と ての 唐風 文 の影響
網
文学創作の場合
認め
作者に
る
代背
る。網
源氏物語
の作者
け入
ある紫式部
自の日本的
の開
十年
第一回の派遣
を載
生
た
代
〇〇年
形に消化
に
唐風
日本
日本書紀 に記載
代の中期にあた
を基礎に
国風
に派遣
遣
始めて使者を
た
い
唐の文化を積極的に
書
の高
文化の
使と
代
ある。網
ている。この
文帝の問いに遣使
答えた様子
ている。網
網
開
十年倭王
網以日
弟網
阿
未
網
多利思
出聽
網
阿
雞弥網 遣使
網跏趺坐網日出便停理
之 網
-網…枡枰網-網
網
闕網
所
弟網高
訪
曰網
風俗網使者言倭王以
無義理網
是訓
改
開
十年 倭王
所
未
阿
多利思
を
てその風俗を問わ
け
る
弟に
出
と。高
て
阿
。使者言う
を聴く跏趺
曰く
雞弥と
倭王
て
く。使いを遣わ
を以て
。日出
大いに義理
。是に
る。
日を以て弟と
。
と
て闕に
わち理
を停めて
て訓えて之を改め
。
う
網
網
た
新唐書
網
網
用
網亦曰目多利思比
網直
開
中國通 網
網始
網
とある。この記載
中国
一
用
年に
たというわけ
滅び
ある。遣
日本の
面
多利思比
代
唐
取
当
たと思わ
日本
く
インド
た唐の文化
当
融合
ていた
を始め
玄
と 特別の地
底流と
を
た
国
道学
く
あ
けていた
た
開
え
中国の国教と
ぶ立場を
え付け
李
い 、道学研究
の
当
てい
る
の東
代
唐風文化
の
と称さ
不思議
い。網
あ
事
た。
非常に
う
雰
たの
道学通論
る。朝鮮半島と
・儒・仏の
王朝
るの
大
学
影
いに競い
あるといえる。
教
唐代に
る
う唐の文化の一つの特
ある。唐の文学
の詩人の詩に
世界の
ている。網
日本
学と親密
気に
文化の
影響を及
と考え
学に心を惹
た。この
繁
る
た。網
の中心国
こそ
帝
居
大家胡孚琛氏
て
たという。
るの
る貴族文化
・杜甫・
ある。網
性を有
えてい
形成さ
と
遣唐使に
ていた。日本人の衣装と生活習慣
急進的に伸びた。唐の王朝
唐の
え
ていこうと
日本
の世界における最高水準の文化
武
使に
に日本へ伝え
代
け橋と
た唐の文化
その文化
の
え
治を立て直
を
入
ていた遣
中国の文化
に基
に影響を
学
学を
学の意識を
て
た
影響を
ている唐風文化という
繁
派遣
遣唐使と留学生
の日本に大
進的
け
そ
たの
文化を摂取
る。唐
響力を
高
日本
ある唐
唐風文化
入
ている。網
唐の文化の影響を強く
唐風文化というと
進国
建
使と遣唐使を通
唐の文化
一番
唐
あると
唐詩
そのこと
道家 道教 仙学
さ
伝
に
ている。
中 、次
う
定義し
た
網
们将
学的概念定義
教的
教文化
的生
教是
教形式 。網
支柱
家的
以老子的
的学説
科学文化。
理論支柱的
家
教
-網…枡喩網-網
者
个文化系統
以老子的
中包括
根基
家的哲学文化
家是
教的哲学
こ
、中国 学界
、道学
文化、道教 宗教文化、神仙家
そ 文化
テム 含ま
陰陽大化
関
生 科学文化を含
い 文化
テム、 定義し い
こう
ぶ
中
、 道
思想 、道学 中心思想 あ 、 一般的 考え い
家
一般大衆の文化習俗に対
楚
諸子
て
学
老子韓非列伝第
老子者
学
要 構成部分 し 、道家 哲学
老荘思想 道家 大家 あ 老子 荘子を合わ
中国伝統文化の中
記
、中国 伝統文化 一
家の根本
儒学以
と認め
の大
るの
老子の地
影響力を持
突出
ていた。
ていた。網
に
郷曲仁裏人
耳
李氏。周
聃
蔵
之
。孔子適周
将問礼
老
子 。
とある
老聃
つ
通
老子
ていたの
に問おうと
最
あ
たの
唐の王朝
に現
楚の国の
周の
蔵
李耳
の役人
通称聃
ある。孔子
周に行
た
て
あるの
さえ礼について老子
ある。網
老子と同
たという
の会要
の出身
治
李
ある
話
あ
さ
唐会要
たの
老子
に多く
の巻
た。
十に
唐帝の
あると称
老子
の王溥
年――
年
羊角山
撰
の地
て
現
網
網
武德
年
。晉
吾汝
年
君
日
載
とある。つ
地に宮観
帝。
十
帝。十
国千歲。高
永昌元年
加
元元
七日
加
を滅
老君
善 行于羊角山 見一老叟。
賊後。子孫
元元
年正
人
大聖
大聖高
て唐を建国
を建て
異之。乃立
卻称老君。
帝
唐の王
大
馬朱鬣 儀容甚偉。曰
地。乾
龍元年
元元
帝。
金闕元元
た初代
于
帝 高
四日
載
元年
十日
依旧
十
吾語唐
日
元元
加
子
追
老
帝。
大聖
大
元元
た羊角山
の
帝 。網
と
然と老子を
聖
と
の李淵
老後釈
た李淵
老子
て
自
び
現
老子の子孫
あると称
た。
た
武德
年
年
に
高
を発
た。この
書に
網
網
老教孔教
と言う
う
土
ある。つ
を付けて
教を
釈教後興
唐の高
ぶ国策を
崇
礼
老
王朝の思想意識に対
た。
-網…枡没網-網
孔次
て
後釈 。網
教
儒教
次
仏教
とい
そ
学に
と
さ
る李世民
た。貞観十一年
士女冠在僧
自
後
七年
之
を発
斎供行立
仏学に夢中に
ていた
に
仏教と
た。この
書の中に
于称
子李建成を廃
第
教の優劣を定めるために
士女冠可在僧
之前。
敦本之学
代
帝
方に議論をさ
。網
畅于
網
とある。つ
教を
斎供の行
この
前
奨
て仏教を抑
う
学を
李治
年
己未
自
た
視
る動
の条に
次亳
亳
儀
に
ると
七
の
に置くと
る
うに
唐の
第
代
帝高
現
ている
追
曰
う
代に
るとさ
に強
そ
ある。 旧唐書 本紀第
玄元
老子
を
の条に
ると
網
経
挙人
年
の
高
高
の
に 乾
網
。幸老君
に老君
年
士女冠を僧
た。
というとこ
元年
と 高
称調において
帝
祠堂 。網
創
老子を
玄元
帝 に
たことを記
ている。
網
自
後
德経
並
須兼通
。網
網
と
高
抜さ
経
た人
にこ
の
と
る武則
元
年
高
本紀
の
辰
と記載
老子
を習わ
武則
と
源氏物語
学に傾倒
高
く関わ
を
中央
府に
た
に女性
士と
そ
て
新唐書
高
自
と改
ている
うに 高
ている。
と関わ
深く
卷七十七
挙
に
十
亡く
と
法を
年正
都
。網
士
十
挙人
の条に
自
唐会要
ることを
ている。
称
学に大
わけ
経と
李世民
帝称
ある。つ
开元
ことを記
七
武則
帝
を
日。于元元
日本
最
く知
けるとと
に
教を国教と
帝
置崇元学。
-網…枡沢網-網
習
ている唐の最盛期を迎えた玄
德経
て定め
莊子
文子
教に
進
た。
列子。待習成後。
挙人例送
每年
省。準
経考试。通者準及第人処分。
博士置一員
。網
網
とある。つ
子
玄
挙
文子
学の学校
制
列子
ある崇玄学 崇虚館 を設置
を研究
る課程を開
四子真経
挙人に
老子
德経
について
余
汝遣人求之
莊
試験
を打ち立てた。網
た
唐鉴
卷
に
網
年正
帝
玄
梦玄元
網
十
慶宫相見。帝遣使求得于周
とある。つ
開元
あ
十
観山の山中
帝
観山間。闰四
城西
迎置興慶宫。
年星七四一年映の春に
老子の大像を発見
を建てて老子像を
玄
た自
経
吾有像在
吾当
玄元真容
汝興
分置諸
開
。網
元観
に玄元
帝告
老子
系統立てて
た。玄
ある
楽
一
の有
玄元
蔵
長
つ
老子
夢のお告
た全国の
都
た。
経
と
歌
帝
その老子像を興慶宮に
開元御注
を撰
士族
民に習わ
学を大いに発展さ
教の音楽・舞踏・建築・彫塑・文学芸術
あ
帝
老子を祭ることを
の注釈書
集さ
玄
全面的に発展
た。特に玄
た。
て
た。
の宮
唐の
における
学
代に
のシン
において
網
陽賢鼓動地來
陽
驚破霓裳羽衣曲網
賢鼓地を動
て来た
驚破
霓裳羽衣の曲
網
網
と歌
ている
虹の裳
教音楽
的
曲
る
を慕
ち
理解
て詩を
士
教文学という
ャン
向
網唐の文化の影響を強く
く現
ゆえに
さ
けた
筆者
てみることに
代の貴族
ていた
る。そのため
源氏物語
ある
と考え
学の観点
通
羽衣
人を題
成立
あ
虹のこと
あるの
に
た伝
た。
中国伝統の思想文化を
学文化に
た文学作品
た文
に
み
知識を身につけ
る。羽衣
る。さ
教性を少
あると思わ
非常に高い芸術性を備えていた。霓と
女の衣の意味と
あること
教の
霓裳羽衣曲
文
小説
表記
知識人たち
詩人
盛
と融合さ
代に書
る
に
に
たこと
た。網
唐文化の底流を
う。紫式部の思想意識における
国風文化の
夢
書
教の文学芸術
教の精
霓裳と
学の
学の影響
学的
教養
容
当然
色濃
る。網
空蝉の人物像を分析
る。
-網…拘枠網-網
ることを通
て
紫式部の
学思想を考察
.空蝉―― 夢に あ
る
網
源氏の恋の
のスタ
空蝉と言う人物
優
犠牲の強い女性
方を示
空蝉
た女性
ある。
作者の自
た
隠
と書
細
に
ている
あ
空蝉
一族のため
わ
操の堅い空蝉
と
け入
る自己
紫式部の理想の女性の生
ある。
の巻に
人の
の
姿
たる。
中略
手つ
にて
いたう
網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網
源氏物語
源氏の心の中
つ
家族のため
近い人物と言う説
小さ
。網
ため
そ
品良く慎
像に
空蝉の容姿について
頭つ
あ
ある。網
第一巻
一
四
さ
網
と思
置
たる人網 網 網
第
巻
網
網
という
う
い地
元々空蝉
た
父の死
を
める。網
流貴族の娘
父
後
た。そのため心
盾を失
空蝉を非常に
中納言兼衛門督
ていた
への
薄
ある
義理の息子の紀伊
と
て生
伊
当の空蝉
領の妻という
育ち
を
宮
えを希望
たこと
あ
める男の
とに後妻と
る。伊
の身分に零落
たことを恥
てお
た。網
た源氏と情を通
邸
て
方
う。その夜
え中
源氏
彼女の噂を聞いていたこと
手
空蝉の寝所に侵入
興味本
に
た。
源氏
うちつけに 深
聞こえ知
心の
とて
と見た
。
るを
ことわ
を待ち出
へ網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網
と実に優
いと
第一巻
たる
一七
年
さ
に
思
く
わたる心のうち
あ
と
思
た
網
く言う。
にのた
て
鬼
荒
つ
け
-網…拘枡網-網
た
く
ここに人
と
え
のの
。心地
第一巻
と言う
情け
こ
取う出た
い
空蝉
く
と
現と
お
うた
へ
いと
く憂
説
え
文
を並
その
るに
抵
的
さ
のあ
方
中流
あ
を見えたて
魅力的
源氏の求
こ
思
た
て厳然と言い
への
い
へ惑
る御心
へ慰め
を
るる
。
い抵
を示
あることを理解
た
待つ側の女にと
さ
く高貴
さこそ
網
く
思
(中略)
議と手厳
く紫式部の筆
~一
女
ける御心
男の強引さ
四
い立場
た
た
加え
一
合わ
くた
の女の精一杯の抵
第一巻
と
抵
後瀬を
く思うた
女を
御け
を
くのた
~一七七
の身にて
理路の通
の
悲
の
情け情け
空蝉
際とこそ
た
心をみ
紫式部
る女
一七
あ
た
男中心の恋
代に批
第一巻
る
へを見
いと
あ
う仮
見
る浮
と
寝
けそ網 網 網 網 網 網 網
~一七
い自
た。ここ
知
思
る際
見直
一七七
代の
そ
く
に網
の定
を思
あ
立てるけ
う
身の
け
あ
身
頼みにて
思い
あさ
ある。源氏
言の葉に
。いと
第一巻
いの
こそ。数
る
と
ことと思へ
いとあさ
を込めて
の
ある
くて
め
情
く
一七
うに
例の
たわび
ていた。以後
お
て見
と 思
あ
昼
-網…拘拘網-網
つつ
ていく。
出
こえ
あ
み
め 夜
る女
て冴え渡
思
に
返
聡
に
く夢の
怖
手伝
る
惹
うと
いた。男中心の
さを
て源氏の求
に思
に寝
身勝手さ
何に
空蝉
みを
の姿を渾身の力を込めて
てに
に心の底
をう
にて 心とけたる寝
て
女側の悲
自身の内面の厚み
に
つ
て
。
応
う
け
彼女
身分
。網 網 網 網 網 網 網
い。け
釣
ることを
寝覚め
ち
心に
春
るる
木の芽
と
いと
人知
恋に
一方 源氏
く嘆
終日物思いを
つ
いそぶ
小君の手引
紀伊
る。軒端荻
あさ
出
知
邸に赴く。垣間見
えて
う
て
る。その夜
源氏
と
く
ること
ると空蝉と伊
あるけ
思
う
けを
出来
い。ある日 空蝉の弟
妻の娘の軒端荻と
う
気品
を
起
出
第一巻
一
う
て逃
てその場を
に
て
碁を打
てい
い。源氏
人の寝ているとこ
分
て
く取
の
空蝉の
。網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網
て薄衣の小袿
い軒端荻に
一
い女性
そう
にけ
気配を察
る空蝉を
と美
くお
第一巻
る。網
をみ
空蝉
その慎み深さにい
と
網 網 網
び込
生絹
る
空蝉の
。空蝉
衣を一つ着て
網
出
。人
い
と
いえ
い源氏
契
て
う。源氏の気持ち
何
納
る
い
の脱
と
たると見ゆる薄衣を取
空蝉の
さ
小袿のいと
人香に
た薄衣
つ
空蝉を思い出
へてける木の
て手
と
て
に伴わ
て伊
とに
う
の国へと
う
て
めるを
。そ
を送る。空蝉
空蝉の羽に置く露の木隠
と
網 網
て持ち帰る。源氏
空蝉の身を
と 小君に
た
た薄い夏の小袿を隠
の薄衣
と
て出
身近く
の
た
へ
第一巻
○四
第一巻
○
網
。網
つ
源氏の歌を手にと
びに濡るる袖
いわ
て見
○一
て
人
び
第一巻
身の不
て
み その誠実
網 網 網
を嘆く。その後
て行く。
網
-網…拘拙網-網
気持ちを汲み取
第一巻
○
空蝉
てを断ち
る
て
うに
人
のたを
あ
。網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網
こ
源氏
たるに
見た空蝉像
たこと
るに
巻
久々に再会
て空蝉
に
流
とめ
た
給
に
る
く
一七
来空蝉
作者の自
空蝉を
巻を書
ド
さ
空蝉
巻
像と見
終わ
加えた。
思い合わさ
る。ここ
源氏
内大臣と
空蝉
依然と
て
領の妻
た
空蝉にと
て源氏
生涯た
一人の
始めて
人
ある。源氏にと
たい男
あ
た
に
え
清水と人
いと
注を紹
見る
。網 網 網 網 網 網
第
巻
の思いをこめた
。
新
一
日本
文学全集
の中
ている頭注に
心の内に源氏を
く思う心
見えた
入楚
網 網
第
巻
一
ている。
坂の関
夢の
い
る関
うに
空蝉
嘆
て
間
く
うに
優美
源氏を拒み通
を亡く
出家
け
穏
仏
心の交流
あ
に関
て
て源氏の庇護を
空蝉の
源氏に
さ
ること
第
巻
気
動いた
自分の現在の身
た。網
た空蝉
の穏
の仲を分く
網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網 網
源氏への返歌の
分を
わ
関
ソ
という言葉に作者
の歌に付さ
と
い掌篇
涙を
と思
いと
と
て
る。
行くと来と
え知
第一巻
う。そのため作者
た源氏と空蝉のエ
路傍の草花に
こと
あ
何の関係
十七年の
の心地
く作者の性格を衝いている。
ているの
物語の進展と
て
て加へた
ある
い
関
に
心を
こういう所
び
別
強
源氏
と
の日々を過
た彼女を
。
空蝉
条東院に迎えて
最後にた
わ
た。こう
着いたの
源氏と
た。
境遇
身分
似ているため
作者の紫式部自身
い
と言
ている。
年老いた
親
領の後妻という空蝉の設定
物心のつく前に
く
子と
作者
て育
ある紫式部の境遇と一
た。父の藤原
-網…拘…網-網
当
る。作者紫式部
有
詩人
あ
学者
あ
長
たため
紫式部
年(
式部
年)
雪深い越前に
た藤原
た。
孝の身分
紫式部一族と同
この
う
既に妻妾と何人
の子供
気
うに
た
舎
いるという性格の面
えること
千年
前に
た。空蝉
持ちた
自
見
に
あ
に
い。
て魅力のある
に気
く
け入
たの
紫式部
ある。この
強く自分の意見を
空蝉を作者の自
四十
男ぶ
年
て彼の求婚を
さ
る。そ
孝
高齢
紫式部
て紫
帰
十
年
未婚女性にと
心の転
く
紫式部
た
た。長男
ること
あ
う
作者の自
く意味
あ
学の
と
空蝉
心を持
と持
像に
て
近い人物と
自然
一
大
て
斉同
ある。
て
羽化
成虫と
に
次
の
に
侵さ
わ
て考
作
出
い自分自身の世界を
ある
と考え
る。
を設定
ること
深
長期にわた
過
という女性の
の思想を踏
虫の一種
記
誰に
空蝉
る
に出て木に
身分の高
紫式部自身の見識
近い人物と
無
た女性を
自分の心の中に
おさ
像に
について
高
と
半翅目に属
その後地
誇
ある。彼女たち
う。そ
この
セ
を持ち
その一人
たの
網 蝉
あ
とて
父に伴わ
る。
紫式部
てい
うに
似ていること
共通点
一人
たと
あ
い
空蝉と作者紫式部の境遇
の
た。父
に
る
領
早
現地に赴いたと
る。結婚
初老の男
進
とて
に任
孝と結婚
中年という
初めの
人
彼女の心を楽
縁談のあ
たため
たの
越前の
て
あ
この
学問を教わ
領の職を得て
国に赴く
て
父
えたこと
窺える。
虫と
土の中
う
る。
話
ある。網
網
日本
来
セ
の
虫の抜け
た
う
ある。
の
い言葉
み
に転
る
在ということ
て
セ
たという。
の抜け
うつ
目に見え
の意
派生
を
と
空蝉
と
と
ぶ。空蝉と
うつ
おみ
うつ
い
に対
る
た
う
おみ
み
と
とセ
うつそみ
と
と
全く関係
と
この世の人の姿を
うつ
この世の人の意
代に
て
目に見え
空蝉
と
儚い世と
て
。網
ある
網
漢
の意味につ
近
て
空蝉
現代の俳
セ
多く詠
の抜け
指
うに
夏の
語
ている。網網
網
寝て
見ゆ寝
見えけ
お
た
空蝉の世
夢に
あ
ける
和歌集
網
の
十
敏行の夢を見たの
この
番
網
網
代の歌人紀
則
藤原敏行
亡く
たあと
-網…拘枯網-網
空蝉の世
夢
た歌を詠
一方
中国
飲
何
の
うに記
来
高潔
蝉
た。網
人物の象
いことに由来
雲
と見
蝉網
ている
う
ている。そ
蝉
餐風飲露
風を食
露を
ある。
にみ
て
蝉の
――日本の恋の歌
の文章の中に
ている。網
日本文學
い
とに贈
食
治の文豪小泉
以
遺族の
陸雲とい
知
て居る有
支那の學者
次に記載
る珍
蝉の
と
のを書いた。
一
網 網 網
蝉
頭に或る模様
蝉
地
の
の
徽號
ある
食
た
何
。こ
露
その文
けを吸
文体
。こ
文學を現
その清潔
て居る。
純粋
礼節を
て居る。
蝉
常に一定の
期に出現
網 網 網 四
蝉
麦
米
け
網 網 網
蝉
己
棲
巣を
る。こ
い。こ
その誠忠
その廉直
。こ
方正
摯実
その質素
正直を
真実を
倹約
経
て居る。
て居る。
を
。
て居る
網 網
陸雲とい
盛行
た老荘の学。
付加さ
有緌
常
則
の
うに
則
周
奥深くて
玄
と総称
を
い微妙
理の意
ある。
に
雲氏の言う通
く分
作品の
中国の魏晋
寒蝉賦
小泉
朝
学
代に
説
の代表的人物
蝉の
文学
につい
た。そう思
人物
小柄
の
則
清
容貌
評
美貌と
。
稷不
虫の抜け
抜け
を
て蝶
蝉
い地味
形を示さ
を
則
廉
ると詠
女性
あ
たの
空蝉
蝶
変態
自然に生
いえ
た理想の女性の
セ
割
。含気飲露
。処不巣居
則
倹
。応候
空蝉
え
。
高潔
貞淑とい
中国
文
信
慎み深く
背中
玄
ち西晋の玄学
ている。
頭
的
支那の學者
荘子
ある。陸雲の代表的
て記さ
以
て居る有
老子
ている。
者の陸雲
め
知
と
飛び出
た
い
く
ている。そのため
高潔
と考え
虚空を舞う美
て姿を変える
うに
人間
斉物の論
逍遙の
うに
く理知
る。
と
蝉蜕
蝉の
ぶ。
代の人
い姿を見て
動
い蛹の
蝉蜕 化蝶
姿を変えるの
を確信
い
と考え
る。網
の哲人
て
万物
一の
ある荘子
対的究意的
世界に心を逍遙さ
という考え
-網…拘枰網-網
わち一
たを
の
数々の
のを斉
言に
みに視
て表現
る
中
の
胡蝶の夢
の
言
いみ
く
香
高い出色の一文
ある。網
網
者荘周夢
胡蝶
胡蝶。
。胡蝶之夢
荘周
然胡蝶
周
胡蝶た
て覚
則ち
俄然と
夢
。周
。自
胡蝶則必有分
。網
然と
然と
を。周と胡蝶と則ち必
適
。俄然覚則
。
物化
之所
て胡蝶
て周
分有
。不知周
自
。こ
。知
に適え
胡蝶たる
このいわゆる物化
。不知周之夢
。網 網
みて
周の夢
然周
。
。知
周
胡蝶の夢
るを。
周と
る
網
網
つ
荘周
に適
周
ていた
う
夢を見た。夢
ある。胡蝶をみてあ
ということ
たの
く
胡蝶の夢
」の世界
の
物化
る事を意味
みを突
中に在
その一つ一つの
抜けて
こそ
た胡蝶
荘周
あ
在る
た
のに
たの
あ
楽
う。自分
荘
く周
ある。周の夢
胡蝶に
い。そ
周と胡蝶と
た
分
自由実在に変わることを
物化
別同様相対的
ている。
く現
ている。網
て見
る
あ
う
そ
胡蝶
胡蝶
あ
考える。
に在ること
物化
というの
に真
こと
う
さいの
実
その
常識的
分
と考え
る。
の
ある
在
あると
いえ
う。現実の相
実在の世界にあ
あ
夢
る者にと
て
そのい
を
て生
夢み
胡蝶と
て舞い
本当に
自由
そ
自
わ
た夢
荘周と
現在の肯定
い
あるというけ
う。現実
覚め
を
あ
生滅流転
無
荘周という物に分けて
事と捉えている
の世界に活
夢
を楽
。荘周
て
た荘周
の
あるのに胡蝶
のみ
あ
のに
の
る
胡蝶
の姿において
に生
た現実
あ
て
荘
う。
斉
みに視
え
た
るということの意味
。網 網
さ
人間的分別を
に相
る。荘周
あ
て
う。そ
自由自在に変化
荘周
こそ――とこの哲人
い
あ
本来一つの事態
ているの
別の
に執着
舞い飛びた
胡蝶と荘周の
本体の世界の高処にた
別に固執
て
別
学の考え方
い変化――
周
ち
夢と現実の
斉同
く果て
の
ある。自分
ある。網
この説話の中に
一
ていたの
俄に目覚め
うに周と胡蝶という全く
と言う意味
然
周
て胡蝶に
うに
ていた。
う。この
ある
と
得
荘周
い。
た
さ
を亡く
た空蝉
荘周と胡蝶とに
あ
この
あ
う。出家
て
て
う
胡蝶
荘周
別をつけて
あ
と
そ
得
た
あ
夢と現実と
現実
あ
て
うことこそ
実
人間のさ
るのを疎
て
ついに出家
い
別
に
現実
夢
現実
ある。網
義理の息子の元紀伊の
女性にと
て意にそ
男
に好
逃
の目
見
る最後の手段
-網…拘喩網-網
あ
た。け
男女の間
に
自然
人間性
生
た
浮世を
に
る。空蝉と
身分
頭
良いという誰
情
容貌
の空蝉
の
ち
倫理教化
とに
あ
別
憧
抑え
いの
ある。
女
ている
源氏に対
分
い。網
う。そ
ある。うわ
て
見て
空蝉
ある空蝉の 物化 に過
女の空蝉
に
い。
たの
女
網
わ
に
網
空蝉の物語を見ると
空蝉の人物像
空蝉という女性の
見ると
思想の真髄を好
中国文化を積極的に摂取
いること
中国の伝統文化の一つ
化の発展変
視点を
るの
少
るの
いと指摘さ
た
学の視
代に生
源氏物語
中国文化の
てく
学の文化と深い絆
あると考え
る。
た紫式部
に
学
伺える。網
ある
のみ
供
について
い
る現状に
外伝播お
。
と
学について考察
び日中文化交流の実態を究
来日本の
不十分
るの
るために
文学についての研究の中
本論
その領域
源氏物語の人々の思想・論理
和泉書院
○一○年
書 卷
東夷伝・倭國伝 中華書局 一
日本文
新た
学を視角と
大の一助と
望外の極み
ある。網
注
増
繁
著
唐 魏徵
一
十一 列傳第四十
出
一
~
七
。網
年
出
第
第十
巻
四十
巻
。
欧陽
新唐書
東夷伝 日本伝
中華書局
一
七
年
出
。網
胡孚琛著、 道学通論――道家 道教 仙学 、中国社会科学文献出版社、一九九九年一
出版、二十ペ
前漢・ 馬
第
著
記
老子韓非列伝網 第
王溥撰
唐会要
巻
王溥撰
唐会要
巻四
唐 司馬光撰
七
十
資治通鑑
中華書局
籍出
社
籍出
社
巻第一
十一
旧唐書
本纪第
○一
年
○一
年
唐紀網 七
○○
年一
出
出
第一巻
四七
出
第一巻
四○
中華書局
巻 四
。網
。網
。網
○一一年
出
第
巻
。網
後晋 劉昫
張昭遠
纂
高
中華書局
○○
年十
出
第七巻
一
。
前掲書
第七巻
一
欧陽
新唐書
武則
と
教の理念
に
さ
高
帝を
本紀
中華書局
に
を
ている。そのため 中国
一
という
帝制
七
年
称に
の中
を
出
第
えた
武則
乗
たの
出
第
巻
四
の失脚後
武則
の
。網
再び
帝
李治のみ
あ
る。網
王溥撰
著者
唐会要
禹
馬
家。 唐鉴
の唐代の
唐
○
を記述
禹撰
本論に引用
唐鉴
る
卷七十七
を補
篇の
る
卷
源氏物語
籍出
社
○一
年
資治通鑑 の唐・ 代部分の
論
学
著
の旗を
あ
中華書局
の本文
深
○○
昭和四十
た唐高
唐
纂を担当
朱全忠に帝
年間治乱
年
年出
-網…拘没網-網
出
と評価さ
一
新
日本
巻
た
七十一
。網
の著
を 禅譲
学家
た唐昭
論
帝
ている。網
。網
文学全集
源氏物語
小学館
に
る。網
山本健
大
和歌集
日本の蝉の一種
小泉
記
角
第一巻
学芸
その頭の
雲全集
第
巻
にあ
一四一
昭和
籍出
沈啸寰
谦
集英社
出
一
て居る妙
第一書
晋貢陸雲 陆清河集
王
歌春夏
○○七年四
模様
年
社
昭和
十年出
四
魂の
出
一
。網
。網
一
○○○年出
を示
文
一
あると信
ている。
。
十
。網
新编诸子集成・莊子集解/莊子集解内篇补正
中華書局
○○
年一
出
。網
参考文献
新
日本
増
繁
文学全集
著
王
角
第一巻
学芸
第一書
沈啸寰
書
。
出
。
年
社
家・
馬
王溥撰
後晋 劉昫
禹撰
○一○年
昭和
○○○年出
教・
一
新唐書
唐 司馬光撰
唐
出
昭和
中華書局
欧陽
前漢・
○○七年四
。網
出
十年出
著
記
唐会要
。
張昭遠
七
中華書局
纂
唐鉴
年
旧唐書
出
一
○○
社
中華書局
中華書局
中華書局
中国社会科学文献出
中華書局
籍出
資治通鑑
学
年
年一
○一
○○
年
出
出
一
出
出
○○
出
-網…拘沢網-網
。
。網
年
○一一年
、中華書局
社
。
七
。
。
新编诸子集成・莊子集解/莊子集解内篇补正
学通論――
唐 魏徵
歌春夏
籍出
陆清河集
胡孚琛著
年出
集英社
記
雲全集
谦
昭和四十
大
和歌集
晋貢陸雲
小学館
和泉書院
山本健
小泉
源氏物語
源氏物語の人々の思想・論理
。網
。網
年十
。網
出
。網
○○
年一
年一
出
。網
出
。
。
Fly UP