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当日配布資料(0.99MB)
全面画像検査による ピーマンなどの 凸多面体状青果物の 自動選果 高知工科大学 システム工学群 教授 竹田 史章 高知工科大学 連携研究センター 助教 白石 優旗 研究背景 ピーマンなどの青果物のグレード 分けは、現状目視検査によって 行われている。 →長時間の連続作業 →農作業従事者の高齢化 →選別基準の個人差 自動選別の実現により、軽労化、 選別基準の統一によるブランド化 を図る 従来技術とその問題点 既に実用化されているものに、 片面画像を用いたテンプ レートマッチングによる装置等があるが、 全面を撮像するのに複数回の撮像(装置)が必要 凹凸及び鏡面反射(テカリ)により外観の撮像が困難 等の問題があり、広く利用されるまでには至っていない。 新技術の特徴・従来技術との比較 • ピーマンの6面同時撮像環境を構築するこ とにより、全面検査を実現 • 撮像環境の工夫と知的画像処理技術を組 み合わせるにより、ピーマン等の凹凸及び 鏡面反射(テカリ)のある対象物に対応可能 な柔軟性のある自動選別を実現 • 本技術の適用により、コンパクトな装置を製 作することで、既存の重さ及び数のみ計測 するシステムと比較しても、製造コストが 1/10程度まで削減されることが期待される 全面(6面)画像検査による選果装置 インター フェイス部 撮像部 搬送部 制御ボード 識別PC 搬出部 選果装置の内部機構 投入位置 搬送部 センサ 撮像位置 テグス 撮像部 選果装置 搬送イメージ カメラ 搬送動作ムービー 搬送速度: 2秒/個 撮像機構 Webカメラ×6個 解像度:640×480ピクセル 受像素子:1/4インチ30万画素 CCDセンサ 色数:24bit/pixel 分解能:0.3mm/pixel ・円偏光フィルターを使用 LED光源×8個 ・円偏光フィルターを使用 識別アルゴリズム概要 ピーマン検知 ピーマン領域検出 大きさ 判定 形状 判定 面積値を算出 長方形近似 長軸と短軸の比を算出 6面画像を用いた統合判定処理 キズ 判定 輝度値が異なる領域 を抽出 識別動作ムービー 撮像・検査速度: 2秒/個 選果装置(実験機)の搬送性能実験 赤ピーマン11個を 投入位置へ投入 投入位置 すべての赤ピーマン に対して22回の搬送 合計242回評価 判定基準 分離成功:撮像部までに赤ピーマンを1個に分離 撮像部 搬送性能実験結果 分離成功 分離失敗 ロール 巻き込みおよびつまり *ロール: *巻き込み: *つまり: 発生率(発生数/評価母数) 75.2%(182/242) 21.5%(52/242) 1.2%(3/242) 2.1%(5/242) ピーマンがその場で回転し続ける状態 ピーマンがベルトコンベアの隙間に巻き込まれる状態 複数のピーマンが団子状に絡まり,通路がふさがる状態 選果装置(実験機)の識別性能実験 等階級規格表と 目視により照合し,選別した 赤ピーマンを用いて評価 大:L以上 2個→10回評価 小:M以下 2個→10回評価 形状不良 4個→5回評価 キズ有り 4個→5回評価 (3×3mmの黒傷を対象) 1回の評価ごとに赤ピーマンの向き を進行方向に対して反転し,かつ 長手方向を軸として回転する 識別実験に使用した赤ピーマン 大 小 形状 不良 キズ 有り キズ 識別性能実験結果 大 (識別成功数/評価母数) 小 (識別成功数/評価母数) 形状不良 (識別成功数/評価母数) キズ有り (識別成功数/評価母数) 1個目 100% (10/10) 100% (10/10) 80% (4/5) 80% (4/5) 2個目 3個目 100% (10/10) 100% (10/10) 80% 60% (4/5) (3/5) 80% 100% (4/5) (5/5) 4個目 40% (2/5) 80% (4/5) 平均 100% (20/20) 100% (20/20) 65% (13/20) 85% (17/20) 識別性能実験の考察 • 形状不良 • キズ有り – あまり湾曲していない赤 ピーマンにおいて,設置 角度により良品と判定さ れたと考えられる 良品 形状不良 – 赤ピーマンの輪郭近 くにキズがある場合 のみ検出を失敗して いる キズ有り 評価実験のまとめ • 搬送性能 – 分離成功率:75.2% →搬送系を改良中 • 識別性能 – 平均識別成功率:83.3% • 大および小:100% • 形状不良:65% →撮像系・アルゴリズム改良中 • キズ有り:85% →撮像系・アルゴリズム改良中 実用化に向けた課題 • 実用に耐えうる安定した搬送装置の構築 分離搬送成功率:90%以上が目標 • 識別率の向上と微細な不良への対応 目標識別成功率:90%以上 (ただし、不良青果物は100%検知) 想定される用途 • 凸多面体に近似できる青果物の自動選果 • 大きな凹みのない凸多面体に近似できる対 象物全般(工業製品等)の全面検査への展 開も可能ではないかと考えられる 想定される業界 • 利用者・対象 凸多面体に近似できる青果物の選果場・各農家 凸多面体に近似できる工業製品の製造業者 • 市場規模(ピーマン選果装置を例として) 製造原価:500万円程度 →各農家のグループ単位での購入が可能 →選果場のみならず新たな市場の開拓が可能 →市場規模:500億円と推定 (東北、九州、四国の園芸野菜関係規模から推定) 企業への期待 • 本技術のコンセプトを具現化した実験装置 を既に開発し、その基本性能は確認できて いるものの、事業化を視野に入れた、安定 した搬送及び撮像機構の設計開発を行う必 要がある。 • また、凸多面体に近似できる青果物の選果 に限らず,凸多面体に近似できる対象物全 般(例えば、工業用部品)の全面検査への 展開も有効と考えられる。 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :回転楕円体及び球面体の 全面画像検査装置 • 出願番号 :特願2010-114660 • 出願人 :高知工科大学 • 発明者 :竹田史章 お問い合わせ先 高知工科大学 システム工学群 連携研究センター 教授 助教 竹田史章 白石優旗 TEL/FAX 0887-57-2345 e-mail takeda.fumiaki@kochi-tech.ac.jp shiraishi.yuhki@kochi-tech.ac.jp