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(仮称)福祉・教育施設整備基本計画書(案)
(仮称)福祉・教育施設整備基本計画書(案) 平成 22 年 3 月 富津市 目次 第1章 第2章 第3章 計画の概要 第1節 計画策定の背景と目的 1. 計画策定の背景 2. 計画策定の目的 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 1 第2節 計画策定の手順 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 2 第3節 建設予定地の設定 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 3 第4節 基本計画における重要な検討事項 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 5 建設予定地の現況と条件整理 第1節 1. 2. 3. 4. 建設予定地の現況 位置 敷地概要 基盤整備状況 地質 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 6 第2節 1. 2. 3. 4. 5. 施設整備にあたっての諸条件整理 建設予定地設定関連について 都市計画法関連について 基盤整備条件について 埋蔵文化財調査について その他 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 9 施設整備の基本方針 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ (仮称)福祉・教育施設の基本的な考え方 図書館の基本的な考え方 福祉センターの基本的な考え方 保健センターの基本的な考え方 複合施設としての特色 15 施設整備基本方針と事業計画 第1節 1. 2. 3. 4. 5. 第2節 各施設の事業計画 1. 図書館の基本機能 2. 福祉センターの基本機能 3. 保健センターの基本機能 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 22 第4章 施設規模の検討 第1節 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 38 各機能規模設定 図書館機能 福祉センター機能 保健センター機能 共有機能 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 40 第3節 全体規模の設定 1.施設規模 2.駐車場台数・駐輪場台数 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 51 第2節 1. 2. 3. 4. 第5章 施設機能の全体構成 施設配置の検討 第1節 配置ゾーニング*案の検討 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 52 第2節 平面ゾーニング*案の検討 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 53 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 55 第1節 管理運営主体 1.対象施設及び機能 2.管理運営主体の検討 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 59 第2節 管理運営計画 1.管理運営方針 2.管理運営体制 3.維持管理費の低減に関する検討 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 61 第3節 事業化に向けた条件整理 1.補助事業導入の検討 2.事業手法一覧 3.同種施設のPFI*事例 4.本計画のPFI*事業に係る条件整理 5.事業手法の方向性 ・・・・・・・・・・・・・‥・・ 64 第3節 施設計画にあたっての検討事項 1.安全・安心な施設計画 2.ユニバーサルデザイン*の実践 3.環境・健康に配慮した施設づくり 第6章 管理運営 参考資料 富津市複合施設整備基本計画策定懇談会設置要綱 富津市複合施設整備検討委員会設置要綱 用語解説 ※専門用語については用語解説に掲載してあります。 第1章 計画の概要 計画策定の背景と目的 計画策定の手順 建設予定地の設定 基本計画における重要な検討事項 第1節 計画策定の背景と目的 1. 計画策定の背景 富津市基本構想で掲げられた「躍動とにぎわい 安らぎとふれあいの 交差するまち ふっつ」を実現するために実施されている市民アンケー トで、図書館は必要施設として常に上位に位置しており、多くの市民が 建設を待ち望んでいます。 また、すべての市民が、健やかで生き生きと心豊かに暮らせるよう、 総合的な健康づくりを推進する保健センターや、住民参加型の福祉活 動・障がい者等の社会参加を一層促進させるための福祉センター等、保 健福祉活動の拠点としての施設についても要望が多く寄せられていま す。 これらの施設を整備することは、市民生活の向上を図り、基本構想を 具現化する上で大変有益であると言えます。 一方、これらの施設の機能は一部を相互に関連させることが可能です。 そのことが相乗効果を生み、市民サービスの質と量の向上を期待するこ ともできます。また、財政運営の面からも効率的であると言えます。し たがって、図書館、福祉センター、保健センターを単体で整備するので はなく、諸機能を併せ持った複合施設の建設を目指すべきであると考え ます。 2. 計画策定の目的 このような背景を踏まえ、市役所庁舎周辺に図書館、福祉センター、 保健センター機能を整備し、隣地の郵便局や現在計画されている「消防 防災センター」も含めた市民サービスの拠点を形成します。 ここに、そのための諸条件の整理を行い、市民が誇れる「(仮称)福祉・ 教育施設」整備のための基本計画を策定します。 1 第2節 計画策定の手順 計画策定の目的 土地利用 方針の設定 計画条件の検討 敷地現況調査 ・社会条件 ・自然条件 上位関連計画調査 既往調査の確認 ・周辺条件 ・現地踏査 土地利用 類似施設調査 法的与件調査 敷地条件の整理 の検討 周辺インフラ*調査 消防防災 センター 基本条件の検討 施設内容の検討 ・各機能のサービスの基本方針の整理・設定 消防防災 ・各機能サービスメニューの検討 センター 計画 管理運営 施設規模の検討・設定 ・施設利用人員 ・所要室 ・蔵書収容能力 ・延床面積 計画の検討 施設計画の検討 ・配置ゾーニング ・平面ゾーニング ・動線計画 事業手法の検討 事業化計画 * ・事業方式の検討 ・概算工事費の検討 ・ライフサイクルコスト*の検討 ・民活手法導入検討 ・国庫補助制度の運用検討 事業推進上の課題の整理 2 市民懇談会における意見 ・配置計画 ・管理運営計画 ・施設計画 ・サービス計画 パブリックコメント 基本計画の策定 第3節 建設予定地の設定 「(仮称)福祉・教育施設」の建設予定地については、かねてから様々 な論議がされてきました。そのような中、平成 19 年 3 月に神明山周 辺の土地が市に寄付されました。千葉県の富津都市計画「都市計画区域 の整備、開発及び保全の指針」では、「神明山周辺地区については、市 庁舎を中心とした公共公益施設を配置する。」と位置づけられています。 また、平成 20 年 3 月には、富津市複合施設整備基本計画策定懇談会 から、市長に対し、この土地を建設候補地として推薦するとの内容を含 んだ中間報告書が提出されました。これらの状況を受け、平成 21 年 2 月の庁議において、神明山周辺の土地を建設予定地として決定しました。 さらに、平成 21 年 8 月には、市有地を含めた神明山周辺の土地の有 効活用について検討していた庁舎周辺土地利用計画策定検討会による 「庁舎周辺土地利用計画書」が示されました。そこでは、神明山周辺地 区の中でも比較的高低差が小さい富津郵便局周辺地域は「公共施設利用 区域」と位置づけられております。そのうち、県道大貫青堀線沿いの 10,000 ㎡程度を「消防防災センター」建設予定地とし、市役所庁舎北 側の 12,000 ㎡程度を「(仮称)福祉・教育施設」建設予定地としてい ます。 「(仮称)福祉・教育施設」建設予定地は、緑豊かな神明山を背景と し、市役所庁舎や郵便局、及び現在計画中の「消防防災センター」との 一体性や利便性が図れる場所です。「消防防災センター」より数メート ル高台に位置するため、晴れた日には東京湾を隔てて丹沢の山並みや富 士山も望めます。 3 4 第4節 基本計画における重要な検討事項 基本計画の中で検討を行う重要な事項は以下のとおりです。市民懇談 会及びパブリックコメント*の意見・提言等を踏まえた内容とすること に留意します。 ■施設概要の検討 図書館、福祉センター、保健センターそれぞれの基本的な考え方と施 設概要を明確にします。建設予定地の交通状況、利用者の交通手段に配 慮し、建設予定地に即した検討を行います。 ■施設規模の検討 施設概要の検討に基づいて、各部門諸室、諸機能の内容を整理し、必 要とされる施設規模の検討を行います。 ■利点と課題の整理 図書館、福祉センター、保健センターを単体の施設としてではなく、 一体的に整備することの利点を整理します。また、想定される課題を抽 出します。 ■事業化に向けた基礎検討 今後の(仮称)福祉・教育施設建設実現に向けて、管理運営体制及び 事業費軽減に関する基礎検討を実施します。 5 第2章 建設予定地の現況と条件整理 建設予定地の現況 施設整備にあたっての諸条件整理 第1節 建設予定地の現況 1. 位置 所在地 富津市下飯野 2472 ほか 広域位置図 付近見取図 6 2. 敷地概要 敷地面積 約 12,000 ㎡ 都市計画区域 富津都市計画区域 区域区分 市街化調整区域 用途地域 指定なし 基準建ぺい率 060% 基準容積率 200% 防火地域 指定なし その他の地区 埋蔵文化財包蔵地 日影制限(建築基準法による) なし 前面道路 幅員 12m(市道神明山線) 地目 山林、田、畑、原野 7 3. 基盤整備状況 ■上水道 上水管は県道大貫青堀線に径 150mm の上水本管が埋設されていま す。市役所庁舎の計画水量に合わせて上水本管から分岐し、径 75mm の管が市道神明山線下へ引き込まれています。(仮称)福祉・教育施設 の必要計画給水量を明らかにしたうえで、建設予定地まで分岐を行い、 給水を行うこととなります。 ■排水設備 建設予定地周辺には汚水管が整備されていません。汚水については浄 化槽を設置し、雨水については造成区域全体の中で調整池を整備するこ とが必要となります。 ■電気 市道神明山線沿いに郵便局前まで高圧配電架空線が引き込まれてい ます。建設予定地まで引き込むには、さらに延伸する必要があります。 事業計画が進み、電気容量が確定でき次第、改めて調査・協議が必要と なります。 ■ガス 市道神明山線沿い地中に低圧本管径 150mm が引き込まれています。 建設予定地前面が現在の本管末端位置であると想定され、計画によって は本管を延伸した後、分岐して建設予定地に引き込むこととなる可能性 があります。延伸の要否は今後詳細な調査が必要となります。 4. 地質 計画敷地周辺は、建物を十分支持することのできる泥岩層があります が、付近の地盤調査結果から見るとその地盤の起伏は激しく、場所に よって出現レベルが変わるため、地盤調査の際には箇所数を増やし、泥 岩のレベルを確認する必要があります。 支持地盤のレベルに大きな違いが出る場合には異種基礎になること も想定されます。その場合には建物にとって有害な不同沈下等が起こら ないように設計を行います。 8 第2節 施設整備にあたっての諸条件整理 本節では、前節の調査結果を整理したうえで、課題となる点を抽出し、 方向性を立案し事業推進にあたっての対応策を検討します。 1. 建設予定地設定関連について ■造成計画の調整 (懸案事項) ・発生土量の削減 ・周辺高低差の有効利用 (問題点・課題点) ・高低差のある土地の造成であるため、低い方に合わせて 造成を行うと大量の残土が発生してしまいます。 ・消防防災センター建設予定地を含めて、全体で約 12m の 高低差のある造成計画が必要となります。 (問題解決の方向性及び対応策) ・造成計画にあたっては、高低差を有効に利用することで 残土を減らすことに配慮します。 ・消防防災センターの建設計画との調整を行います。 ・造成年度に合わせて事業計画を推進していく必要があり ます。 2. 都市計画法関連について ■開発許可への対応 (懸案事項) ・消防防災センターの建設計画との調整 (問題点・課題点) ・ (仮称)福祉・教育施設及び消防防災センターの建設予定 地を含む公共施設利用区域の土地整備については、都市 計画法に基づく開発基準を満たした全体計画を行う必要 があります。ただし、消防防災センターを単体で建設す る場合は、開発許可の適用除外となります。 9 (問題解決の方向性及び対応策) ・事業推進するうえで、消防防災センターの建設計画を含 めた造成計画と調整する必要があります。 ・事業計画が進み、計画内容を決定する際には、改めて千 葉県都市計画課と協議し、調整する必要があります。 3. 基盤整備条件について ■雨水排水処理 (懸案事項) ・周辺状況をふまえた雨水排水処理方策 (問題点・課題点) ・建設予定地の地形条件から計画区域外を含んだ調整池を 設置する必要があります。 ・消防防災センター建設計画と併せた雨水流出、排水計画 等の整合を図る必要があります。 (問題解決の方向性及び対応策) ・建設予定地以外に建設予定地東側神明山周辺一部を流入 区域として設定し、建設予定地と消防防災センター建設 予定地と併せて都市計画法の基準に準じた雨水排水処理 の計画を行います。 ■給排水計画 (懸案事項) ・周辺の基盤整備状況に合わせた供給処理方策 (問題点・課題点) ・建設予定地周辺には下水道が整備されていません。 (問題解決の方向性及び対応策) ・上水道については、 (仮称)福祉・教育施設の必要給水量 を明らかにしたうえで、県道大貫青堀線の上水本管、あ るいは市道神明山線の敷設管からの延伸を行い、接続し ます。 ・汚水については、浄化槽法(昭和 58 年法律第 43 号)、 千葉県浄化槽取扱指導要綱(昭和 54 年千葉県制定)及 び整備基準に基づき浄化槽を設置して、し尿等の適切な 処理を行います。 10 4. 埋蔵文化財調査について ■埋蔵文化財への対応 (懸案事項) ・埋蔵文化財包蔵地への対応 (問題点・課題点) ・建設予定地周辺は一部が弥生時代から古墳時代の打越遺 跡に該当し、集落跡等の遺物包蔵地が存在すると考えら れています。敷地の半分程度が要本調査エリア、または 確認調査エリアに該当しています。 (問題解決の方向性及び対応策) ・埋蔵文化財本調査、確認調査を見込んだ事業スケジュー ルを計画する必要があります。 ・確認調査エリアから文化財が出土した場合は、本調査期 間を見込む必要があります。 ・造成範囲は埋蔵文化財の調査が必要となります。 11 敷地周辺における文化財状況図 12 5.その他 ■交通面への対応 (懸案事項) ・土日及び祝祭日における公共交通手段が未整備 ・市道神明山線の歩行者安全対策 (問題点・課題点) ・建設予定地に至る公共交通手段が十分とは言えません。 ・現在市道神明山線を横断するための横断設備が整えられ ていません。 (問題解決の方向性及び対応策) ・専ら自家用車によるアクセスとなることが予想されるた め、十分な駐車対策が必要となります。また、自家用車 を使用しない利用者に向けては、交通利便性の充実を図 るための対策を検討していく必要があります。 ・市役所庁舎と(仮称)福祉・教育施設間の利用者、従事 者の徒歩の往来が想定されるため、市道神明山線に横断 歩道等を整備します。 ■林地開発連絡調整への対応 (懸案事項) ・林地開発許可対象 (問題点・課題点) ・関係機関との調整が必要となります。 (問題解決の方向性及び対応策) ・千葉県農林水産部森林課、または農林振興センターにあ る森林計画図を確認し、詳細について千葉県農林水産部 森林課又は農林振興センターとの協議・調査が必要とな ります。 ■個人所有地への対応 (懸案事項) ・建設予定地内にある個人所有地対応 (問題点・課題点) ・土地所有者への用地交渉が必要となります。 (問題解決の方向性及び対応策) ・土地の買収、交換など対応策を検討します。 13 ■地目変更 (懸案事項) ・宅地への地目変更 (問題点・課題点) ・建設予定地の地目が、山林、田、畑、原野等であり、各 地目を宅地に変更する手続きが必要となります。 (問題解決の方向性及び対応策) ・農地転用許可、土地地目変更登記等その他必要な手続き を行います。 ・事業計画が進む折に農業委員会との協議・調査が必要と なります。 建設予定地周辺の地目別図 14 第3章 施設整備基本方針と事業計画 施設整備の基本方針 各施設の事業計画 第1節 施設整備の基本方針 1. (仮称)福祉・教育施設の基本的な考え方 複合施設である(仮称)福祉・教育施設全体の基本理念を定め、施設全 体を通じた各機能の基本方針・基本目標を定めるにあたり常に拠り所と します。 また、企画・計画・建設の段階から、供用を開始した後の運営や維持・ 改善活動においても行動の規範となることを目指します。 【 基本理念 】 『 健康・福祉・文化とくらしをつなぐ拠点施設 』 【 (仮称)福祉・教育施設の役割 】 市民が安心して相談・利用のできる保健・福祉サービスを提供します。 市民の健康なからだ、健全なこころを保つ基盤づくりを行います。 市民の生涯学習を支援するための情報拠点施設とします。 本市の歴史を大切にし、明日へ伝えます。 市民の充実した余暇活動を支援し、憩い、ふれあう場をつくります。 15 2. 図書館の基本的な考え方 本市の定める市民憲章の中には次のとおり示されています。 「 教養を高め、文化の香り高いまちをつくりましょう 」 この精神を大切にし、図書館の基本方針を次に定め、学び、生きがい、 歴史、交流、情報発信の場となる図書館を目指します。 【 基本方針 】 市民の生涯学習と文化の向上を支援します。 市の文化を継承し、理解と愛着を深めます。 多世代間の交流を促します。 以上の基本方針に基づき、図書館の目指すべき目標を示し、第 2 節 で各目標を実現するために備えるべき具体的な機能と施策を明らかに します。 【 目標 】 ■「市民の本だな」として機能する図書館 ・市の中央図書館*として、資料の選択・収集及び提供の基本を大切に します。 ・課題解決につながる適確な情報サービスを提供します。 ・市内公共施設、市外の図書館、学校等との連携を図り、広大な市域 全体へのサービスの提供に努めます。 ・市民の情報活用能力の向上に寄与します。 ・情報の加工・蓄積・受発信を行います。 ■市民が憩う図書館 ・親と子が楽しくふれあう場をつくります。 ・様々な交流・イベントを開催します。 ・郷土資料の収集・提供を行います。 ・市民の参画・協働を促します。 ・高齢者や障がい者にもやさしい施設をつくります。 ・新たなまちづくりを担う人材の育成・支援を行います。 16 3. 福祉センターの基本的な考え方 本市の定める市民憲章の中には次のとおり示されています。 「 としよりやこどもを大切にし、幸せなまちをつくりましょう 」 この精神を大切にし、福祉センターの基本方針を次に定め、高齢者や 障がい者、子どもにやさしいセンターを目指します。 【 基本方針 】 豊かな感性や個性を育み、未来の宝である子どもの健全な育成を支援 します。 安心して子育てのできる環境づくりを支えます。 いろいろな世代が集い、交流し合い、明るいまちづくりを目指します。 市民参加・協働による社会福祉の実現を目指します。 各福祉団体の総合的な拠点づくりを目指します。 以上の基本方針に基づき、福祉センターの目指すべき目標を示し、第 2 節で各目標を実現するために備えるべき具体的な機能と具体的な施 策を明らかにします。 【 目標 】 ■子どもの可能性を伸ばす健全育成の場 ・子どもが自主的に体を動かし、安全に安心して遊べる場をつくりま す。 ・創作活動等を通じて心身を鍛え創造性を養う場をつくります。 ・子どもの多様な感性に応じた居場所づくりを行います。 ■親子の安心感を育む場 ・子ども同士、親同士の親交・コミュニケーションを深め、子育ての 情報交換や悩みを話し合う場を提供します。 ・保育士や子育て応援サポーターとのふれあいを通じて未就園児の親 子を対象に育児不安や孤立感、ストレスを和らげ、子育てが楽しい と感じられるような場を提供します。 ■多様な世代をつなぐ交流拠点 ・親子が気軽に集い交流し、自主活動のできる場とします。 ・遊びを通した異年齢児交流等により、子どもの豊かな感性や自主性 を育む場とします。 17 ・多世代交流等により地域の伝統文化や昔の遊び等、様々な体験や経 験を積むことができる場とします。 ・子育てを通じた様々な交流機会の創出等により、子どもから高齢者 まで、多様な市民の交流の核となる場とします。 ■社会福祉協議会・ボランティア活動や市民活動の推進・支援 ・住民参加や協働による福祉活動の支援、福祉のまちづくりや福祉コ ミュニティづくり等を展開し、地域福祉の中核的な役割を果たしま す。 ・ボランティア活動を円滑に推進するため、組織の充実及び指導者の 育成を行います。 ■福祉サービス利用者の援助や生活支援に向けた相談・支援活動 ・福祉サービス利用者等を可能な限り居宅において、自立した日常生 活の支援を行います。 ・地域における福祉ニーズの高まりと多様化が進んでいる中、援助を 必要とする親子・高齢者・障がい者等に対する総合相談を開設しま す。 ■高齢者・障がい者等の支援体制を構築 ・高齢者・障がい者等自己決定能力が十分でない人々に対し、自立し た生活を送るために、福祉サービス利用のための情報提供や、苦情 解決制度等の各種福祉制度に関する助言及び支援を行います。 18 4. 保健センターの基本的な考え方 本市の定める市民憲章の中には次のとおり示されています。 「 健康で仕事に励み、豊かなまちをつくりましょう 」 この精神を大切にし、保健センターの基本方針を次に定め、市民の健 康維持増進を目指します。 【 基本方針 】 市民の健やかな生活の実現のために、病気の早期発見・早期治療、伝 染病の予防、生活習慣病の予防、健康教育、健康相談等質の高い健康 づくり活動を提供します。 以上の基本方針に基づき、保健センターの目指すべき目標を示し、第 2 節で各目標を実現するために備えるべき具体的な機能と具体的な施 策を明らかにします。 【 目標 】 ■保健活動・保健サービスの中核拠点 ・保健センターでは、健康相談、栄養相談、保健指導及び健康診査(以 下、健診)、予防接種等地域保健に関し、適確な事業を行い住民の 健康の保持・増進に寄与します。 ■多様な保健事業に柔軟に対応できる施設づくり ・事業内容によって多目的に対応できる施設作りを目指します。 ■保健事務との円滑な連携の実現 ・保健部門として、健診(検診)・予防接種・栄養相談等を担当する 健康づくり課、国民健康保険課特定健診推進係は保健センター内に 事務室を設け、利用者の利便性を図ります。 19 5. 複合施設としての特色 (仮称)福祉・教育施設は、図書館・福祉センター・保健センターと いった各施設の機能を充実させて、市民の文化活動を活性化し、健康を 維持することを目指します。また、隣接する郵便局、消防防災センター との連携や、次に示す複合施設である長所を生かして、より一層市民の 生活に寄与することに努めます。 ■子ども、障がい者、高齢者への支援を促進します。 ・子育て支援や、障がい者への福祉サービス、高齢者の生きがい介護 予防等について、日常生活指導や相談援助等を行います。 ■多世代間の交流を促進します。 ・子どもから高齢者までを対象にメディアホールなどで、地元の読書 会やボランティアによる地域の民話の読み聞かせなどを開催します。 ・子育て支援センター内のプレイルームで開催するおひさま広場で、 乳児・保護者と高齢者とのふれあいの機会を設けます。 ・保育園児等に来館してもらい、竹とんぼ・竹馬作り等を通じて健康 増進室のプログラムで集う高齢者との交流の機会を設けます。 ■健康・福祉に関する情報の発信を行います。 ・図書館部門と健康・福祉部門で連携し、関連する書籍や映像資料を 選び、常に新しい情報を提供します。 健康・福祉に関する本・雑誌・DVDコーナーを設けます。 健康・福祉に関するパンフレットのコーナーを設けます。 健康・福祉に関するポスター等を掲示します。 ■里山や遺跡を活用したウォーキングなどの企画を検討します。 ・将来的には、周辺の里山を活用し、健康増進と遺跡の見学等を合わ せたウォーキングなど、年齢や体力に応じた自然とのふれあい、健 康づくり及び郷土の歴史探訪などを行うことのできる企画を検討し ます。 ■健診(検診)等に来られた方々へ、図書館利用の促進を図ります。 ・本の選び方や子どもへの読み聞かせのアドバイスなど、図書館が本 と出会うきっかけづくりの場となるよう努めます。 20 ■活動内容を評価・分析し、継続的に改善していく体制を整えます。 ・定期的に部門を横断した情報交換会を行い、連携を深めます。 ■市役所庁舎、郵便局及び消防防災センターとの連携を図ります。 ・相互に協力したイベントの開催を検討するなど、連携を深めます。 21 第2節 各施設の事業計画 1. 図書館の基本機能 【 利用時間の設定 】 ・開館当初は10時から18時とし、利用状況や要望により柔軟に対応し ていきます。 ・休館日については今後検討していきます。 【 貸出冊数等の目標 】 ・市民一人当たりの年間貸出冊数の目標を5冊とします。 A サービス対象人口(市の人口) 48,000 人 B 市民一人当たりの年間貸出冊数(目標) C 来館者1人当たりの貸出冊数(目標) D 年間貸出冊数(目標) (A×B) 240,000 冊 E 年間来館者数(目標) (D/C) 160,000 人 5冊 1.5 冊 ※社団法人日本図書館協会の算定式による。 ※市民一人当たりの年間貸出冊数の目標 5 冊は、平成 18 年度から平 成 20 年度までの千葉県年間貸出冊数を参考とした。 【 蔵書収容能力 】 ・蔵書の収容能力を約25万2千冊とします。 一般開架スペース 約 114,000 冊 地域資料・参考図書スペース 約 16,000 冊 児童コーナー 約 20,000 冊 小 計 約 150,000 冊 閉架書庫 約 102,000 冊 合 計 約 252,000 冊 22 【 資料・情報の収集・提供 】 ・市の中央図書館*として、すべての市民が図書館サービスを受けられる態 勢を整えます。資料を幅広く収集し確実に提供していきます。特に、本 市についての資料を収集し、後世に向け保存していくことに努めます。 ■開架フロア ・開架フロアの書架は高すぎず、圧迫感のないものにし、広さを感じられ るようにします。 ・車イスでの利用がしやすいよう、書架と書架の間は広くとり、ゆっくり と座って読めるようにイスも多く設置します。 ・AV 資料コーナーは、衝立などで仕切り、ゆっくりと鑑賞できるように 工夫します。また、幅広く学べる資料を取りそろえます。 ・インターネットコーナーは、情報検索に利用できるパソコンを配置しま す。 ■児童コーナー ・児童コーナーでは子どもたちが図書館利用のマナーを学びながら、親子 でゆっくり読み聞かせができるように、また、親同士の交流も大切にし た、のびのびと本に親しむ雰囲気を作ります。一般書のコーナーとは別 にし、幼児・児童が見やすい低書架、絵本架書棚、紙芝居架等を設置し ゆとりのある配置を行います。 ・おはなしの会では素ばなしや読み聞かせを実施し、子どもが自由に想像 をめぐらし、物語の世界を楽しめる空間をつくります。 ・子どもの成長に合わせ、興味関心に基づいた調べ学習への支援を行いま す。 ・開架・閲覧スペース内の環境のよい管理の行き届く場所に設置します。 また、子育て支援センター内のプレイルームと連携して利用できるよう 工夫します。 ■閉架書庫 ・閉架書庫は、古くなったが保存の必要性がある貴重な図書資料や寄贈さ れた図書などを整理し保存する場所として、図書館員が管理します。 23 【 貸出方法、返却方法、相談・検索・レファレンス*機能 】 ■貸出方法、返却方法 ・IC タグ*を備えた自動貸出システムの採用を検討します。 ・基本的には、人と人とがコミュニケーションをとりつつ貸出できること が大切であると考えますが、利用者の待ち時間の短縮や、プライバシー に配慮し、自動貸出機*の設置を検討します。 ・返却も手渡しを基本とします。これにより汚破損のチェックや、利用者 の声を聞いたりすることも可能となります。ただし、利用者の利便性を 考慮し閉館後や休館日の返却のためのポスト等も用意します。 ・ホームページからパスワードの入力によって貸出の予約が可能となるシ ステムを検討します。 ■相談・検索・レファレンス*機能 ・サービスカウンターは、いつでも利用者が声をかけやすいように常に職 員は心掛け、落ち着いたカウンターとします。 ・利用者自身の手で検索ができるように、操作の簡単なコンピュータを設 置します。 ・ホームページから図書の検索ができるようにします。 ・調べ学習等では、レファレンスサービス*を受けることができます。また、 リーフレットにより、特定のテーマに関する資料の探し方を案内します。 【 市内公共施設、市外の図書館、学校等との連携 】 ■公民館、市民会館との連携 ・共通のカードを使って公民館、市民会館、移動図書館のどこでも予約、 貸出、返却ができる体制を整えます。 ■県立図書館等との横断的検索への参加 ・県立図書館や他市の図書館等とネットワークを構築し、横断検索に参加 するとともに、連携してリーフレット等を作成し、レファレンス*や資料 提供を通じた調べ学習への協力を行います。 ・県立の図書館や他市の図書館等と相互に資料を貸借し、利用者に充実し たサービスの提供を可能にします。併せて限りある資料の有効活用を図 ります。 24 ■学校等との連携 ・市内の学校と蔵書ネットワーク化に努めます。 ・図書館の資料を大いに利用してもらうため、市内の小中学校を対象とし た団体貸出にいつでも対応できるようにします。 ■移動図書館の運営 ・市全域への充実したサービスを展開していくために移動図書館の運行を 継続します。 ・市内各所を巡回し、子どもからお年寄りまでの閲覧、予約、貸出、返却 などのサービスを実施します。 ・図書館から遠い地域を中心に計画的に巡回します。 【 市民の情報活用能力の向上 】 ■図書館授業の実践 ・学校、保育所等と連携し、館内を案内しながら利用方法を説明するなど、 身近な本だなとして気軽に利用してもらえる環境づくりを行います。子 どもの頃から図書館に慣れ親しむ機会を作ります。 ■図書館利用ガイダンス ・市民向けの図書館の利用の仕方(資料の探し方、貸出返却の仕方)の説 明を適宜行います。 ・市内の小学校に入学する児童に、児童用ガイダンスと図書利用カードを 配布します。 【 学習への対応 】 ・館内は原則として持ち込み資料のみの学習室機能は想定せず、図書館の 資料を利用する人のためのスペースとします。 ・ 「調べ学習」に対応し児童生徒が学習・研究・調査を目的として、必要 な情報・資料等を求めた際に、情報そのものあるいはそのために必要と される資料を検索・提供・回答する等のレファレンスサービス*を実施し ます。 ・需要の多い質問に対しては、予め、書誌・索引等の必要な資料を準備・ 作成します。 ・無線 LAN を整備し、利用者のパソコン持ち込みにも対応します。なお、 タイピング音に配慮し、5台分程度のスペースに限定します。 25 【 親子が楽しくふれあう図書館 】 ・親子が本と出会い、子どもの読書への関心を深め、自ら考え、学ぶ力を 育むことが出来るよう児童向けサービスの充実を図ります。 ・図書館の持ち味を十分生かして、子育て支援センターと連携するととも に、ボランティアの専門知識や経験を生かして、さまざまな角度、視点 から多彩な子育て支援を行い、子どもと保護者がゆっくりと向き合う場 を提供します。 【 高齢者や障がい者にやさしい図書館 】 ・高齢者や障がい者もゆったりとくつろぎながら本が読めるよう、照度を 確保するとともに、館内にはイスを多く配置します。 ・医療・健康・介護等の資料を充実させ、利用者に資料・情報を提供し、 健康や老後に対する不安の解消を支援します。 ・車イスで利用しやすいよう、段差と勾配に配慮し、ゆとりある通路幅を 確保します。 ・だれもが読書できるように、拡大読書器*の設置や大活字本*等の充実を 図ります。 【 様々な交流・イベントの開催 】 ■映画会 ・メディアホールで映画会を開催し、図書館で所蔵する作品を上映します。 ・君津地方視聴覚教材センター等との連携に努めます。 ■おはなし会 ・おはなしが楽しいことを幼児のうちから感じてもらうため、幼い頃から 当たり前に本に親しむ環境づくりを支援します。 ・おはなし会やブックトーク(本の紹介)を行い、本に出会い、関心を 持ってもらうような機会を多く設けます。 ■図書館フェア ・図書館フェアとして小規模なお祭りのような催しを開き、より多くの市 民が図書館を訪れるきっかけづくりに努めます。 ■ブックスタート* ・幼児とその保護者が、絵本などを介して、心ふれあうひとときをもつ きっかけづくりに努めます。 26 ■その他 ・ボランティアスタッフの協力を得ながら、映像や写真、絵画、俳句、 短 歌、作文等創造的な講座、パソコン、英会話、絵本の読み聞かせ等、様々 な学習機会の提供に努めます。 【 ボランティア活動、人材育成・支援 】 ■ボランティアの育成 ・図書に関するボランティアを育成し、図書館における様々な作業に参画 できる仕組みをつくります。 ・高齢者や障がい者の活躍の場も広げます。 ■ボランティア団体との連携・調整 ・ボランティア講座等学習・研修の場を多く設け、ボランティアの育成を 行い、ボランティア団体への支援をします。 ・ボランティア団体と連携をとりながら図書館運営を円滑にしていきます。 ・ボランティア団体による読み聞かせ等の出前事業を支援します。 ・生涯学習の拠点として、さまざまな世代の人が集う各種講座やグループ 活動を支援します。 【 情報の加工・蓄積・受発信 】 ■情報ネットワークの構築 ・情報の受信並びに発信基地として、市民が活用できる役割を果たします。 ・情報編集の支援のため講習会や利用者同士の情報交換会等を開催します。 ・ 「調べ方ガイド」等のリーフレットを作成し、市民自らの調査・研究を 援助します。 ・インターネット用のパソコンを複数導入し、インターネット接続サービ スを提供し、最新の情報が得られる仕組みをつくります。 ・図書館ホームページは、図書の検索、施設の利用に関するお知らせ、新 刊の案内、書評、行事のお知らせ等、基本的な情報にとどまらず、市民 が継続的にアクセスしたくなるような内容の充実に努めます。 ・視聴覚設備を備えたメディアホールと録音編集室等を利用した情報加 工・蓄積・受発信を検討していきます。 ■アーカイブ*機能(郷土・行政・地域情報の収集・加工・蓄積・発信) ・各種の郷土・行政に関する資料の収集・保存・公開・展示を行います。 ・ 「広報ふっつ」、 「議会だより」を始め、各公民館会報、学校だより、PTA 27 だより等、市内の発行物を館内で閲覧できるようにします。 ・本市に関する地域資料を、歴史、行政、文化、産業、観光、著名人、関 連イベント、姉妹都市・友好都市等分野を問わず、収集に努め、まちづ くりや地域活性化のための情報活動支援を行います。 ・古墳や鋸山石切場、海堡などについて広く資料を収集し、市内で出土し たものを紹介するなど、富津市ならではの特色づくりに努めます。 ・郷土資料の保存にあたっては原形保存を原則としますが、一部の資料に ついては、閲覧等の利用の利便性、保存スペースの確保のために電子化 を図っていきます。 ■『古墳のまち』や歴史・郷土資料に関するコーナーを設けます。 ・生涯学習課と密に連携し、古墳や鋸山石切場、海堡など地域に関する資 料を取りそろえます。古墳について調べるなら富津の図書館と言われる ような特色(魅力)づくりを目指します。 28 2. 福祉センターの基本機能 福祉センターは「子育て支援センター」と「社会福祉協議会」の 2 つ の機能から構成します。 A.子育て支援センター 【 利用時間の設定 】 ・月曜日から金曜日の10時から16時とします。 【 各機能構成 】 ■プレイルームでの活動 ・保育所、幼稚園入園前の親子が集い、遊びながら、他の子どもとの交流 を深め、育児不安の解消や育児学習の場として子育て支援センターを開 設します。 ・対象年齢は0歳~保育所入所前の子どもとその親とします。 ■子育て相談 ・原則常駐である保育士、及びボランティアの子育て応援サポーターを配 置して、遊びながら子育て相談ができる場とします。 ・相談内容に応じて、社会福祉協議会内の相談室と子育て支援センター内 のプレイルームを使い分けます。 ■おひさま広場 ・子どもを中心として、地域の多世代とのふれあいや季節に応じた様々な イベントを趣旨とした「おひさま広場」を開催します。 ・子育て支援センターを中心に公立保育所を含めて月1回程度の開催を予 定します。 ・保健センターにおける子どもの健診や図書館を利用する子どもなど、施 設を利用する市民に合わせた「おひさま広場」の開催も検討します。 ■子育て応援サポーターの育成 ・子育てを地域の力で支える体制を作るため、子育て応援サポーターの育 成を推進していきます。 29 B.社会福祉協議会 【 利用時間の設定 】 ・月曜日から金曜日の8時30分から17時30分までとします。 【 各機能構成 】 ■訪問介護事業・介護保険事業(ホームヘルプサービスの展開) ・訪問介護員月別訪問シフトを作成します。 ・民間訪問介護事業所との連絡・調整を行います。 ・月1回、利用者のご家庭を訪問します。 ・訪問介護員の研修計画を作成します。 ■居宅介護支援事業 ・ケアプラン*を作成します。 ・連絡調整会議を行います。 ・ケアカンファレンス*を行います。 ・各事業所との連絡調整を図ります。 ・月1回、利用者の家庭を訪問します。 ■相談 ・子育て支援センターと連携して主任児童委員による子育て相談を行いま す。 ・弁護士による無料法律相談を行います。 ■ボランティア事業 ・目の不自由な方のために、本の朗読サービスや録音図書の貸出を検討し ます。 30 3. 保健センターの基本機能 A.保健センター共通 【 利用時間の設定 】 ・月曜日から金曜日の8時30分から17時30分までとします。 保健センターでは各事業プログラムの開催実態に合わせて利用時間を 設定していきます。 ・健診・結核検診は休日に実施することもあります。 【 成人保健事業 】 ■生活習慣病健診 ・特定健康診査、若年健康診査、健康増進法による健診、肝炎ウィルス検 診を行います。通常7~8月に予定し、受診者数は多いとき一度に 100 ~200 人程度を想定しています。 ・各健診の対象者を示します。 特定健康診査 :40歳以上の国民健康保険加入者 若年健康診査 :35歳以上40歳未満の方 健康増進法による健診 :40歳以上の方 肝炎ウィルス検診 :40歳以上で肝炎検診を一度も 受けていない方 ・検診車の停車位置は待ちスペースから遠くなく、雨天でも濡れることな く移動できる位置とします。 受付 1 記載 受付 1,2 尿検・計測 血圧 採血 (心電図・眼底) (身長・体重・腹囲) 腹囲 診察 採血受付 ※ 聴診あり ※ 受診数で医師体制変更 結果返却説明 ※ 会場内で設置する 場合もあります。 検診車で心電図・眼底 ※ 駐車場にレントゲン車と 生活習慣病健診利用者動線フロー図 循環器車 2 台分のスペース。 31 ■成人保健指導 ・健診の結果による保健指導を行います。 ・保健指導の参加者は 50~60 人程度を想定しています。 結果説明会:予約制 8~9月 医師講演会:予約制 年 1~2 回 その他 ・健診の結果返却から 6 ヶ月後評価に至るまで継続して個人に応じた健康 づくりを支援する個別相談を行います。 ・個別相談は 1 回あたり 20~50 人程度を想定しています。 個別相談 :予約制 8~翌 3 月 ■がん検診 ・結核・肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん・子宮がんの検診を行います。 ・がん検診の受診者数は 100~200 人程度を想定しています。 ・結核・肺がん検診の受診者は、受付開始から2時間程度に集中するので 待機するスペースを必要とします。 ・各検診の実施時期を示します。 結核・肺がん検診 :7~8 月 子宮がん検診 :8 月 胃がん検診 :8~9 月 乳がん検診 :11 月 ・検診車の停車位置は待ちスペースから遠くなく、雨天でも濡れることな く移動できる位置とします。 受診票記入 受付 問診 検査 がん検診利用者動線フロー図 32 【 母子保健事業 】 ■乳幼児健診 ・1 歳 6 ヶ月児健診、3 歳児健診を行います。 ・月に各 1 回ずつ行い、1回あたり 20~30 組(親子で 40~60 人)の参 加者を想定しています。 ・幼児健診は一度に集合するので待機するスペースが必要となります。 ・身体計測のほか、内科健診、歯科健診、個別指導・栄養士集団指導を行 います。3 歳児健診では尿検査を行います。 ・内科健診では聴診を行います。該当者については、雑音が入らない独立 した部屋でささやき声の聴き取り調査を母子一組ずつ実施します。 受付 計測 尿検査 歯科健診 (3 歳児のみ) 内科健診 (聴診あり) 個別指導・栄養士集団指導 幼児健診利用者動線フロー図 ■乳児教室 ・乳児教室として 4 ヶ月児・7 ヶ月児・10 ヶ月児・1 歳児を対象にした 集団指導を行います。 ・乳児教室は月に各 1 回ずつ、予約制で 1 回あたり 10~20 組(親子で 20~40 人)の参加者を想定しています。 ・身長は寝て計測し、体重は籠で計測します。 ・1 歳児は歯のブラッシング指導を行います。幼児を寝かせて口腔内を観 察し個々に説明を行います。 ■母親学級 ・妊婦の方を対象とした母親学級を開催します。 ・和室等落ち着きやすい雰囲気とし、心身の負担の少ない環境で開催しま す。 ・月に 1 回ずつ、予約制で 1 回あたり 5~10 組の参加者を想定していま す。 33 ■こども発達相談 ・乳幼児健診の後に子どもの発達相談を行います。 ・年 8 回、予約制で 6 組までの参加者を想定しています。 【 予防接種事業 】 ■BCG ■ポリオ ・生後3~6 月の乳児を対象とした BCG 集団接種を行います。 ・生後3~90 月の乳幼児を対象としたポリオ集団予防接種を行います。 ・予防接種は受付が一度に集中するので待機するスペースが必要となりま す。 ・月1~2 回、1 回あたり 70~100 人程度を想定しています。 ・ベビーカーで来所するケースが多いのでベビーカーの置ける場所を広め に確保します。 体温測定 受付 問診・診察 接種 (聴診あり) 休憩 (副反応出現観察) 予防接種利用者動線フロー図 【 歯科相談事業 】 ・歯科衛生指導や歯科相談を行います。 ・3 歳児の虫歯保有率対策の拠点施設となります。 34 B. 研修・学習機能 【 栄養改善事業 】 栄養改善事業は、妊婦または乳幼児の親を対象とした「母子事業」と、 メタボリックシンドローム対策をはじめとした生活習慣病改善や食生 活改善推進のための「成人・健康づくり支援事業」の2つからなります。 ■母子事業 事 業 内 計画(回数・ 参加状況等) 容 教 材 備 考 妊婦の食事 づくり教室 対象:妊婦 調理実習を通じ妊娠中の食事 のとり方を学びます。(調理実 習と講義) 1食分を作り量や食材の使い 方を学びます。 調理の準備と講話は並行して 実施します。 年6回 一回6人程度 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 フードモデルや食 材の展示スペース が必要です。 簡単な調理をする こともあります。 離乳食教室 前期/中期/後期 対象: 対象月の乳児 保護者 調理実習を通じ発育段階に応 じた離乳食の作り方・食材の利 用の仕方を学びます。(調理実 習と講義) 調理の準備と講話は並行して 実施します。 各教室月1回 各教室5~15組 程度 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 パネル 調理室近くに和室 が必要です。 調理時には乳児と 親が離れるため保 育を行うことが必 要です。 栄養相談 対象:一般市民 肥満児、アレルギー児等の 食事の相談を行います。 毎月1回 随時 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 フードモデルや食 材の展示スペース が必要です。 簡単な調理をする こともあります。 幼児食教室 対象: 幼児と保護者 調理実習を通じ幼児食(特に野 菜・乳製品)のとり方を学びま す。 (調理実習と講義) 調理の準備と講話は並行して 実施します。 年4回 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 幼児の保育が必要 です。 35 ■成人・健康づくり支援事業 事 業 内 計画(回数・ 参加状況等) 容 教 材 備 考 生活習慣病改善のための教室 講話・調理実習・運動指導 3回コースを2回 各回20~30名 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 パネル フードモデルや食 材の展示スペース が必要です。 簡単な調理をする こともあります。 食と運動の教室 Ⅱ 対象:一般市民 生活習慣病予防のための教室 講話・調理実習・運動指導 2回 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 フードモデルや食 材の展示スペース が必要です。 簡単な調理をする こともあります。 栄養教室 対象: 食生活改善 推進員 食生活改善推進員育成のため の講座 講演会、調理講習会、運動実践 等 月1~2回 各回40人程度 ・調理実習室 ・栄養講義スペース ・講義室 わくわく 栄養教室 食生活改善推進員養成のため の講座 講演会、調理講習会、運動実践 等 月1回 20名程度 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 月 4~6回 10名程度 ・調理実習室 ・栄養講義スペース ・講義室 フード モデル 食材 パネル 月1回~2回 随時 ・調理実習室 ・栄養講義スペース フード モデル 食材 食と運動の教室 Ⅰ 対象: 健診受診者 食生活改善推進 員活動 対象: 会員、 一般市民 栄養相談 対象:一般市民 活動のための配布用試食づく り (乳児健診等) ヘルスサポーター事業等の開催 活動のための計画や試作づくり 特定健診時の展示物・試食の作成 (7月から8月) 36 フードモデルや食 材の展示スペース が必要です。 簡単な調理をする こともあります。 C.保健センター事務 【 母子保健窓口業務 】 ■妊娠届 ・住基ネットで確認のうえ、母子健康手帳の発行・各種事業の説明を行い ます。 ■転入者健診受給券の差替え ・住基ネットで確認のうえ、転入者(妊婦、乳児)への各健診の受給券の 差替えを行います。 ■出生通知書の受理 ・市民課と児童家庭課でそれぞれ手続きを済ませたうえ、出生通知書を受 理します。 ・乳幼児台帳の作成を行います。 ・新生児訪問受付を行います。 ・今後の母子事業案内を行います。 37 第4章 施設規模の検討 施設機能の全体構成 各機能規模設定 全体規模の設定 第1節 施設機能の全体構成 (仮称)福祉・教育施設は下表の機能から構成されます。 機能・部門 機能名称 図 書 館 機 能 福祉センター機能 保健センター機能 開架部門 エントランス 中央サービスカウンタースペース 開架フロア 児童コーナー AV 資料コーナー インターネットコーナー 管理・運営部門 事務スペース ホストコンピュータ室 作業スペース 移動図書館用作業スペース 選書室 閉架部門 閉架書庫 移動図書館部門 移動図書館車用書庫 子育て支援センター 下足コーナー プレイルーム 授乳・調乳室 専用トイレ 社会福祉協議会 事務室 相談室 物品倉庫 保健サービスセンター 待合ホール 健康増進室 消毒滅菌室 接種準備室 歯科相談室 保健相談室(2室) 更衣室(男女各1室) 洗濯室 研修学習機能 調理実習室 栄養講義スペース 準備室 ロッカー・ベビーカー置場 保健センター事務 事務室 38 機能・部門 共有機能 機能名称 玄関 風除室 エントランスホール 展示スペース 談話スペース トイレ 録音編集室 メディアホール ミーティングラウンジ 更衣室(男女各1室) 倉庫 その他(印刷室、給湯室、通路、機械室等) 39 第2節 各機能規模設定 1. 図書館機能 約2,300㎡ 図書館に必要となる主要なスペースについて機能と設備を挙げます。 【開架部門】 約1,750㎡ ■エントランス(約120㎡) ・エントランスは中央図書館*らしくゆとりと落ち着きのある雰囲気を持た せたしつらえとします。 ・仕事帰りや買い物帰りの来館者用のコインロッカーを設置します。 ・閉館時の返却ポストについても検討します。 ・出入り口にはブックディテクション*を配備します。 ■中央サービスカウンタースペース(約50㎡) ・カウンターの配置は、出入口付近に設け、館内を広く見渡せるようにし ます。 ・全長 10m 前後のカウンターを設置します。 (貸出窓口 2 箇所、返却窓口 1 箇所、レファレンス*窓口 1 箇所) ・カウンターは柔軟な利用が可能なユニットタイプを検討します。威圧感 のないよう配慮し、車イス利用者も使いやすい形態とします。カウンター の背後に窓口職員の座席、移動等の配置スペースを設けます。 ・貸出・返却に利用する本棚、及びその間のブックトラック*等の移動スペー スを設けます。 ・貸出場所の付近に自動貸出機*、蔵書検索用端末機、記載台を設置します。 ■開架フロア(約1,300㎡) ◇一般開架スペース ・開架スペース ・自動貸出機 * 収容可能能力 約 114,000 冊 1台 ・蔵書検索端末機 2台 ・記載台 1台 ◇地域資料・参考図書スペース ・開架スペース 収容可能能力 40 約 16,000 冊 ◇雑誌、新聞コーナー ・雑誌架・新聞収納棚・新聞挿し等、設置します。 ◇閲覧・ブラウジング*スペース ・書籍等の資料を読むことのできるスペースとします。 ◇コピースペース ・コピー機台数 1台 ◇専門書・情報資料スペース ・健康・福祉等に関する専門書や情報資料を取り揃えます。 ◇AV 資料コーナー ・資料架収容可能能力 AV 資料 約 8,200 本 ・視聴スペース 個人ブースを間仕切ります。 ◇インターネットコーナー ・カウンター付近の目の届く場所にブースを設置します。 ・利用ブース数 4 人分 ■児童コーナー(約280㎡) ◇開架スペース ・書架スペース 収容可能能力 ・蔵書検索端末機 1台 約 20,000 冊 ◇おはなし室 ・閲覧スペースとは間仕切り、使用しないときは開放し閲覧スペースと一 体的に利用ができるスペースとします。 ◇こどもデスク ・数名の児童が利用できる子ども用の大型デスク 41 【閉架部門】 約300㎡ ■閉架書庫 ◇移動型集密書架スペース ・書庫内の移動スペースと収容増による棚の追加に配慮します。 ・収容可能能力 約 102,000 冊 ◇作業スペース ・荷解き、配送、選書、受入、整理、製本等の作業を行います。 【管理・運営部門】 約200㎡ ■事務スペース ・事務職員の机、イス等を配置し、管理事務を行います。 ■作業スペース ・荷解き、配送、受入、整理、製本等の作業を行います。 ■ホストコンピュータ室 ・ホストコンビュータを据え置き、職員の管理しやすい位置とします。 ■移動図書館用作業スペース ・荷解き、配送、受入、整理、製本等の作業を行います。 ■選書室 ・選書の作業を行います。 【移動図書館部門(BM 部門)】 約50㎡ ■移動図書館車用書庫 ・移動図書館車の本の積み替えや仮置きのためのスペースとします。また、 学校等へ団体貸出を行う際の作業にも使用します。 ・雨よけのための屋根(もしくは庇)を設置します。 42 2. 福祉センター機能 【子育て支援センター】 約 250 ㎡ 約 100 ㎡ 子育て支援センター全体は、明るく環境のよい場所に配置し、室内は 子どもが安心する配色を行い、床は子どもが転倒しても安心できる材質 のものを選定します。 なお、育児相談で個室が必要となる際は保健センターの相談室を共用 で使用します。 子育て支援センターに必要となる主要なスペースについて機能と設 備を挙げます。 ■下足コーナー ・上履き利用であるため、下足コーナーを設けます。 ■プレイルーム ・子どもが遊ぶことのできる場所となります。 ◇たたみ敷きコーナー ・寝そべっても構わないたたみ敷きのコーナーを設けます。 ・子どもの睡眠や、親たちが談話するスペースとしても活用します。簡単 な子育て相談を行う場にもなります。 ◇遊具倉庫 ・パーティション*で間仕切った遊具倉庫を設けます。 ■授乳室、調乳室 ・授乳・調乳のための部屋を設けます。 ・給排水設備、湯沸し設備を設置します。 ■専用トイレ ・子どもにトイレの仕方等を教育するための専用トイレを設けます。また、 併せておむつ交換台を設置します。 43 【社会福祉協議会】 約 150 ㎡ 社会福祉協議会全体は、開館時間や施設利用目的・対象が図書館や保 健センター部門と異なるため、配置・管理区分に配慮が必要となります。 社会福祉協議会に必要となる主要なスペースについて機能と必要設 備を挙げます。 ■事務室 ・社会福祉協議会とボランティアセンターの職員が事務作業を行う事務ス ペースとします。 ・湯沸し設備を設置します。 ・打合せコーナーを設けて小規模な会議は事務室の中で行います。大規模 な会議は共有のメディアホール等を利用します。または、市役所庁舎の 会議室を利用して対応します。 ・窓口カウンター・職員用ミーティングスペースを設けます。 ■相談室 ・窓口カウンターでの手続き以外の相談に対応する個室の相談室を 1 部屋 設けます。 ・1 部屋で対応できない場合は保健相談室等を利用します。 ■物品倉庫 ・各種資料・物品を保管する倉庫を設置します。 44 3. 保健センター機能 【保健サービスセンター】 約 850㎡ 約 500 ㎡ 保健サービスセンターは第3章で挙げたように、生活習慣病健診、各 種がん検診、乳幼児健診、乳児教室、母親学級や予防接種等、多様な各 事業に対応できる柔軟な施設計画と運用が必要となります。 保健サービスセンターに必要となる主要なスペースについて機能と 必要設備を挙げます。 ■待合ホール(約140㎡) ・保健・福祉センター部門の事業において健診・予防接種等で各利用者が 順番待ちするためのスペースが部屋内だけで不足する場合に利用します。 ・座って待つことができるようソファやベンチ等を設置します。 ■健康増進室(約200㎡) ・健康教育、健康相談、成人健康診査、乳幼児健康診査、予防接種等を行 います。 ・健診・予防接種時にはメインの会場となります。衛生的で安心して利用 できるよう配慮します。 ・乳幼児教室・1歳6ヶ月児健診・3歳児健診・予防接種・生活習慣病健 診・健康教室・講演会で利用します。 ・健康増進活動やトレーニング室として利用します。 ・器械器具収納室、シャワー施設等の整備を検討します。 ・パーティション*で間仕切り、2 部屋に区切ることにより、多目的に利用 可能な計画とします。 ・一方の部屋についてはたたみ等取り外しが可能でクッション性のあるも のを敷き、予防接種の後や、子どもや高齢者が座って休むことのできる スペースを確保します。 ・想定面積 約 200 ㎡ ・想定事業数 16 事業 ・想定利用頻度 平均 16 日/月 ・想定平均利用者数 051 人/日 ・想定最大利用者数 151 人/日 ・想定最小利用者数 005 人/日 45 ■消毒滅菌室(約20㎡) ・各種器具の消毒・滅菌を行います。 ・乾熱高気圧蒸気滅菌器、煮沸消毒器、ガス台、流し台、机・イスを設置 します。 ・蒸気で高温多湿となるため、仕上げ下地、仕上げ、換気能力等に十分配 慮します。 ■接種準備室(約20㎡) ・薬品・医療器具の保管、接種機材の調整を行います。 ・ワクチン保管冷凍冷蔵庫、機械戸棚、流し台、洗濯機、机、イスを設置 します。 ・薬品を扱うため、部屋の管理、仕上げ下地、仕上げ、換気能力等に十分 配慮します。 ■歯科相談室(約20㎡) ・歯科衛生の指導、相談を行います。 ・机・イス、鏡台、洗面設備を設置します。 ・衛生的な環境の維持が容易な計画とします。 ・保健相談室との間はパーティション*で区切ります。 グループ指導、グループワーク・集団指導等の際はパーティション*を開 放して 50 ㎡程度の部屋として一体的に利用します。 ・想定使用人数 20 人/回 ・想定事業数 2 事業 ・想定利用頻度 平均 3 日/月 ・想定平均利用者数 040 人/日 ・想定最大利用者数 100 人/日 ・想定最小利用者数 022 人/日 ■保健相談室 2 室(約30㎡) ・個別健康相談、特定保健指導、3 歳児健診の耳鼻科・眼科検診室、健診 での診察を行います。 ・相談室・診察室として 2 室で不足する場合は社会福祉協議会相談室との 併用もできる計画とします。 ・2 室間及び歯科相談室との間はパーティション*で区切ります。 グループ指導、グループワーク・集団指導等の際はパーティション*を開 放して 50 ㎡程度の部屋として一体的に利用します。 46 ・想定面積 約 15 ㎡/部屋を 2 部屋 ・想定事業数 2 事業 ・想定利用頻度 平均 6 日/月 ・想定平均利用者数 32 人/日 ・想定最大利用者数 41 人/日 ・想定最小利用者数 25 人/日 ■更衣室(約50㎡) ・健診(検診)時において利用できるよう、男女それぞれに分けて1箇所 ずつ設置します。 ■洗濯室(約20㎡) ・健診等で使用した白衣等の洗濯・乾燥を行います。 ・洗濯機・物干しあるいは洗濯乾燥機を設置します。 ・簡単な物干しスペースを設けます。 【研修・学習機能】 約200㎡ 栄養改善事業を行うために必要となる主要なスペースについて機 能と必要設備を挙げます。 ■調理実習室 ・食事指導のための試食づくりや食生活改善活動のための調理実習等の生 活指導を行います。 ・調理台を 8 台、イスを 48 脚設置します。調理台の 2 台は昇降機能付 とします。 ・調理備品を設置します。 ・手洗い専用設備を設けます。 ・安全面から IH 調理器を採用します。 ・上足利用であるため、専用の履物へ履き替えるための下駄箱と履き替え スペースを設けます。 ・想定平均使用人数 30 人/回 ・想定事業数 9 事業 ・想定利用頻度 平均 10 日/月 ・想定平均利用者数 15 人/日 ・想定最大利用者数 40 人/日 ・想定最小利用者数 03 人/日 47 ■栄養講義スペース ・離乳食教室等の試食と栄養教育、栄養相談等を行います。 ・調理実習を行う前後に講義・学習をすることが可能になります。 ・試食の際は栄養講義スペースを食事室として利用します。 ■その他 ・準備室、ロッカー、ベビーカー置場を設けます。 【保健センター事務】 約150㎡ 健康づくり課と国民健康保険課特定健診推進係の事務室、及び会議 室と倉庫を整備します。倉庫では乳幼児健診台帳、特定健診台帳、予 防接種台帳、健診教室等の物品保管、各種文書の保管を行います。事 務機能全体として 150 ㎡程度の整備を行います。 48 4. 共有機能 約1,400㎡ ■玄関 ・ (仮称)福祉・教育施設全体のメインエントランスとして 1 箇所、健診 時の市民の出入口として 1 箇所の計 2 箇所設置します。 ・図書館閉館時に貸出図書の返却ができるポストを玄関付近に設けます。 ■風除室 ・空調時の外気の進入を防ぐため、風除室を設けます。頻繁に入退館の通 過がある、玄関 2 箇所に設けます。 ・風除室には、傘立て、泥よけマットを設けます。 ・管理用出入口については通過する頻度に応じて風除室の要否を検討しま す。 ■エントランスホール ・複合施設の入口として、市民を迎え入れるホールを設けます。 ・各機能に個別にアクセスしやすいように計画します。 ・機能ごとに管理時間が異なるため、管理のしやすい計画とします。 ・市民に広く親しまれるように、エントランスホールの一角に展示スペー スを設け、 「古墳のまち」等を PR できる関連写真やジオラマの展示を検 討します。 ■展示スペース ・文化的、歴史的な作品を展示するスペースです。市民のグループ等が作 成した作品を展示することができるようにします。 ■談話スペース ・高齢者や子どもを含んだ誰でも、館内で休憩をしたい場合にイスやソ ファに腰をかけて休むことのできるスペースを設けます。 ・自動販売機等を設置して飲み物を飲みながら休憩できるようにします。 ■トイレ ・男子トイレ・女子トイレのほか、車イス利用者の不便のない広さを確保 し、手摺を設置します。人工ぼうこうや人工こう門を使用しているオス トメイト*に対応した設備を設けます。乳幼児を連れた方のためのベビー ベッドやベビーシート、ベビーチェアを備える等配慮します。 49 ■録音編集室 ・メディア機器を利用した録音、録画、編集などが行えるように、整備を 検討します。 ・社会福祉協議会では、朗読サービスや録音図書を作成する際に利用しま す。 ■メディアホール ・大型スクリーン・プロジェクター等視聴覚設備を備え、およそ 50 人を 収容することのできるホールです。座席は移動式とし、倉庫に机とイス を収納することで、ホールを各種イベント、研修会等、多目的に利用す ることが可能となります。 ■ミーティングラウンジ ・ミーティング等、多目的に利用します。 ■更衣室 ・職員が更衣に利用します。男女それぞれに分けて1箇所ずつ設置します。 ■倉庫 ・図書館部門、保健・福祉センター部門にそれぞれに1箇所ずつ設置しま す。 ■その他 ・印刷室、給湯室、通路、機械室等、施設に必要とされる機能を適宜設け ます。 50 第3節 全体規模の設定 1.施設規模 前節では、機能ごとに必要とされるおよその面積を算出しました。合 計は以下のようになります。 施設・機能 面 積 図書館機能 2,300㎡程度 子育て支援センター 100㎡程度 社会福祉協議会 150㎡程度 保健サービスセンター 500㎡程度 研修・学習機能 200㎡程度 保健センター事務 150㎡程度 福祉センター機能 保健センター機能 共有機能 1,400㎡程度 合計 4,800㎡程度 2.駐車場台数・駐輪場台数 ■駐車場台数 ・敷地内の利用者用駐車場として、車イス利用者用駐車場5台分を含めて 約100台分を確保します。専ら自家用車によるアクセスになるため、 一部の健診・検診時には敷地内の駐車場のみでは不足することが予想さ れます。がん検診等、一時に利用者が集中し不足することが見込まれる ときには、市役所庁舎及び消防防災センターの駐車場を一部共同利用し、 柔軟に対応します。 ■バイク駐車場台数 ・約30台分を確保します。 ■駐輪場台数 ・約50台分を確保します。 51 第5章 施設配置の検討 配置ゾーニング*案の検討 平面ゾーニング*案の検討 施設計画にあたっての検討事項 第1節 建設予定地からは西側に富士山を望むことができ、東側に神明山を仰ぎ見る立地 配置ゾーニング*案の検討 です。西側隣地には郵便局があり、今後消防防災センターが建設される予定です。 第 1 章第 3 節に示す設定された建設予定地は、接道する市道神明山線を挟んで、 駐車場を市役所駐車場と一体的に活用するために、市役所側(南側)に配置し、北 側に施設を配置することで、施設を平屋で建設しても、中から富士山を望むことが 南向きに市役所庁舎と対面します。 可能です。 (仮称)福祉・教育施設 建設予定地 消防防災センター 建設予定地 52 第2節 A 案:施設エントランスを南側に面して配置します。 平面ゾーニング*案の検討 B案:エントランスホール、図書館、子育て支援センター、保健・福祉センターなど複数の 主要機能から富士山を望むことのできる計画を行います。 前節での配置ゾーニング*案を元に、大きく考え方の異なる平面ゾーニング*案を3 案示します。次頁に、主要な観点より各案の相違点を抽出した比較表を示します。 C 案:南側は、外から図書館内部の活動の様子を見ることができるように計画を行います。 53 与条件からは、A 案が総合的に優れていると判断されますが、閲覧スペー スの西日対策や、アプローチについて課題を残しています。今後の検討にお いては、A 案を基本としながらさらなる検討が望まれ、造成計画や消防防災 センターとの調整を含めた総合的な計画が必要となります。 54 第3節 施設計画にあたっての検討事項 (仮称)福祉・教育施設は、富津市の将来の世代を担う社会の財産と なります。施設計画にあたり、 「安全・安心な施設計画」 「ユニバーサル デザイン*の実践」 「環境・健康に配慮した施設づくり」を達成すべき目 標とします。 1.安全・安心な施設計画 【大地震に耐える耐震性能の確保】 ■構造体の耐震安全性に関する基本的な項目 ・大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できるこ とを目標とし、人命の安全確保に加えて機能確保が図られるものとしま す。 ■地盤及び基礎構造 ・地盤は地震動における、液状化等の発生の可能性およびその程度を予測 し、それにより建築物等の保有すべき性能が損なわれないようにします。 基礎構造の損傷等により、上部構造の機能確保に有害な影響を与えない ものとします。 ■建築非構造部材の耐震性能設定 ・大地震動により建築非構造部材の損傷、移動等が発生する場合でも、人 命の安全確保と二次災害の防止が図られていることを目標とします。ま た、構造体の地震応答に対して安全なものとします。 ■各部設計 ・大地震動時の構造体の変形に対して追従するとともに、大地震動時の水 平方向、鉛直方向の地震力に対し、必要な安全性を確保します。 ■建築設備の耐震性能設定 ・大地震動時の水平方向及び鉛直方向の地震力に対し、移動、転倒、破損 等が生じないように固定します。 55 【防犯・災害への備え】 ■セキュリティ対策 ・図書館では、資料の盗難を防ぐために、ブックディテクション*を設置す ると共に、緊急時に備え非常通報設備を設置します。 ・管理スペースには、関係者以外の立ち入りを防ぐために、自動ロックや 暗証番号等を用いてセキュリティ対策を万全にします。 ■災害対策 ・安全な避難通路を確保し、分かりやすい避難経路を計画します。また、 障がい者にも非常時であることを知らせる警報設備を設置します。 ・水害について建設予定地は富津市のハザードマップにおいても指定され ていない浸水のおそれが少ない地域ですが、集中豪雨等による神明山側 の土砂災害に配慮した的確な造成計画が求められます。また、敷地内に 流入した雨水は速やかに排出を行い、雨水排出管の容量による必要に応 じて調整池を活用する計画を行います。 ・消防防災センターと災害対策について常に連絡を密にするとともに、非 常時に対応できるように緊急連絡設備の整備を図ります。 56 2.ユニバーサルデザイン*の実践 障がい者、高齢者、妊婦、子ども等を含む全ての人が、親しみを持っ て接しやすい施設づくりを目指します。物理的な段差等のバリアフ リー*化、閲覧室をはじめ出入り口、書架やサインのデザイン、扉の把 手や内装材の選定等利用者に分りやすくストレスや心理的な圧迫感を 与えないようにユニバーサルデザイン*に配慮した空間構成、家具デザ イン、インテリアデザインを行います。 ・施設は、利用しやすい平屋建とします。 ・施設内は極力段差、勾配の少ない計画とします。 ・車イスやオストメイト*対応・ベビーベットを置いた多目的トイレを設け ます。 ・車イスのまま利用できる閲覧席、冷水機と、電話機を設置します。 ・案内板や誘導表示等、わかりやすいサインを設置し、どの方面からの利 用者にも施設の所在がわかるように配慮します。 ・館内表示については館内の調和を重視しながらも、コントラストを明確 につけ、離れたところからも目に付くように配慮します。初めての利用 者にも判りやすくするためにサイン・表示に十分注意を払います。利用 案内や本の配架位置、書架サイン等をわかりやすく表示します。入り口 には視覚障がいをお持ちの方に配慮して点字で示した館内地図を掲示し ます。 ・子どもたちも利用するエリアの案内のサインは、よりわかりやすい表示 方法を工夫します。 57 3.環境・健康に配慮した施設づくり 地球環境問題により、公共施設の整備は環境への配慮が必須条件と なっています。建物の長期使用、ライフサイクルコスト*やライフサイ クル CO2*の削減、低炭素社会への対応や自然エネルギーの活用に積極 的に取り組み、高耐久かつ省エネルギーである、環境にやさしい施設整 備を目指します。 ■自然エネルギーの活用と光熱水費の縮減 ・太陽光発電設備の採用を検討し、太陽光発電パネルを屋上に設置するな ど、自然エネルギーの有効利用を検討します。 ・屋根面の降雨を施設基礎ピット内に貯留し、トイレ洗浄水や植栽潅水に 利用するなど雨水の中水利用を検討します。 ・空調・照明は、光熱費負担を軽減させるため、ゾーン・部屋ごとに必要 のない時はこまめに消すことができるよう、省エネルギーでかつ個別設 定が可能な方式を採用します。 ■健康・福祉の増進を図る施設として ・館内全般の禁煙化を推進します。 ・採光に配慮し、図書館の本には直射日光があたらないが、季節の移り変 わりを目や肌で感じられるよう、外部との接点を持たせます。 ・図書館の児童コーナーや福祉センターのプレイルーム及び保健センター の健康増進室などの床には、アトピーや喘息児にも配慮した素材を利用 します。併せて壁紙等のシックハウス対策を万全に行います。 58 第6章 管理運営 管理運営主体 管理運営計画 事業化に向けた条件整理 第1節 管理運営主体 1.対象施設及び機能 本事業に必要な施設・機能の管理運営主体とその主な事業内容を以下 に示します。 施設・機能 主な事業内容 担当部署 ・図書資料の貸出、閲覧、 レファレンスサービス* 図書館機能 ・インターネットによる情報検索 生涯学習課 ・映画会、お話会、各種イベントの実施 子育て支援 センター ・交流の場の提供 ・子育て相談 児童家庭課 ・子育て応援サポーターの育成 福祉センター 機能 社会福祉 協議会 ・訪問介護サービスの連絡・調整 ・ボランティア業務 社会福祉協議会 ・相談 保健 ・健診・検診 サービス ・保健指導・相談 センター ・予防接種 保健センター 機能 研修学習機能 保健センター 事務 共有機能 ・栄養改善の講習会の開催 ・健康増進事業 ・母子保健窓口業務 ・共有スペースの管理運営 (メディアホール、展示スペース等) 59 健康づくり課 国民健康保険課 健康づくり課 健康づくり課 国民健康保険課 - 2.管理運営主体の検討 図書館は、市が運営する方法と民間事業者に委託して運営する方法の 両方を視野に入れて今後とも検討を加えます。福祉センター、保健セン ターは、それぞれの事業を実施している市の主管部局が運営主体となり ます。また共有機能はそれぞれの運営主体で開館時間が異なるため、管 理運営主体は今後検討を行います。なお、施設全体の点検・保守、修繕、 設備運転、清掃等の維持管理や、警備、植栽管理等は、無駄を増やさな いよう市役所庁舎と同じく一元管理とします。 以下に各施設・機能をそれぞれ市が実施した場合と、指定管理者制度* 等で民間事業者に委託して実施した場合の比較を示します。 施設・機能 図書館機能 子育て支援センター 福祉センター 市が実施 民間事業者に委託 安定したサービスと他 市民ニーズへの柔軟 機関と連携した利用者 な対応等民間の幅広 を重視したサービスが いノウハウを活用す 提供しやすいと言われ ることが可能と言わ ている。 れている。 保育士と子育て応援サ 市民ニーズへの柔軟 ポーターによる運営の な対応等民間の幅広 ため、公平な安定した いノウハウを活用す サービスが提供しやす ることが可能といわ いと言われている。 れている。 機能 保健センター 機能 共有機能 社会福祉協議会 既に社会福祉協議会に委託された事務業務。 保健サービスセンター 市民の健診、予防接種、相談等は医師等へ委託 研修学習機能 して実施しており、民間事業者の事業としては 保健センター事務 なじまない。 各運営主体で開館時間が異なるため、原則、図 書館の主体が管理運営する。 60 第2節 管理運営計画 1.管理運営方針 本事業の管理運営の実施方針を以下に示します。 ■合築のメリットを活かした運営 ・図書館と保健福祉センターの合築により、異なる目的で来館した利用者 の交流を促進するとともに、 「図書館」 「子育て」 「高齢者」 「健康」をキー ワードに、それらを掛け合わせた様々な特色あるサービスを提供します。 ■効率的・効果的なサービスの提供 ・対面による相談や案内、市民が利用しやすい時間の設定等、時代の変化、 地域変化や、市民が求めるニーズの変化に柔軟に対応しながら、質の高 いサービスを効率的、効果的に提供します。 ■市民との連携・協働 ・各事業の運営は、市民やボランティア等に協力してもらえる部分は積極 的に参加してもらい、市民が自ら行政サービスを提供する協働の場とし ます。 ■施設の有効活用 ・メディアホールや展示スペース、録音編集室等は事業で使っていない時 間帯は、市民や企業等に有料で貸し出す等、柔軟な運営を行い、市の資 産である施設を有効に活用します。 ■市域全体へのサービスの提供 ・市域が広大であることに配慮した移動サービスなどを柔軟に展開します。 61 2.管理運営体制 (1) 開館時間 各施設・機能のオープン当初の開館時間は以下の様に想定します。 施設・機能 平日 8:30 土・日・休日 12:00 13:00 17:00 22:00 8:30 12:00 13:00 17:00 22:00 図書館 ※今後利用実態に合わせて 10:00~18:00 10:00~18:00 開館時間を設定します 福 祉 セ ン ター 子育て支援セ 社会福祉 8:30~17:30 協議会 保健サービス 保 健 10:00~16:00 ンター 8:30~17:30 センター セ ン 研修学習機能 8:30~17:30 ター 保健センター 8:30~17:30 事務 共有機能 8:30~18:00 10:00~18:00 (2) 職員配置 各施設・機能の運営にあたっては、市の職員、臨時・非常勤職員、ボ ランティア等により、業務の権限や必要なスキルに合わせて、適切な職 員を効率的に配置します。また共有化できる職員は運営主体間の壁を取 りはらって業務を実施する等、業務の内容に応じて効果的なサービスが 提供できる、柔軟性のある職員配置とします。 62 3.維持管理費の低減に関する検討 施設の管理運営には、事業を実施しサービスを提供する運営の他に、 施設をきれいに快適に維持管理する業務も必要となります。今回の施設 の維持管理業務としては大きく以下の4つがあります。 ① 建築物点検保守・修繕業務 ② ③ 建築設備運転監視業務 清掃等業務 ④ 警備業務 施設の維持管理費は大きく(1)上記①~④までの専門業者への外部 委託費と、 (2)施設で使われる光熱水費、 (3)建物の修繕費で構成さ れ、施設完成後もランニングコストとして管理運営費に大きく影響して きます。 以下に維持管理費を低減するための方針を示します。 (1)外部委託費の縮減 維持管理の外部委託費を縮減するため、建築の設備運転監視は、資格 等を必要としない、なるべく職員が対応出来る設備システムを導入しま す。また、市役所庁舎等との維持管理業務の一括発注による委託費全体 のコスト縮減を検討します。 (2)光熱水費の縮減 低炭素社会の実現に寄与し、かつ光熱水費を縮減するため以下に配慮 します。 ① 適切な維持管理の実施 室内の適切な冷暖房の温度設定や、使用しない部屋は照明を消す等、 運用面からのコスト縮減を図ります。 ② 施設面の工夫 春や秋の中間期は自然換気・通風により空調設備を使わなくても良い ような施設にするとともに、省エネ・省資源型の高効率設備機器の採用、 自然エネルギーの活用等、施設面の工夫でもコスト縮減を図ります。 (3)修繕費の縮減 修繕費を縮減するためには、外壁や屋根材等に耐久性が高く、汚れの つきにくい材料を使用するとともに、設備等が寿命を迎え、更新する際 にも容易に交換・改修できるようにします。また、将来の利用方法の変 化にもフレキシブルに対応出来る施設計画とします。 63 第3節 事業化に向けた条件整理 1.補助事業導入の検討 現時点で、基盤・施設整備で本事業に適用可能な補助事業はなく、施 設整備においては市の財源より効率的・効果的に事業を実施する必要が あります。 64 2.事業手法一覧 施設整備や管理運営の事業を実施する事業手法として、大きく以下の 3つの手法があります。 (1)市が施設整備し、市が管理運営する『従来方式』 (2)市が施設整備し、民間事業者が管理運営する『指定管理者制度*』 (3)民間事業者が施設整備と管理運営をする『PFI*方式』 それらの特色を以下に示します。 65 3.同種施設のPFI*事例 現状の図書館・保健センターのPFI*事例では図書館が4例、保健 センターが3例(桑名市図書館は保健センターと合築)あります。図書 館はいずれも他施設との合築で運営業務を含めてPFI*事業としてい ます。 保健センターを含めて床面積が 8,000 ㎡~1万㎡を超えるクラスが PFI*事業に適した規模となります。PFI*事業は事業者の応募のた めに要する費用が1件で2~3千万円を要し、また契約費用や金融費用 が発生することもあり、近年、PFI*での事業規模は大きくなる傾向 にあります。 また、保健センター事例ではPFI*事業化している部分は、総合受 付、郵便整理、レストラン運営と限定されており、健診事業自体のPF I*事業化は前例がありません。 種別 名称 場所 方式 事業 期間 事業費 床面積 (落札額) 図 書 館 保健センター 府中市民会館・中央図書館 東京都 116.6 13,500 BTO* 15 年 府中市 億円 ㎡ 桑名市図書館等複合施設 三重県 116.4 8,153 BOT* 30 年 桑名市 億円 ㎡ 長崎市立図書館 長崎県 82 億 11,300 BTO* 15 年 長崎市 円 ㎡ 稲城市立中央図書館 東京都 41 億 BTO* 20 年 稲城市 円 4,370 ㎡ 熊本市総合保健センター 熊本県 36 億 BTO* 20 年 熊本市 円 7,500 ㎡ 豊橋市保健センター 愛知県 BTO* 20 年 豊橋市 66 - 下限面積 8,725 ㎡ 施設構成等 2007 年 12 月開館 図書館運営業務もPFI*事業 ・市民会館 2,700 ㎡ ・中央図書館 5,100 ㎡ ・共有 3,000 ㎡ 2004 年 10 月開館 図書館運営業務もPFI*事業 ・3,4F 中央図書館 ・2F 中央保健センター 勤労青少年ホーム ・1F 多目的ホール・カフェ プレイルーム(託児) 2007 年 10 月開館 図書館運営業務もPFI*事業 ・図書館 8,000 ㎡ ・コミュニティ施設 600 ㎡ ・地下駐車場 2,700 ㎡ 2006 年 7 月開館 図書館運営業務もPFI*事業 ・図書館 3,290 ㎡ ・体験学習 1,080 ㎡ 2008 年 4 月開館 保健所運営の総合受付・郵便物整理を PFI*事業 ・熊本市保健所 ・中央保健福祉センター ・こども総合相談室 ・こどもの発達支援センター ・市民協働の広場 2010 年4月開館予定 レストランの運営をPFI*事業 ・保健センター ・保健所 ・地域療育センター ・休日夜間急病診療所 4.本計画のPFI*事業に係る条件整理 次に事業規模、立地ポテンシャル*など、いくつかの事項から本計画 の事業手法の条件を整理し、PFI*事業で収益を上げることにより市 の負担を軽減するような事業手法を採用することが可能かどうか検討 します。 事業規模 :本計画の事業規模、施設規模はPFI*事業とするには 規模が小さい。 事業内容 :図書館のPFI*事例はあるが、保健センターの健診事 業自体のPFI*事例はない。 付帯事業 :店舗やレストランなど高い収益性が見込める付帯事業 がない。 立地ポテンシャル* :現段階では交通アクセスの検討が必要である。 敷地の建設条件 :現段階では敷地の余剰容積などを活用して収益施設を 建設することは難しい。 以上の要件からPFI*の事業導入については難しいと思われます。 5.事業手法の方向性 本計画における事業手法については、従来型(公設公営)を基本に、 施設運営と併せて今後検討を行います。 67 参考資料 富津市複合施設整備基本計画策定懇談会設置要綱 (設置) 第1条 生涯学習の拠点となる図書館と保健活動の拠点となる健康・福祉総合支援センター との複合的な機能を併せ持つ施設(以下「複合施設」という。 )の整備基本計画の策定に 関して、幅広い視点から意見や助言を受けるため、富津市複合施設整備基本計画策定懇談 会(以下「懇談会」という。)を設置する。 (所掌事務) 第2条 懇談会は、複合施設整備基本計画策定に関する事項について調査検討し、必要に応 じて市長に意見又は助言を行う。 (組織) 第3条 懇談会は、委員11名以内をもって組織する。 2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。 (1) 市議会議員 3人以内 (2) 専門的知識を有する者 4人以内 (3) 学識経験者 2人以内 (4) 市内に住所を有する者 3 2人以内 前項第4号の委員は、公募することができる。 (委員の任期) 第4条 委員の任期は、委嘱した日から基本計画策定が完了した日までとする。 (会長及び副会長) 第5条 懇談会に会長及び副会長を置き、それぞれ委員の互選により定める。 2 会長は、会務を総理し、懇談会を代表する。 3 副会長は会長を補佐し、会長に事故あるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代行 する。 (会議) 第6条 懇談会は、会長が招集し、会長がその会議の議長となる。 2 懇談会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。 3 懇談会は、必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ意見を求めるこ とができる。 (庶務) 第7条 懇談会の庶務は、教育部複合施設建設推進課において行う。 (補則) 第8条 この要綱に定めるもののほか、懇談会の運営に関し必要な事項は、会長が懇談会に 諮り定める。 附 則 この要綱は、平成18年9月1日から施行する。 富津市複合施設整備検討委員会設置要綱 (設置) 第1条 生涯学習の拠点となる図書館と保健活動の拠点となる健康・福祉総合支援センター との複合的な機能を併せ持つ施設(以下「複合施設」という。)の整備を図るため、富津 市複合施設整備検討委員会(以下「検討委員会」という。 )を設置する。 (所掌事務) 第 2 条 検討委員会は、複合施設の整備のための調査及び検討を行い、市長に報告する。 (組織) 第3条 検討委員会の構成員は、別表 1 の職のある者をもって充てる。 (役員) 第4条 検討委員会の委員長は、副市長、 副委員長は、教育長の職にある者をもって充てる。 (役員の職務) 第5条 委員長は、検討委員会を代表し、会務を総理する。 2 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代行する。 (会議) 第6条 検討委員会は、委員長が招集する。 2 検討委員会は、委員定数の過半数以上の出席がなければ開催できない。 3 委員長は、 必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させることができる。 (部会) 第7条 検討委員会に部会を設置する。 2 部会の構成員は、別表2の職にある者をもって充てる。 3 部会の部会長は、教育部次長、副部会長は、健康福祉部次長の職にある者をもって充て る。 4 部会は、検討委員会の方針に沿って細部の検討を行うものとする。 (事務局) 第8条 検討委員会の事務局は、教育部複合施設建設推進課に置く。 附 則 この要綱は、平成18年8月1日から施行する。 この要綱は、平成19年4月1日から施行する。 この要綱は、平成19年5月22日から施行する。 この要綱は、平成20年4月1日から施行する。 別表1(第 3 条)検討委員会構成員 副市長 教育長 総務部長 企画財政部長 健康福祉部長 建設部長 教育部長 別表2(第 7 条第 2 項)部会構成員 教育部次長 健康福祉部次長 総務部行政管理課長 企画財政部企画政策課長 企画財政部財政課長 企画財政部情報課長 健康福祉部社会福祉課長 健康福祉部健康づくり課長 建設部建設課主幹 教育部生涯学習課長 健康福祉部児童家庭課長 健康福祉部介護福祉課長 建設部街づくり課長 市民部市民課長 健康福祉部国民健康保険課長 用語解説(五十音順-ABC 順) アーカイブ 文書保管を目的とした施設や仕組みのこと。 イントラネット 限定された範囲を対象に構築されたコンピュータネットワークを指す。 インフラ 国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設のこと。インフラストラクチャー。ここでは上水 道、下水道、電気、ガス、電話などを指し、社会基盤のことを指す。 オストメイト 直腸がんや膀胱がんなどが原因で臓器に機能障がいを負い,手術によって,人工的に腹部へ人工肛門 や人工膀胱を造設した人のこと。 拡大読書器 弱視者、高齢者を主な対象とした、テレビ画面に文字等を大きく映し出す器械のこと。 ケアプラン どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のこと。また、ケアプランを作成 することにより、介護保険給付を適正に管理し、介護保険を有効に利用することができる。 ケアカンファレンス ケアプランの作成にあたって、各介護サービスの担当者が集まる会議のこと。サービス担当者会議と もいう。介護を受ける人の状況や生活する上での環境、本人や家族の希望などにもとづいて共通した 介護の方針を確認し、実際の介護サービスの種類や内容、達成時期などを決定する。この会議での方 針をケアプランに反映することになる。 指定管理者制度 市が指定する法人等(指定管理者)が公の施設の管理を行う制度のこと。公の施設の管理全般につい て指定管理者が権限を行使し、責任を負って管理運営を行う。多様化する市民ニーズに、より効果的・ 効率的に対応するため、民間の能力を活用しつつ、市民サービスの向上と経費の削減等を図ることを 目的とする。 自動貸出機/IC タグ 自動貸出機とは図書の貸出手続きを行う機械のこと。昨今は利用者のプライバシーへの配慮や図書館 の業務の効率化を目的に導入されている。IC タグとは小型の情報チップのことであり、図書へ IC タグ を設置することで自動貸出機が情報を読み取ることが可能となる。 ゾーニング 都市計画、建築計画で一つの地域全体あるいは建築空間を機能、用途、 法的規制などによりいくつか に小分割すること。位置や広さを大まかに「ゾーン」として捉え、それを効率的に配置すること。 大活字本 弱視者、高齢者を主な対象とした、大きな活字を用いて読みやすくした図書のこと。 中央図書館 公共図書館は、一般的に都道府県立と市区町村立に分けて考えられ、前者を広域参考図書館、後者を 地域図書館(中心館、分館、BM*から構成)として位置づけられる。 ・広域参考図書館:行政単位に複数間ある図書館を援助するとともに、レファレンスサービス*を 行う。 ・地域中心館:貸出、レファレンスサービス*、保存等を中心に運営し、分館群、BM*との連携、 援助により利用者へのサービスを行う。 (市ヶ谷出版社発行 建築計画・設計シリーズ 13 図書館 より) 基本計画書における「中央図書館」は市立図書館であり、分館群がないが、機能上は「地域中心館」 に準じたものを指す。 パーティション 部屋の仕切り、衝立、間仕切りのこと。一般に建築の壁と区別し、解体・移設の容易なものを指す。 パブリックコメント 公的な機関が規則あるいは命令などの類のものを制定しようとするときに、広く公に、意見・情報・ 改善案などを求める手続をいう。公的な機関が規則などを定める前に、その影響が及ぶ対象者などの 意見を事前に聴取し、その結果を反映させることによって、よりよい行政を目指すものである。 「意見 公募手続」ともいう。 バリアフリー 高齢者等の社会生活弱者、障がい者が社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障がいや精 神的な障壁を取り除くための施策、若しくは障がいを取り除いた状態をいう。 ブックスタート 乳児とその保護者に絵本や子育てに関する情報などが入ったブックスタート・パックを手渡し、絵本 を介して心ふれあうひとときをもつきっかけをつくる活動のこと。 ブックディテクション 貸出処理が済んでいない図書を持ったまま出入口に設置されたゲートを通ると警告音が鳴るシステム のこと。予め蔵書にタグを取り付ける必要がある。 ブックトラック 本を運ぶためのワゴンのこと。 ブラウジング 本棚を眺め回して、気になる本があれば目次やまえがきなどを拾い読みし、期待する情報を探す行為 のこと。 ポテンシャル 「潜在性」を示す物理用語。広義に潜在的に持っている可能性としての力として使われている。 ユニバーサルデザイン 老若男女といった差異、障がい・能力の如何を問わずに利用することができる施設や製品、情報の設 計(デザイン)をいう。UD とも略記される。 ライフサイクルコスト 建築物の費用について、材料の調達や製造から、運用、解体、処分の段階をトータルして考えたもの。 建築物の企画、設計に始まり、竣工、運用を経て、修繕、耐用年数の経過により解体処分するまでを 建物の生涯と定義して、その全期間に要する費用を意味する。費用対効果を推し量るうえでも重要な 基礎となり.初期建設費であるイニシャルコストと、エネルギー費、保全費、改修、更新費などのラ ンニングコストにより構成される。生涯費用や LCC とも表記される。 ライフサイクル CO2 建築物の建設から運用、解体までのライフサイクルを通して排出される二酸化炭素(CO2)の量のこ と。建物が与える地球温暖化への影響を評価する指標となる。LCCO2 とも略記される。 レファレンス・レファレンスサービス 図書館利用者が学習・研究・調査を目的として必要な情報・資料などを求めた際に、図書館員が情報 や、必要とされる資料を検索・提供・回答し、利用者を助ける業務のこと。需要の多い質問に対して 予め、書誌や索引を準備・作成する作業を含むこともある。 BM 移動図書館のこと。 BOT方式 民間事業者が施設建設(Build)、施設の維持管理、運営(Operate)を行い、事業期間終了後、施設の所 有権を公共に移転(Transfer)する方式 BTO方式 民間事業者が施設建設(Build)後に施設の所有権を公共に移転(Transfer)し、施設の維持管理、運営 (Operate)を民間事業者が行なう方式。 PFI 方式 (Private Finance Initiative) 公共施設等の建設、維持管理、運営を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う事業方式。