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集積分子工学部門

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集積分子工学部門
Integrated Molecular Engineering Division
資源研 集積分子 統合
集積分子工学部門
教 授 彌田 智一
分子やナノ材料を自在に集積。統合・拡張型の分子材料工学を
准 教 授 長井 圭治
開拓します。
キーワード : 高分子ミクロ相分離、テンプレート、ボトムアッププロセス、光エネルギー変換
本部門は、分子を究極のユニットとして階層的に組織化する分子システムおよび構造微細化によって新た
な機能・物性を発現するナノ材料を自在に配置・集積・組織化する統合・拡張型の分子材料工学を開拓します。
分野別に発展してきた物質科学や材料工学を統合し、集積化プロセスの開発と集積構造に特異的な新機能を
開拓します。高分子、金属、半導体、生物組織などさまざまな物質を対象に、①… 光エネルギー変換分子材
料化学および…②…テンプレート材料化学の学理と技術を開拓します。
集積材料化学の開拓
光エネルギー変換分子材料化学
最先端の半導体チップには、トランジスター約 10 億
個が集積され、各トランジスターが設計図通りに配線さ
れて、さらに、これが量産プロセスにのって、身近のコ
ンピューターに搭載されています。トランジスター自身
は、単純なスイッチ機能や増幅機能しかもちませんが、
多数のトランジスターが設計通りに配置・配線されて、
電気的に複雑に結合すると、人工知能のような遥かに高
度な機能デバイスになります。原子が組み合わさって
様々な分子ができるように、分子をひとつの機能単位に
見立てて、互いに連携させて高機能化をめざす超分子化
学が生まれたのも、集積回路の考え方と通じます。ナノ
メートル領域でハイブリッド(=集積化)させると、構
成材料の単なる足し合わせを遥かに超える高機能化が期
待されます。こうなると、従来のように化学組成が一義
的に物性を決定するのではなく、夥しい種類の既存材料
も、サイズ、かたち、配置・配列をプログラムできるプ
ロセス技術の開発によって、
“人工物質(materialoid)”
の創製が可能です。有機、無機、高分子、金属など分野
別に蓄積してきた膨大な物質科学を
“資源(Resources)
”とする新しい材料創成の方法論です。例えば、高
分子ナノ相分離構造のテンプレートプロセスを用いて、
二成分ナノ規則構造の人工物質の合成と機能を開拓して
います。
自然に降り注ぐ太陽光や室内の弱い光を利用する光エ
ネルギー変換は、エネルギー問題や環境問題に直結する
重要な研究課題です。光合成において、励起エネルギー
移動反応、光誘起電子移動反応、更に多電子酸化還元反
応が一方向的にナノスケールで配置されています。高効
率な光エネルギー変換のためには、このような一方向的
な電子移動と両端に酸化還元反応を空間的に配置するこ
とが重要です。さらにこれら各プロセスの反応速度を
マッチさせることが必要です。独自に開発した有機半導
体ナノ粒子 p n 接合体や両親媒性ブロックコポリマー
膜などを骨格として、膜の表裏に酸化還元反応サイトを
置いた高分子型人工光合成膜の開発を進め、水の可視光
分解や汚濁物質の光触媒的分解に関する研究を行ってい
ます。有機半導体への可視光照射による水からの酸素発
生や水素発生を世界に先駆けて実証してきました。集積
分子工学的手法により、各素過程の速度と収率をマッチ
させて高効率な光エネルギー変換素子の構築を目指して
います。
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