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2013年10月号~投球障害(野球肩)について
リハビリテーション科通信 ~投球障害(野球肩)について~ 野球をやっている方は一度は聞いたことがあるかもしれない投球障害肩(野球肩)。ある文献によると肩の痛みを有 する人の約 20%は実際に病院へ受診しますが、残りの約 80%は我慢、もしくは市販の薬を使用しているようです。 年代でいうと小学生から高校生が多く、学年が上がっていくほど多い傾向にあります。 投球障害肩の種類 ・肩関節不安定症 ・肩関節唇損傷 ・腱板損傷 ・肩峰下インピンジメント症候群 etc これら一部ですがこのような種類があります。 原因(身体機能) 原因は色々ありますが腱板機能の低下、肩の後方軟部組織(筋肉、腱、関節包など)の柔軟性低下、肩甲骨の機能 異常などがあります。 ①腱板機能低下 腱板とは棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉をいいます。この4つの筋肉は投球時にスムーズに肩が 回転するように肩関節を安定させています。これらの筋肉が弱化すると肩関節が不安定になり投球を繰り返すこと により腱板断裂や骨の間に腱が挟まれるインピンジメントが生じます。 ②肩の後方軟部組織の柔軟性低下 後方の三角筋後部線維、棘下筋、小円筋などの柔軟性低下により、肩関節の可動域が制限され筋肉の腱付着部の損 傷や投球時の肩関節を安定させる位置に保持できない状態を招きます。 ③肩甲骨の機能異常 肩甲骨の位置が外転、下方回旋、前傾(つまり外に開いて羽のように肩甲骨の下側が浮き上がる状態)になる傾向 があります。大小胸筋の柔軟性低下、後面の大小菱形筋、肩甲挙筋、僧帽筋の機能低下などにより引き起こされ投 球時の上半身の回旋やテイクバック時の肩甲骨内転動作を作ることができません。 原因(投球フォーム) 不良なフォームで投げることによっても肩関節に負担がかかります。 次のようなフォームで投げていませんか?? ① コッキング期で過剰に肘を後ろに引 いて体が早く開いてしまう。 ② コッキング期~リリース時に肘 ③体幹(体)の回旋が不足して手 下がりになってしまう。 投げになってしまう。 投球障害にならないために以下の方法で予防していきましょう! セルフエクササイズ ①腱板訓練 A と B は肘を脇から離さないように行います。 A B ②肩関節ストレッチ C ③肩甲骨ストレッチ 図のように手を開いていく。 この時に骨盤、脚は動かさないようにします。 肩に負担のかからないフォーム 図のように非投球側の肩~投球側の肘まで揃うようなポジションで投球を行うと肩に負担がかからないと言われて います。少し意識して投げてみてください。 ふれあい横浜ホスピタル リハビリテーションセンター